愛 知 農 総 試 研 報 39: 33-37 (2007 ) Res.Bull.Aichi Ag ric.Res.Ctr. 39: 33-3 7(200 7) モリブデンの葉面散布がレタス、リーフレタス及びコマツナの 硝酸態窒素濃度に及ぼす影響 * * 清 水 知 子 ・ 矢部 和 則 ・ 山 下文 秋 * 摘 要 : レ タ ス 、 リ ーフ レ タ ス 及 び コマ ツ ナ の 冬 穫 り 栽培 に お い て 、 モリ ブ デ ン の 葉 面散 布 が 植 物 体 中 の 硝酸 態 窒 素 濃 度 に及 ぼ す 影 響 を 検討 し た 。 そ の 結果 は 次 の 通 り で あっ た 。 -1 1 レ タ ス 及 び リ ーフ レ タ ス で は 、 100mg・L 濃 度 のモ リ ブ デ ン を 収穫 9 日 前 に 株 当た り 50 mL葉 面 散 布 する と 、 硝 酸 態 窒素 濃 度 は レ タ スで 9 % 、 リ ー フレ タ ス で 57% 低 下し た 。 -1 2 コ マ ツ ナ で は 、 1 00mg・L 濃 度 の モ リ ブ デン を 収 穫 7 日 前 に ㎡ 当 た り 250mL葉 面 散 布 す る と 、 硝 酸 態窒 素 濃 度 は、 味 彩 3 で 17% 、 は づき で 32% 低 下 した 。 こ れ ら の 結 果 から 、 レ タ ス 、 リー フ レ タ ス 及 び コマ ツ ナ で は 、 モリ ブ デ ン の 葉 面散 布 は 、 硝 酸 態 窒 素 濃度 の 低 減 効 果 があ る 。 ま た 、 低 下の 程 度 は 、 品 種間 や 結 球 性 の タイ プ に よ り 異 な るこ と が 明 ら か とな っ た 。 キ ー ワ ー ド : レタ ス 、 リ ー フ レタ ス 、 コ マ ツ ナ、 硝 酸 態 窒 素 、モ リ ブ デ ン 、 葉 面散 布 Effects of Foliar Application of Molybdenum on Nitrate Concentration in Lettuce,Leaf Lettuce,and Spinach Mustard SHIMIZU Tomoko, YABE Kazunori a nd YAMASHIT A Hum iaki A bstract: W e studied the effects of m olyb denum foliar application on nitrate decr ea se in w inter har vested lettuce , leaf lettuc e and spinach m ustard. T he r esults were as follow s; 1 . D ec rease r ate of nitrate w as 9 % a nd 5 7% respectiv ely, in l ettuce and leaf lettuce to -1 spray the moly bdenum sol uti on( 10 0m g・ L ) b y 50 m L pe r c r op. Th e peri od of f ol ia r a pplic ation w as 9 day s before harvesting. 2 . D ecrea se ra te of ni tr ate wa s 17 % a nd 32 % r espect ive ly , i n spi na ch m usta r d v a r. -1 ‘Ajisa i' and va r. ‘Hazuki’ to spr ay the m olyb denum solution( 100m g・ L ) b y 2 50m L per 2 m area. The period of f oliar application was 7 days befor e ha rvesting. 3 . It was c lea red tha t the m oly bde num f oli ar a pplic a tion w as ef f ecti ve to dec re ase nitrate in lettuce, leaf lettuce and spinach m ustard. T hese effects differenced b y variety a nd the m agnitude of heading forma tion. K ey Words: Lettuce ,L ea f lettuce ,Spina ch mustar d,Nitrate nitr ogen ,Molyb denum ,F olia r a pplication 本 研 究の 一 部 は 、 平 成19年 度 園 芸 学 会秋 季 大 会 に お いて 発 表 し た 。 * 園芸研究部 (2007.9 .10 受 理 ) 34 清水 ・矢 部・ 山下 :モ リブ デン の葉 面散 布が レタ ス、 リ ーフ レタ ス及 びコ マツ ナの 硝 酸態 窒素 濃度 に及 ぼす 影響 緒 倍で添 加後 、電 動ス プレ ーに より 茎葉 全体に 付着 する よ 言 う散布 した 。対 照区 は、 展着 剤の みを 添加し た水 を散 布 近 年、 野菜 に含 まれ る硝 酸態 窒素 が健康 の関 連で 関心 が高 まり 、硝 酸態 窒素 含有 量低 減の ための 技術 が各 方面 で研 究さ れつ つあ る した。散布 量は 1株 当た り50mLとし た。サン プリ ングは 、 処理9 日後 の11月25日に 行っ た。 1−3) 。 筆 者ら は、 2002年か ら2004年 まで 農林水 産省 先端 技術 高度 化事 業に より 、結 球葉 菜類 であ るキャ ベツ 及び ハク 試験 2 試験 は、 場内 ビニ ルハ ウス (無 加温 )の地 床栽 培で 行 サ イの 低 硝 酸化 技 術 の開 発 研究 に 取 り 組 み 、 窒 素 施 用 量 4, 5 ) や微 量 要素 の葉 面散 布 6−8) 、 肥料 窒素 の 形態 や施 モ リブ デンの 葉 面散 布 がコマツナの 硝酸 態 窒素 濃 度及び 生育 に及 ぼす影 響 った。 供試 品種 は、 は づき (サ カタの タネ )及 び 味 9 , 10 ) 彩 (ト ーホ ク)を用 い、2005年11月15日に播 種( 条播 ) 、 かに した 。 11月25日に 間引 きを 行っ た。 栽植 密度 は、株 間5 ㎝、 条 用時 期 が 硝酸 態窒 素濃 度に 及ぼす 影響 につ いて 明ら 本 報で は、 アブ ラナ 科の 結球 葉菜 類であ るキ ャベ ツ、 間15㎝ 、畝 間135㎝の 4条植 えと し、 1区 1.4㎡、 2連 制 ハク サイ にお いて 、低 減効 果が 認め られた モリ ブデ ンの で行 った 。施 肥は 、 N-P 2O 5-K 2O=1.2-1.2-1.2kga を11月 葉面 散布 が、 キク 科の レタ ス、 リー フレタ ス及 びア ブラ 4日に 全量 基肥 施用 した 。 -1 ナ科 の非 結球 葉菜 類で ある コマ ツナ に対す る硝 酸態 窒素 12月 28日 に、 試験 1と 同様 の方 法で モリブ デン の葉 面 濃度 、窒 素吸 収量 に及 ぼす 影響 につ いて検 討し たの で報 散布 処理 を 行っ た 。散 布 量は 、250mL・㎡ とし た 。サ ン 告す る。 プリン グは 、処 理前 の12月28日及 び処 理7日 後の 2006年 -1 1月4 日に 行っ た。 試験 1、2 にお ける 植物体 の採 取及 び調 製に つい ては、 材料及び方法 採取後 に地 上部 の生 体重 又は 調整 重を 測定し 、直 ちに 70 試 験1 モリ ブデン の葉 面 散布 が レタス及び リーフレタ スの ℃で1 週間 通風 乾燥 し、 乾物 重を 測定 後に粉 砕し て分 析 に供し た。 硝酸 態窒 素濃 度及 び生育 に及ぼ す影響 植物 体の 分析 につ いて 、硝 酸態 窒素 は、粉 砕試 料に 蒸 試 験は 、場 内露 地圃 場で 行っ た( 中粗粒 灰色 台地 土、 長久 手統 )。供 試品種 は、 結球 性レ タス の シス コ (タ キイ 種苗 )及 び非 結球 性リ ーフ レタ スの レッ ドフ ァイ ヤ ー ( タ キ イ 種 苗 ) を 用 い 、 2 005年 8 月 18日 に 播 種 ( 128穴 セル トレ イ)、9月 16日 に定 植し た。栽 植密 度は、 留水を 加え 、80℃で 1時 間振 とう 後に ろ過し た抽 出液 を Cataldo法 11 ) に よ り測 定 した 。 全窒 素濃 度 は、 粉 砕試 料 をNC アナ ライ ザー (ジ ェイ サイ エン ス・ラ ボ製 JM I 1000C N) で測 定し た。 -1 株間 33㎝ 、畝 間120㎝ 、2 条千 鳥植 え、 500株・a と し、 試験結果 1区 12株 (2.4㎡)、2 連制 で行 った。 施肥 は、 全量 基肥 -1 と し、 N-P 2O 5 -K 2O=2.0-0.8-2.0kg・a を9 月 9日 に 施用 試験 1 した 。 モ リブ デン の葉 面散 布処 理は 、11月16日 に行 った 。葉 硝酸態 窒素 濃度 及び生 育に及 ぼす影 響 レタ ス及 びリ ーフ レタ ス共 に対 照区 に比べ 、モ リブ デ 面散 布処 理は 、モリブ デン 酸ナ トリ ウム(Na 2MoO4 ・2H 2O ) -1 を用 い、 モリ ブデ ン濃 度を 100mg・L と し、 展着 剤を 5000 表1 モ リブ デンの 葉 面散 布が レタ ス及 びリー フレ タスの ン葉面 散布 処理 区の 硝酸 態窒 素濃 度は 低かっ た。 レタ ス モリ ブ デ ン の 葉 面 散 布が レ タ ス 及 び リ ー フレ タ ス の 乾 物中 硝 酸 態窒 素 濃度 、 全 窒素 濃 度 及び 調 製重 に 及 ぼす 影 響 種類 Mo散 布 硝酸 態 窒素 濃 度 -1 ( mg・㎏ ・DW) 乾 物 中 全 窒 乾物 率 素濃 度 NO 3-N/T-N (% ) ( %) 3.9 3.9 4.8( 100) 全窒素 -1 (mg・株 ) 調製 重 -1 (g ・株 ) (% ) レタス リ ー フレ タ ス 有 意性 2) 対照 区 1.9(100) 処理 区 1.7( 91) 3.7 3.7 対照 区 7.3( 100) 4.5 処理 区 3.1( 43) 4.5 2) 647 427± 159 4.6( 96) 634 457± 147 5.7 16.2( 100) 1082 420± 104 6.2 7.1( 43) 1070 388± 40 3) 1) 平 均値 ±標 準偏 差 2) ()内 は、 対照 区を 100と した 場合 の相 対値 (%)を示 す。 3) Tukeyの多 重比 較検 定に より 、有 意差 なし をn.s.で 表し た。 n.s. 1) 9 a a -1 処理区 a 硝酸態窒素濃度(mg・g -1 硝酸態窒素濃度(mg・g 対照区 ・DW) 愛 知 県 農 業 総 合 試 験 場 研 究 報 告 第 39号 ・DW) 35 ** 6 b 3 0 処理前 処理7日後 **Tukey の多重比較検定により、 品 種名 は づき 味彩 有 意性 1) a b* 10 5 0 処理前 図2 の 硝 酸態 窒 素 濃度 に 及 ぼす 影 響 表2 a 処理7日後 異符号間に有意差 あり(P<0.05) モ リブ デ ンの 葉 面 散布 が コ マツ ナ はづき a 15 処理区 *Tukey の 多重比較検定により、 異符号間 に有意差あり(P<0.01) 図1 対照区 モ リ ブ デン の 葉 面散 布 が コマ ツ ナ 味彩 の硝 酸 態 窒素 濃 度 に及 ぼ す 影響 モリ ブ デ ンの 葉 面 散布 処 理 がコ マ ツナ の 品 種別 乾 物 中窒 素 濃 度に 及 ぼ す影 響 Mo散 布 乾 物中 全 窒 素濃 度 (% ) NO 3 -N/T-N(% ) 乾 物 率 (% ) 区別 処理前 7 日後 処理前 7 日後 処理前 対照 区 5.8 5.3 12.0 14.4 7.3 7.3 処理 区 5.8 5.5 12.0 9.4 7.3 7.9 対照 区 6.2 5.8 24.0 22.0 7.0 6.5 処理 区 6.2 5.8 24.0 18.3 7.0 6.7 品種間 処理区間 7日 後 * ** ** n.s. ** n.s. 1) 有意 性は 、 t検 定に よ り、 有意 差あ り *( p< 0.05 )、 **( p< 0.01 )、有 意 差な しn.s.で 表 した 。 表3 品 種名 モ リ ブデ ン の 葉面 散 布が コ マ ツナ の 品 種別 生 体 重及 び 窒素 吸 収 量に 及 ぼ す影 響 Mo散 布 区別 -1 生 体 重 (g ・株 ) 処理前 7 日後 -1 窒 素 吸 収量 ( mg・株 ) 処理 前 7日 後 処 理 前 から 処 理 7 日 後 ま で の窒 素 吸 収量 -1 ( mg・株 ) は づき 味彩 有 意性 1) 対照 区 7.9 12.1 33.2 46.3 13.2 ( 1 00) a 処理 区 7.9 11.6 33.2 50.3 17.1 ( 1 30) b 対照 区 7.8 16.0 33.5 60.8 27.3 ( 1 00) c 処理 区 7.8 15.7 33.5 61.3 27.7 ( 1 01) c 品種間 n.s. ** n.s. ** ** 処理区間 n.s. n.s. n.s. n.s. * 2) 1 ) 有 意性 は 、 t 検定により、有 意差 あ り *(p < 0.05 )、 **(p < 0.01 )、 有 意差 な し n.s.で 表し た 。 2) 異 符 号 間に 有 意差 あ り (p < 0.05)。 は、 処理 区の 硝酸 態窒 素濃 度が 対照 区に比 べ、 9% 低減 した 。リ ーフ レタ スで は、 処理 区の 硝酸態 窒素 濃 度が (表1 )。 全窒 素濃 度及 び株 当た りの 全窒 素量 は、レタ スに 比べ、 対照 区に 比べ 、57%低 減し た。 硝酸 態窒素 濃度 は、 対照 リーフ レタ スが 高か った が、 レタ ス及 びリー フレ タス 共 区、 処理 区共 にレ タス に比 べ、 リー フレタ スが 高か った に、モ リブ デン 葉面 散布 処理 区と 対照 区との 間に 差は み 清水 ・矢 部・ 山下 :モ リブ デン の葉 面散 布が レタ ス、 リ ーフ レタ ス及 びコ マツ ナの 硝 酸態 窒素 濃度 に及 ぼす 影響 36 ら れな かっ た。 全窒 素 中の 硝酸 態窒 素の 割 合( NO 3 -N/T- 濃度及 び生 育に 及ぼ す影 響を 調査 した 。また 、ア ブラ ナ N) は、 レ タス で は処 理 区間 に 明ら か な差 が みら れ なか 科葉菜 にお いて も、 非結 球葉 菜で の反 応を見 るた め、 コ った が、 リー フレ タス では 対照 区に 比べ、 モリ ブデ ン葉 マツナ を供 試し て、 モリ ブデ ンの 葉面 散布が 同様 の調 査 面散 布処 理区 が低 かっ た。 また 、レ タスに 比べ 、リ ーフ を行っ た。 レタ スの 硝酸 態窒 素の 割合 が高 かっ た。 試験 1に おい て、 結球 性レ タス 及び 非結球 性リ ーフ レ 調 製重 は、 レタ スと リー フレ タス の間に 有意 差は みら タスへ のモ リブ デン の葉 面散 布処 理の 効果を 検討 した と れず 、ま た、 対照 区と モリ ブデ ン葉 面散布 処理 区の 間に ころ、 硝酸 態窒 素濃 度の 低下 や全 窒素 中の硝 酸態 窒素 の も有 意差 はみ られ なか った (表 1)。 割合が 低下 する など の結 果が 得ら れた 。従っ てモ リブ デ ンの葉 面散 布処 理が キャ ベツ やハ クサ イと同 様に 、キ ク 試 験2 モリ ブデン の葉 面 散布 が コマツナの 硝 酸態 窒 素濃 度及 び生育 に及ぼ す影響 科のレ タス 及び リー フレ タス にお いて も、硝 酸態 窒素 濃 度を低 減す るこ とが 可能 であ ると 考え られる 。こ のモ リ 処 理7 日後 では 、モ リブ デン 葉面 散布処 理区 の硝 酸態 窒素 濃度 が対 照区 に比 べ、 は づき で 32%、 味彩 17% それぞれ低減した。また、 はづき で に比べ、 味彩 ブデン の葉 面散 布処 理に よる 硝酸 態窒 素濃度 の低 減効 果 は、処 理区 間で 、全 窒素 濃度 や株 当た りの窒 素吸 収量 に 差がな かっ たこ とか ら、 硝酸 態窒 素を 含む窒 素の 吸収 抑 の硝 酸態 窒素 濃度 がい ずれ の区 にお いても 高か った (図 制によ るも ので はな く、 吸収 され た硝 酸態窒 素の 植物 体 1、 2)。 内にお ける 還元 化が 促進 され た結 果に よるも のと 推察 さ 全窒 素 濃度 は、 味 彩 率 は、 は づき が が 味彩 はづ き よ り 高く 、 乾物 れる。 特に 、モ リブ デン の葉 面散 布に より、 リー フレ タ よ り高 か った 。 両品 種 共に スにお いて 、硝 酸態 窒素 濃度 低減 効果 が高か った 。こ れ モ リ ブ デ ン葉 面 散 布 処 理 間 に 差は み ら れ な か っ た( 表 は、リ ーフ レタ スは 、葉 面散 布に よる 付着、 吸収 形態 に 2)。 優れ、 なお かつ 、受 光体 勢が 優れ てお り、N R活 性を 高 全窒 素中 の硝 酸態 窒 素の 割合 (NO 3-N/T-N) は、 はづ き では 、処 理7 日後 にお いて 、対 照区で は、 処理 前の 12.0%か ら14.4% とむ しろ 増加 した が、処 理区 では 逆に 低 下し 、9.4% と なっ た。 味彩 においても、 はづき め、硝 酸態 窒素 の還 元を 促進 する ため に有利 であ るた め と推察 され る。 試 験 2 に お いて 、 コ マ ツ ナ に 対 す るモ リ ブ デ ン の 葉 面散 布処 理の 効果 を検 討し たところ、 はづき 、 味彩 と同 様に 、モ リブ デン 葉面 散布 処理 7日後 の硝 酸態 窒素 共に処 理7 日後 にお いて 、対 照区 に比 べ、硝 酸態 窒素 濃 濃度 の割 合が 低下 した (表 2)。 度の値 が低 下し た。 また 、両 品種 共に 処理区 の株 当た り 生 体重 は、 処理 前で は、 品種 間に 差はな く、 処理 7日 窒素吸 収量 が、 対照 区に 比べ 多い か同 等であ るに も関 わ 後で は、 はづ き に比 べ、 味 彩 の生 体重 が重 かっ た。 らず、 硝酸 態窒 素濃 度が 低下 した こと から、 コマ ツナ に ま た、 は づき 、 味 彩 と も に、 モ リブ デ ンの 葉 面散 おいて もモ リブ デン の葉 面散 布は 、硝 酸態窒 素濃 度の 低 布 処理 に よる 処 理区 間 の差 は みら れ なか っ た( 表 3)。 減効果 があ ると 考え られ る。 さら に、 品種間 で窒 素吸 収 処 理前 から 処理 7日 後ま での 株当 たり窒 素吸 収量 は、 量に差 異が みら れた が、 窒素 吸収 量の 少ない は づき は、夏 蒔き 栽培 にお いて 、い わゆ る低 硝酸品 種と され て で は、 モリ ブデ ンを 葉面 散布し た処 理区 が対 照 区よ り 多か っ た。 味 彩 で は、 モ リブ デ ンの 葉 面散 布処 理の 有無 によ る差 はみ られ なか った( 表3 )。 おり は づき 3) 味彩 、本 試 験 の秋 蒔 き 栽 培 に お い て も 、 対 照 品 種 の に 比べ 、硝 酸態 窒素 濃度 が低 い品種 であ るこ と が明ら かと なっ た。 品種 によ り硝 酸態 窒素濃 度や 窒素 吸 考 察 収が異 なる 3 ,1 5, 16 ) こ とか ら、 生体 重が重 く、 窒素 や硝 酸 態窒素 の吸 収が 少な い品 種の 利用 も有 効な低 硝酸 化対 策 マメ 科や アブラ ナ科 の Bra ssic a 属植物 では 、モ リブ である と考 えら れる 。 デン 要求 が高 く、 モリ ブデ ンが 欠乏 すると 硝酸 態窒 素が 蓄積 され るこ とや 、カ リフ ラワ ーや インゲ ンマ メに おい 引用文献 て 、 モ リ ブ デ ン の 施 用 が 硝 酸 還 元 酵 素 ( Nitrate Reductase : 以下 NR ) 活性 を 高め るこ とが よ く知 られ 1. 田 中 彰男 . 食品 中 の硝 酸 レベ ル と健 康 問題 . 公開 シ 。植 物体 内の 硝 酸態 窒素 濃度 は、 NR 活 性と ン ポ ジウ ム 土 と食 品 の 中 の硝 酸 ( NO 3) を め ぐる 諸 問 て きた 12 −1 4 ) 密接 な関 係が あり 、こ の酵 素の 構成 成分で ある モリ ブデ ンを 葉面 散布 する こと で、 キャ ベツ におい て、 NR 活性 が高 まり 、硝 酸態 窒素 濃度 が低 減す ること が明 らか とな っ てい る 6 -8 ) 題講 演資 料. 44-52(1998) 2. 安 田 環. 野 菜の 硝 酸濃 度 とそ の 低減 対 策. 農 業及 び 園芸 .79,647-651(2004) 。そ こ で、 ア ブラ ナ 科、 マメ 科 以外 の 植物 3. 野 菜 茶業 研 究所 . 野菜 の 硝酸 イ オン 低 減化 マ ニュ ア の反 応を 見る ため 、キ ク科 のレ タス 及びリ ーフ レタ スを ル. 先端 技術 を活 用し た農 林水 産研 究高度 化事 業「 野 供試 し、 モリ ブデ ンの 葉面 散布 が植 物体中 の硝 酸態 窒素 菜に おけ る硝 酸塩 蓄積 機構 の解 明と 低硝酸 化技 術の 開 37 愛 知 県 農 業 総 合 試 験 場 研 究 報 告 第 39号 発 」研 究成 果.(2006) 4. 波多 野 歩, 大 川浩 司 ,今 川 正弘 . 窒素 施 用量 が キャ ベ ツ、 ハク サイ の硝 酸塩 濃度 に及 ぼす影 響. 愛知 県農 業 総合 試験 場研 究報 告. 35 79-83(2003) に及 ぼす 影響 .愛 知県 農業 総合 試験 場研究 報告 .37, 87-91(2005) 11. Cataldo,D.A., M. Haroon, L.E. Schrader and V.L. Younds. Rapid colorimetric determination of Nitrate 5. 波多 野 歩, 大 川浩 司 ,今 川 正弘 . 追肥 窒 素施 用 量が in plant tissue by nitration of salicylic acid. 年 内穫 りキ ャベ ツ、 ハク サイ の硝 酸塩濃 度に 及ぼ す影 Commun. Soil Science and Plant Analysis. 6(1), 響 .日 本土 壌肥 料学 会講 演要 旨集 .49, 107(2003) 71-80(1975) 6. 長屋 浩 治, 今 川正 弘 .微 量 要素 の 葉面 散 布が キ ャベ ツ ,ハ クサ イの 硝酸 還元 酵素 活性 と硝酸 塩濃 度に 及ぼ す 影響 .園 芸学 会雑 誌. 73(別冊 1), 264(2004) 7. 長屋 浩 治, 清 水知 子 ,荻 野 和明 , 矢部 和 則. 微 量要 12. M.Ja.シュ コ ーリ ニク . 植物 の 生命 と 微量 元 素. 農 山漁 村文 化協 会.(1982) 13. Afrid M. M.R.K. and E.J.Hewitt. The inducibl e formation and stability of nitrate reductase in 素 の葉 面散 布が キャ ベツ ,ハ クサ イの硝 酸還 元酵 素活 hight plants. Journal of Experimental Botany. 15, 性 と硝 酸塩 濃度 に及 ぼす 影響 (第 2報) 微量 要素 の葉 251-271( 1964) 面 散布 時期 がキ ャベ ツの 硝酸 還元 酵素活 性と 硝酸 塩濃 14. Vi eir a R .F. , E. J.B .N. Car dos o, C. V iei ra, 度 に及ぼす影響. 園芸学会雑誌.74(別冊2), 181(2005) and S.T.A. Cassini. Foliar application of molybdenum 8. 長 屋浩 治,荻野 和明,清水 知子 ,恒 川歩 ,矢 部和 則, in commo n beans.Ⅰ . Nitrogenase and reductas e 今 川正 弘. 微量 要素 の葉 面散 布が キャベ ツの 硝酸 還元 activities in a soil of high fertility. Journal 酵 素活 性と 硝酸 イオ ン濃 度に 及ぼ す影響 .愛 知県 農業 総 合試 験場 研究 報告 .37,81-85(2005) 9. 清 水知 子,長屋 浩治,恒川 歩,矢部 和則 ,今 川正 弘. 窒 素の 施用 時期 及び 形態 がキ ャベ ツの硝 酸イ オン 濃度 of Plant Nutriation.21(1), 169-180(1998) 15. 田 中達 也, 嶋田 永生 ,佐 藤直 .異 なる施 肥窒 素レ ベ ルに おけ るキ ャベ ツ品 種の 収量 およ び窒素 吸収 特性 . 土肥 誌. 67, 49-53(1996) に 及 ぼす 影響 .園 芸学 会雑 誌. 74(別 冊2), 473(2005) 16. 田 中達 也, 佐藤 直. 窒素 施肥 反応 の異な るキ ャベ ツ 10.清 水知 子,長 屋浩 治,恒川 歩,矢 部和 則,今川 正弘 . 3品 種の 生育 と時 期別 養分 吸収 に関 する品 種間 差異 . 窒 素の 施用 時期 及び 形態 がキ ャベ ツの硝 酸イ オン 濃度 土肥 誌. 68, 493-500(1997)
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