輸血の歴史

輸血の適応/適正使用
赤血球製剤
琉球大学輸血部
佐久川 廣
輸血の目的
血液成分の欠乏あるいは機能不全により
臨床上問題となる症状を認めたとき、その
成分を補充して症状の軽減をはかること
(補充療法)にある
血球、血漿の体内分布と産生量
体内分布
血管内
血管外
寿命
1日産生量
赤血球
98.5%
1.5%
120日
0.83%
血小板
70%
30%
10日
12.8%
顆粒球
10~30%
70~90%
14時間
40%
60%
40日
アルブミン
3.75%
適正輸血のための指標
最大手術血液準備量(MSBOS)
: Maximum Surgical Blood Order Schedule
C/T比:Cross-match Transfusion Ratio
手術血液準備量計算法
(SBOE)
血液準備量(単位)
=その術式の平均出血量÷200
-出血予備量÷(40/体重)
*出血予備量(Hb)=術前Hb-10
**2単位以下であればT&Sで対応
出血患者における輸血、成分輸血療法の適
応
血液成分量
(%)
100
Ht(43→35)%
TP(7.5→4.5)g/dL
80
60
V/XIII因子% 35
4
Plt=5x10 /uL
25
出血量(%)
150
100
50
20
L-R
RCC
輸液血液成分
AC
HAS
FFP
PC
L-R:乳酸リンゲル液、RCC:赤血球濃厚液、 A-C:人工膠質液、HAS:等張アルブミン、
FFP:新鮮凍結血漿 PC:濃厚血小板
赤血球製剤の輸血
急性および術中の輸血
患者の状態に応じて目標値を設定
冠動脈疾患を有する場合:Hb:10 g/dLを目安とする
冠動脈疾患がない場合:Hb:7~9g/dLを目安とする
慢性の貧血の場合:Hb:7g/dLを目安とする
体重65kgで循環血液量5ℓ(体重の1/13で計算)の場合、
1単位の赤血球濃厚液の輸血で、Hbが約0.6g/dL増える