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Lattice QCD approach
to the nuclear force
石井理修
(筑波大)
青木慎也
初田哲男
(筑波大)
(東京大)
Plan of the talk:
 Introduction and Backgroud
 Formalism
 Lattice QCD results
 Summary
For detail, see nucl-th/0611096.
Introduction
核力は核物理においてもっとも重要な基本概念の一つである。
 中間距離から長距離にかけての引力は核子を原子核に束縛するため重要。
 近距離に存在する斥力芯は、heavy nucleiや核物質が安定に存在するために重要。
 核力は原子核物理以外でも重要な役割を果たす。
— 中性子星の上限質量や超新星爆発の物理においても重要な影響力をもつ。
 湯川秀樹の最初の論文以降
 H. Yukawa, Proc. Math. Phys. Japan 17, 48 (1935)
非常に多くの研究が精力的になされ続けている重要なターゲット。
Introduction (cont’d)
核力の性質は空間的に3つの領域に分割されて理解される。
 長距離領域 (r > 2fm)
OPEP(one pion exchange)が支配的。
 中間距離領域 (1fm < r < 2fm)
中間子論の立場からアクセス可能。
— heavier meson exchanges such as “σ”, ρ, ω,...
— multi pion exchange
 近距離領域 (r < 1fm)
この領域の理解は遅れている。
— 現象論的アプローチ
(1) phenomenological repulsive core model
(2) vector meson exchange model
(3) quark exchange (constituent quark model)
— この領域の核力は次を反映していることが期待されている。
(1) the internal structure of the nucleon
(2) quark や gluonの自由度の存在
— このため、QCDに基づいた核力の理解が長い間望まれていた。.
The nuclear force
Various approaches to QCD
★ 高エネルギーではαS は弱くなり、 QCDは摂動論的取り扱いがうまくいく。
★ 低エネルギーではαS は成長し、摂動論的取り扱いが破綻する。
⇒ 様々な非摂動論的アプローチが試みられている。.
1.
2.
quark models
a.
constituent quark models
b.
bag model
有効理論的アプローチ
non-linear sigma model
a.
Skymeon
b.
chiral effective models
3.
Nambu-Jona-Lasinio(NJL) model
4.
QCD sum rule
5.
Schwinger-Dyson(Bethe-Salpeter) equation
6.
Light front approach to QCD
7.
lattice QCD Monte Carlo calculation
QCD的アプローチ
Lattice QCD has been applied to many targets.
 inter-quark potential
 hadron mass
 coupling constants and form factors
 (moments of) structure function/parton distribution function
 有限温度/密度QCD、 QCD phase diagram
 multi-hadron properties
 散乱長
 phase shift
 nuclei [bound state deuteron has not yet been obtained]
★現在の技術では次を同時に実現するのはまだ難しい:
 物理的に軽い quark mass
 大きな空間体積
 dynamical quarks (i.e., unquenched QCD)
 カイラル対称性と相性のよい chiral quark action
 細かい格子分割
★ 状況は次の発展によって徐々に改善されている。
 スーパーコンピュータの進歩
 Monte Carlo 計算のアルゴリズムの進歩
Standard lattice QCD approach to the inter-quark potential
 The static qqbar potential
— qqbarの位置を固定するため、 m=∞のstatic quark とstatic anti-quark を導入する。
x v   / m  0 as m  
— the qqbar potentials は total energy として計算される。
(massは ~∞より、運動エネルギーは~0)



p2
H
 V (r )  V (r ) as m  
2m
qq potential
from G.S.Bali et al., PRD46,2636(’92)
 この方法はいろいろ拡張されて使われている。
(1) unquenched QCD with dynamical quarks
(2) 有限温度/有限密度
(3) multi-quark 系: qqq, qqqq, qqqqq, ...
(4) 違った color charge をもった仮想的なクォーク
ハドロン間ポテンシャルへの拡張の試み
 次の文献で試みられている:
A.Mihaly et al., PRD55, 3077(’97).
C.Stewart et al., PRD57, 581(’98).
C.Michael et al., UKQCD Collab., PRD60,054012(’99)
T.T.Takahashi et al., AIP Conf.Proc.842,246(’06)
T.Doi et al., AIP Conf.Proc.842,249(’06).
 (例) NN ポテンシャル
— 二つの核子の位置を固定するため、それぞれの核子中にstatic quarkが導入される。.
— light quarkを4つ導入して、2N系にする。 [(Qqq) + (Qqq)]
この light quarkは二つの static quarkに巻きつくと仮定する。
— 核子の運動エネルギーを無視することで、NNのポテンシャルエネルギーを計算する。.
 よく考えられた方法なのだが今のところうまくいっていない。
一つには近距離では右のような再配置がおこる可能性があり、
期待した結果に結びつかないらしい [(QQq) + (qqq)]
我々は全く違う方法を用いる。
この方法はCP-PACS collaborationによってππの散乱長を研究するために使われた。
CP-PACS collab., S. Aoki et al., PRD71,094504(2005)
この方法によれば、
(1) 格子 QCDを使って、NNの波動関数を計算する。
(2) NNポテンシャルは、このNNの波動関数が
Schroedinger 方程式を満たすことを要請して逆算する。
※ A GOOD FEATURE:
先ほどの static quark potential を拡張した方法にくらべ、
この方法では核子の位置を固定するために fictitious static quarkを導入する必要がない。
⇒ 実験データを解析して得られるNN potentialにより近いものが得られる。
ここでは、この方法を核子系に拡張し核力を計算する。
The Formalism
☆ The (effective) non-relativistic Schroedinger eq. for NN system.

 


 

 (r )   d 3r U (r  r )  (r )  E (r )
2
☆ NN のBethe-Salpeter(BS) 方程式から 3D reduction をつかって導かれる。
☆ 相互作用 kernel U(r-r’) は一般には non-local でtotal energy E に依存する。
☆ 相互作用kernel U(r-r’)の可能な形は様々な対称性により制限される。
低エネルギーで相互作用 kernel U(r-r’) は次のようにparameterizeされる。
 
 
 

VNN (r , ) (r  r )  U (r  r ).
VNN
 
2
 VC (r )  VT (r ) S12  VLS (r ) L  S  O( ).
⇒ the familiar NN Schroedinger equation:



 

 (r )  VNN  (r )  E (r )
2
☆ 波動関数φ(r) があらかじめ分かっている場合, ポテンシャルは次のように書ける。
 
1  (r )
VNN (r )  E 

2  (r )
←schematical
1S
0
channel
(計算が一番単純化される)
★ L=0, S=0 ⇒ central force しか残らない !
VNN
 
 VC (r )  VT (r ) S12  VLS (r ) L  S  O( p 2 )
 VC (r )
★ 通常のNNのSchroedinger 方程式に帰着する。
2





 (r )  VC (r )  (r )  E  (r )
2
★ VC(r) は通常の関数である。
⇒ central force VC(r) は次のように表せる。
2 
1   (r )
VC (r )  E 

2  (r )
あらかじめ波動関数φ(r)が知られている場合、
これをつかってポテンシャルを計算できる。
※ 同じことを 3S1 channel でやると、
テンソル力とLS力がeffeciveに繰り込まれた
effective central force VCeff(r) が得られる。
※まじめにやるには例えば3S1, 3D1, 3D2を
使って coupled eq を解く。
⇒ 同時にVLS(r), VT(r)も求まる。
Bethe-Salpeter (BS) 波動関数
 QCDでは、non-rela. のNN 波動関数は本当は近似的な概念である。
 この概念に最も近いのは、 Bethe-Salpeter (BS) 波動関数と呼ばれるものである。




 ( x  y )  0 p ( x ) n ( y ) pn
 このamplitudeは non-rela. のp-n の波動関数と解釈できる。

pn QCDのpn状態。非常に直感的には次のようなものを想像するればよい。
  
 
pn   d x d y b p ( x ) bn ( y ) 0  ( x  y )
3
3

non-rela 波動関数
neutron creation op.
proton creation op.
 点xにいる proton を standard proton operator を用いて eliminate する。
p ( x)   abc uaC 5db uc,
 点yにいる neutron を standard neutron operatorを用いて eliminateする。
n ( y)   abc uaC 5db dc,
 最終的に その結果と、QCD真空 <0| との overlapを計算することで、
non-rela の波動関数 φ(x,y) を取り出せる。
格子QCDによるBS波動関数の求め方:
 
FNN ( x , y, t ; t0 )




 0 p ( x , t ) n( y, t ) p (0, t0 ) n (0, t0 ) 0
1 m m
m





 Em ( t t 0 )
0 p ( x ) n( y ) m e
m p ( 0) n ( 0) 0
m


 ( x  y; m)

Apn ( k ) e


 E pn ( k 2 ) ( t t 0 )
Am
 
 ( x  y; pn(k ))  
非弾性散乱に対応する成分
k
2
2
2
2
2
E pn (k )  m p  k  mn  k
★ 十分大きな t では、励起状態からの寄与は指数関数的に suppress される。
基底状態のNN系のBS波動関数を取り出せる。
これを先ほどの式に代入して
 


 ( x  y; pn (kground ))  0 p ( x ) n( y ) pn (kground )
 
1  2 (r )
VC (r )  E 

2  (r )
NNポテンシャルを求める。
Lattice QCD parameters
1. Quenched QCD is used. (virtual qqbar 対生成/消滅が起こらない近似)
2. Gauge action:
the standard Wilson gauge action.

β= 6/g2 = 5.7(⇔ゲージ結合定数)

格子間隔: a ~0.14 fm
(from ρmass in the chiral limit)

体積:

統計: 500 gauge configs
(3000 sweeps for thermalization.
The gauge config is separated by 200 sweeps)
324 lattice (L~4.5 fm)
3. Quark action:
Standard Wilson quark action

κ=0.1665(⇔クォーク mass):

mπ ~0.53 GeV, mρ~0.88 GeV, mN~1.34 GeV
(Monte Carlo 計算は quark massが軽いほどどんどん難しくなる)

Dirichlet BC along temporal direction
Wall source on the time-slice t=5
NN wave function is measured on the time-slice t=11
4. Blue Gene/L at KEK has been used for the Monte Carlo calculations.
The Lattice QCD result for NN wave function
★ 波動関数の3Dプロット
 r > 0.7 fm では、座標軸のnearest
neighbor のみで計算が行われている。
(クラゲのような形をしているのはその為。
全ての点を計算すると60倍大変になる!)
 波動関数の回転対称性が見える。
★ 近距離でのshrink
⇒ 斥力の存在
convergence against t
The Lattice QCD result of NN potential
The effective central force for 3S1.
t に関する収束性
※ 長距離で dominant になる
diagram は現在の計算に
取り込まれている。
長距離でone π exch に対応。
近距離の斥力芯 ~ 500~600MeV
constituent quark model によると、
軽いquark mass 領域で enhance される。
中間距離の引力 ~ 30 MeV
 重い mπ のせいで引力が弱くなっている。.
⇒ mπ が軽くなると、virtual pion は
長距離をpropagateできるようになる。
⇒ stronger attraction.
 3S1 の有効中心力は1S0より若干つよい。
(deuteron に都合がよい)
quark mass 依存性
mπ~530 MeV
mπ~370 MeV
軽い quark mass
 中間距離の引力が若干成長?
 近距離の斥力芯が急激に成長。
This behavior is consistent with the constituent quark picture
--- color magnetic interaction is propotional to 1/(m1 m2).
 軽い quark mass でMonte Carlo 計算することが、
実験と比較できる核力を得るために必至。(今後の課題)
いろいろなquark mass
This NN potential is attractive.
ポテンシャルのrangeの外のs-wave波動関数は、
低エネルギー(E → 0)で次のように近似される。
sin(kr   0 (k )) r  a0

(k  0)
kr
r
a0  lim  0 (k ) / k (scatteringlength)

k asy (r ) 
k 0
散乱長 a0 は rφasy(r)のlinear fitの r-切片になる。
r-切片は原点よりも左側にある。
a0 = 0.066(22) fm
(attractive)
the net interaction is attraction.
1S
※ comments:
0
★ This is understood by
the formula of the Born approx:

a0  mN  VC (r ) r 2 dr
0
The relation tells us
 The volume factor r2dr hides the repulsive core at short distance
 a0 is a subtle quantity obtained as a result of a big cancellation
between the repulston and the attraction.
 このポテンシャルは
自動的に正しい散乱長を出す
我々のNNポテンシャルに通常の散乱理
論を適用して求めた散乱長と格子QCDで
散乱長を求める標準的な方法(Luescher
の方法)は L→∞で等価であることが示せ
る。
 a0~0.066 fm は実験値 a0~20 fm と比べ
て非常に小さい。これはpionが重たいため
mπ~530 MeV.
波動関数の不定性
p ( x)   abc uaC 5db uc,
& n ( y)   abc uaC 5db dc,
はprotonやneutronに対するわりあいよいoperatorであるが、 パーフェクトではない。
proton や neutron 状態とだけ couple すればよいが、
0 p ( x) proton , 0 n ( y ) neutron
それ以外に、余計な状態とも結合する。 たとえば、
0 p ( x) proton  pion , 0 n ( y ) neutron  pion
etc
ここから余計な相関が生じる危険性がある。
0 p ( x) n ( y ) NN


  0 p ( x) N ( p ) N ( p ) n ( y ) NN  " inelasticcontrib."

p
このinelastic contributionは低エネルギーでは抑えられることを期待している。
しかしながら、近い将来その大きさを estimate する必要がある。
Summary
1.
格子QCDを用いて NN potentialを計算した。
2.
最近 CP-PACS collaborationによってππ散乱長の研究に用いられた方法を
拡張して使った。
3.
核力の定性的な部分は再現されていた。
4.

近距離(r < 0.5 fm)の斥力芯(~600 MeV).

中間距離 (0.5 fm < r < 1.2 fm) の引力(~30 MeV).
(The attraction is weak due to the heavy pion (mπ~530 MeV).)
将来計画:

斥力芯の物理的期限
(dependences on the quark mass, the flavor structure, ...)

ハイペロン相互作用 (ΣN, ΛN, ΛΛ, ΞN, etc.)
mson-baryon 系。

LS力、テンソル力 (そして、3体力)

ポテンシャルのE依存性、非局所性。

unquenched QCD, physical quark mass,
finer discretization, larger spatial volume, ...