かぜ症候群 (Cold Syndrome) かぜ(Common Cold)とは・・・ • 風邪とは・・・ ・くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、 咳・痰などの呼吸器症状。 ・発熱・頭痛・倦怠感などの全身症状。 ・食欲不振・嘔吐・下痢などの消化器症状。 これらの症状を伴うもの。 風邪の原因は? • かぜ症候群の原因の8~9割はウイルス ライノウイルス(110種以上) コロナウイルス(30種以上) RSウイルス アデノウイルスなど インフルエンザウイルス 稀に感染する細菌類として・・・ 肺炎クラミジア 肺炎球菌 どのように対処するか! インフルエンザ→抗インフルエンザウイルス薬 (インフルエンザの章で触れます) 普通感冒→抗ウイルス薬はない。→対症療法をとる。 対処として ・総合感冒薬を用いる場合。 ・咳嗽の強い場合。 ・膿性鼻汁や膿性痰や咽頭発赤腫脹の強い場合。 ・咽頭痛、頭痛、関節痛や発熱の強い場合。 なぜ症状がおこる? • ブラジキニン~ • プロスタグランジン~ • ヒスタミン~ ブラジキニン ・侵害刺激による組織損傷により血管から漏出し た血漿キニノーゲンの限定分解によりブラジキ ニン(BK)が生成される。 ・BKによる受容体刺激に伴うPLA2 の活性化を介し てプロスタグランジンが生成され、痛みは増強さ れる。 ・BKは痛みのほか、細静脈内皮細胞間の結合を広 げることにより血管透過性を亢進させ、血漿蛋 白を滲出して炎症性滲出液の貯留(浮腫)を生じ る。 アラキドン酸からのPG類の生成と NSAIDsの作用点 ブラジキニン ・侵害刺激による組織損傷により血管から漏出し た血漿キニノーゲンの限定分解によりブラジキ ニン(BK)が生成される。 ・BKによる受容体刺激に伴うPLA2 の活性化を介し てプロスタグランジンが生成され、痛みは増強さ れる。 ・BKは痛みのほか、細静脈内皮細胞間の結合を広 げることにより血管透過性を亢進させ、血漿蛋 白を滲出して炎症性滲出液の貯留(浮腫)を生じ る。 発熱はなぜ起こる? • プロスタグランジンE2が視床 下部の体温調節中枢に行き、 セットポイントを上昇させて 熱の産生を促す。 • ※プラスタグランジンE2には 血漿滲出作用を増強し、滲 出液の貯留を起こす作用あ り。 ヒスタミン ・くしゃみ、鼻汁分泌を起こす ・アセチルコリンを放出させ、 アセチルコリンは鼻腺からの水様性鼻汁の分 泌を起こす。 NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬) • 一般に鎮痛、解熱、抗炎症作用を併せ持つこ とが特徴で、構造はまちまち • アセチルサリチル酸(アスピリン)に代表され る酸性化合物は強いプロスタグランジン(PG) 生合成阻害、特にシクロオキシゲナーゼ (COX)の阻害活性を示す COXの作用箇所 NSAIDsの作用 ①抗炎症作用:炎症巣で産生されたPG(特に PGE2)が血漿滲出作用を増強し、滲出液の貯 留を起こす。NSAIDsがこれを抑制する ②鎮痛作用:PGは痛覚神経線維終末の感受性 を増大させて、強い発痛作用をもつブラジキ ニンを助ける。NSAIDsがこれを抑制する ③解熱作用:PGE2が体温調節中枢のセットポイ ントを上昇させて熱の産生を促す。NSAIDsが これを抑制する COX(cyclooxygenase) COX-1:常在性で、腎血流の維持・血管拡 張・胃粘膜保護作用などの恒常性維持。 COX-2:リポ多糖類やサイトカインなどによ り細胞に新たに誘導される。細胞核を 有さない血小板には存在しない COX-3:中枢のみに発現する。NSAIDsの解 熱作用点 総合感冒薬 • PL顆粒 • ぺレックス顆粒 • サラザック顆粒 (PL顆粒のジェネリック薬) ジェネリック薬品 • サラザック顆粒はPL顆粒のジェネリック医薬 品です。 • ジェネリック医薬品とは・・・・!! PL顆粒とサラザック顆粒 •成分 サリチルアミド (サリチル酸系解熱鎮痛薬 腫れや痛みを和らげる) アセトアミノフェン (作用が穏やかで安全性の高い非ピリン系解熱鎮痛薬) メチレンジサリチル酸プロメタジン (抗ヒスタミン剤 鎮痛作用を増強) 無水カフェイン (精神機能を活発にして、不快感を除去する。 鎮痛作用を増強。) サリチルアミドとアセトアミノフェン COX阻害 → PG,TXA産生抑制の作用 (詳しくは後述) ①炎症抑制作用 ②鎮痛作用 ③解熱作用 ④血小板凝集抑制作用 無水カフェイン 作用として、 ①細胞内Caの動員 ②cAMP phosphodiesteraseの阻害 ③アデノシン受容体の拮抗阻害 効果として、 ①中枢興奮作用 ②心臓の陽性変力・変時作用 ③気管支平滑筋の弛緩 ④利尿 メチレンジサリチル酸プロメタジン フェノチアジン系抗ヒスタミンの成分。 作用として、 ①H1受容体拮抗作用 ②抗コリン作用 効能として、 ①平滑筋収縮抑制 ②口渇や気管支分泌の抑制 ③中枢神経抑制 禁忌は? ①本剤の成分に対する過敏 ②消化性潰瘍 (サリチルアミドによる悪化の危険) ③アスピリン喘息 (サリチルアミドによる悪化の危険) ④昏睡状態または中枢神経抑制剤の影響下 (プロメタジンによる作用の増強) ⑤緑内障 (プロメタジンの抗コリン作用による悪化) ⑥尿路閉塞 (プロメタジンの抗コリン作用による悪化) 併用注意 ①クマリン系抗凝結剤 (ワルファリン) →サリチル酸系製剤による作用増強 ②中枢神経抑制剤・アルコール →プロメタジンにより作用が増強 ③降圧剤 → プロメタジンにより降圧作用の増強 ④抗コリン作用薬 (フェノチアジン系化合物等) →プロメタジンにより作用増強 ⑤糖尿病用剤 (インスリン製剤等) →サリチル酸製剤が糖尿病用剤を血球タンパクから 遊離 ペレックス顆粒 • 成分 サリチルアミド (サリチル酸系解熱鎮痛薬 腫れや痛みを和らげる) アセトアミノフェン (作用が穏やかで安全性の高い非ピリン系解熱鎮痛薬) クロルフェニラミンマレイン酸塩 (抗ヒスタミン剤) 無水カフェイン (精神機能を活発にして、不快感を除去する。 鎮痛作用を増強。) クロルフェニラミンマレイン酸塩 • 第一世代H1受容体拮抗薬である、抗ヒスタミ ン薬。 • 脂溶性が高いため、BBBを通過 →中枢神経系において末梢と同様にH1受容体 に対して抑制的に作用する。 禁忌は? • 本剤の成分、またはサリチル酸系製剤に対し 過敏症の既往歴あるもの • 消化性潰瘍 • アスピリン喘息 • 緑内障 • 前立腺肥大等、下部尿路に閉塞性疾患のあ る者。 併用注意 ①クマリン系抗凝結剤 (ワルファリン) →サリチル酸系製剤による作用増強 ②中枢神経抑制剤・アルコール →プロメタンジンにより作用が増強 ③糖尿病用剤 (インスリン製剤等) →サリチル酸製剤が糖尿病用剤を血球タンパクから 遊離 ④アルコール ⑤MAO阻害薬 咳嗽の強い場合 • リン酸コデイン 酸化マグネシウム • メジコン® (デキストロメトルファン) 咳の種類 • 乾性咳嗽・・・「から咳」 気道の疾患が多く見られる。 鎮咳薬は、このタイプの咳に使う。 • 湿性咳嗽・・・「痰が出る咳」 気管支・肺疾患によるものが多く見られる。 鎮咳薬を使わず、去痰薬などで痰を出しやすくする 鎮咳薬 • 中枢作用性鎮咳薬 延髄にある咳中枢を抑制。 ・麻薬性中枢性鎮咳薬 ・非麻薬性中枢性鎮咳薬 • 末梢作用性鎮咳薬 気管支に直接作用して気管支平滑筋を弛緩させる。 リン酸コデイン • 一般名 リン酸コデイン • 分類 麻薬性中枢性鎮咳薬 効果 • 鎮咳作用 咳中枢(opioid受容体(μ2)に働き、鎮咳作用を示す。 • 鎮痛作用 中枢における痛みの認識の閾値上昇。 • 激しい下痢症状の改善 コリン作動性線維の神経終末からのAch遊離の抑制。 副作用 ①薬物依存 ②呼吸抑制 ③便秘→酸化マグネシウムを用いる。 ④錯乱・譫妄 ⇒類似化合物(モルヒネ)において、譫妄が現れる との報告があるので、このような場合においては、 減量又は投与を中止すること ⑤無気肺・気管支痙攣・喉頭浮腫 ⑥麻痺性イレウス・中毒性巨大結腸 禁忌 • • • • • • • • • 重篤な呼吸抑制のある患者 気管支喘息発作中の患者 重篤な肝障害がある患者 慢性肺疾患に続発する心不全の患者 けいれん状態にある患者 急性アルコール中毒の患者 アヘンアルカロイドに対し、過敏症の患者 出血性大腸炎の患者 細菌性下痢のある患者(原則禁忌) 酸化マグネシウム • 効果 ・制酸作用:水に溶けにくいので胃の塩酸を徐々に中 和してMgCl2となり制酸作用をあらわす。 ・緩下作用:難溶性なので腸内において浸透圧により 貯留した多量の水が、腸壁の伸展受容器を刺激し て間接的に蠕動を亢進して緩下作用をあらわす。 ・尿路蓚酸カルシウム結石の発生予防 副作用・注意 • 副作用 ・高マグネシウム血症 ・消化器(ときに軟便・下痢等を起こす) • 注意 ・腎障害→マグネシウム貯留を起こす。 ・心機能障害→除脈 ・下痢→症状悪化 ・高マグネシウム血症→症状悪化 メジコン錠 • 一般名 デキストロメトルファン • 区分 非麻薬性鎮咳薬 • 作用 延髄の咳中枢に直接作用し、 咳反射を抑制。 併用禁忌・注意 MAO阻害薬(併用禁忌) デキストロメトルファン→中枢のセロトニン濃度↑ MAO阻害剤→セロトニンの代謝を阻害 ⇒セロトニン濃度が高くなる。 薬物代謝酵素(CYP2D6)を阻害する薬剤(併用注意) 本剤の血中濃度が上昇するため。 Ex キニジン アミオダロン テルビナフィン 副作用 • 呼吸抑制(0.1%以下) • アナフィラキシー様症状 • だけど・・・ FDAは、デキストロメトルファンは常用量を用いる 限り安全な薬剤であるが、多く用いると脳損傷、 けいれん、意識消失、不整心拍(不整脈)など、 重篤な有害副作用をもたらし、死亡する可能性 もあると警告している。 市販の薬としては・・・ ・せきどめとして・・・・ コンタックせき止めSR ブロン錠21 コルゲンコーワ咳止めカプセル ・かぜぐすりとして・・・・ パブロンG ベンザエースA 新ルルK
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