地震予知の科学

総合科学1年 30116015
中村圭佑
地震予知の科学
日本地震学会
地震予知検討委員会 編
内容
 なぜ人は雲を見ると地震を予知したくなるのか
 地震予知とは何か?
 長期予知と場所・規模の予知
 日本の地震予知研究の歴史
 この10年で何が明らかになってきたのか
 コンピュータの中で地震を起こす
 地震を予知することの今
 東海地域で何が行われているのか
 地震予知のこれから
 海外での新しい地震予知の流れ
etc.
日本の地震予知のはじまり
• 1891年の濃尾地震(M 8.0)直後に明治政府が設立
した「震災予防調査会」にまでさかのぼる
震災予防調査会
地震予知の可能性
調べるための
地震研究
建物の耐震性
研究
その後、1923年の関東地震後に設立された、
「東京大学地震研究所」に引き継がれた
第2次世界大戦などが起こり、しばらく研究されなくなる
1960年代になって、ようやく息を吹き返す
現在の地震予知の直接の始まり
「地震予知―現状とその推進計画」
通称、「地震予知のブループリント」
(1962年に地震研究者有志により発表)
地震予知の実現可能性を明らかにするためには
どの程度の観測研究が必要であるかを、
当時の科学技術の水準で実現可能な計画として提案したもの
ブループリント
• 地震観測網や地殻変動観測網を全国に展開すべき
→非常に小さな地震がどこでどのように起きているかを知
ることによって、大地震発生のしくみがわかるという考
え
→地震に向けて地盤がどのように変形していくかを知るこ
とが大事であるという考え
• 地震波速度変化や電磁気現象に関する観測をすべき
→当時地震発生前に起こると考えられていた
これを受けて日本の地震予知研究が始まり、1998年に終了
旧地震予知計画
旧地震予知計画
地殻変動などの
観測によって地
震が発生する可
能性の高い場所
を特定
そのような場所
に観測網を集中
前兆現象を捉え
て地震予知
明らかに地震の前兆と思われる現象も観測され、
そのしくみに関する研究が行われたが、
1978年に観測された以外に有力な前兆現象はなかった…
第七次計画途中で阪神・淡路大震災が発生
新地震予知計画に………
新地震予知計画
① 地震の準備から地震発生にいたる全過程を理解し、地
震発生にいたるモデルの構築をすること
② それに基づいた地震を含めた地殻変動のモニタリング
と予測シュミレーションの実現
地震を発生させるプレート境界や活断層に、どのように力が集中していく
か、地震の発生に向けてどのようなことが起きているかを調べ、さらに地
震が発生したときのプレート境界や断層のすべりについて一連の過程とし
て理解し、定量的のモデルに基づいて予測することを目指す
地震予知という
概念の転換!
旧地震予知計画と新地震予知計画
•
旧地震予知計画
新地震予知計画
地震の発生だけを予測すること
「地震を含めて地震に至る過程
そのものを予測することが
地震予知」
前兆を捉えることが主眼
になったが、その予測の
成否は地震が発生するま
で「答え」が出なかった
地震が起きていないと
きの現象も含めて予測
することを目的にして
いる
まとめ
• このように、40年以上にわたる日本の地震予知研究の歴
史は、先人たちの苦悩と進歩の歴史であった
• 地震の直前予知そのものは依然としてまだ夢であるが、
夢に向かって着実に進んでいることは確か
• 地震の長期評価や緊急地震速報なども地震予知のたゆま
ざる研究からうまれたもの
• 地震予知の研究から直接防災に役立つ成果も得られてい
る