Ⅱ.食品の衛生管理 • 近年、輸入原材料由来の事故が多く発生している。 国外生産者の法令・規格基準の知識不足・管理能力欠如 又、文化の違いを原因として残留農薬や許可されていない 農薬の使用、そして添加物の成分等で使用が禁止されて いるものが多い • 原材料の受け入れには、チェックのみでは成分検査は困難 • 原材料加工者に対する現場調査、規格、規準の設定、工程 確認、検査等が必要 • 安全・安定した食品の確保には、原材料の生産が管理され、 トレーサビリティーが確立されていることが重要 1 1.生鮮原材料 産地情報・仕入れ業者選定及び規格書などの情報管理が重要 • 生産環境の確認 • 保管及び輸送 • 生産時の保守管理及びヒトの衛生 2 2.加工原材料 • 危害要因の管理 食品の安全性にとって、工程での必要な管理項目のモニタリングの実行 • 微生物的、交差汚染及び二次汚染 生及び未加工の食品の、適切な管理及び物理的で明確な管理 • 物理的汚染 機械装置からの金属片やガラス、埃、からの食品汚染防止設定 金属探知機等による安定した検出装置または、スクーリング装置の設置 • 化学的汚染 殺菌剤・洗剤・潤滑油などの化学物質による食品汚染防止 (有毒なガスの発生及び侵入などにも注意する) 3 3.搬入される原材料の管理 • 受け入れ検収 搬入日時、配送車、製造元、納入業者及び数量の確認 原材料規格書に基づき、包装状態、品温、鮮度、表示等の現物確認 可能であれば、生産場所・衛生管理状態等を確認するのが望ましい • 保管 入荷後速やかに決められた温度の専用の保管設備で保存 入荷日の検索可能な状態 それぞれの専用の保管場確保 • 使用時の記録 使用する原材料の履歴確保(いつの入荷・どこからの購入・賞味期限) 使用日・使用したロット等の記録 製造現場に一度搬出品は、元の保管場所とは区分する 4 4.食品の取り扱い • • • • 迅速な作業 温度管理 異物の確認 した処理 野菜及び果実を加熱せず供する場合は、飲用適の流水で洗浄し、必要 に応じ次亜塩素酸ナトリュウム200ppm:5分間又は100ppm:10分間で殺菌し 飲用適の流水ですすぎ洗いを行う • 調理・加工・加熱工程 未加熱食品とは、別区画にてそれぞれの調理・加工を行う 加熱調理食品は、中心部75℃1分間以上加熱、又は同等以上の方法 無加熱食品は殺菌された有蓋の容器で、冷蔵又は冷凍する • 冷却工程 30分以内に中心温度20℃付近まで下げる 冷却後包装工程に移行しないものは、冷蔵庫にて保管 5 5.包装・盛り付け • 盛り付け、包装工程 清潔区域で作業し、室温は、20℃以下が望ましい 作業は連続的で停滞がなく、容器の開口時間の短縮 袋・ラップ等のシュリンク包装等により、保護性を増加する • 金属検査 製品の大きさ、構成する具材等で若干の差があるが、始業前のテスト ピースによる確認とアイテムごとの確認、最終時の確認は必要最低限 工場で1ヶ月ごと、業者によるメンテナンスは年/1回は必要 • ラベル貼り付け 消費者の対する重要な情報提供 法令に遵守し自社の情報を提供 作業前と終了後に確認し、同一サンプルを保管し、問題発生時に対応 6 6.製品の情報 《法令の製品規格》 A.弁当及びそうざい ・細菌数(生菌数):10万個以下/g ・未加熱処理(生野菜等)細菌数(生菌数):100万個以下/g ・大腸菌:陰性 ・黄色ブドウ球菌:陰性 B.漬物 ・カビ及び産膜酵母が発生していないこと ・異物混入がないこと ・合成着色料使用は、100ppm以下にすることが望ましい ・容器充填後加熱殺菌した物は、次の要件に適合すること カビが陰性 酵母は1000個/g以下 ・一夜漬けは、次の要件に適合すること ・大腸菌:陰性 ・腸炎ビブリオ:陰性 C.洋生菓子 ・細菌数(生菌数):10万個以下/g ・大腸菌:陰性(生鮮果実部を除く) ・黄色ブドウ球菌:陰性 ・製品に含まれる油脂の酸化が3を超えない ・製品に含まれる油脂の過酸化物価が30を超えない ・異物の混入がない D.ゆで麺 ・細菌数(生菌数):10万個以下/g ・E.Coli:陰性 ・黄色ブドウ球菌:陰性 7 食品制度の関係する主な法律 法律の名称 表示の趣旨 食品衛生法 (厚生労働省) 飲食による衛生 上の危害発生の 防止 JAS法 (農林水産省) 品質に関する適 正な表示《義務》 不当景品類及び 不当表示防止法 表示対象食品 表示すべき事項 名称・使用添加物・アレルゲン物質・ 保存方法・消費(賞味)期限・製造者氏 名・製造者所在地 生鮮食品 名称・原産地(水産物:解凍・養殖) 玄米及び精米 名称・原料玄米・内容量・精米年月日・ 販売業者・住所電話番号 加工食品 名称・原材料名・内容量・消費(賞味) 期限・製造者氏名・製造者所在地 輸入品は産出国名 JAS規格(任意) 遺伝子組み換え有無・有機JASマーク 虚偽、誇大な表示 景品表示法 禁止 不当な表示 過大な景品類の提供 計量法 (経済産業省) 内容量の表示 特定食品 内容量にマイナス公差あり 健康増進法 (厚生労働省) 健康及び体力の 維持向上 栄養表示(任意) 栄養成分・熱量 (公正取引委員会) 8
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