プロセスの再現性を得るにはどうすればよいか プロセスを制御する主パラメータは、次の3つ: ① 放電パワー プラズマ容器 ① 放電パワー 電子 ②ガス (圧力 p) 分子XY 電子 ラジカルX + ③ バイアスパワー しかし、同じパラメータにしても、プロセスは 再現しないことがよくある。 <原因の例> イオンY+ ・プラズマ容器や電極の経時変化(汚れて膜が堆積) (プラズマが膜と反応してラジカル組成が変化) 基板 ③ バイアスパワー ② 放電圧力 p ・整合器を代えたとき、電極の先端にかかる電圧が変化 (RFの伝送経路が変わり、正味のプラズマ吸収パワーが変化) <考察と対策> 気相反応 :電子衝突により、分子XYがラジカルXとイオンY+を生成。 ( XY + e したがって、ラジカルX の生成率 ~ (分子の密度:圧力p)×(電子の密度 ne) X + Y++ 2e) (1) 表面反応 :基板上のエッチング等の反応率 R は、ラジカルXの密度に比例するから、上式(1)より R pne (2) ここに、比例係数はバイアス電圧(イオン衝突エネルギー)が大きいほど大きい。 結局、式(2)より、同じ電子密度であれば同じ反応率になるので、 電子密度が同じになるようにパワーを制御すれば再現性が得られる。 最新技術 カーリングプローブによる電子密度測定 ・測定が容易 ・プローブに絶縁膜がついても測定可能 利点・特色 ・測定範囲:密度109 – 1012 (cm-3)、放電圧力0.1 – 500 Pa ・容器壁面に設置し、プラズマを乱さずにモニター可能 ・アルミナ溶射で金属汚染を防止できる プラズマ容器 カーリング プローブ 入射 反射 ネットワーク アナライザー ディスプレイ プラズマ カーリングプローブ 安価なシステムを京都のベンチャー企業(株)エナックが今年から発売 カーリングプローブによる電子密度測定の実験 プローブで測った共振周波数から密度を算出 ICP装置 13.56 MHz, RF コイル 共振周波数 石英板 カーリング プローブ 7cm プラズマ 基板ステージ 50 cm 周波数スペクトルのビデオ映像 (放電パワーを変化した例) パワーを ゼロからゆっくり増加、 1 kWで放電OFF、さらに1 kWの放電をON (株)エナックのホームページ( http://www.aceknack.com )からビデオを見る事が出来ます 測定の原理:アンテナのl/4 共振 通信用ダイポールアンテナの共振 ワイヤアンテナ スロットをスパイラル状にして コンパクト化 カーリングプローブ 電界 E 周波数 f L (l/4) ~ ワイヤアンテナは金属板内のスロットアンテナと等価 金属板 f ~ L (l/4) アンテナ長 L が l/4 となる周波数 f のときに共振 f c 4L e プラズマ中では誘電率として e ただし プラズマによって 共振周波数がf0 からf1に上昇したとき f1 f 0 n [ cm ] 1010 電子密度: e 0.806 2 -3 = 1 – fp2/f2 を代入 f p (GHz) 8.98 10 6 ne (cm 3 ) 2 堆積膜のモニタリング 壁面のクリ-ニング プローブ面を容器の壁表面に合わせる プラズマ容器 Curling Probe 堆積膜 プローブに膜が付着すると共振周波数が低下する (例えば10mmで10MHz低下)。 クリーニングで膜が無くなると共振周波数が上昇する。 この性質から膜厚をin situでモニターでき、壁面のクリーニングにも利用できる。 Resonance Frequency (GHz) 共振周波数と電子密度の放電パワー依存性 3.6 3.6 3.4 3.4 Ar: 1.0Pa 3.2 3.2 3.0 3.0 2.8 2.8 2.6 2.6 2.4 2.4 2.2 2.2 2.0 2.0 0 0 200 200 400 400 600 600 800 800 1000 1000 00 200 200 400 400 600 600 800 800 1000 1000 6.0E+11 Electron Density (1011cm-3) 6 5 5.0E+11 4 4.0E+11 3.0E+11 3 2 2.0E+11 1 1.0E+11 0 0.0E+00 Discharge Power (W) f = 13.56 MHz Power:P<800 W Ar, p=1 - 100 Pa 2.7 p=1.0 Pa 2.6 (GHz) ICP Discharge Resonance Frequency 電子密度の径方向分布の測定例 Power: 400W 2.5 2.4 0.56 Pa 2.3 2.2 0 RF Coil 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20 14 16 18 20 Curling Probe 7cm Plasma Substrate Stage 50 cm 2.0 (1011cm-3) Quartz Electron Density 2.4 p=1.0 1.0Pa Pa 1.6 1.2 0.8 0.4 0 0.56Pa 0.56 Pa 0 2 4 6 8 10 12 Radial Position r (cm)
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