On the uniqueness of Bertrand Joint work with Daisuke Hirata OT2010 1 Plan of the Presentation (1) Bertrand Competition in Homogeneous Product Markets with Constant Marginal Costs (2) Bertrand Competition in Homogeneous Product Markets with Increasing Marginal Costs (3) Supply Obligation and Multiplicity of Equilibria (5) Product Differentiation and the Uniqueness of Equilibrium OT2010 2 Duopoly ・企業数が1より大 ~自分が生産量を決めても価格が決まらない←ライ バルの生産量に依存 ~自分が価格を決めても販売量が決まらない←ライ バルの価格に依存 価格を決めるのか数量を決めるのかで競争の構造が 違う ⇒価格を決めるモデルか数量を決めるモデルかを分 ける必要性 数量競争モデル、価格競争モデルのどちらのモデル を使うべきか? OT2010 3 quantity-setting or price-setting 数量競争モデルと価格競争モデルでは結果がかなり 違う。 どちらのモデルがもっともらしいか?(現実的か?) →市場の構造によって違う。 数量競争モデル:価格よりも数量の方が変更しにくい (変更に時間がかかる、コストがかかる。。。。) 価格競争モデル:数量よりも価格の方が変更しにくい OT2010 4 an example of inflexibility of price-setting ・カタログ送付タイプの通信販売 年4回カタログを送付する通販。4半期の機会以外 に価格を変えるのは甚大な追加コストがかかる 一方申込量が増えれば柔軟に製造業者に追加発注で きる OT2010 5 another example of inflexibility of price-setting ・価格自体は規制されていないがその公表等の規制 がある (例) 約款・料金の届出規制、約款の公表義務 ・価格自体を売り手が勝手に変えられない。 ~価格体系を変えるのにはそれなりに費用がかかる OT2010 6 an example of inflexible quantity choice ・増産には設備投資、従業員の新規雇用が必要 一方で価格自体はそれより短い期間で変えられる ~普通の製造業には概ね当てはまる。 十分生産能力に余力があり、簡単に大規模な増産で きるような状況では当てはまらないかもしれない。 しかし、なぜそんな遊休施設を持っているのかとい う問題は残る。(ピークにあわせて設備を持って いるのでオフピークには価格競争に近くなるとい うストーリーはそれなりに現実的)。 OT2010 7 Bertrand Duopoly 企業1と企業2が同質財市場で競争 企業1と企業2は同時に独立に各自の価格を決定 各企業の利得は自社の利潤 Π1=P(Y)Y1ーC1Y1 (限界費用一定) Yi:企業iの生産量、Y ≡Y1+Y2、Ci:限界費用、P: 需要関数 Pは減少関数 OT2010 8 Bertrand複占モデル(整数制約 バージョン) 企業1と企業2の限界費用はともに整数 C1≦C2<P1M (C2≧P1Mなら企業1の独占(企業2が存在 しないときと同じ)で、複占で分析する意味がな い) 各企業はマージンを同時に独立に決める P1∈{C1+ε, C1+2ε, C1+3ε,...} P2∈{C2+ε, C2+2ε, C2+3ε,...} OT2010 9 rationing rule P1<P2企業1が全ての需要を取る P1>P2企業2が全ての需要を取る P1=P2企業1と企業2が半分ずつ需要を分け合う OT2010 10 Bertrand複占モデル(整数制約 バージョン) 企業1と企業2の限界費用はともに整数(C1≦C2<P1M) 各企業はマージンを同時に独立に決める P1∈{C1+ε, C1+2ε, C1+3ε,...} P2∈{C2+ε, C2+2ε, C2+3ε,...} 問題 C1<C2とする。純粋戦略ナッシュ均衡を求めよ。 OT2010 11 Bertrand複占モデル(整数制約 バージョン) 企業1と企業2の限界費用はともに整数(C1≦C2<P1M) 各企業はマージンを同時に独立に決める P1∈{C1+ε, C1+2ε, C1+3ε,...} P2∈{C2+ε, C2+2ε, C2+3ε,...} 問題 C1<C2とする。純粋戦略ナッシュ均衡を求めよ。 解答 P1 =C2 P2 = C2+ε OT2010 12 費用格差のあるBertrandモデル の特徴 費用の低い企業が市場を独占。価格は2番目に費用 の低い企業の限界費用に一致。 費用格差が小さくなると価格と限界費用の乖離が小 さくなる 2企業の差がほとんど無ければ均衡は完全競争の状 態に近くなる 僅か2社しか無くても近似的に完全競争と同じ状況 (Bertrand Paradox) OT2010 13 この講義のモデルで非正のマー ジンを認めない。理由は? P2≦C2という戦略はP2= C2+εにweaklyにdominateさ れる戦略。仮にナッシュ均衡においてこの戦略が 採られても尤もらしくなく、考える意味があまり 無い。 OT2010 14 Bertrand複占モデル(整数制約 バージョン) 企業1と企業2の限界費用はともに整数(C1≦C2<P1M) 各企業はマージンを同時に独立に決める P1∈{C1+ε, C1+2ε, C1+3ε,...} P2∈{C2+ε, C2+2ε, C2+3ε,...} 問題 C1=C2とする。純粋戦略ナッシュ均衡を求めよ。 OT2010 15 Bertrand複占モデル(整数制約 バージョン) 企業1と企業2の限界費用はともに整数(C1≦C2) 企業1はマージンを同時に独立に決める P1∈{C1+ε, C1+2ε, C1+3ε,...} P2∈{C2+ε, C2+2ε, C2+3ε,...} 問題 C1=C2とする。純粋戦略ナッシュ均衡を求めよ。 解答 P1=P2 = C2+ε(需要が非弾力的なときはP1= P 2 = C2+2εも) Bertrand Paradoxがより明確に出る OT2010 16 increasing marginal cost εが十分小さい。 対称複占(以降断りのない限りこれを仮定)。 価格は各企業の限界費用に限りなく近づく 両企業がP=限界費用まで生産(εだけマージンだ が十分小さいとして無視) OT2010 17 rationing rule revisited P1<P2 企業1が全ての需要を取る P1>P2 企業2が全ての需要を取る P1=P2 企業1と企業2が半分ずつ需要を分け合う これは自分に来た顧客に供給義務があると仮定し ているのと同じ ~これは多くの市場で妥当ではない 限界費用一定なら問題ない←来た顧客を断る誘因 はないから でも限界費用逓増の場合には問題が発生 OT2010 18 rationing rule P1<P2→D1=D(P1), D2=max{D(P2)-Y1, 0} P1>P2→D2=D(P2 ), D1=max{D(P1)-Y2, 0} P1=P2→D1=D(P1)/2+max{D(P2 )/2-Y2, 0} 自分の需要の範囲で好きなだけ売れる。ライバル が供給し残した顧客も自分の顧客としてとれる。 (Di≦Yiの範囲で好きな販売量を選べる) OT2010 19 Bertrand Equilibrium with Increasing Marginal Costs P D MC曲線を横に足した もの~供給曲線 0 OT2010 Y 20 Bertrand Equilibrium with Increasing Marginal Costs 両企業がP=限界費用まで生産~これは均衡にならない 片方の企業が価格を下げる →販売量は増やすことはできるがもともと価格=限界費 用だったの増やさない→無意味 片方の企業が価格を上げる →相手は販売量を増やさない→相手の販売量を所与とし て残余需要を全て取ることができる→元の点はP=MC だったから、価格上昇で必ず利潤増える OT2010 21 Pure Strategy Symmetric Bertrand Equilibrium P D MC曲線を横に足した もの~供給曲線 0 OT2010 Y 22 pure strategy symmetric Bertrand Equilibrium P>限界費用 片方の企業が価格を下げる →販売量を増やすことはできる(倍増) →需要の価格弾力性は実質的に無限大 片方の企業が価格を下げる誘因 ⇒symmetricな均衡(両企業が同じ価格をつける均衡) は存在しない。 OT2010 23 Pure Strategy Asymmetric Bertrand Equilibrium P P1 P2 D MC曲線を横に足し たもの~供給曲線 0 OT2010 Y 24 pure strategy asymmetric Bertrand Equilibrium P2 <P1 ーε →需要を全部取っているはず ⇒企業1は価格を下げる誘因 OT2010 25 pure strategy asymmetric Bertrand Equilibrium P2 =P1 ーε 企業2は需要を全部取っているか、価格=限界費用とな るまで生産。企業1は残余を取っているが、その量は価 格=限界費用となる量よりも小さい。 ⇒企業1は価格を下げる誘因 ←2 ε下げるだけで需要は急増する~実質的に需要の価 格弾力性無限大 ~純粋戦略均衡は一般に存在しない OT2010 26 Non-existence of pure strategy Bertrand Equilibrium Does this result (non-existence of pure strategy equilibrium) depends on the assumption of homogeneous product? p1=a-q1-bq2 p2=a-q2-bq1 b∈(-1,1] b>0 supplementary products b=1 homogeneous product b represents the degree of product differentiation. If b is sufficiently close to 1, no pure strategy equilibrium exists under increasing marginal costs. OT2010 27 Homogeneous Products P1 D1 P2 0 OT2010 Y 28 Differentiated Products P1 D1 P2 0 OT2010 Y 29 Bertrand Equilibrium with Increasing Marginal Costs もし供給義務があったら? 両企業がP=限界費用まで生産 片方の企業が価格を下げる →販売量は増えるがもともと価格=限界費用だった ので販売量が増加しても利潤は増えない 片方の企業が価格を上げる →需要量ゼロになって利潤は増えない 完全競争が再び均衡になる~でも均衡はuniqueでは ない OT2010 30 Bertrand Equilibrium with Increasing Marginal Costs P D MC曲線を横に足した もの~供給曲線 0 OT2010 連続に均衡が存在 Y 31 Indeterminacy of Bertrand Equilibria Does this result (indeterminacy of equilibria) depends on the assumption of homogeneous product? p1=a-q1-bq2 p2=a-q2-bq1 b∈(-1,1] b>0 supplementary products b=1 homogeneous product b represents the degree of product differentiation. If b =1, a continuum of equilibria exists. If b∈(0,1), the equilibrium is unique and it converges to Walrasian as b →1. OT2010 32 Notations pi: Firm i's price p*: equilibrium price of perfect competition C(qi) : Firm i's cost function Did: Firm i's demand function d: the degree of product differentiation Di0: Firm i's demand function in homogeneous product market~ Only the firm naming the lowest price obtains the market. If several firms name the lowest same price, they share the market equally. OT2010 33 Assumptions A1. 需要関数は自分の価格に対して連続で、需要量が正 である限り減少 A2. 同じ価格なら同じ需要 A3. 全ての企業が同じ価格を付けたとする。このとき各 企業の需要は価格の減少関数 A4. dが0に収束すると、需要関数も同質財のそれに収 束 A5. 全ての企業の価格が十分高ければ需要量は0になる OT2010 34 Results Under Assumptions A1.-A5, if d→0, then pk→p* OT2010 35 Intuitions 製品差別化の程度は十分に小さいが同質財ではないとす る OT2010 36 Differentiated Products P1 D1 P2 0 OT2010 Y 37 Intuitions 製品差別化の程度は十分に小さいが同質財ではないとす る 完全競争よりも高い価格に収束したとする 自分だけ価格を下げると利益が得られる OT2010 38 Homogeneous Products P1 MC1 P2 0 OT2010 Y 39 Differentiated Products P1 MC1 P2 0 OT2010 Y 40 Intuitions 製品差別化の程度は十分に小さいが同質財ではないとす る 完全競争よりも低い価格に収束したとする 自分だけ価格をあげると利益が得られる OT2010 41 Homogeneous Products P1 MC1 P2 0 OT2010 Y 42 Differentiated Products P1 MC1 P2 0 OT2010 Y 43 Summary 供給義務がある市場では連続的に均衡が存在するという 結果は、同質財という仮定に決定的に依存している 供給義務がある市場では、完全競争均衡に注目すべき OT2010 44
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