第6講スライド

Patent Licensing, Bargaining, and
Product Positioning
Joint work with Noriaki Matsushima
OT2010
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Plan of the Presentation
(1) Two Models of Location Model on the Hotelling
Line
(2) Basic Properties of Mill Pricing Location Price
Model
(3) Cost Difference in Mill Pricing Location Price
Model
(4) Licensing and Location Choice
(5) Nash Bargaining
(6) Bargaining Power and Product Positioning
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Two Models of Spatial Competition
(1) Mill Pricing Model (Shopping Model)
Consumers pay the transport costs. Consumers go
to the firm's shop.
(2) Delivered Pricing Model (Shipping Model,
Spatial Price Discrimination Model)
Firms pay the transport costs. Firms bring the goods
to the markets.
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3
Mill Pricing Model
(Shopping Model)
長岡京
河原町
高槻
梅田
茨木
淡路
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Delivered Pricing Model (Shipping
Model, Spatial Price Discrimination
Model)
北海道
東北
九州
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関西
東海
関東
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Mill Pricing (Shopping) Models
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Hotelling
Duopoly Model
長さ1の直線都市に消費者が一様に分布
各消費者はより近い企業から1単位の財を購入
各企業の利得は顧客数できまる(固定価格モデル)
各企業は独立に直線都市上に立地を決める
~典型的なshopping model
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Hotelling
企業1の立地
0
1
企業1の顧客
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企業2の立地
企業2の顧客
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Relocation of Firm 1
企業1の立地
企業2の立地
0
1
企業1の顧客
企業2の顧客
企業1が企業2に近づくと企業1の顧客が増える
→企業2の隣に立地するのが最適
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Equilibrium
Best Response of Firm 1
企業2の立地が1/2以上
→企業2の左隣で企業2の左側の需要を取る
企業2の立地が1/2以下
→企業2の右隣で企業2の右側の需要を取る
企業2のbest responseも同様
均衡:両企業が1/2に集積
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直線都市の解釈
(1) 文字通り都市。spatial interpretation
(2) product differentiation ~ horizontal product
differentiation
(3) 政治的な立場、選好
(3) の発想からのHotellingの結果の解釈
~2大政党制で両党の公約が似通う。
しかし企業競争もモデルとしては物足りない。
~実際に消費者は企業の立地だけでなく価格にも依存
した行動を取るから
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Two-Stage Location then Price
Model
Duopoly Model、長さ1の直線都市に消費者が一様
に分布。各消費者は実質価格(価格+移動費用)
のより低い企業から1単位の財を購入。移動費用
は距離の2乗に比例。
各企業の利得は顧客数*価格できまる。
各企業は第1期に独立に直線都市上に立地を決める 。
立地を見た後第2期期にBertrand競争。
~同じくshopping model
d'Aspremont, Gabszewics, and Thisse, (1979,
Econometrica)
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Maximal Differentiation
企業1の立地
0
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企業2の立地
1
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Equilibrium
各企業は両端に立地
→Maximal Differentiation
価格競争を避けるため
距離が近い→需要の価格弾力性大
・相手はより価格を下げる誘因
・自分も価格を下げる誘因
→戦略的補完性を通じて更に価格競争を激化させる
(ライバルの価格が下がる)
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Mixed Strategy Equilibria
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Uniqueness of the Equilibrium
Shopping, Hotelling, quadratic transport cost,
uniform distribution(普通のLocation-Price Model)
普通の感覚なら均衡はunique.
でも厳密には純粋戦略均衡は2つ
→混合戦略均衡が存在する
無数に混合戦略均衡が存在
でも両端を各企業が確率1/2でランダマイズする立地
パターンは均衡にはならない
OT2010
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Cost Differential between Firms
両企業の限界費用が違ったら?
格差が一定限度を超えない限り純粋戦略均衡は
Maximal Distance
格差が一定限度を超えると純粋戦略均衡が無くなる
なぜか?
費用の低い企業はライバルと同じ所に立地したがる
費用の高い企業はライバルと最大距離を取りたがる
では混合戦略均衡は?
→両企業が両端をランダムに選ぶ(Matsumura and
Matsushima, 2009)
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Cost Differential between Firms
and Licensing
両企業の限界費用が違ったら?
→コストの低い企業は高い企業にライセンス料を
取って技術を伝える誘因がある
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問題
企業1と企業2の立地が外生で両端に立地。限界費
用一定。企業1の方が限界費用が低い(c1<c2)
ライセンス契約無し
問題:均衡においてp1<p2 ,p1>p2, p1=p2 ?
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問題
企業1と企業2の立地が外生で両端に立地。限界費
用一定。企業1の方が限界費用が低い(c1<c2)
ライセンス契約あり。企業2の限界生産費用はc1に
下がる
ライセンス料、生産量1単位当たりr
問題:均衡においてp1<p2 ,p1>p2, p1=p2 ?
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Loyalty
Loyalty contract rと企業2の利潤は無関係
→r=c2-c1となる
Fixed Payment 供与されればやはり最大差別化
Combination
r=c2-c1, Fixed paymentの大きさ(企
業1から企業2への支払い)は交渉によって決まる
この交渉を内生化
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非協力ゲーム(noncooperative game)
各人が自分の利得を最大化するように行動
→協力できるのは、(ライバルの戦略を所与として)
協力行動が自己の利得を最大化するときのみ
⇒非協力ゲームは常に協力できない状況を記述する
ゲームではなく、誘因もないのに協力できること
を前提としないゲームのこと
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協力ゲーム(cooperative game)
協力を前提としたゲーム
⇒協力を前提としてしまったら後は何を分析するの
か?
⇒協力の結果得られた果実がどのように分配される
かという問題が残っている
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問題の例
登場人物AとB。
2人が協調しなければAは5の利得、Bは10の利
得を得る。
2人が協調すれば2人あわせて25の利得を得る。
⇒協調の結果25の利得を、2人でどう分けること
になるか?
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ナッシュ交渉解
登場人物AとB。
2人が協調しなければAはVaの利得、BはVbの利得を
得る。(Va,Vb)を威嚇点(threat point)という。
2人が協調すれば2人あわせてYの利得を得る。
⇒協調の結果Aの利得Ua、Bの利得Ubはどうなるか?
ナッシュ交渉解 (Nash Bargaining Solution)
Ua=0.5(YーVaーVb)+Va
Ub=0.5(YーVaーVb)+Vb
⇒二人が協調して得られる利益を折半する。
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一般化ナッシュ交渉解
登場人物AとB。
2人が協調しなければAはVaの利得、BはVbの利得を
得る。2人が協調すれば2人あわせてYの利得を得る。
⇒協調の結果Aの利得Ua、Bの利得Ubはどうなるか?
一般化ナッシュ交渉解(Generalized Nash Bargaining
Solution)
Ua=α(YーVaーVb)+Va
Ub=(1ー α)(YーVaーVb)+Vb
α:Aの交渉力(bargaining power)を表す。これが大きい
ほどAの交渉力が強い(Bの交渉力が弱い)。
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交渉
交渉→立地→価格競争
最大差別化でjoint profitを最大化
立地→交渉→価格競争
threat pointの改善効果も考えて立地を決める
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Model
企業1の方が限界費用が低い。
企業1の交渉力は企業2のそれより強いか同じ。
(1) 企業1がまず立地を選択、
(2) その後企業2が立地を選択
(3) ライセンス交渉
(4) 価格競争
なぜ立地をsequentialにするのか?
(a) 同時手番にすると純粋戦略均衡がなくなる
(b) まず先行企業が立地を決めライセンス供与を受け
る企業が続いて参入~それなりに現実的
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backward induction
(4) 価格競争は立地を所与とした、費用格差のない
Bertrand 競争。距離が近いほど激しい競争になり価
格が下がる。
(3) ライセンス契約は(4)を前提として、立地を所与と
してjoint profitを最大化するように決まる
r=c2-c1(上限のライセンス料、これより高いと企業2
はこの技術を使わなくなる)、固定支払いは交渉力
に依存
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立地選択
(2) 企業2は企業1との距離を出来るだけ大きく取る
(a) 距離が大きいほど契約後のjoint profitは大きくなる
(b) 距離が大きいほどThreat pointにおける自分の利益
が大きくなる。
(c)元々の費用差が大きいときには、距離が大きいほ
どThreat pointにおける企業1の利潤が減る。
(1) 企業1の立地は交渉力が十分に大きければ直線都
市の端に立地(最大差別化)。交渉力が弱まるにつ
れて真ん中に近づいてくる。
交渉力が強いときは(a)が重要。弱くなるにつれて
(b),(c)の重要度が上がってくるから
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Implications
交渉上手な企業が先進企業だと製品の棲み分けがうま
くできる。先進企業は無理にメインストリームを狙
わない。(クアルコム?)
交渉下手な企業が先進企業だと、その企業が中心を占
めて高いマーケットシェアを得るがライセンス収入
は伸び悩む(トヨタ?)
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