PowerPoint プレゼンテーション

1.テーマ名:大都市大震災軽減化特別プロジェクト
I 地震動(強い揺れ)の予測:
大都市圏地殻構造調査研究成果の概要
研究代表者:平田直 (東京大学地震研究所)
2.課題実施期間
平成19年7月18日
平成14年度~平成18年度
事後評価
1
3.研究開発概要・目的
地震発生源の特定が難しい関東平野南部と近畿圏などの大都市圏において、阪神・淡路大
震災級の被害をもたらす大地震を発生させる仕組みを解明するため、大規模な地殻構造の
調査研究を行い、これに基づき、高精度の地震動予測を行うための断層モデル等を構築す
る
1)弾性波探査により、
大深度の構造の推
定、震源断層の特性
化、首都圏の活断層
の把握
2)ボーリング調査によ
る堆積層の構造の
調査
3)断層モデル等の構
築
平成19年7月18日
事後評価
2
4.研究開発の必要性等
1.
2.
必要性
1. 首都圏と近畿圏は日本の人口の半数が集中する重要な地域で
ある。
2. 大規模地震に伴って発生する強震動を高い精度で予測すること
は、災害軽減についての様々な対策、施策を行う上で最も基本
有効性
1. 物理モデル(断層運動)に基づき、地表の強震動を数値モデルに
よって評価することが可能になる
2. 地震調査研究推進本部などによって行われる強震動予測に対し
て、本質的に有効な基礎を与える
3. 効率性
1.
2.
平成19年7月18日
大都市圏の地殻構造探査にもとづき、将来,地震調査研究推進
本部などで行われる強震動予測の高精度化に大きく貢献
今後の調査・観測体制に重要な指針を与える
事後評価
3
5.予算の変遷
億円
構造探査
H14
平成19年7月18日
H15
H16
事後評価
H17
H18
4
6.課題実施機関・代表者、体制
 研究代表機関:東京大学地震研究所
 実施機関:東京大学地震研究所(全国共同利用研究所)
及び京都大学防災研究所(全国共同利用研究所)、防災
科学技術研究所(再委託:産業技術総合研究所)
 関係する研究機関(者)の参加・協力を得て、研究を実施
する体制を構築
– 共同利用研究の公募を実施(19課題、110名の研究
者の参加)
 「大都市圏地殻構造調査研究運営委員会(事務局は東
京大学地震研究所:委員長 石田瑞穂)」
平成19年7月18日
事後評価
5
7.進行管理・連携体制
運営委員会の構成
大都市圏地殻構造調査
研究
運営委員会(石田)
ボーリング調査
検討委員会
(笠原・関口)
大深度弾性波探査
運営委員会
(梅田)
制御震源
(佐藤)
平成19年7月18日
自然地震
(梅田)
毎年2回:計10回開催
断層モデル
運営委員会
地震研究所共同利用
(纐纈)
事後評価
防災研究所共同
利用
(岩田)
6
8.課題の達成状況及び成果
a)目標の達成度
 調査はほぼ当初計画どおり実施され、良質なデータが得られた。
大深度弾性波探査や大規模ボーリングをもとに、断層モデルの構
築についての研究が総合的に実施された。これによって当初目的
は達成された。
b)研究成果の実用性

大大特の大規模地殻構造探査やボーリング調査によって得られた地殻・地盤情
報と、これまでに蓄積されてきた地殻構造・堆積盆地等の地下構造モデルを組み
合わせて、首都圏および近畿圏の強震動予測に資する地下構造モデルを構築した
c)次世代技術・学術への貢献
i) 島弧地殻構造探査技術への貢献
ii) 沈み込み帯のテクトニクス解明への貢献
iii) 強震動予測技術・強震動地震学への貢献
iv) 地震予知研究への貢献
平成19年7月18日
事後評価
7
大規模ボーリング調査
大深度弾性波探査 (首都圏)
つくば
山北
蓮沼
鴨川
・平成14年度
千葉県鴨川
(2000m)
・平成15年度
神奈川県山北
(2000m)
・平成17年度
千葉県蓮沼
(1800m)
・平成18年度
茨城県つくば
(1000m)
大深度弾性波探査(近畿圏)
大規模ボーリング調査
近江測線06
新宮-舞鶴04
●京都
●大阪
大阪-鈴鹿測線 04
・平成16年度(1)
大阪平野
(1000m)
・平成16年度(2)
京都盆地
(600m)
和泉測線06
平成19年7月18日
事後評価
9
大深度弾性波探査 : P3 東京湾測線
東京湾測線の反射断面
平成19年7月18日
事後評価
11
首都圏における成果
地殻構造探査によって、
•首都圏下のフィリピン海プレート上面
•その境界に位置する震源断層の形状
が明らかになった。
従来のモデルより有意に浅い
新しい断層モデルによる
強震動予測の再検討が
可能となった
反射強度とアスペリティ
の間の関係を実証
平成19年7月18日
事後評価
12
国府津ー松田断層
相模測線の結果
1923年関東地震の震源断層
国府津-松田断層はプレート境界の断層に収斂
→M8クラスのプレート間巨大地震の際に活動
平成19年7月18日
事後評価
13
震源断層
地殻内震源断層
地震探査測線
巨大衝上断層
内陸地震の震源断層・沈み込み帯の巨大衝上断層の
位置形状およびそれらの連結性
平成19年7月18日
事後評価
14
近畿圏における成果
和泉測線2007
中央構造線は約40度北傾斜で、深度7kmまで追跡された。
平成19年7月18日
事後評価
15
断層モデルと1923年関東地震の滑り分布
古いプレートモデル
新しいプレートモデル
Model A
Model B
Kobayashi and Koketsu (2005)
Sato et al. (2005)
新しいフィリピン海プレート面を用いた震源インバージョンの結
果,関東地震の2つ目のアスペリティの場所 (東京湾寄り) と深さ
(10平成19年7月18日
 15 km) が変化した.
16
事後評価
本郷における観測波形と、新しいモデルによる計算波形の比較
obs
syn
平成19年7月18日
事後評価
17
Model A と Model B (新モデル)による推定震度
本郷
新宿
Obs. MMI 7 (JMA 5-)
Syn. MMI 7 (JMA 5- ) Model A
アスペリティが深くなったことにより,
長周期地震動の
Syn.
MMI 8 (JMA 5+) Model B
Obs.
MMI 7 (JMA 5-)
励起は弱くなったが,
アスペリティが首都圏に近づいた
Syn.
MMI 9 (JMA 6-)
Model A
ことにより,
短周期地震動はやや増加した.
Syn. MMI 9 (JMA 6-) Model B
横浜
Obs. MMI 10 (JMA 6+)
Syn. MMI 9 (JMA 6- ) Model A
Syn. MMI 10 (JMA 6+) Model B
平成19年7月18日
事後評価
18
1923年関東地震の滑りモデルによる強震動の予測
古いプレートモデル
新しいプレートモデル
短周期震動が強い領域が広がる
2007 July 10
19
IUGG 2007 Perugia
首都圏の構造(成果の概要)
- フィリピン海プレート上面(巨大地震の震源断層)の形状が,
反射法地震探査によって明瞭にイメージングされた.
- 国府津-松田断層は、プレート境界からの分岐断層
- 明らかになった形状は,従来の推定より,有意に(10-17
km)浅い.
- 新しいプレート形状を用いて、1923年関東地震の滑り分
布を推定:滑りの大きい領域は北へ移動.
- フィリピン海プレート上面の反射強度は,アスペリティ領域で
小さい、アスペリティの下部延長で大きい傾向がある.
平成19年7月18日
事後評価
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大大特I (大都市圏地殻構造調査研究)のまと
め
1.弾性波探査: 首都圏・近畿圏の震源断層・プレート構造の解
明
- フィリピン海プレート上面の形状(巨大地震の震源断層)が,明瞭にイ
メージングされた
2.ボーリング調査
– 大都市圏を構成する平野の地下構造のモデル化
– 大都市圏を構成する平野の速度構造の解明
– 大都市圏における高感度観測点の整備
3.断層モデル等の構築
–
–
–
–
高精度な震源モデル化手法の開発
三次元速度構造に関する大大特統合モデルの作成
浅層地盤構造に関する大大特統合モデルの作成
大地震(例として、1923年関東地震)による1~3 の手法・モデルの整
合性の検証
– 開発した手法・モデルを用いた首都直下地震・東海地震・東南海地震
の強震動予測
平成19年7月18日
事後評価
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9.情報発信 (1)
(1)ウェブページの作成
大大特の研究内容等を広く開示するために,平成14年9月にウェブページを開
設した。 http://www.eri.u-tokyo.ac.jp/daidai/index.html
(2)新聞・雑誌・テレビ・ラジオ等での紹介
103件(新聞83件、テレビ20件:)
(3)論文等による発表
①口頭発表件数
631件(中間評価時から469件増)
②査読論文発表件数
147件(中間評価時から104件増)
③特許出願、ソフトウェア開発、仕様・標準等の策定件数
8件(中間評価時から7件増)
平成19年7月18日
事後評価
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9.情報発信
(2)
(4)シンポジウム・講演会等の開催
a. シンポジウム・講演会等の開催
7回(うち、3回は国際シンポジウム)
b. 大深度弾性波の実施に関する現地説明会
(9回)
大規模な構造探査を実施するために、特に地元
の報道関係者・行政担当者・住民に調査の趣旨
を説明するための現地説明会を開催した。調査
研究の目的・概要を説明し、観測装置等を現地
で解説する。記者の取材も受け付けた
平成19年7月18日
事後評価
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10. 今後の展望
1. 首都直下地震(30年確率70%)、東海・
東南海で発生する巨大地震の実態を
解明し、有効な減災対策を講ずる。
2. 首都圏・近畿圏以外の都市部の被害地
震の実態を、本プロジェクトで開発した
手法で解明する。
3. 本プロジェクトで開発された手法は、そ
の他の地震リスクを要する大都市に応
用可能であり、地震国日本の国際社会
に対しての重要な貢献となる。
平成19年7月18日
事後評価
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11.その他
 本研究で最も多大な研究費が投入されたのが、地殻深部のイメージングに対し
てである。
 理論的には可能なものではあったが、未知数も多く、困難な課題であった。
 幸いにも充分な予算配分を受け「戦力の逐次投入」に陥ることなく、首都圏下でフ
ィリピン海プレートのイメージングに成功した。
 この事実は海外でも驚きをもって報道され、本プロジェクト成功の契機となった。
本プロジェクトでは、こうした大規模な観測と理論的な研究を含む広範囲な統合
的な研究によって、当初目的を達成することができた。

本研究では、地震発生源の特定が難しい関東平野南部と近畿圏などの大都市
圏において、阪神・淡路大震災級の被害をもたらす大地震を発生させる仕組みを
解明するため、大規模な地殻構造の調査研究が行われ、その結果に基づき、高
精度の地震動予測を行うための断層モデル等を構築するという目的が達成され
た。しかし、こうした成果を安全・安心対策に直結する強震動予測として昇華させ
るためには、引き続きモデルの改訂と、強震動研究をなお一層、進展させること
が今後必要であろう。
平成19年7月18日
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