オペレーティングシステムJ/K (実時間処理システム) 2005年11月24日 酒居敬一([email protected]) http://www.info.kochi-tech.ac.jp/k1sakai/Lecture/OS/2005/ 「LAME」から「午後のこ~だ」へ[酒居ら, 2002] 。 •汎用プロセッサ向け。 •IA-32をターゲット。 •並列処理。 •データ並列演算。 •マルチスレッド処理。 •アプリケーションを考慮。 •キャッシュ制御が必要。 •SMP向けのジョブ分割。 •人手で最適化。 ② ① (12%) (25%) ③ (55%) ④ (8%) ISO MPEG-1 Layer III Audioに準拠した圧縮処理 スレッド分割 •入力はキャッシュにない。 キャッシュ制御 •キャッシュの有効利用。 データフロー解析 •フレーム間依存。 実時間処理システム • リアルタイムOS – ITRON – 分散リアルタイムOS技術 • いずれも参考資料は情報処理学会誌 • 文献ではMCUとMPUとCPUは使い分けてい るが、本講義ではCPUに統一している。 MCUはEmbeded CPUのこと。 ITRON1 • 1984年に検討が開始され、1987年に仕様策定 • リアルタイムOS • 多種類の16ビットCPUをターゲット • 広範囲の組み込み用途を強く意識 • 概念や用語の統一を重視 • オープンな仕様 ITRON1 • ハードウェアの性能を最大限生かす – 汎用すぎるRTOSでは性能が出なかった • ソフトウェアの生産性向上に役立つ – 移植性はそこそこに、教育面からの考慮を中心 • リターゲットを考えると移植性はそれほど重要ではない – おなじOSが使えることは大きな利点 • 各規模/多種類のプロセッサに標準的に適用 – 多種類向けのRTOSは多くなかった – 時間の経過とともにターゲットの変更はよくある → 図1 ITRON1の設計コンセプト • 弱い標準化(無理をしない標準化) – 共通化すると実行時性能の低下→標準化しない – 一般のOSでいうところの抽象化層を挿入しない – 多様なハードウェアの上で性能を最大限に発揮 設計方針 → 3.1 実装例 → 表2 μITRON • 1989年に仕様を策定 • 8~16bitCPUをターゲットに仕様を絞り込み – きわめて限られた計算能力で使用可 – 小容量のメモリに搭載可 • シングルチップCPU • 必要な機能だけを搭載することもできた • ITRON1と基本コンセプトは同じ • 32bit CPUにまで搭載されるようになった ITRON2 • 1989年に仕様を策定 • TRONチップをターゲットとしている – 比較的規模の大きな制御システムに使われる • ITRON1と基本コンセプトは同じ • ただし、応用は広がらなかった μITRON3.0 • 1993年に仕様公開 • 32bitCPUもターゲットにした • 接続機能をもつ • 古いμITRONも依然として使われている – 必要十分であれば移行は必要ない • ツールが充実してきた頃 ITRONの第2フェーズ • RTOSカーネルから周辺の仕様を標準化 • 組み込みシステムも大規模化へ進んでいる – カーネル仕様の標準化だけでは不十分 • 開発環境の充実が必要 • ソフトウェア部品のインタフェース標準化 • μITRON4のリアルタイムカーネル仕様 ソフトウェア部品のインタフェース標準化 • TCP/IPプロトコルスタック – 組み込み機器でもインターネット接続が必要 – ソケットインターフェースの問題点を解決 – 1998年5月に公開 – コンパクトで効率の良いAPI – 概念や用語はITRON仕様と整合 • Java実行環境 μITRON4 • ソフトウェア部品を流用したい – 移植性の高さが必要 – 弱い標準化ではできない • スケーラビリティは維持したい • スタンダードプロファイルを厳密に定義 分散リアルタイムOS技術 1-1. ハードリアルタイム 時間制約を満足しない場合に効用が-∞ 1-2. ソフトリアルタイム 時間制約を満足しない場合に効用がゆるやかに減少 2. スケジューリング問題 各ホストがタスクだけではなく、ネットワークやデータ ベースに関する時間制約を満足しないといけない いろいろなドメインのスケジューリングが必要 3. スケジューラビリティ解析問題 タスク間の実行順序関係はデータやメッセージに依存 メッセージのスケジューラビリティ解析なども必要 4. リアルタイム同期問題 セマフォのキューでも優先度決定が必要 5. リアルタイム通信問題 メッセージ転送時の最悪転送時間が規定できない リアルタイムOSの最新動向 • 時間制約の記述 – Cyclic Execution – 周期的タスクやデッドラインハンドラ • Rate monotonic, Earliest Deadline Firstスケジュー ル – ソフトデッドライン対象に評価関数の導入 – 資源予約方式 • CPUやネットワークなどが予約対象の資源 資源予約方式の最新研究トピック • 複数種類の資源の統合 – 依存関係のある資源を予約する場合を考慮 • 多階層のQoS表現の統合 – 表現が階層により異なることを考慮 • 複数の実行主体の統合 – ジョブは複数のスレッドに分かれている場合を考慮 • 分散資源予約の統合 – 異機種構成では性能や機能が違うことを考慮 午後の人々
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