パターン認識と機械学習 1.2.3 ベイズ確率 松本良太 ベイズ確率とは? • 定義 ランダムな事象が生起する頻度としての確率に加えて、ある命 題のもっともらしさ、あるいはその根拠になる信頼の度合いを 表す数値としての確率を含めた広義の確率のこと ベイズ確率とは? 例:南極の氷は100年後に消えるか という命題に対して ・頻度確率 繰り返し観測ができるような事象ではないのでうまくいかない ・ベイズ確率 今現在の南極の氷の溶ける速度についての仮説の信頼の度 合いを定める →新たな証拠があればそれに照らして修正していく →最適な値が出る ベイズ確率とは? • 弱点 ・仮説の選び方が悪いと高い確率で悪い結果が出る ・仮説の選び方によって結果が主観的になる ベイズの定理 P(B) = 事象Bが発生する確率(事前確率, prior probability) P(B|A) = 事象Aが起きた後での、事象Bの確率(事後確 率, posterior probability) とする。 P(A) > 0 ならば、 P(B|A)=P(A|B) * P(B) / P(A) ベイズの定理 • ベイズ確率の考え方では、A を定数とする必要はな く、ある分布に従う確率変数としてよい。この考え方 からすると、上のベイズの定理の式は、 – 主観確率分布P(A) に、係数P(X|A) / P(X)をかけることに より、証拠X を加味して、より客観性の高い確率分布 P(A|X) を求める • と解釈できることがわかる。このように確率分布をよ り客観的にする方法(ベイズ改訂)を利用して、A を 推定する方法が、ベイズ推定である。さらに新たな 証拠が加えられれば、事後確率を新たに事前確率 として扱い、ベイズ改訂を繰り返すこともできる(さら に高い客観性が期待される)。 ベイズの定理 • 先ほどの氷の話に当てはめる P(A)を今現在の仮説 P(B)を新たに判明した証拠とすると、 P(B|A)=P(A|B) * P(B) / P(A) P(B|A)はP(B)と照らしたときのP(A)の信頼の度合いを 表す。 この結果に応じてP(A)を書き換え、新たなP(B)が見つ かれば定理に当てはめていく
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