電化製品企業の比較 製作者 西田 菊代 辰巳 大樹 傍士 剛 SONY 【本社所在地】 〒141-0001 東京都品川区北品川6丁目7-35 【電話番号】 03-5448-2111 【代表者名】 出井 信之 【従業員数】 21,308人【平均年齢】38,6 歳 【平均賃金】 511.814 円 【事業内容】 電子電気機器製造販売 ソフトウェアの企画製造販売等々 KENWOOD 【本社所在地】 〒150-8501 東京都渋谷区道玄坂1丁目14-6 【電話番号】03-5457-7111 【代表者名】岡 誠 【従業員数】 2.594人 【平均年齢】 37.2歳 【平均賃金】314.781 円 【事業内容】 音響設備の製造販売等 HITACHI 【本社所在地】〒101-8010 東京都千代田区神田駿河台4丁目6番地 【電話番号】03-3758-1111 【代表者名】 庄山 悦彦 【従業員数】 66.046人 【平均年齢】 39.5 歳 【平均賃金】413.551 円 【事業内容】 電気機械の製造及び販売。 産業機械器具の製造、通信及び販売。 資本利益率とは何か? ・資本利益率とは投入した資本に対して会社が どれだけ、利益を出しているかという比率 大きいほど収益性が高いと評価する。 資本利益率=利益/資本×100 また上の式は利益額/資本額=利益額/ 売上高×売上高/資本額となおすことができる。 すなわち 資本利益率=売上高利益率×資本回転率である。 3社の資本利益率の比較 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 SONY KENWOOD HITACHI H.8年度 H.9年度 H.10年度 総資本経常利益率 会社の経営状態が分かる 総資本経常利益率=当年度経常利益/ 資産合計×100 全業種の平均は1.97% この値は大きいほどよい 総資本経常利益率は会社の通常の範囲 内の活動で得られた収益性を示す点で他 の会社との収益性や時系列を用いた比較 によく使われる。 3社の総資本経常利益率の比較 4 SONY KENWOOD HITACHI 3 2 1 0 -1 -2 -3 H.8年度 H.9年度 H.10年度 総資本利益率と自己資本利益率 総資本利益率= 当期純利益/資産合計×100 総資本利益率はその会計期間の総合的 な会社の収益率を示している。 自己資本利益率= 当期純利益/自己資本合計×100 自己資本利益率は株主が利益を得ることが できたかを示す投資利回り的な指標。 三社の総資本利益率と 自己資本利益率の比較 総資本利益率 自己資本利益率 3 2 1 0 -1 -2 -3 -4 -5 SONY KENWOOD HITACHI H.8年度 H.9年度 H.10年度 5 0 どちらとも -5 HITACHI -10 は当期純損失 -15 なのでマイナス H.8年度 SONY KENWOOD HITACHI H.9年度 H.10年度 損益分岐点 売上と費用が等しくなる売上高のこと 売上>費用ならば、利益が出る 売上<費用 ならば、損失が生じる 損益分岐点売上高の求め方 損益分岐点= 固定費 1-変動費 売上高 損益分岐点分析(SONY.KEN WOOD.HITACHI) 損益分岐点売上高を現在の売上高と 比較する事によって経営の安全性、 不況に対する抵抗力を見る。 ある製品プロジェクトや工場などをたちあ げる前に、どれくらいの売上高を確保でき れば採算を確保する事ができるか、費用 をいくらまで投資してもよいかを計算する。 固定費と変動費 固定費は費用の内、売上高の増減に関わ りなく、一定期間における総額が変化しな い費用の事である。 変動費は売上高の増減と相関関係をもっ て増減する費用の事。 実際のところ分けるのは難しいが、ここで は、商品原価、材料費、運送費、販売手数 料等で変動費を計算した。 三社の変動費と固定費の比較 固定費 2500000 2000000 1500000 1000000 500000 0 Sony Kenwood Hitachi Sony Kenwood Hitachi 変動費 2000000 1500000 Sony Kenwood Hitachi 1000000 500000 0 Sony Kenwood Hitachi 限界利益とは 限界利益=売上高ー変動費 利益から固定費を差し引いたものが、純 利益になる。 限界利益>固定費ならば利益が出る 限界利益<固定費ならば損失が出る ここが重要!! 限界利益率 ・売上高から変動費を差し引いた利益を限 界利益といい、売上高に対する限界利益 の割合のこと。 ・限界利益率=1-変動比率 =限界利益/売上高 ・上述したように損益分岐点を超えると利益 が発生 ・採算管理・予算管理のうえで有効 限界利益と限界利益率の比較 限界利益 2500000 2000000 1500000 1000000 500000 0 Sony Kenwood Hitachi Sony Kenwood Hitachi 限界利益率は HITACHIが 一番低い! 限界利益率 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 Sony Kenwood Hitachi Sony Kenwood Hitachi 三社の損益分岐点安全余裕率の比較 余裕率とはどの程度 まで収益構造に余裕 があるのかを示す指 標。 損益分岐点安全余裕 率(%)= (1-損益 分岐点売上高/売上 高)×100 10 5 SONY 0 KENW OOD HITAC HI -5 -10 -15 H.10年度 損益分岐点図表 総資本回転率 総資本の運用効率を見る指標 総資本回転率=売上高/資産合計(回) 総資本回転率は一年間に総資本が何回転して いるかにより経営効率を見る。 回転数が大きければ大きいほど資産を効率よく 運用しているとみなす。 回転率が低いということは資本の効率に無駄が あることを示しており、使っていない固定資産な どの不要資産を処分し負債の減少等の改善が 必要ということを示している。 3社の総資本回転率の比較 1.6 1.4 1.2 1 SONY KENWOOD HITACHI 0.8 0.6 0.4 0.2 0 H.9年度 H.10年度 固定資産回転率 設備の運用状況を表す値 固定資産回転率=売上高/固定資産 有形固定資産回転率= 売上高/有形固定資産 固定資産回転率の回転数が多ければ多 いほど、効率よく会社が固定資産を運用し ていると評価する。 また業種によって平均値が大きく違うので 各々の業種の平均値を知ることが重要。 3社の固定資産回転率の比較 3.5 3 2.5 2 SONY KENWOOD HITACHI 1.5 1 0.5 0 H.9 H.10 3社の有形固定資産回転率の比較 14 SONY KENWOOD HITACHI 12 10 8 6 4 2 0 H.9 H.10 棚卸資産回転率 資本の効率を表します 棚卸資産回転率=売上原価/棚卸資産 棚卸資産回転期間 =棚卸資産/売上原価×3 65 全業種の平均は7.88回 総合商社の平 均は50.23回に対し、重機械業は2.14回で ある。数値は大きい程、良好である。 自分の会社の属する業種と棚卸資産の内容を 把握することが重要。 棚卸資産のままで持ち続けると売れ残りが出て、 在庫を持つことによって、保管料等の追加費用 が発生する可能性があるので、在庫の調整が必 要 3社の棚卸資産回転率の比較 14 SONY KENWOOD HITACHI 12 10 SONYが 一番良好 である! 8 6 4 2 0 H.9年度 H.10年度 3社の棚卸資産回転期間の比較 80 70 60 50 SONY KENWOOD HITACHI 40 30 20 10 0 H.9年度 H.10年度 売上債権回転率 売上債権が一年間に何回転したのかを示す 売上債権回転率=売上高/(売上債権+ 受取手形割引残高)の平均 売上債権回転率は、売掛金を何回、回収 したのかということなので、高い方が資金 繰りが良好とみなすことができる。 回転率が高くなると 回転期間は短くなる ということ! 売上債権回転期間 売上代金を何日間で回収したのかをあらわす指標 売上債権回転日数=(売上債権+受取手形割 引残高)の平均値/売上高×365 業種間格差があるので業種平均との比較や過 去実績との比較が有効 売上債権回転日数は、債権の回収期間ひいて は資金繰りがよくなることを示すのでその数値は 小さいほどよい 売上債権回転日数が短いことは資金回収が早 いことを表している 現金取引の場合は売上債権回転率も売上債権 回転期間もゼロとなる 三社の売上債権回転率の比較 4 SONY KENWOOD HITACHI 3 3 2 HITACHIは 資金繰りが 悪化してる! 2 1 1 0 H.9 H.10 三社の売上債権回転期間の比較 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 SONY KENWOOD HITACHI 売上債権回転期間 と 仕入債務回転期間 の調和が重要! H.9年度 H.10年度 仕入債務回転期間 売上債権回転期間と見比べてみて、売上 債権回転期間が仕入債務回転期間よりも 長い場合は資金繰りが悪化していることを 示す。つまり、会社の資金繰りはこの二つ のバランスが重要である。 仕入債務回転期間=(支払手形+買掛 金)の平均値/当期仕入高×365 三社の仕入債務回転期間の比較 100 90 80 70 60 50 40 30 20 10 0 SONY KENWOOD HITACHI H.9年度 H.10年度 流動比率 会社の支払能力が分かる 流動比率=流動資産/流動負債×100(%) 日本の企業の製造業の平均は147.44%非製造 業の平均は112.96%理想的数値は200%である。 数値が大きければ大きいほど資金状態は良好 回転率をチェックし資産の中身にも注意が必要 全ての流動資産がすぐ支払いに回せることがで きないため、短期的な支払能力を見る為に、流 動資産の中で、現金や預金残高の占める割合を 把握することが必要!! これが 重要よ! 3社の流動比率の比較 180 160 SONY KENWOOD HITACHI 140 120 100 KENWOOD は、資金的に 好ましくない状態 に置かれている 80 60 40 20 0 H.8年度 H.9年度 H.10年度 当座比率について 流動比率よりも厳しく支払能力を見る指標 ・当座比率=当座資産/流動負債×100 ・当座比率の平均値は製造業で106.45%非 製造業で71.31%である。 ・流動比率と同じく、大きいほうが資金的に 余裕があると評価する。 ・しかし、同業他社との比較や過去からの比 較の推移を見て、その会社の適正な水準 を知ることが重要!! 3社の当座比率の比較 120 100 80 SONY KENWOOD HITACHI 60 40 20 0 H.8年度 H.9年度 H.10年度 固定比率 固定資産投資の安全性を見るための指標 固定比率= 固定資産合計/資本合計×100 固定資産投資が自己資本の範囲内ならば、 返済義務がなく、資金繰りの面では安全 固定比率は100%を下回る方が良い。 固定比率は低い方が安全といえるが、固 定資産の中身も見ることが重要 固定資産からすぐに流動化できる債権を 差し引くと実質的な固定比率が求められる 3社の固定比率の比較 200 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 SONY KENWOOD HITACHI H.8年度 H.9年度 H.10年度 100%を 下回って いるのは H.8H.9の HITACHI のみ 固定長期適合比率について 固定資産をどの程度長期資本で賄っているか示す指標 ・固定長期適合比率(%)=固定資産合計/(資本 合計+固定負債合計)×100 ・製造業平均で73.72%非製造業平均で88.76% ・固定比率同様に、低いほうが長期的な資金の安 全性が高いと評価し、100%がひとつの大きな目 安となる。 100%を超えてしま うと資産と運用のバ ランスが取れてない ことを意味する 3社の固定長期適合率の比較 160 140 120 100 SONY KENWOOD HITACHI 80 60 40 20 0 H.8年度 H.9年度 H.10年度 経常収支比率とは? 経常収支の状況の指標 経常収支比率(%)= 経常収入/経常支出×100 ・経常支出比率は経常収支尻が収入超過で あれば100%を超え支出超過であれば、 100%を下回る。 つまり流動比率や当座比率に対して 経常収支比率は能動的な指標!! 3社の経常収支比率比較 110 SONY KENWOOD HITACHI 108 106 104 H.10年度 のHITACHI のみが支出 超過である ! 102 100 98 96 94 H.8年度 H.9年度 H.10年度 増収率 売上高が伸びているかをあらわす比率 増収率=(当年度売上高-前年度売上 高)/前年度売上高×100 その産業がどのような状態にあるのか、そ の会社の状況に合わせた指標が重要。 何年かを比較して、この数値が大きく変っ ている場合には、なんらかの理由がある。 三社の増収率の比較 12 10 8 6 4 2 0 -2 -4 -6 -8 SONY KENWOOD HITACHI H.9年度 H.10年度 増益率 利益の伸びをあらわす比率 ・増益率=(当年度当期純利益-前年度当 期純利益)/前年度当期純利益×100 ・経常増益率(%)=当年度経常利益ー前年 度経常利益/前年度経常利益×100 ・会社の成長性を見る場合増収率で見た売 上高の伸びだけでなく、利益の推移を分析 する事も必要。 3社の増益率の比較 100 80 60 40 SONY KENWOOD HITACHI 20 0 -20 -40 -60 H.9年度 H.10年度 付加価値とは この算出方法には、控除法と加算法があ り以下にそれぞれの求め方を示しておく。 【控除法】付加価値=生産高-(直接材料 費+買入部分費+外注加工費+間接材 料費) 【加算法・日銀方式】付加価値=経常利益 +人件費+金融費用+賃借料+租税公 課+減価償却費 3社の付加価値の比較 900000 800000 700000 600000 SONY KENWOOD HITACHI 500000 400000 300000 200000 100000 0 H.9年度 H.10年度 配当性向 ・一般的に、成長している会社は配当性向を低く抑 え、利益を内部保留するが、往々にして内部留 保と配当性向のバランスが重要である! 50%以上→社外流出の方が多い。 低い→株主の立場が軽視されている 株主配当金 配当性向=――――――――×100 (%) 当期純利益 3社の配当性向比較 70 SONY KENWOOD HITACHI 60 50 40 30 20 10 0 H.8年度 H.9年度 H.10年度 平成八年度の KENWOOD と平成十年度の HITACHIは データなし。 1株あたり純資産 純資産を尺度とし、株式の価値を反映している 自己資本→資本金と資本準備金 株主が 払い込んだ + 会社が 資本 利益準備金とその他剰余金 留保した 利益 自己資本合計 1株あたり純資産= (円) 発行済株式数 3社の1株あたり純資産比較 4000 3500 3000 2500 SONY KENWOOD HITACHI 2000 1500 1000 500 0 H.8年度 H.9年度 H.10年度 1株あたり純利益 利益を尺度とする株式の評価基準 全業種平均、業種平均との比較は意味が 無いので、同業他社か過去実績と比較 当期純利益 1株あたり= ――――――――― 純利益(円) 発行済株式数 3社の1株あたり純利益比較 200 150 100 SONY KENWOOD HITACHI 50 0 -50 -100 H.8年度 H.9年度 H.10年度 会社の総合評価 まとめとして会社を総合的に評価する。 資産の安全性を見る指標として固定長期 適合率、資産運用状況として棚卸資産回 転率、総資本回転率。 成長性として増益率。そして、収益性とし て総資本経常利益率、自己資本利益率を 比較してみる。 SONYの評価 総資本経常利益率 2 増益率 6 1 固定長期適合率 1 2 0 H.10年度 H.9年度 -1 5 3 総資本回転率 4 棚卸資産回転率 自己資本利益率 増益率はマイナスに なり、自己資本利益は 伸びていることがわかる KENWOODの評価 総資本経常利益率 2 増益率 6 1 固定長期適合率 2 0 H.9 H.10 -2 5 3 自己資本利益率 総資本回転率 4 棚卸資産回転率 SONYに比べ 総資本回転率は高いものの、 増益率は低い。自己資本 利益率も下がっている。 HITACHIの評価 総資本経常利益率 5 増益率 6 1 固定長期適合率 2 0 H.9年度 H.10年度 -5 5 3 総資本回転率 自己資本利益率 4 棚卸資産回転率 自己資本経常利益率が 当期純損失のため大きく マイナスとなった。その他も H.9年度と比べてほとんど が下がっている。 三社の総合評価(H.10年度分) 総資本経常利益率 5 増益率 6 1 固定長期適合率 2 0 SONY KENWOOD HITACHI -5 5 総資本回転率 3 自己資本利益率 4 棚卸資産回転率 基本的に平均値を1として 計算しているが、自己資本利益率だけ 平均値が見つからなかったので SONYを基準として計算している 電化製品企業 の研究結果報告
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