スライド 1

T. Sameshima, TUAT
Introduction
1.教科書 タイトル:理工学系の基礎教育 物理学
出版社:学術図書出版社
ISBN:4-87361-938-6
2.講義ノートはホームページからダウンロード
1)http://www.tuat.ac.jp/~sameken/
2)講義ノートのメニューバーをクリック
3)2011年 物理学及び演習 (1年次後期) のコーナー
の物理 (ppt)をクリック
Introduction
3.演習と宿題は学習支援室蓮見室長が協力する。
学習支援室ホームページからダウンロード
1) http://www.tuat.ac.jp/~gakusyu/
2)演習問題 及び 宿題 をクリック
Introduction
4.必修科目
5.成績評価: 絶対評価
S:100〜90,A:89〜80,B:79〜70,C:69〜60,
D:59〜0
S〜Cは単位認定される。E1クラスと同一評価、
宿題&演習50点 (特別加点10点)
中間試験+期末試験 50点
Introduction
6.物理授業用ノートを用意すること
解説しよう
ちから
F がある。これはベクトルである。
実はこうなっているとする:
F 0
じゃあ
のとき
F 0
F  F1  F2
F1, F2 はつりあっている。
ならピクリとも動かないのか?
実は違う。物体の運動は重心の運動と相対運動
に分けられることを勉強する。
解説しよう
相対運動って何?
例えば円運動である。
dp
力は運動量の時間微分 F 
と表す。
dt
だから力を時間積分すると運動量の変化になる。

t2
t1
Fdt  p(t2 )  p(t1 )
これを力積と呼んでいた。
解説しよう
そのうち、力はポテンシャルエネルギーのベクトル空間微分
で表される場合を勉強する。
F   gradU
少しも難しくないのだが、とても大切である。
積分してみると、

r2
r1
F  d r  U ( r1 )  U ( r2 )
空間r1-r2間のポテンシャルエネルギーの変化即ち仕事とな
る。皆さん馴染み深い。例えば重力ポテンシャルエネル
ギーmgxの力は下向きであり、 F  (mg,0,0)
である。
解説しよう
ポテンシャルエネルギーUはスカラーである。
でも、ちからはベクトルである。
簡単なようだが間違い易いので良く勉強しよう。
F   gradU のちからを保存力という。
空間積分できるという意味である。
保存力ではない力は沢山ある。
有名な粘性抵抗を学ぶ。これは保存力ではない。
F  Cv
とても面白いし重要である。実は電流電圧特性で有名な
オームの法則は粘性抵抗作用である。
摩擦もまた保存力ではない。
解説しよう
円運動を学ぶ。そして角運動量なるものを学ぶ。
とうとう外積(ベクトル積)が登場する。
L  r p
時間微分すると、力のモーメントになる。
N  rF
力が、位置ベクトルと同じか反対向きなら、 N  0
だから力が回転中心の方向を向いているなら
角運動量は常に不変である。(角運動量保存則)
この法則からコリオリのちから2mvωが導かれる。
解説しよう
慣性モーメント I なるものが登場する。
回転されにくさの量である。結構面白い。
同じ重さ、同じ半径の円板とリングでは、円板の方が慣性
モーメントは小さい。よって回しやすい。どのくらい小さいか、
皆さんは直ぐに分かるようになる。
いろいろな言葉を学ぶ。
保存力・中心力・粘性抵抗・ポテンシャルエネルギー・角運
動量・力のモーメント・保存則・第一宇宙速度・第二宇宙速
度・慣性モーメント・剛体 等々。大したことないが言葉は理
解とコミニュケーションに重要である。しっかり勉強しよう。
解説しよう
単位は重要である。単位には歴史的意義がある。いろいろ
な表現に強くなろう。
例えばエネルギーの単位は?
J, Nm, eV, cal, FV2などなど沢山ある。全部使えるようにな
ろう。
数学の勉強:指数関数
指数関数を使って三角関数trigonometric functionを制覇しよう。
a b
ee
e 
a b
ab である。Multiplication rule
e
e
ab
である。Power rule
de ax
 ae ax である。ordinary differential equation
dx
a, b はどんな数でも成り立つ。
定義:
eia  cos a  i sin a
Euler's formula
aは実数
位置・速度・加速度
時間によって位置を変える質量mの物体がある。時刻
ゼロでは物体は原点にある。
位置ベクトルは:
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
Y
このとき、
rx  0  0
0 m
ry 0  0
rz  0  0
Z
X
位置・速度・加速度
位置の時間微分は速度である。
d
v t   r t 
dt
速度の時間微分は加速度である。
d
a t   v t 
dt
位置・速度・加速度
位置ベクトル
r  t    rx  t  , ry  t  , rz  t  
速度ベクトル




v  t    rx  t  , ry  t  , rz  t 
t
t
 t

加速度ベクトル
 2

2
2
a  t    2 rx  t  , 2 ry  t  , 2 rz  t  
t
t
 t

演習
問 半径rの円周上を角速度ωで運動する質量mの
物体の座標ベクトルの成分を
r  t    r cos t, r sin t 
と書くとき、
物体の線速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の加速度ベクトルの成分を求めよ。
物体の座標ベクトルの成分を
r  t   re
it
と複素指数表示するとき、物体の線速度を求めよ。
物体の加速度を求めよ。
演習
問
r  t    r cos t, r sin t 
d r t 
v t  
  r sin t, r cos t 
dt
d v t 
a t  
 r 2 cos t , r 2 sin t
dt

r  t   re
it
d r t 
v t  
 ireit
dt
d v t 
a t  
 r 2eit
dt

ベクトルとスカラー

1.ベクトルは成分表示される量 A  Ax , Ay , Az
2.ベクトルは加算的である。
A B  C
A  B ,A
x
x
y

 By , Az  Bz   Cx , Cy , Cz 
掛け算は2種類
1)内積(inner product, scalar product)
ベクトル・ベクトル=スカラー
A B  C
Ax Bx  Ay By  Az Bz  C
A  B  AB cos
A A  A
2
A B  B  A
ベクトルとスカラー
2)外積(outer product, vector product)
ベクトルxベクトル=ベクトル
A B  C
A B
y
z
 Az By , Az Bx  Ax Bz , Ax By  Ay Bx   Cx , Cy , Cz 
A  B  AB sin e
A A  0
いいこと
A  B  B  A
外積のXYZ成分はYZ→ZX→XYの順番に並べて
行けば簡単に求められる。
ベクトルとスカラー
問: +x方向に磁束密度Bで磁場が働いている。また、
荷電粒子が+y方向に速度vで運動している。
(1)磁束密度B,粒子の速度vをベクトル表示せよ。
(2)磁束密度Bの中を速度v で運動する荷電粒子には

 
F  qv  B
(1)
という力が働く。qは帯電粒子の電荷量である。この式
(1)を用いて、荷電子が受ける力の大きさと、その方向
を求めよ。
ベクトルとスカラー
問
(1) v   0, v, 0 
B   B, 0, 0 
(2) F  qv  B  q  0,0, vB 
∴粒子は-Z方向にvBの大きさの力を受ける。
このように、外積は 3次元ベクトルを考えた時に初め
てでてくる不思議な掛け算である。
位置・速度・加速度
問.位置ベクトル
r  t   t , t 2 , t 
の軌跡をとる物体の速度と加速度ベクトルを求めよ。
物体の運動を説明せよ。上記、位置ベクトル、速度ベク
トル、加速度ベクトルの時刻ゼロでの、お互いのなす角
度を求めよ。
位置・速度・加速度
問. a  t   0, 2,0
cos 
cos  
r t   v t 
r t  v t 
v t   a t 
v t  a t 


r  t   t , t 2 , t 
v  t   1, 2t,1
2 t  t 3 
t 2t
2 1  2t
2
4t
2  4t 2
2

2


2 1  t 2 
2  t 2 2 1  2t 2 
2t
2 1  2t 2 
t=0のとき:位置ベクトルと速度ベクトルの角度はゼロ。
速度ベクトルと加速度ベクトルの角度は90度。
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋
壁に掛けてあった気に入りの絵が
図1-1のように傾いていた.何かの
拍子に右肩を止めていたピンが外
れ,左肩のピンを支点にして回転
し傾いたのだろう.図1-1のように
絵が傾いて運動して止まるまでの
運動の過程を調べよう.簡単化の
ために絵は図1-2に示すように辺
の長さがaとbの長方形であり,質
量Mの一様な密度の剛体板とする.
この剛体板を図1-1と区別してPeintureと呼ぼう.最初辺O-Pの辺は水
平に静止していたとする.Pにあったピンがはずれ,鉛直下方に重力
加速度 gが働き点O回りにPeintureが回転して落下する.図1-2のよう
に重心を通る線OQと鉛直線の挟む角をθとする.時間微分係数の記
2
号は d , d  のように書くことにする.以下の問いに答えよ.
dt dt 2
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋
[1] まず摩擦などの抵抗が無いとしよう.最初Peintureは静止してい
たから,運動エネルギーKはゼロであった.Peintureの重心は落下に
より低下し,その際位置エネルギーが運動エネルギー K に変わる.
コーナーの位置Qが最下点に達した時,Peintureが獲得するKをM, a,
b, gを用いて表せ.
[2] Peintureは最初静止していたからそのときの角運動量L もゼロで
dL
あった.一般に L は力のモーメント N が働くことにより dt  N の関係に
よって発生する.Peintureが図1-2に示す位置にあるときPeintureに
は重力によりNが働く.Nは負の値である.NをM, a, b, g, θを用いて
表せ.
某大学平成23年度大学院入試物理問題抜粋
[1]
[2]
Mg
K
2

a 2  b2  b

a 2  b2
N 
Mg sin 
2
演習問題-1
問1
天井から吊り下げられた糸に質量mの錘がぶら下がっている。糸
の途中に別の糸を結び付け水平方向に力Fを加えたところ、天井と
糸のなす角がθになった。θとFの大きさ|F|との関係を求め、横
軸θ、縦軸|F|のグラフを描け。
θ
F
m
演習問題-2
問2
問1の結果を受け、水平に張った紐の中央にハンガーにかけた洗
濯物を吊るすとどうなるか考えよ。
演習問題-3
問3
車体重量1600 kgのトヨタPrius先頭部分にロープを掛け、K君とY
君がそれぞれ800 Nの力で図の方向に引っ張った。Priusに働く力
の大きさFと角θ(0°≦θ<90°)との関係を求め、横軸θ、縦軸Fの
グラフを描け。
演習問題-4
問4
さて、Priusは動くだろうか。議論せよ。