中野区環境区民講座10月13日用

中野区民環境学習講座その1
環境問題の変質
汚染型問題から持続型問題へ
国際連合大学・東京大学
安井 至
http://www.yasuienv.net
1
Ylab
CREST
実例として取り上げる問題(1)






(1)水俣型公害問題
(2)交通公害型問題
(3)POPs型問題
(4)日の出町型最終処分地問題
(5)豊島型不法投棄問題
(6)ダイオキシン問題と環境ホルモン問題
2
Ylab
CREST
実例として取り上げる問題(2)








(7)リサイクル問題
(8)温暖化問題
(9)持続可能先進国型問題
(10)持続可能途上国型問題
(11)RoHS型問題
(12)CSR・EPR問題
(13)BSE型問題
(14)自然保護などの問題
3
Ylab
CREST
(1)水俣型公害問題


「メチル水銀を含んだ廃水は、1932(昭和7)年
から1968(昭和43)年までの36年間、無処理
のまま流された(廃水には、水銀以外にセレン、
タリウム、マンガン等の有毒な重金属や化学物
質も含まれていた)。排水中の水銀は400~60
0トンにもおよび、不知火海沿岸で魚介類を食べ
続けた人々に発生した大規模な有機水銀中毒
事件」。
規模としては、1996年の政府解決策の対象者
が10,353人
4
Ylab
CREST
環境問題パターン化の解析方法





★被害
(A)原因:直接原因、間接原因、背景など
を含めた議論を行う。
(B)加害者:直接加害者、間接的加害者
(C)被害者:直接的被害者、間接的被害者
(D)解決法:技術的側面、法律的な対応、
社会的な対応、その他の解決法
5
Ylab
CREST
水俣型の解析





★被害:甚大
(A)原因:直接原因は工場排水。間接的原因と
しては、経済最優先主義、環境容量に対する無
理解。それに、命の軽視。
(B)加害者:直接はチッソなる会社。公害に対す
る社会全体の無理解も大きい。国としての責任も
勿論あり。
(C)被害者:地域住民。
(D)解決法:直接的には、排水処理技術。間接
的には、排水規制=行政であり、それを決めた
社会。
6
Ylab
CREST
(2)交通公害型問題
ディーゼル車の排ガス規制






燃料の低硫黄化の推進
NOx偏重の日本
PM重視のヨーロッパ
燃料コスト重視の日本
CO2排出削減のヨーロッパ
無関係のアメリカ
7
Ylab
CREST
NOx(g/kWh)
NOx
8
7
6
5
4
3
2
1
0
1995
EU
日本
2000
2005
2010
8
Ylab
CREST
PM(g/kWh)
PM
0.3
0.25
0.2
EU
日本
0.15
0.1
0.05
0
1995
2000
2005
2010
9
Ylab
CREST
10
Ylab
CREST
肺がん死の増加
がん全体は、年齢補正をすると増加傾向には無い
11
Ylab
CREST
(6)ダイオキシン・環境ホルモン問題
安全・安心に関わる環境問題

鳥瞰的視野の欠落が問題を異形化する







ゼロリスクが目標の「安全ボケ」社会
「売れる記事」が必要なメディア
「新しい研究費」が必要な研究者
「新しい規制」が必要な行政
規制に便乗してビジネスチャンスにする企業
鳥瞰的な評価ができる評論家の不在
多くの場合、市民が「人質」になる。
12
Ylab
CREST
いくつかの基本的問題

「安心・安全」が国家戦略であること


「日本は駄目だ」という記事が好きな国民



本来、安心と安全とは全く異なった事象
こと環境汚染に関する限り、日本はベスト
悲惨な過去は「過去」
「理科・科学・技術離れ」の日本人




生涯賃金の高さで文系を選択する学生
文系の大学での「理科教育の悲惨」
「技術が支える日本」の現実を認識しない
文系支配のメディア
13
Ylab
CREST
「奪われし未来」から始まった

“Our Stolen Future”
by Theo Colborn, Dianne
Dumanoski, John Peterson Myers,は1996年初

に出版された。科学探偵物語という副題が
ついた環境警告本であるが、レイチェル・
カーソン著「沈黙の春」と同様、米国社会に
大きな影響を与えた。(1997年11月17日の個人
Web)
すなわち、環境ホルモンは「フィクション」と
して始まった。
14
Ylab
CREST
フィクションから社会問題へ




フィクションでは、何も起きないのが日本社
会である。
そこで“SPEED’98”の果たした役割は大き
い。
なぜなら、国が「お墨付きの可能性」を表
明した。
SPEED’98以来、このリストにある物質がメ
ディアによって環境ホルモンと呼ばれるよ
うになった。
15
Ylab
CREST
Strategic Programs on Environmental
Endocrine Disruptors '98


平成10年度山口県の文書より
人や野生生物の内分泌作用を攪乱し、人の健康
や生態系に悪影響を及ぼす可能性のある内分
泌攪乱化学物質、いわゆる環境ホルモン対策に
ついては、10年6月、庁内の関係課及び環境保
健研究センターで構成する 環境ホルモン問題連
絡会 を発足し、これまで3回の会合を持つなど
新たな科学的知見等の情報収集に努め、適切な
対応方法を検討していくこととしている。
16
Ylab
CREST
環境ホルモンとしてかなり“クロ”



PCB、ダイオキシン ただし、発生時
トリブチルスズ
ただし、貝類だけ
ノニルフェノール ただし、魚類だけ


ただし、本物の女性ホルモン代謝物の影響よ
り遥かに低い
フタル酸類 ただし、魚類だけ(効果弱)
17
Ylab
CREST
環境ホルモンとしてほぼ“シロ”






ヒトに対して;
フタル酸エステルのすべて
アルキルフェノールのすべて
ヒト以外も;
スチレンニ量体、三量体
ブチルベンゼン
18
Ylab
CREST
環境ホルモンとしてグレー

BPA(ビスフェノールA) かなりシロいが




最大のヒトの摂取は缶コーヒーだった
古い農薬類 可能性は低い
重金属類 可能性は低い
結論:環境ホルモン問題は、ヒトに対して
は、やはりフィクションであった?
19
Ylab
CREST
6月(2002)の環境省の報道資料




環境ホルモンの恐れのある物質から、優
先順位の高い順に調査・研究を行った。
その結果、フタル酸エステルの大部分は、
通常の毒性物質として取り扱うことでよい。
継続して調査中のものも若干ある。
オクチルフェノールが、2番目の環境ホル
モンとして認定された。
20
Ylab
CREST
各紙の報道



読売新聞:社会面
環境ホルモン2例目の認定
環境省は14日、主に工業用洗剤の原料に使
用されている化学物質「オクチルフェノール」(略
称OP)を、環境ホルモン(内分泌かく乱物質)と
認める調査結果をまとめた。OPを混ぜた水の中
で飼ったメダカに生殖機能の異常が確認された
ためで、同省が認定した環境ホルモンは、ノニル
フェノールに次いで2例目。(157字)
21
Ylab
CREST






朝日新聞:総合面
化学物質「4-オクチルフェノール」 環境ホルモンと確認 世界2例目
工業用の界面活性剤やプラスチックの可塑剤に含まれる化学物質「4-オクチルフェ
ノール」に、魚類をメス化する内分泌撹乱物質(環境ホルモン)の作用があることが環境
省の調査でわかった。同省が昨年、工業用洗剤の原料になるノニルフェノールが環境ホ
ルモンであることを世界ではじめて確認したのに続き、2番目となる。
14日に開かれた同省の検討会で報告した。メダカを水槽に入れて飼う実験では、1
リットルあたり94マイクログラムの濃度で、オス10匹のうち5匹の精巣から卵細胞が見
つかった。また、一定以上の濃度になると、メスの産卵数が少なくなり、卵の受精率が下
がることもわかった。ただ、魚類への影響は1リットルあたり0.992マイクログラム以下
ではなくなると考えられる。国内の河川の平均濃度は1リットルあたり0.03マイクログラ
ムで、影響は低いと見られるという。
同省は人への影響を調べるためラットを使った実験をしている。ダイオキシンなどに比
べ人体への蓄積性が低いことなどから、影響は低いと見ている。
4-オクチルフェノールは、ノニルフェノールとともに界面活性剤の原料となる。99年に
国内でノニルフェノールは1万9千トン、4-オクチルフェノールは1万トン使われたと推定
される。
日本石鹸洗剤工業会は、98年、日本石鹸洗剤組合などは99年から家庭用洗剤への
使用を自粛している。日本界面活性剤工業会は、昨年からクリーニングや自動車洗浄な
ど、廃水処理が不完全な汚泥が環境中に出ていく場合は使用を自粛するよう呼びかけ
(682字)
ている。
22
Ylab
CREST
BPA、「ナゾの研究」と報道



朝日新聞11月29日2002年朝刊
広島市で行われた「内分泌攪乱化学物質問題に
関する国際シンポジウム」で、環境省研究班の
平原史樹・横浜市立大学教授と黒木良和・神奈
川県立こども医療センター所長が28日に発表し
た。
正常児を生んだ815人の妊娠中から出産まで
の血液と、尿道下裂男児を出産した30人の血液
を比較した。その結果、ビスAの濃度は、正常児
の母親で0.4ng/mlであったが、尿道下裂児
の母親の平均値は、その2倍であった。
23
Ylab
CREST





生データ・周辺データなど
・対照母体血
0.40±0.29ng/ml n=1655
・臍帯血
1.37±2.29ng/ml n=398
・出産障害母体血
0.65±0.16ng/ml n=5
・尿道下裂児の母親 1.32±0.93ng/ml n=30
だだし、出産後半年から16年後の採血?
BPAの体内半減期は6時間ぐらい
北大の山田教授:1989年のBPAの血中濃度が5.6
2ng/mlだったものが、1998年には、0.99ng/ml
と低下
発表者自身もこの研究の弱点を認めていた。
しかし、なぜか報道資料が作られており、それに基づい
て新聞発表が行われた。
24
Ylab
CREST
益
永
先
生
の
研
究
三井化学が大反発、しかし部分的に認めた
25
Ylab
CREST




(6)環境ホルモン型問題の解析
★被害:生態系に対しては「有りうる」ことが分かっ
てきた。しかし、ヒトに対しては、「被害は何か」、と
いう定義すらはっきりしなかった。
すなわち、将来起こりうるor起こるかもしれない被
害が議論の対象。
このような問題を(1)水俣型と同じような反応をす
ることの「愚かさ」。その愚かさにすべての当事者
は気付いていたのか?
少なくとも、すべての議論を、「生態系」と「ヒト」と
を分けて考える必要あり。
26
Ylab
CREST
予防的対応が解か?




完全に分かっているものなど、皆無。
何がなんでも予防的に禁止するのが予防原則
ではない。
科学的な知見によって、将来のリスクが大きい
ものに対して、予防的に対応すること。
そのためには、鳥瞰的見方が必要。





時間的な経過データを重視すること
過去の暴露が大きかったことの理解
バックグラウンドの存在とその大きさ
リスクミニマムを目指す
トレードオフの解明
27
Ylab
CREST
「安心と安全」の問題




安心が国家戦略であること自身、Populism
スウェーデン、ドイツも同様
「安心と安全」が違うことを正しく認識するこ
とは、地球環境の最大の問題点である「持
続可能性維持」のための必須。
ヒトという生物と地球の能力の正しい理解を
通しての「悟り」の獲得が必須=自然科学
に裏打ちされた「悟り」
28
Ylab
CREST
安心を買うためにいくら払う?



「安心・安全」が国家戦略である以上、
今後も環境ホルモン研究が「安心・安全」
のためのものならば、このような考え方が
必須。
環境ホルモン研究が「未知」に対する科学
的チャレンジであるのなら、その価値は後
世が決める。
29
Ylab
CREST
(11)RoHS型問題


EUの毒性物質規制
重金属4種


臭素系難燃剤2種


Cd、Hg、Pb、Cr6+
PBDE、PBB
2006年7月、電子電気機器へ使用禁止
30
Ylab
CREST
被害者は居るか



ソニーPSOne摘発問題。
2001年12月:コントローラ塩ビケーブル
中のカドミウム使用が判明。オランダの基
準を超している。基準値は、製品重量の0.
01%。130万台が出荷停止に。
もし、RoHSを破れば、
ビジネスリスクは大きい。
31
Ylab
CREST





健康被害者は居るのか
鉛に限れば、過去最大の環境問題は、ガソ
リン中の四エチル鉛
米国では、総量で700万トンの鉛が大気に
放出されたとか
日本では、牛込柳町の鉛中毒事件
日本の土壌中の鉛汚染は、順調に低下中。
現在世界での鉛生産量500万トン。0.6%
がはんだ。3万トン程度。
32
Ylab
CREST
RoHS規制対象の問題






(A)原因:有毒性の元素使用、ダイオキシ
ン類似物質使用
(B)加害者:工業全般 特に 製品
(C)被害者:?? 強いて言えば、1000
年後の未来世代?とビジネスリスク
(D)解決法:??? 同じ規制を?
(E)要請者:現政権、人気取りのため
(E‘)要請者:日本産業界?
33
Ylab
CREST
Sonyの某幹部



RoHS規制は欧州の先進的規制である。
中国ですら同様のものを作ろうとしている
のに、日本の対応の遅れは情けない。
反論:
RoHSによって生じるリスクは、ビジネスリ
スクでしかない。ビジネスリスクの存在を理
由に規制を求めることは、筋違いである。
34
Ylab
CREST
鉛で公園の土、砂汚染





2004年2月1日 朝日新聞1面
東大:吉永淳助教授
国環研:田中敦主任研究員
砂場:25.4ppm、表土:67.3ppm
150ppmを超す表土も
「すぐに危険なレベルではないが、身近な
場所で乳幼児が鉛汚染にさらされやすく
なっている」、吉永談。
35
Ylab
CREST





鉛の情報
○鉛がヒトの必須元素であると確定はしていない。議論
があるところ。
○ヒトは、鉛を食物・飲み物などから多少暴露を受けるが、
大部分は、高温状態の鉛のガスあるいは古くなったペン
キからの微粒子などから摂る。
○鉛精錬、鋳造、などの職種にあるヒトの血中濃度は、
一般人よりも高い。
○以前は、有鉛ガソリン中の四エチル鉛が大気中の微
粒子の原因であった。途上国ではまだ使用されているが、
日本では、1975年にレギュラーガソリンへの四エチル
鉛添加が禁止され、その後、ハイオクガソリンへの添加も
なくなった。
○EUでは、2000年1月1日に有鉛ガソリンの販売を禁
止したが、イタリアは、古い車が多く、そのため、2年間延
期。
36
Ylab
CREST






○鉛は、水道水の配管として使われてきた。若干水道水に
溶け込む。そのため、今でも、鉛管を使っている家では、朝
一番のヤカン一杯の水は飲むべきでない。
○鉛白と呼ばれる顔料(化学物質名は塩基性炭酸鉛)など
は、以前、壁に塗るペンキに使用されていた。厚く塗られた
ペンキの剥げ落ちた破片を食べると、子供の血中濃度は
上がる。
○鉛は散弾として狩猟に使用される。この鉛は、小石を飲
み込む習性をもった鳥類の一部にとって有害である。
○猛禽類は、散弾を受けて死んだ動物を食べるため、鉛
中毒になる可能性がある。
○EPAは、ペンキ中の鉛白が原因の子供への影響をもっ
とも深刻なものとして捉えている。
○地殻中の存在量は13ppm。自然なレベルは、15~30
ppm。以前は、道路の脇などにおける鉛は多いとされてい
た。例えば、5000ppm。
37
Ylab
CREST
ODCEの対応


1997年
子どもの血中鉛濃度が 10μg/dL 以下になるよう、
さらなる方策をとるべき注意を喚起する。血中鉛
濃度がこのレベルを超える場合には、さらなる方
策が必要。
加鉛ガソリン使用の削減と廃止、子ども用製品
中の鉛の除去、塗料及びさび止め剤での鉛の不
使用、食物及び飲料水を通じて体内に取り込ま
れる元となる製品中の鉛の制限、及び、これらを
源とする鉛の除去と低減のために、スケジュール
と戦略を設定することを表明する。
38
鉛の血中濃度
Ylab
CREST



子供の知能の発達などに悪影響があるとされ
ている。10μg/dLあたり、IQが7.4下がるとす
る論文がある。それに対する反論もあるようだ。
さらに、3μg/dL以下でも女児の性徴の発達
に影響が無いとは言えないとする発表もある。
血中濃度とガソリン中の四エチル鉛の濃度との
相関が非常に高い。ガソリン中の四エチル鉛を
ゼロにすると、血中濃度は、3.1μg/dLぐらい
になる。
米国EPAの発表によれば、
「5歳児以下の子どもの血中の鉛濃度平均値は、
1976年~1980年の15μg/dLから
1999年~2000年の2.2μg/dLへと
約85%も減少した」.
39
世界の健康リスクの状況
40
Ylab
CREST
環境の未来は暗いか?








統計によれば、最近の若者の7割は、自分
たちの生きている環境は、親の生きた環境
よりも悪いと思っている。
環境ホルモン
ダイオキシン
狂牛病対策に関わる食品ラベル詐称
ディーゼル排ガス
中国産野菜残留農薬
香料未承認添加物
原子炉損傷隠し
41
Ylab
CREST
ダイオキシンとPOPS
日本における環境問題の
推移。ただし、ごみの最終
処分問題を除く。
大気汚染
環境ホルモン
オゾン層破壊
水質&海洋汚染
土壌&底質汚染
資源・エネルギーの消費
地球温暖化
1970
2000
2050
42
Ylab
WHOの世界健康報告書2002
CREST
日常的なリスク要因と
それによる損失余命 年×100
43
Ylab
CREST
WHO日常的なリスクによる損失余命比較 単位・年
低体重
鉄欠乏
VA欠乏
亜鉛欠乏
高血圧
コレステロール
体重オーバー
野菜果物不足
運動不足
危険な性交渉
避妊の欠落
たばこ
酒
ドラッグ
不衛生な水
大気汚染
煙の室内汚染
鉛暴露
気候変動
怪我(職業上)
発がん物質
SPM
ストレス
騒音
注射
幼児虐待
世界
20.73
4.22
4.25
4.35
9.07
5.71
3.78
3.83
2.59
12.57
0.69
7.45
5.34
0.79
8.04
1.05
5.74
0.46
0.81
1.16
0.22
0.24
0.00
0.00
1.50
0.28
日本+
0.01
0.05
0.00
0.00
5.94
3.01
1.92
1.87
1.78
0.23
0.00
6.15
1.61
0.49
0.03
0.54
0.00
0.05
0.00
0.23
0.23
0.06
0.00
0.00
0.00
0.16
北米
0.01
0.18
0.00
0.00
7.03
6.44
6.58
3.65
3.03
0.98
0.00
13.81
2.80
1.27
0.02
0.48
0.01
0.12
0.01
0.20
0.28
0.21
0.00
0.00
0.00
0.12
EU
0.00
0.09
0.00
0.00
8.86
6.97
5.71
2.53
2.95
0.46
0.00
11.43
3.01
0.97
0.02
0.28
0.00
0.13
0.00
0.23
0.35
0.17
0.00
0.00
0.00
0.07
44
Ylab
CREST
女
0.01
0.05
0.00
0.00
0.01
0.04
0.00
0.00
7.51
3.81
2.26
2.53
2.15
4.36
2.22
1.57
1.21
1.41
0.05
0.00
0.40
0.00
9.70
3.99
0.75
2.58
-0.77
0.23
0.03
0.68
0.00
0.06
0.00
0.03
0.40
0.00
0.03
0.00
0.44
0.39
0.12
0.00
0.00
0.03
0.08
0.01
0.00
0.00
0.00
0.13
0.00
0.19
数
値
は
損
失
余
命
年
・
日
本
に
お
け
る
日
常
リ
ス
ク
男
女
差
男
栄養失調
低体重
鉄欠乏
VA欠乏
亜鉛欠乏
生活習慣病
高血圧
コレステロール
体重オーバー
野菜果物不足
運動不足
性的要素
危険な性交渉
避妊の欠落
嗜好品
たばこ
酒
薬・ドラッグ
環境リスク
不衛生な水
大気汚染・空気汚染
煙の室内汚染
鉛暴露
気候変動
職業リスク
怪我
発がん物質
SPM
ストレス
騒音
他のリスク
注射
幼児期性的暴力
45
Ylab
CREST
健康寿命と平均寿命の差
不健康期間(%) 不健康期間(年)
男
女
男
女
オーストラリア
9.4
11.4
7.3
9.4
オーストリア
9.3
10.7
7.1
8.7
ベルギー
9.5
11.6
7.1
9.4
デンマーク
7.3
10.9
5.5
8.7
フィンランド
9.1
10.8
6.8
8.8
ドイツ
9.1
10.9
6.8
8.8
アイスランド
9.8
11.6
7.7
9.4
アイルランド
8.3
11.2
6.1
8.9
イタリア
9.2
11.3
7.0
9.3
日本
8.3
10.6
6.5
9.0
オランダ
9.4
11.9
7.1
9.6
ニュージーランド
9.1
11.6
6.9
9.4
ノルウェー
8.9
11.4
6.8
9.3
スウェーデン
9.2
11.1
7.1
9.1
スイス
8.0
10.2
6.2
8.5
英国
8.8
11.3
6.6
9.0
健康寿命
男
女
70.1 73.2
68.9 73.0
67.7 71.8
69.3 70.8
67.7 72.5
68.3 72.2
70.5 71.9
67.6 70.4
69.2 72.9
71.4 75.8
68.7 71.1
69.1 71.5
69.3 72.2
70.5 73.2
71.1 74.4
68.4 70.9
平均寿命 平均寿命
男
女 男女差
77.4 82.6
5.2
76.0 81.7
5.8
74.8 81.2
6.4
74.8 79.5
4.7
74.5 81.3
6.8
75.1 81.0
5.9
78.2 81.3
3.2
73.7 79.3
5.6
76.2 82.2
6.0
77.9 84.8
6.9
75.8 80.7
4.9
76.0 80.9
4.9
76.1 81.5
5.4
77.6 82.3
4.7
77.3 82.9
5.6
75.0 79.9
4.9
46
Ylab
CREST
単位:日
47
Ylab
CREST
乳児死亡率、死産率推移
48
Ylab
CREST
日本人の平均余命推移
49
Ylab
CREST
ヒトの感受性の変化
100年前
の対応
人
数
現時点
の対応
感受性
平均値
感受性の高さ
50
Ylab
CREST
食による中毒統計 H14年


件数1850件 患者27629名
死者18名






サルモネラ菌
O-157
自然毒動物
自然毒植物
化学物質
2名
9名
6名(フグ)
1名(H14はキノコではない)
0名(ヒ素、酸敗油脂、、)
cf.米国:サルモネラで500名の死者?
51
Ylab
CREST
対応すべきリスク







健康リスク だけでなく
生態系リスク
大規模環境変動リスク
資源枯渇リスク
エネルギー枯渇リスク
ビジネスリスク
不安リスク
52
リスクへの対処法
53
Ylab
CREST
ゼロリスクに対する理解

ゼロリスクは実現不能だと考えているか





最近、市民社会も、さすがにリスク=完全ゼロは不可
能という理解になっている??
しかし、「ゼロリスクが依然として優れた目標」であると
の理解はある!!??
個人的には、そうは思っていない。
ゼロに近づけることが有益である範囲には限界
がある。限界値=限界最小リスクと定義すべき
(Minimum Available Risk)
容認リスクの決め方=それ以上下げることによ
る便益と、それに要する他のリスクの上昇とが見
合う地点。
54
Ylab
CREST
限界最小リスクとトータルリスク
付
随
リ
ス
ク
目
的
リ
ス
ク
任
意
ス
ケ
ー
ル
任
意
ス
ケ
ー
ル
トータルリスク
限界最小リスク
リスク削減の努力
55
Ylab
CREST
結果的にはトータルリスクミニマ
ム思想に到達する





どの範囲で「トータル(積算)」するか
それを積分範囲と呼ぶ
これまでは、ヒト健康リスクだけ
化審法でも、生態系リスクを考える
将来世代とのリスクのやりとりも考える
56
Ylab
CREST
リスクを考える範囲の拡大
トータルリスクミニマム
戻る
全地球
空
間
軸 自国
現在
ヒト
トータルリスクミニマム
500年後
時間軸
種
の
軸
全生物種
57
Ylab
CREST
トータルリスクを考えることは、
人間活動の持続可能性を考え
ることである。
58