第14章 調査に基づく影響の評価

12章 調査に基づく影響の評価
仮想評価(仮想市場)法
CVM(Contingent Valuation Method)
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13.1 仮想評価の役割
<仮想評価CV(Contingent Valuation)の例>
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•
•
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レクリエーション地の水質
分譲地周辺の樹木
鴨狩り
野外でのレクリエーション
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13.2 仮想評価法の概要
(1) 母集団から回答者の標本を特定
(2) 回答者にある財の評価を質問
(3) 回答から標本のWTPを推計
Willingness-to-Pay (支払意思額)
(4) 母集団の総WTP
=標本平均WTP×母集団の大きさ
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質問方式
1.
2.
(支払意思額)自由回答方式
(open-ended willingness-to-pay method)
限定反復付け値方式
(closed-ended iterative bidding method)
最初の提示額に賛成
⇒ 反対の回答がなされるまで提示額と上げていく。
3.
4.
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仮想ランキング方式
複数の質と提示額の組を提示
(contingent ranking method)
二項選択法 Referendum Method
(dichotomous-choice method)
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補論:二項選択法と支払意思額(WTP)の推計
ランダム効用理論を用いた分析は13章で行う。
<生存分析:賛成率(割合)を用いた平均 WTP の推計>
5,000 円
10,000 円
15,000 円
「はい(yes)」
96
50
20
「いいえ(no)」
24
75
80
無回答
15
10
35
賛成率
80%
40%
20%
提示額
平均 WTP
=0.2×15,000 円+(0.4-0.2)×10,000 円+(0.8-0.4)×5,000 円=7,000 円
この計算では支払意思額に対する態度が、提示額の点でしか考慮されていない。
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<賛成確率を用いた平均 WTP の推計>
x =提示額
Pyes =賛成確率
Pno =反対確率
Pyes = G (x) :賛成確率関数(または生存分布曲線)
平均 WTP 


0
G( x)dx
Pno = F (x) :反対確率関数
G ( x)  1  F ( x)
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13.3 支払手段(payment vehicle)
仮想的な支払の「現実性」を高めるために、
支払手段を特定化する必要がある。
<支払手段の特定化の具体例>
•当該財のための目的税(基金)
•公共料金の値上げ
•所得税・消費税の増税
•製品価格の値上げ
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13.4 調査における一般的問題
(1) 調査の実施:面接、電話、郵便、インターネット
(2) サンプルデザイン(sample design)の注意点
–
–
–
–
潜在的利用者も含む
「個人 or 世帯の代表」の理解
消極的利用者を含むか含まないかの明示 存在価値
地理的範囲は広く
(3) 標本と無回答バイアス
–
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回答拒否 & 回答不能 回答拒否=ランダム
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13.5 仮想市場評価法への批判
1. 仮説、意味、背景の問題
2. 中立性(neutrality)
3. 意思決定バイアスと判断バイアス
現状維持バイアス
確率的評価バイアス
4. WTP vs. WTA
5. 戦略的反応問題
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意思決定バイアスと判断バイアス
• 不履行バイアス(non-commitment bias)
予算制約式
• 順序効果(order effect)
仮想ランキング方式
• 包含効果(embedding effect)
20,000羽 vs. 200,000羽
• 開始点バイアス(starting point bias)
限定反復付け値方式
• 仮説バイアス vs. 判断バイアス
存在価値
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現実的予算制約式
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WTP vs. WTA(受取意思額)
Willingness-to-Accept
• WTPに比べWTAは4倍から15倍になるという結果
が報告されている。
• 基本的にCV調査ではWTAではなくWTPの質問形
式を用いるべきである。
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0<CV<EV
WTP= CV
& WTA= EV
CV<EV<0
WTP= -EV
& WTA= -CV
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戦略的回答に関する問題
• 調査結果が回答者に影響するケース
⇒メカニズム・デザインに関する一連の研究が回
答者の回答を予想する際に適用できる。
ただ乗り(Free Riding)問題
• 調査結果が回答者に影響しないケース
⇒経済理論は回答者の回答を予想できない。
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13.6 仮想市場評価の正確性
• CVのWTPはTCMから得られるWTPにほぼ一致
する。
• CVはヘドニック価格法の結果にもかなり近い。
• CVの回答は実際の行動をやや過大評価する傾向
がある。
• 2項選択方式のCV手法の評価は大きな上方バイ
アスをもつときがある。
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プロジェクト評価・参考文献リスト
<集計的補償変分と補償原理>
Boadway, R. (1974), The Welfare Foundations of Cost-Benefit Analysis, Economic
Journal, 84, 926-39
<ヘドニック価格法>
Kanemoto, Y. (1988), Hedonic Prices and the Benefits of Public Projects, Econometrica,
Vol.19, 218-233.
Roback, J. (1982), Wages, Rents, and the Quality of Life, Journal of Political Economy,
90, 1257-78
Rosen, S. (1974), Hedonic Prices and Implicit Markets: Product Differentiation in Pure
Competition, Journal of Political Economy, 82, 34-55
肥田野登(1997)『環境と社会資本の経済評価-ヘドニック・アプローチの理論と実際-』
勁叢書房
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<トラベルコスト法>
竹内憲司(1999)『環境評価の政策利用』勁叢書房
<CVM>
栗山浩一(1998)『環境の価値と評価手法-CVM による経済評価-』北海道大学図書刊行会
肥田野登(1999)『環境と行政の経済評価-CVM<仮想市場法>マニュアル-』 勁叢書房
鷲田豊明(1999)『環境評価入門』勁 叢書房
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