キノコの菌床が子実体に与える影響

キノコの菌床が子実体に与える影響
~菌床の水溶性成分と子実体の生育促進効果~
三戸高等学校 人文数理探究コース 3学年
川口成美・中鶴間一真・下田華子
目的
一昨年のプロジェクト概要
先行研究から……
・菌床に用いる木材を変えると、キノコの成分が変わる
・青森県南部地方は果樹栽培が盛ん
リンゴ菌床のキノコ
果樹栽培で生じる剪定枝
を果樹栽培に有効利用
↓
青森県南部地方にキノコ
ブランドの形成をした
い!!
結果
成長、収穫量、収穫期
間ともに良い
目的 ~一昨年度の研究から~
収量の比較
リンゴ菌床で育てたヒラタケ→約1.2倍
リンゴ菌床で育てたエノキタケ→約6.0倍
↓
リンゴ菌床に子実体の形成を促す物質が含まれている?
目的
昨年度のプロジェクト
・研究対象を子実体から菌床に変え、その成分分析を行う
・実験対象は収量が顕著に異なったエノキタケに絞る
実験手順
ある広葉樹のオガ粉を用いた菌床→(C)
リンゴの剪定枝のみを用いた菌床→(A)
↓
エノキタケを植菌、培養
植菌後から10日、20日、30日経過した菌床を間引き、そ
の水溶性成分の分析を行うこととした。
菌床の仕込み・植菌
・菌床の仕込み、植菌(8月30日~31日、弘前大学にて)
↓
・菌床を三戸高校で管理、キノコを培養した
培養の様子①
<10日目>
<20日目>
<30日目>
菌かき
・菌かき・・・子実体の形成を促進するため
(11月3日、三戸高校にて)
菌かき後
菌かき後 まとめ
・(C)→数日で原基形成、
原基段階で黒変し、
大きくなれないものもあった
・(A)→2週間後原基形成、
異常なく子実体形成
研究結果
・菌糸が菌床内に回る速度→(C)が一番
・収穫時期の長さ
原基の形成数
子実体の大きさ
柄の太さ
子実体の密度
収穫総量
・エノキタケの成長を促進する何かがある!?
→分析しよう!!
結果
子実体の形成を促進する物質として、マンノースの可能性
がある!?
→アラゲキクラゲの成長促進にマンノースが関与している
との報告があったから
【参考文献:大賀祥治、宮本亮平、車柱栄、徐健植 木
材学会誌Vol.157、No1,p8~p13(2011)】
↓
それまで得られた菌床のうち(A)と(C)について、日本
食品分析センターに送り、マンノースの含有量を分析
しかし!!
(A)および(C)菌床中にマンノースは検出されなかった
今後に向けて
一昨年度と昨年度の結果から・・・
・リンゴ剪定枝にはエノキタケの子実体形成を促進する効果があ
るはず!
・しかし、その成分がマンノースである可能性は低い
【課題】
・(C)と(A)のオガ粉の大きさを出来るだけ近づける
・もっと幅広く、様々な物質を分析対象とする必要がある。
謝辞
本研究に協力していただいた方々にこの場を借りて
御礼申し上げます。
弘前大学農学生命科学部 殿内暁夫先生
弘前大学名誉教授 原田幸雄先生
弘前大学大学院 斎藤輝明さん
弘前大学研究推進部研究推進課のみなさん
ご清聴ありがとうございました