ペンテコステ霊性(2) -ペンテコステ霊性とは- 2011年前期 オリエンテーション 1 •ペンテコステ信仰の特 徴は何か 2 このクラスで問われていること • ペンテコステ派と福音派とはどう違うのか。 • ペンテコステ霊性の特徴は何か。 • ペンテコステ霊性の特徴の中で注意すべき点はなに か。その理由は何か。 • 御霊の賜物と実との間にはどういう関係があるか • 霊性の形成に必須の要素は何か。 3 ペンテコステ派vs福音派 • 神学的にどう違うのか • 歴史的にどう違うのか 福 音 派 4 ペンテコステ派vs福音派 • ペンテコスト運動のルーツ • クラシカル・ペンテコスト派(AG)の特色 – ネオ・ペンテコスト派、カリスマ派、第3の波 – 異言の伴う「聖霊のバプテスマ」 • 新生後の聖霊経験 • 身体的な証拠としての異言 • 継続性を持つ異言(賜物として) 5 ペンテコステ派vs福音派 継 続 性 使徒2章 一 過 性 6 ペンテコステ人とは • 使徒の働きに記録されている歴史的事実は、 今日も現実に起こりうる事実であると信じ、体験 し、実践している群 • 1コリ12章~14章に提示されているパウロの神 学的・宣教学的・教会論的内容が、この信仰と 体験と実践の中に実存的に組み込まれて生活 している群 (KK) 7 ペンテコステ霊性と今日 • 「心」を失った日本人の霊的回復のために – 政治、経済、社会、文化などと全く無関係ではな い霊性 • 聖霊が働きやすいような環境造りのために – 霊性向上への努力と精神的鎖国への動き • 今日の時代の流れを察知するために – 明日を見極める預言者的な視点の必要 – そのためのペンテコステ霊性 – ことばを受肉させる機能を持つ霊性 8 霊性とは 「イエス・キリストとの出 会いからでた生に関するも の全て」マクグラス • 生活を神学すること(高木) • 神学を生活すること(北野) 9 霊 性 の 成 熟 霊性とは 情宣 熱教 Becoming 霊的要素 とへ 福音派 ペンテコステ派 力 の Knowing 知ること 霊性 認識的要素 行うこと Doing 行動的要素 感性的要素 感じること Feeling ペンテコステ霊性 『聖霊の神学』p.166 御霊の実 ガラ5:22-23 機 本 能 質 的 に 相 同 違 一 御霊の賜物 1コリ12:1-11 「実の信仰は、賜物の信仰の準備 である。」ポール・ショック 11 ペンテコステ霊性 『聖霊の神学』p.166 潜在的性質 と親 い切 うで 品あ 性る 御 霊 の 実 と親 い切 うに 行す 動る 顕在的動因 12 ペンテコステ霊性 『聖霊の神学』p.166 • 御霊の実 – パウロの神学:(ガラ2:22-23) • 九つの御霊の実 – ヨハネの神学:(ヨハ15:1-16) • 御霊による品性の実(質) • 御霊による宣教の実(量) 13 ペンテコステ霊性 (1コリ12:31) あなたがたは、よりすぐれた賜物 (もっと大きな賜物-新共同訳、更 に大いなる賜物-口語訳)を熱心に 求めなさい。また私は、さらにまさる 道(最も優れた道-口語訳、最高の 道-新共同訳)を示してあげましょう。 – 「よりすぐれた賜物」と「さらにまさる道」にはどう いう関わりがあるのか。 14 ペンテコステ霊性 (1コリ12:31) • 何故コリント13章が、12章と14章の間に挟ま れているか • 愛は賜物か • 「よりすぐれた賜物」とは他の賜物とどのよう な比較においてなのか • 賜物に優劣があるのか 15 「みなの益となるために、おのおの に御霊の現われが与えられている のです。ある人には御霊によって知 恵のことばが与えられ、ほかの人に は同じ御霊にかなう知識のことばが 与えられ、またある人には同じ御霊 による信仰が与えられ、ある人には 同一の御霊によって、いやしの賜物 が与えられ、ある人には奇蹟を 16 行なう力、ある人には預言、ある人に は霊を見分ける力、ある人には異言、 ある人には異言を解き明かす力が与 えられています。しかし、同一の御霊 がこれらすべてのことをなさるので あって、みこころのままに、おのおの にそれぞれの賜物を分け与えてくだ さるのです。」(1コリ12:7-11) 17 ペンテコステ霊性 (1コリ12:31) • 「愛が霊的賜物の教会における使用を決 定すべきである」(R.B.ヘイズ-p.360) • 「賜物現れの制約としての愛」「賜物に よる教会管理の混乱の是正としての愛」 • ”Love as the only context for gifts“ (G. Fee) • よりすぐれた賜物を求めているとするなら、愛 という文脈(コンテキスト)において御霊の賜 物を求めるべきである 18 ペンテコステ霊性 スペ テン 霊テ 性コ 基本的真理に関する宣言 信仰綱要 正統的教義 福音主義的理解 19 ペンテコステ霊性 • その特徴 ・ 神が超自然的方法を通して今もなお教会 に働きつづけていると信じていること ・ 「賜物」が今日のためのものであって,教会 において顕わされるべきであるということ 20 ペンテコステ霊性 • ペンテコステ霊性の特徴 – 個人的な体験の最重要視(個人性) – 語ることの重要性(発語性) – 人為的でない聖霊の自由な働き(自発性) – 現実よりも確かである永遠の彼方へのあこが れ(未来性) – 体験の基礎である聖書の権威(霊感性) ラッセル・スピトラー ・KK 21 ペンテコステ霊性 • 自発性のデメリット ・ 自発性の故に会衆は期待しないことが起こ ることを期待する。 ・ まとまりのない、行き当たりばったりの集会 になる傾向がある。 ・ 御霊による自発性と神の言葉との均衡が 必要となる。 22 ペンテコステ霊性 • 体験重視のデメリット ・ 個人的な体験を過度に強調する結果、信 仰が体験をするための二次的になること ・ 体験しなければその信仰は「本物」ではな いと錯覚すること ・ 体験を意図的に作りだそうとする誘惑があ ること ・ 「インスタント」効果を求める傾向があること 23 霊性向上の流れ • クリスチャン霊性の2つの流れ – 鍛錬的(修道的)霊性 • 漸進的訓練による霊性向上(1コリ9:24-27) – ペンテコステ的霊性 • 飛躍的な体験による霊性向上 • 今日的な聖霊の働きによる霊性向上 (ガラ3:2-3,5) リチャード・ラブレス 24 霊的訓練の目的 • 人格形成 – 霊性・品性・聖化 • 関係の深化 – 対神・対人 • 賜物の発掘・育成 – 奉仕・宣教 (小渕,p.82) 25 霊的訓練の手段 霊性向上の具体化 ・ 自己省察を綿密にすること ・ 個人的体験を客観的に分析すること ・ 自己省察を共同体全体の反省に関連させ ること (詩46:10、1コリ11:28、2コリ13:5) 26 霊性向上の聖書的手段 汝等キリストの心を 心とせよ。(ピリ2:5-文語 訳) 27 霊性向上の具体的手段 • 自己省察の徹底 (「我に返る」霊的作業) – 自己省察の難しさ • 生理的弱点-視覚的限界の認知 • 心理的弱点-聴覚の不備の改善 – 自己省察の必要 • 神認識のために 28 霊性向上の具体的手段 • 自己省察の徹底 (「我に返る」霊的作業) – 自己省察の難しさ • 生理的弱点-視覚的限界の認知 • 心理的弱点-聴覚の不備の改善 – 自己省察の必要 • 神認識のために 29 事実と真実 • 目に見えるものが全てだという思いこみ -部分を全体だと取り違える失敗 -見えていない膨大な部分を無視する失敗 • 目に見えているものを真実と断定する誤謬 -事実が必ずしも真実であるとは限らない -事実の断片をつなぎ合わせても全体像とならない 霊性向上の具体的手段 • 自己省察の徹底 (「我に返る」霊的作業) – 自己省察の難しさ • 生理的弱点-視覚的限界の認知 • 心理的弱点-聴覚の不備の改善 – 自己省察の必要 • 神認識のために 34 聞き入る心の喪失 心 日本人の生活疾患 「悪魔が一番寄り つきやすい人々 は、雑音と雑踏との中 でいらいらしている人」 カール・ユング (1875~1961) Decoding 情報の蓄積 Encoding 聞 表 層 的 理 解 深 層 的 理 解 聴 人格の成長 聞くvs.聴く 聞く 聴く • 音声を聞く • 「聴き入る」 • 人に聴く • 耳で聞く • 心で聴く • 受動的聞き方 • 能動的な聴き方 • 情報の蓄積 • 人格の成長 • 「聞こえる」 神は、むかし父祖たちに、預言者 たちを通して、多くの部分に分け、 また、いろいろな方法で語られま したが、この終わりの時には、御 子によって、私たちに語られまし た。(ヘブ1:1,2) 39 「ことば」の 語られる 40 霊性向上の鍵 聴 き入る 耳 41 霊性向上の鍵 聴 き入る 心 42 霊性向上の鍵 聴 き入る 余 裕 43 霊性向上の具体的手段 • 自己省察の徹底 (「我に返る」霊的作業) – 自己省察の難しさ • 生理的弱点-視覚的限界の認知 • 心理的弱点-聴覚の不備の改善 – 自己省察の必要 • 神認識のために 44 我々の知恵で、真理にかない 、また堅実な知恵と見なさ れるべきものの殆ど全ては 、二つの部分からなりたっ ている。神を認識すること と、我々自身を認識するこ とである。ところが、 45 この二つは多くのきずなに よって互いに結びつけられ ているので、どちらが他に 先立つか、どちらが一方を 生み出すかを見分けること は容易ではない。 カルヴァン『基督教綱要』第一章、1559年 46 自己省察の必要 • 神を知るために • 自分をしるために • 人を知るために 47 自己省察の基準 C.H.Cooley’s “Looking-Glass-Self” • 基準を自分に置いて自分を見る “ I am what I think that I am.” 「自分で自分を判断した私」 虚 像 48 「神よ。私はほかの人々のように ゆする者、不正な者、姦淫する者 ではなく、ことにこの取税人のよ うではないことを、感謝します。私 は週に二度断食し、自分の受け るものはみな、その十分の一をさ さげております。」 (ルカ18:11-12) 49 自己省察の基準 C.H.Cooley’s “Looking-Glass-Self” • 基準を他者に置いて見た自分 “ I am what you think that I am.” 「他人が見た自分」 虚 像 50 自己省察の基準 C.H.Cooley’s “Looking-Glass-Self” • 基準を他者に置き自分を見る “ I am what I think you think that I am.” 「他人から見ると、こんな自分だろうと 判断する私」-比較の上に立った自分 虚 像 実 像 51 自己省察の基準 わたしたちは、自己推薦する者たち と自分を同列に置いたり、比較した りしようなどとは思いません。彼らは 仲間どうしで評価し合い、比較し合 っていますが、愚かなことです。わた したちは限度を超えては誇らず、神 が割り当ててくださった範囲内で誇 る」(2コリ10:12-13・新共同訳) 52 「私は罪を犯しました。しかし、 どうか今は、私の民の長老と イスラエルとの前で私の面目 を立ててください。」 (1サ ム15:30) 53 自己省察の聖書的基準 • 主キリストに基準を置いて見る自分 “ I am what I acknowledge YOU perceive that I am.” 「キリストの視点から自分を 振り返り、認知した私」 「本心に立ちかえっ 実 像 た」 自分 (ルカ15:17) 54 自己省察の聖書的基準 取税人は遠く離れて立ち、目を 天に向けようともせず、自分の胸 をたたいて言った。「神さま。こん な罪人の私をあわれんでくださ い。」 (ルカ18:13) 神が見た自分を見出した取税人 「 聖 書 的 自 己 省 察 我 に 神を知る経験 返 る 己を知る経験 」 経 人を知る経験 験 霊 性 の 成 熟 56 霊性成熟の結果 • • • • • • 御霊の“Yes”,“No”,“Wait”を判別 霊的瞬発力の増加 共同体における交わりの円熟 キリストに似せられたいという動機の向上 宣教への情熱の倍加 隣人に対する共感精度の向上 57 霊性と祈り ・ 『主よ、変えられないものを 受け入れる静けさと 変えられるものを 変える勇気と その両者を見分ける 英知を我に与え給え。』 R.ニーバー 58 神 知 識 神 体 験 59 第5回阿蘇聖会(1961年8月) 60 汝等キリストの心 を心とせよ(ピリ2:5-文 語訳) 61
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