和合の回復

社会心理学(GED231)
-対人関係の調整-
(演習3の補助資料)
「和」の回復と
そのプロセス
詩篇133:1
ヨシュア記22:10-34
詩篇133:1
見よ、兄弟が和合して
共におるのはいかに麗
しく楽しいことであろう。
和合の難しさ

和合より争いが多い人類の歴史
– 紛争の無かった年皆無

聖書事例
– カインとアベル
– ヨセフと彼の兄弟
– アブラハムとロト
– パウロとペテロ
和合の崩壊
・ 意見の食い違い
・ 趣味の違い
・ 性格の違い
・ 宗教の違い
・ 価値観の違い
和合の崩壊
-部族間の争いの原因ー





太平洋戦争(経済的要因)
朝鮮戦争(政治的要因)
ヴェトナム戦争(思想的要因)
湾岸戦争・イラク戦争(倫理的要因)
イスラエル部族紛争(宗教的要因)
– 宗教的行為に対する誤解
– 律法の不当な適用
和合の崩壊
-部族間の争いの直接原因ー

少数派による祭壇の建築(ヨシ22:10)
– ルベン族、ガド族、マナセ族半部族
– ヨルダン川の肥沃な東側(民32参照)
– 9部族半はヨルダン川の西側
– 威圧的に見える大きな祭壇の建築
祭壇建設に関する制約(1)
祭壇建設の場所
勝手気ままに決められない(申12:13)
祭壇建設の目的
主なる神のため(申27:5)
全焼のいけにえのため(ヨシ8:31)
祭壇の数
決められたところに一つ
(出20:24、申12:14)
祭壇建設に関する制約(2)
祭壇の材料
鑿を当てない石(申27:5)
自然のままの石(申27:6)
祭壇の大きさ
階段のない祭壇(出20:26)
ギベオンの祭壇(2.5x2.5x1.5)
和合の崩壊
-部族間の争いの発端ー

聞いた「うわさ」(新改訳・口語訳)「知ら
せ」(新共同訳)
– そのうわさに乗ったイスラエル部族
– うわさの裏にある真実を確かめなかっ
た部族
– 「うわさ」と「事実」と「真実」の相違
聞き方のレベル
1) パリサイ人的な聞き方
(Apathetic listening)
2) ペテロ的な聞き方
(Passive listening)
3) 主イエスの聞き方
(Empathic listening)
 祭司的な聞き方
 人の心(心音)を聴く聞き方
 深層理解に至る聞き方
人を動かす要因
理性vs感情
20%
80%
理性
感情
「エコー効果」-箱田忠明
意思表示の文化的相違
・ 西欧的の単刀直入表現法
(Explicit Expression)
意味を悟らせる責任は話し手に
・ 東洋的の曖昧表現法
(Implicit Expression)
意味を悟る責任は聞き手に
和合回復へのプロセス (1)

九部族半の問題解決への努力
 その手順(vv.13-16)
 その内容(vv.17-20)
– ベオルでの罪と比較(民25:1-9)
– アカンの罪とその罰を例に叱責
(ヨシ7:1-26)
和合回復へのプロセス (2)

二部族半の問題解決への努力
(vv.22-29)
・ 主に問題を委ねる態度
・ 解決の糸口が神にあることの認知
・ 非難する人に心を奪われないで、
論争点に注目する態度
・ 無駄な弁明を避けて事実を提供
和合回復のプロセス (3)

九部族半代表者の応答 (v.31)
・ 見解の相違の認知
・ 自らの誤解の率直な認知
・ 相手を賞賛することを惜しまない態度
・ お互いの関係だけでなく神との関係が
保たれたことの確認
和合回復のプロセス (4)

九部族半の態度(vv.32-33)
・代表者の報告に満足
・神を褒め称えることを忘れない態度

二部族半の態度 (v.34)
・神に栄光を帰す態度
・論争の原因を神認知の動機に
ルベンの子孫とガドの
子孫は、その祭壇を「あ
かし」と名づけて言った、
「これは、われわれの間
にあって、主が神にいま
すというあかしをするも
のである」。
(ヨシ22:34-新共同訳)
音
Decoding
情報の蓄積
Encoding
聞
表
層
的
理
解
深
層
的
理
解
聴
人格の成長
心
「聞く」と「聴く」

Encoding/Decodingの釣り合い
-聞いていると食い違う。
-聴いていると釣り合う。
(例1) 「西瓜の季節」
(例2) 「菊山師と若い婦人」
健全な対人関係の基本的姿勢

聞く
-「聞こえる」

聴く
-ことばを聞く
-「聴き入る」
-人に聴く
-耳で聞く
-心で聴く
-受動的聞き方
-能動的な聴き方
-情報の蓄積
-人格の成長
聴くこと語ること
語る
静まる
聴く
座る
リ
ー
ダ
ー
シ
ッ
プ
志
向
性
行動志向型
手順志向型
What中心
How中心
目標の到達
業績重視
筋を通す
戦略重視
混成志向型
計画志向型
Why中心
創造性
理論重視
対人志向型
· Who中心
·
チームワーク·
意志の疎通重
視
行動志向性


その長所
a. 信頼性
b. 実践力
c. 実際的
d. 即戦力
e. 目標設定
その短所
a.心がせまい
b.自信過剰
c.衝動的
d.せっかち
e.心配りの欠如
手順志向性

その長所
a. 用心深さ
b. 慎重さ
c. 論理的
d. 細心性
e. 分析的

.その短所
a. 幅のない考え
b. 小心
c. 創造性の欠如
d. 物事の遅滞
e. 批判的
対人志向性

その長所
a. 抱擁力
b. 心配り
c. 寛容
d. 聴取力
e. 共感

その短所
a. 主観的
b. 優柔不断
c. 大まか
d. イエスマン
e. 傷つきやすい
計画志向性

その長所
a. 創造的
b. 鑑識眼
c. 革新的
d. 理想的
e. 画期的

その短所
a. 非現実的
b. 一人歩き
c. 非実際的
d. 自己中心
e. 決断力の欠乏
混成志向性

その長所

a.融通性
b.適応性
c.調停性
d.多才
e.人付き合い
その短所
a.中途半端
b.表層的
c.多芸・無芸
d.浅い友情関係
e.我慢強さの欠乏
演習から学ぶこと

長所ばかりで短所のない者はいない。

短所ばかりで長所のない者はいない。

誰もが同じ長所・短所を持っているのではない。

ある人の長所は、他の人の短所である。

個人の中で長所と短所は均衡を保っている。

ある志向性は他の志向性と補足しあう。
一つの志向性しかない人はいない。

対人関係においての留意点




創造主なる神がそれぞれに志向性を与えて下
さったことを認識すること
共同体の和合を維持・促進するために、志向性
の相違を認め合うこと
志向性が違っていても、互いに補足しあいなが
ら、心を一つにして共同体のヴィジョン達成に
努力すること
主キリストがすべてのひとを受け入れたように、
志向性の違う人々、指導者を受け入れること
対人関係の調整(1)
・「キリストの心を心とする」こと
(ピリ2:5)
・問題を主に委ねること(1ペテ5:7)
・人にではなく問題に集中すること
・事実を客観的に描写し、それを互い
に交換する技術と余裕を持つこと
対人関係の調整(2)
・人にはそれぞれ違った個性・見方が
あることを認識すること
・早合点して結論を出さないこと
・表層にある表現に惑わされないで、
深層を読みとる訓練をすること