情報学習理論 渡辺澄夫 東京工業大学 教師あり学習の枠組み 学習データ X1, X2, …, Xn Y1, Y2, …, Yn q(x,y) f(x,w) テストデータ 情報源 X Y 学習モデル 誤差と学習 学習誤差 n E(w) = (1/n) Σ (Yi-f(Xi,w))2 i=1 ◎ 汎化誤差を小さくすること、すなわち予測を正確にする ことが学習の目的である。 ○ 学習誤差が小さいことが汎化誤差が小さいことを 意味するわけではない。 ○ 汎化誤差は予測してみなければわからない。 汎化誤差を小さくする方法を求めて様々な工夫がなされてきた。 サポートベクトルマシン(SVM) カテゴリ識別の問題 (xi,yi) i =1,2,…,n N xi ∈ R yi = 1 or –1 カテゴリに対応 SVM2 1 φ N x∈R H φ(x)∈R sgn(t) = 1 (t≧0) -1 (t<0) y = sgn(w・φ(x)+b) w, b, φ(x) をどのように決めるか? -1 y SVM3 H R マージンを最大にする w b を選ぶことにする y=w・φ(x)+b (1) なぜ マージンを最大化するのか (2) マージンを最大化するにはどうしたらよいか SVM4 H R 条件 yi (w・φ(xi)+b) >0 (i=1,2,..,n) のもとで | w・φ(xi)+b | Margin= Min i=1,2,…,n を最大にする ||w|| 点φ(xi)から 平面 w・v+b=0 までの距離 SVM5 Marigin は w, b を定数倍しても変わらないので Min | w・φ(xi)+b | = 1 と仮定してよい 条件 yi (w・φ(xi)+b) ≧1 (i=1,2,..,n) のもとで 1 Margin= ||w|| を最大にする ⇔ ||w||を最小にする SVM6 最適化問題A 条件 yi (w・φ(xi)+b) ≧1 (i=1,2,..,n) のもとで 2 ||w|| を最小にする 複数の1次不等式で定義された凸集合の中で 2次式を最小にする問題 高次元空間上なので直接解くことは難しいが、 効率的な近似最適化法が研究されている 問1 2 R y 1 (a,1) 赤い点 (a,1) が a≧0 を動くとき、 マージンを最大 にする直線 px +qy =1 について p, q をa で表せ。 1 x O px + qy =1 SVM7 Kuhn-Tackerの定理から、双対問題と等価になる 双対問題B 変数 a1,a2,…,an に関する最大化問題 条件 ai≧0 かつ Σ aiyi=0 のもとで E(a1,a2,…,an) = Σ ai – (1/2) Σ aiajyiyj(φ(xi)・φ(xj)) 双対問題Bが解けると、最適化問題Aの解 (w,b) は w = Σaiyiφ(xi) b = yi - w・φ(xi) (ai>0となるiについて) SVM8 サポートベクトル ai はサポートベクトル 以外では0。 H R w = Σaiyiφ(xi) b = yi- w・φ(xi) (ai>0) (w,b)はサポートベクトルで 定まっている。 SVM9 マージン最大化の持つ意味 真の分布は不明でありサンプルの出方についてもばらつきがあるが、ともかく、 確率 (1-δ) 以上で 未知データに対する誤り確率は Pr(err) ≦ (4/n) { Vc(1+log(2n/Vc))- (log δ)/4 } となる Vc≦ min { [D2/Margin2], H } +1 D = max||φ(xi)|| おおよそ「Margin:大⇔Pr(err):小」 マージン最大化は、予測精度を最良にするものではないが、 実用上うまく行くことが多いので広く使われている。 (注意)双対問題の解き方の例 変数 a1,a2,…,an について 条件 ai≧0 かつ Σ aiyi=0 のもとで下記を最大化 E(a1,a2,…,an) = Σ ai – (1/2) Σ aiajyiyj(φ(xi)・φ(xj)) 双対問題も変数の個数が多いと完全に解くことは難しい 配布プログラムでは 0≦ai≦C で定数(L>0)を用いて H(a1,a2,…,an) = E(a1,a2,…,an) - L(Σaiyi)2 の最大化問題を最急上昇法で解いている. C の制限をつけることをソフトマージンという. 問2 雑音の 大きさ サポート ベクトル数 汎化誤差 0.0 0.1 0.2 0.3
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