フクダ電子社製セントラルモニタ の不整脈解析能の改良に関する報告 仙台循環器病センター 臨床工学科 前田寿、中村恵子、鈴木信司、早坂啓 日本臨床工学技士会 CO I 開示 筆頭発表者名: 前田 寿 演題発表に関連し、開示すべきCO I 関係にある 企業などはありません。 緒言 偽重症不整脈 警報が頻発 2011年10月 2013年 ソフト改良 ●旧モニタ 電波切れ、誤報多数、警報レベルにかかわらず同じ音量、音域。 スタッフの警報に対する信頼が低く、警報は放置され騒音化 ●静寂性と重症不整脈への迅速対応が確保 不整脈解析能が不十分、頻回な偽重症不整脈警報がストレス ●2013年、解析ソフト改良 改良前後の不整脈警報の発生頻度等を比較 対象 ●フクダ電子社 DS7700W(集中治療室)16人用 × 1台 ベットサイドモニタ13台、無線テレメータ3台 ●フクダ電子社 DS7700(一般病棟)8人用 × 5台 無線テレメータ40台 ●全病床数に対するモニタリング率50%(56/110床) 方法 ●調査期間: 2012、2013年 7月~11月 ●延べ対象人数が同等となる日数分の警報を無作為に抽出 警報の真・偽数をカウント ●対象警報と検出基準 ・Vf ・VT ・・・ 140bpm以上が5連以上 ・Asystole ・・・ RR間隔5秒以上 結果 偽警報の具体例① 上室性頻脈をVTと誤判定 RS波が小さい波形をAsysと誤判定 結果 偽警報の具体例② 体動によるノイズをvfと誤判定 解析不能と判定しているのに、警報を発生 結果 警報数 対象人数 真警報数 偽警報数 全体 1027 / 1036 115 / 98 587 / 180 集中治療室 138 / 148 28 / 60 26 / 21 一般病棟 889 / 888 87 / 38 561 / 159 ※ 2012年 / 2013年 ●全体での偽警報数は1/3程度まで減少 ●偽警報のほとんどが一般病棟(無線テレメータ)で発生 結果 不整脈別の警報 真警報数 偽警報数 偽警報率 vf 3 / 21 369 / 17 0.99 / 0.45 VT 87 / 47 161 / 128 0.65 / 0.73 Asystole 25 / 30 57 / 35 0.70 / 0.54 ※ 2012年 / 2013年 ●改良前のvf解析能が非常に悪い 考察 警報数減少の要因 vf 2012 VT asys 23回 9回 2013 0 10 20 (回) 1日当たりの警報数 解析ソフトの主な改良点 ⇒ ノイズ対策強化 考察 セントラルモニタに求められること 心電図モニタリング = 重要性・簡便性 ⇒ 今後増加 2012 ・処置の中断 ・遠いところから駆け付ける 1時間に1回 2013 ・なんとか許容できる 3時間に1回 0 10 20 (回) ●台数増加 ⇒ 警報数増 ⇒ 解析精度を高めることが必要 ●重要なのは不整脈解析能、導入時は精度検証が必要 結論 フクダ電子社製セントラルモニタの不整脈解析能は、改良 により運用上問題の無いレベルに達したが、さらなる精度の 向上が求められる。
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