仕事帰りと拘束時間に着目した行動目的選択

仕事帰りと拘束時間に着
目した行動目的選択
E班 山梨大学
山崎
西山 望月 中沢
背景
2

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)
近年,長時間労働をしている会社員が増加して
いる

国民一人ひとりにとって,自身の望む生き方が
実現しにくく,就労と出産,子育てが未だ二者択
一となっている状況も存在している

より良い仕事をするためにも仕事以外の生活と
の両立が望ましいが現実は厳しい...

背景
3




都道府県間で実労働時間,
残業時間に大きな違いが
見られる
地域別の労働時間が目的
選択に影響?
労働時間≒拘束時間
理想であるワークライフ
バランスをいかにしたら
実現できるか
拘束時間
4


拘束時間:仕事・通勤などで自分の意思で選択が
できない時間と定義
調査期間中の平日において,「ensyu.csv」にある21
人のIDのトリップデータが全て観測された日を抽出
→10/31,11/6,11,12,13,18,20,24
(水)(木)
(金)
同じ週に含まれるこの3日間の拘束時間平均を個人ごとに算出
それを個人が持つ拘束時間とした
Data
5



会社帰りのトリップに着目
出発施設属性が「勤務」,「事務所」,「会
抽出
社」
目的属性が「買い物」,「食事」,「帰宅」

以降会社帰りのトリップデータのみで分析を
行う(N=98)
基礎分析 ー曜日ー
6
曜日×会社帰りのトリップ目的
買い物
月曜
火曜
水曜
食事
木曜
金曜
土曜
日曜
帰宅
0%

10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
水・木曜日には帰宅している人が多い
基礎分析 ー年齢層ー
7
ID×年齢分布
トリップ目的×年齢分布
20歳
買い物
30歳
食事
40歳
帰宅
50歳
0
2
20代

4
6
30代
8
40代
10
12
14
0
1
2
3
4
50代
30歳代は直接自宅には帰らない傾向がある
5
6
基礎分析 -拘束時間-
8
トリップ目的×拘束時間
ID×拘束時間
買い物
食事
帰宅
0%
20%
5時間未満

40%
60%
5~10時間未満
80%
100%
10時間以上
0%
20%
5時間未満
40%
60%
5~10時間未満
80%
100%
10時間以上
拘束時間が10時間を超える人が半数以上を占め
ている
モデル推定
9

効用関数
U kitaku
 V1  1  d1 (拘束時間レベル)  f1 (移動手段)  a(曜日)
 1
1
U kaimono  V2   2   b1   2
U shokuzi  V3   3  d3 (移動手段)  b2   3

会社帰り
選択確率
Pn (i ) 
exp(Vni )
3
 exp(V
j 1
nj
)
帰宅
買い物
食事
モデル推定結果
10

推定結果の表
パラメータ
定数項(食事)
定数項(買物)
拘束時間レベル(帰宅)
自転車(帰宅)
水曜(帰宅)
徒歩(食事)
サンプル数
初期尤度
最終尤度
決定係数
修正済み決定係数
-0.14
1.10
2.31
2.23
2.34
1.81
t値
-0.19
1.89
2.83 **
2.89 **
1.90
1.91
98
-107.66
-39.33
0.62
0.56
*5%有意
**1%有意
実際と推定結果
100%
90%
80%
70%
60%
食事
50%
買物
帰宅
40%
30%
20%
10%
0%
実際
推定結果
モデル推定結果の解釈
12

拘束時間


移動手段


拘束時間が5時間から10時間であると帰宅に対してパラ
メータが正になっており,帰宅する傾向がある.拘束時
間が極端に長くなく,家族とコミュニケーションを取る
時間があるため,すぐに帰宅しようと考えている可能性
がある
移動手段が自転車であると自宅に直接帰宅する傾向があ
る
荷物を運べない
曜日

水曜日は自宅に直接帰宅する傾向がある
政策
13

分析・政策
 帰宅に対して拘束時間5~10時間未満の場合
が正に働いていたので拘束時間を減らすこと
によって,ワークライフバランスの観点から
仕事と家庭のバランスがとられる
考察
14



今回はサンプル数が98と少なくなってしまっ
たことが反省点である
拘束時間と仕事終わりの行動に関係がある可
能性が示せた
自転車で通勤する人は直接帰宅する傾向が強
いため,拘束時間を変化させても,会社帰り
のトリップ目的は変化しないと考えられる