資料 4 ■トラックドライバーの労働時間等のルールの概要【改善基準告示等】 ●拘束時間と休息期間の考え方 勤務日(非休日) 終業 始業 休日 終業 休息期間 拘束時間 労働時間 作業時間 手待ち 時間 休憩 時間 休息期間 労働時間 作業時間 手待ち 時間 始業 休息期間8時間+24時間 =32時間 ※休憩時間には仮眠時間を含む。 ※作業時間(運転・整備・荷扱い) ※手待ち時間(荷待ち等) ●改善基準告示の概要 1.拘束時間(始業から終業までの時間) ・1日 原則13時間以内(最大16時間) ・15時間超えは1週間2回以内 ・1か月 293時間以内 ※ 労使協定があるときは、1年のうち6か月までは、1年間についての拘束時間が 3,516 時間を超えない範囲内において1か月 320 時間まで延長可 ※ 2人乗務の場合、隔日勤務の場合、フェリーに乗船する場合に特例あり(16 時間を超える拘束時間も可) 2.休息期間(勤務と勤務の間の自由な時間) ・継続8時間以上 ※ 2人乗務の場合、隔日勤務の場合、フェリーに乗船する場合に特例あり 3.運転時間 ・2日平均で1日 9時間以内 ・2週間平均で1週間 44時間以内 4.連続運転時間 ・4時間以内(連続運転時間は、1回が連続 10 分以上かつ合計が 30 分以上の運転の中断をすることなく連続して運転する時間) 5.休日労働 ・2週に1回以内、かつ1か月の拘束時間及び 1 日の最大拘束時間の範囲内 ●労働基準法による休日の取得 ・毎週少なくとも1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならない (図1) 1日の拘束時間・休息期間の例 終業 始業 8:00 24:00 8:00 21:00 ○ 拘束時間13時間 ○ ○ 9:00 休息期間11時間 ○ 拘束時間16時間 ○ × 7:00 1:00 休息期間8時間 ○ 拘束時間17時間 × × 拘束時間16時間 ○ × 拘束時間17時間 × 休息期間8時間 ○ 休息期間7時間 × 休息期間7時間 × (図2) 拘束時間・休息期間の計算方法 月 8:00 火 21:00 拘束時間(13) 0:00 休息期間(9) 終業 始業 6:00 水 8:00 22:00 拘 束時間(16) 始業 0:00 6:00 休息期間(8) 終業 拘束時間 始業 24時間 24時間 色をつけた部分は月曜日に始まる勤務の拘束時間と火曜日に始まる勤務の拘束時間が重なる時間帯 ※1か月の拘束時間についてのチェック ※1日の拘束時間についてのチェック 1か月間の各勤務の拘束時間(始業時刻から終業時刻まで)を そのまま計算 ア 月曜日(始業時刻8:00からの24時間)の拘束時間・休息期間 ・月曜日 始業8:00~21:00 13時間 ・火曜日 始業6:00~22:00 16時間 ・月曜日 始業8:00~終業21:00 13時間 火曜日 始業6:00~8:00 2時間 ・月曜日 終業21:00~翌6:00 9時間 ・ ・ イ 火曜日(始業時刻6:00からの24時間)の拘束時間・休息期間 合計 A 時間 →1か月の各勤務の拘束時間の合計 A 時間≦1か月の拘束時間の 限度であれば、改善基準告示を満たしていることとなる。 ・火曜日 6:00~22:00 16時間 ・火曜日 22:00~翌6:00 8時間 拘束時間 15時間 休息期間 9時間 拘束時間 16時間 休息期間 8時間 (図3) 連続運転時間の例 ○ ○ 4時間 1時間20分 10分 30分 1時間20分 × 10分 1時間20分 10分 4時間10分 × 1時間25分 30分 1時間25分 5分 1時間10分 5分 運転時間 20分 休憩時間 (図4) 時間外・休日労働の例 (1か月の拘束時間が293時間で変形労働時間制が採用されていない場合) 色をつけた部分から休憩時間を引いた部分が時 間外・休日労働 17 16 18 16時間 15 15 14 14 13 9 8 8時間 ※9時間の時点で 月293時間に達して ている。 1日 2日 3日 4日 5日 28日 29日 30日 15 6日 (休日) 14 各日の拘束時間 15 14 18 13 8 17 16 累計の拘束時間 15 29 47 60 75 89 267 284 300 トラック運転者を使用する事業場に対する監督指導状況(平成26年) 1.監督指導状況(対象:2,765事業場) (1)労働基準関係法令違反 (2)改善基準告示違反 主な違反事項 主な違反事項 2,000 2,000 1,500 82.9% (2,500) 83.6% 1,643 1,000 1,000 (2,311) 1,500 66.7% 659 500 (1,845) 191 500 1,517 1,198 1,181 954 605 0 0 違反が認められた事業場 労働時間 割増賃金 休日 違反が認められなかった事業場 違反が認められた事業場 違反が認められなかった事業場 2.監督指導事例 臨検監督を実施したところ、違法な長時間労働、改善基準告示を上回る長い拘束時間の状況が認められたため指導し、改 善された事例 【概要】 1 臨検監督を実施し、デジタルタコグラフ及び営業日報等の内容から、特定の運転者において、1か月の拘束時間が約500時 間、その翌月は同拘束時間が約400時間であったことを確認した。また、勤務終了後、継続8時間以上の休息期間を与えてい なかったことを確認した。 2 監督官による指導の結果、荷主との運行時間の協議、運転者の増員、配車計画の変更などの取組を行い、1か月の拘束 時間は改善基準告示の上限293時間を下回り、また1日の休息期間が8時間以上となり、違反を是正した。 (参考)是正勧告事項 ・労働基準法第32条(労働時間)違反 ・改善基準告示(1か月の拘束時間、休息時間)違反 道路貨物運送業に対する監督指導状況 (平成24年~26年) 山口労働局 (1) 労働基準関係法令違反 監督指導 実施事業場数 違反 事業場数 違反事業場 比率(%) 違 反 事 項 労働時間 割増賃金 休日 H24 96 68 70.8 46 8 2 H25 64 49 76.6 27 9 2 H26 74 56 75.7 34 16 7 (2) 改善基準告示違反 告示違反 事業場数 告示違反 事業場比率(%) 最大拘束時間 総拘束時間 違 反 事 項 休息期間 連続運転時間 最大運転時間 H24 58 60.4 46 32 39 35 24 H25 45 70.3 38 27 32 27 18 H26 51 68.9 42 24 33 24 21
© Copyright 2024 ExpyDoc