スライド 1 - 国立大学法人 東京農工大学

5 連成振動
2つの質量mの物体がそれ常数k1,k2に繋がれて振動している。
運動を調べよう。
k2
1
2
m
K1 m
k2
Nさんの予想:1と2の運動は、以下の2つの場合に分けられるだ
ろう。即ち同位相と逆位相場合である。
5 連成振動
同位相運動は、
1
k2 m
2
k1 m
k2
逆位相運動は、
1
2
m k2
k1
同位相で動く時k1には力が働かないから、角振動数2mの球が2k2
のばねに繋がって動いている場合と同じである。だから変位x1, x2は
k2 m
2k 2
k2
x1  x2  a cos(t   ),  
= 2m
m
5 連成振動
逆位相運動は、
2
1
k2 m
k1
m k2
m
k1の相対運動が加わる。換算質量は K 
2
2k1
1 
m
だから、
k  2 k1
加速度及び力の加算性を使うと、逆位相角振動数は  
m
だろう。よって、
k  2k1
x1   x2  b cos(t   ),  
m
5 連成振動
Nさんの答え:
 k2 
 k 2  2 k1 
x1  a cos 
t   b cos 
t m
 m 


 k2 
 k 2  2 k1 
x2  a cos 
t   b cos 
t m
 m 


5 連成振動
N君:私は真面目に計算します。物体1と2の運動の式はそれぞ
れの変位をx1,x2とすると、
x1
x2
2
d x1
2
1
m 2  k 2 x1  k1  x1  x2 
dt
d 2 x2
k2 m K1 m
k2
m 2  k 2 x2  k1  x1  x2 
dt
となる。上式は X= x1+x2, Y= x1-x2 とおいて解くように教わっ
た。
d2X
m 2  k 2 X
dt
d 2Y
m 2    k 2  2k1 Y
dt
5 連成振動
X及びYは振動数、

k2
m
と   k 2  2k1
m
で振動する単振動である。
X  X 0 cos
とおけば、
x1 
x2 
k2
t
m
Y  Y0 cos
k 2  2k1
t
m
X  Y X0
k 2 Y0
k 2  2k1

cos
t  cos
t
2
2
m
2
m
X Y X0
k 2 Y0
k 2  2k1

cos
t  cos
t
2
2
m
2
m
ふたつのバネを新たなバネでつなぐことにより、2つの異なる振
動が生じた。不思議!
6. エネルギーとその保存則
6.1 仕事
6.2 仕事の一般的定義
6.3 仕事率
6.4 保存力と位置エネルギー
6.5 運動方程式のエネルギー積分
6.1 仕事
質量mの静止していた物体が力Fを受けてΔt秒間にΔrだけ
移動したとしよう。
物体が受ける仕事はW=FΔrである。
Δt秒間にΔrだけ移動したのだから
r
その間の平均速度は vav 
である。
t
しかし最初はv=0であった。ということは、
Δt秒後は v final
r
2
になる。
t
Δr
Δt
6.1 仕事
仕事mechanical workは、
W  F r  Fvav t  Fv final
Δr
t
2
Δt
と書くことができる。
力積(impact)はFΔtであり、これは運動量の変化量である。
静止していた物体は、力を及ぼされたことにより運動量を獲
得する。
p final  mv final  F t
仕事によって物体は力学的運動エネルギーを獲得する。
K  W  Fv final
t 1 2
 mv final  t  
2 2
p 2final  t 
2m
6.2 仕事の一般的定義
力を及ぼして物体が位置r1からrnまで移動したとき、
物体に与えた(損した)総仕事量は以下のように力と変位
の内積の集合として与えられる。
n

W   F j  r j 1  r j
j 1

物体が獲得した仕事はエネルギーが保存するときは当然、
n

W   F j  r j 1  r j
j 1
となる。

6.3 仕事率
単位時間当たりの仕事を仕事率という。
仕事
W  F  r[ J ]
仕事率
dW
1
P
[
Js
]  [W ]

dt
6.4 保存力と位置エネルギー
仕事

n
W   F j  r j 1  r j
j 1
が

U  r    F (r)  d r
r
r1
のように書けると仮定しよう。このとき、 F ( r )
は位置積分可能な関数でなければならない。U(r)をrに
おける位置のエネルギー、あるいはポテンシャルエネル
ギーという。このとき以下の関係がある。
 U U U 
F (r )   gradU  r    
,
,

y
z 
 x
6.4 保存力と位置エネルギー
物体がU(r)の下をrAからrBまで移動したとする。
位置エネルギーは U  rA  から U  rB 
となる。物体は U  rB   U  rA  の運動エネルギーを得る。
位置エネルギーの変化量と物体が獲得する運動エネル
ギー量は等しい。
r
この性質は
U  r    F (r)  d r
r1
のときのみ成り立つ。このときFを保存力という。
6.4 保存力と位置エネルギー
力が
F ( r )   gradU  r 
のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和
はいつも一定である。
6.5 運動方程式のエネルギー積分
力が場所積分可能な場合に僕らの運動の式はどうなる
のだろうか試してみよう。
d 2x
m 2  F  x
dt
0からxまで積分しよう。

x
d 2x
m 2 dx   F  x  dx  U  0  U  x 
0
dt
x
0

x
0
t
d x
d x dx
m  dx 
m 2 dx   m 2 dt   
0
dt
dt dt
2  dt 
2
2
位置エネルギー差
と同じ量の運動エネ
ルギーが発生する。
2 t
0
m
m
2
2
 v  t   v  0
2
2
6.4 保存力と位置エネルギー
力が
F ( r )   gradU  r 
のような位置の関数で表
されるとき、この力を保存力 Conservative force という。
このとき、
位置ポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和
はいつも一定である。
6.4 保存力と位置エネルギー
もし、物体が保存力の力によりある地点から移動して、再
び元に戻ったとする。このときポテンシャルエネルギーは
出発時点ともとに戻った時点では変わらない。よって運動
エネルギーも元に戻る。仕事ゼロ。エネルギーはもちろん
保存する。
6.4 保存力と位置エネルギー
問: 以下の力は保存力か?
1)
Fx  kx
Fy  ky
2)
kx
Fx  2
x  y 2  c2
3)
Fx  4kx  3ky
保存力
ky
Fy  2
x  y 2  c2
Fy  2kx
保存力
保存力ではない
6.4 保存力と位置エネルギー
問 スカラー関数Aは   gradA  0 が常に成り立つこと
を示せ。
 A A A 
gradA(r )   , , 
 x y z 
   gradA x


  gradA z   gradA y
y
z
 
 

A
A0
y z
z y
6.4 保存力と位置エネルギー
1)
もし
Fx  kx
Fy  ky
は保存力か?
 U U U 
F   gradU (r )   
,
,
 ならば、
y
z 
 x
Fy Fx
Fx
 2U Fy



0
y
yx x
x
y
Fy
 2U Fz


z
zy y
Fz Fy

0
y
z
Fz
 2U Fx


x
xz z
Fx Fz

0
z
x
 F  0
kx
ky
0
y
x
ならば、Fは保存力である。
保存力&一回りで仕事ゼロ
6.4 保存力と位置エネルギー
2)
kx
Fx  2
x  y 2  c2
ky
Fy  2
x  y 2  c2
Fx

kx
2kxy


2
2
2
2
2
2 2
y y x  y  c
x  y c 
Fy

ky
2kxy


2
2
2
2
2
2 2
x y x  y  c
x  y c 
保存力&仕事ゼロ
6.4 保存力と位置エネルギー
Fx  4kx  3ky
3)
Fy  2kx
Fx 
  4kx  3ky   3k C(0,b)
y y
B(a,b)
Fy

 2kx  2k
x x
O
A(a,0)
保存力ではない。一周した場合
仕事あり。
もし、 Fx  4kx  2ky なら保存力だった。だから、余るのは
kyである。OA,BCについて力kyの仕事が、一周したときの仕事。

A
O
A
Fx dx   kydx  0
仕事は-kba
O

C
B
C
Fx dx   kydx  kba
B
簡単な問題
重力がなく、空気抵抗もない空間で、図のように
バネにつながれた質量mの物体を、自然長を
原点として、原点からx0だけ引き伸ばし、時刻
k
ゼロで手を離した。
1)時刻tでの物体の位置x(t)を求めよ。
m
x
2)物体に働く力、F(t)を求めよ。
3) 力のF(t)のポテンシャルエネルギーを求めよ。
4) x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
5) 0から-x0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
6) -x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
7) 0からx0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
簡単な問題
1)時刻tでの物体の位置x(t)を求めよ。
x  x0 cos
k
t
m
2)物体に働く力、F(t)を求めよ。
F  t   kx  kx0 cos
k
k
t
m
3) 力のF(t)のポテンシャルエネルギーを求めよ。
F   gradU
m
x
1
U  kx 2
2
4) x0から0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
W 

0
x0
F  dx 
k
x0 2
2
簡単な問題
5) 0から-x0まで移動する時に物体がもらう仕事を求めよ。
W 

 x0
0
F  dx  
k 2
x0
2
6) -x0から0まで移動する時に物体がもらう
仕事を求めよ。
W 

0
 x0
F  dx 
k 2
x0
2
7) 0からx0まで移動する時に物体がもらう
仕事を求めよ。
W 

x0
0
F  dx  
k 2
x0
2
k
m
x
簡単な問題
以下の力は保存力か?
1.
F   kx,0
保存力
2.
F   kx, kx 
保存力ではない
3.
万有引力
4.
粘性抵抗力
Mm
F  G 3 r 保存力
r
保存力ではない
簡単な問題
力 F  ( x, y ) は保存力であり、力の
方向を右図の上に書くと放射状の矢印
になる。以下の力は保存力か否か、を
答え、力の方向を右図にならって描け。
1) F  (  y, x)
2) F   x, x 
Y
O
X
簡単な問題
Y
力 F  ( x, y ) は保存力であり、力の
方向を右図の上に書くと放射状の矢印
になる。以下の力は保存力か否か、を
答え、力の方向を右図にならって描け。
1) F  (  y, x)
2)
Y
O
O
X
F   x, x 
Y
X
O
X
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分がfx=axy, fy=ax2/2(aは定数)と書けたとす
る。fが保存力であるかどうか調べよ。もし保存力な
らポテンシャルエネルギーを求めよ。
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分が fx=axy, fy=by2 (a,bは定数)と書けたと
する。fが保存力であるかどうか調べよ。
X軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半径r
の円周に沿って動く場合と、弦ACに沿って動く場合
のfのする仕事を求めよ
簡単な問題
問:平面内で運動する質点に働く力 f の直角座
標成分がfx=axy, fy=ax2/2(aは定数)と書けたとす
る。fが保存力であるかどうか調べよ。もし保存力な
らポテンシャルエネルギーを求めよ。
1
U   ax 2 y  C
2
問:X軸上の点A(r,0)からy軸上の点C(0,r)まで、半
径rの円周に沿って動く場合と、弦ACに沿って動く
場合のfのする仕事を求めよ。
1
円周: W    f x dx  f y dy    b  a  r 3
3
1
a 3
W  b  r
弦:
3
2
Nさんの疑問
Nさん:保存力がよくわかないんです
N君:そうですか?
Nさん:たとえば、以下のような2次元の力を考えます。
F   kx, kx 
先生の解説によるとこれは保存力ではありません。
N君:そうでしたね。
Nさん:しかし、x成分はばねの力です。ばねの力は保存力だった
んじゃないですか?
N君:そうでしたね。
Nさん:例えば、x0→0 →-x 0 → 0 → x 0 の経路を考えた時、Fの
する仕事の合計はゼロじゃないですか?だったらFは保存力じゃ
ないのかな?
Nさんの疑問
N君:あらゆる経路を考えたとき仕事の合計がゼロにならなけれ
ばならないのです。一つでも例外があればダメなんだよ。
Uさん:つまり部分点なし?
N君:無し!
(0,0) → (x1,0) → (x1,y1) → (0,y1) → 0
の経路でのFのする合計の仕事を求めてみましょう。
Nさん:それは簡単です。
1 2
1 2

W  k  x1  x1問
y1 題 x1  0  kx1 y1
2
2

Nさん:やや!なんと合計はゼロにならないじゃないですか?
おかしいな?
N君:少しもおかしくないよ、次の問題を考えてみよう。
Nさんの憂鬱
y
ジェット気流が図の矢印方向に
B(0,q)
吹き、A点(p,q)にいる飛行機は水平
右方向の力を受ける。ジェット気流は
上空程強く力は高さに比例するとする。
A
F jet  (ay,0)
もちろん重力の力も下向きに飛行機
に働く。
O
F gr  (0, mg )
(1)これらの力の合計の力は保存力かどうかを、A→B→OとA→O
との経路で飛行機がもらう仕事を求めて考察してみよう。
(2)飛行機がO点に到達するのにもっとも消費エネルギー少なく到
達する経路はどのような経路でしょうか?
x
Nさんの憂鬱
A→B→Oでもらう仕事:
WABO   aydx    mg dy  aqp  mgq
0
0
p
q
A→Oでもらう仕事:
WAO  
O
A
0
q
F dr   aydx    mg  dy   a xdx    mg  dy
q
q
q
q
p
0
aqp

 mgq
2
0
0
Nさんの憂鬱
Nさん:なるほど、ジェット気流の仕事は経路によって違いますね。
これに対して重力は同じ・・・・わかったかも!
重力は保存力、ジェット気流力は非保存力、合計の力は非保存力
ということですか?
N君:その通りです。
Nさん:保存力は一回りして元に戻っても損得なし、
非保存力は損か得かあり、ということですか?
N君:その通りです。
Nさん:それじゃ私が解説してあげましょう!
先の問題 F   kx, kx  は、 F   kx,0 が保存力、
F   0, kx 
が非保存力ですね。合計は非保存力。
N君:その通りです。
Nさんの憂鬱
Uさん:非保存力がぱっとわかる方法はないんでしょうか?
N君:ここいらが、 Nさんの限界だね。
Nさん:・・・・・・・・・・
N君:
 F  0
Nさん:・・・・数式は苦手・・・・・
N君:文句いっちゃだめだよ。
Nさん:そこをなんとか、タダでもう少し教えてください、お願いします。
N君:力ベクトルFが、 F   gradU の形をしているとき、必ず
 F  0 なんです。
Nさん:ふ~んそんなもんか?
N君:ふ~んじゃないよ、既に勉強したことです。
Nさん:じゃあ、ばねの力はどうやればできるんですか?
N君:既に勉強しました。
U 
1 2
kx  C
2
F   gradU   kx, 0, 0
Nさんの憂鬱
Nさん:じゃあ、これはどうかな? U  1 kx 2  1 ky 2
2
2
N君:
F   gradU   kx, ky, 0
Nさん:2次元バネですね。
N君:そうだね、しかし、決して F   kx, kx,0 にはならない。
Nさん:なるほど、なんか名案ないかな?
1
U  kxy で勝負!
2
N君:名案だが、残念でした。 F   gradU   ky, kx, 0
Nさん:惜しい・・
N君:ちょっとも惜しくない。
Nさん: F   kx,0,0 F   kx, ky, 0 F   ky, kx, 0
は保存力で、
F   kx, kx, 0
は保存力ではない・・・・・不思議・・・・
Nさんの憂鬱
Nさん:納得いかないので、 F   ky, kx, 0
について、(0,0) → (x1,0) → (x1,y1) → (0,y1) → 0
の経路でのFのする合計の仕事を求めさせて下さい。
N君:どうそどうぞ、
Nさん:
題
W  k 0  x問
1 y1  x1 y1  0  0
なるほど、2経路目と3経路目が打ち消し合うんですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
N君、大発見しました!
Nさんの発見
Nさん: U  ax  by  cz
F   a, b, c 
です。
すなわち、場所によらず一定の力は必ず保存力です!
N君:なるほど。
Nさん:たとえば、重力は F   mg , 0, 0 
これは自信をもって保存力です。
N君:なるほど!素晴らしい、大発見です!
6.4 保存力と位置エネルギー
Nさんの大発見は、場所によらず一定の力は保存力、
であった。
重力は F   0, mg , 0
と書けるとき保存力であり、位置エネルギー
θ l
がmghのような関数で表現できる。
摩擦などがないときの重力下の運動は
保存力下の運動である。
これまで学んだ振り子の運動を保存力と
位置エネルギー観点から調べよう。
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
N君:重力は保存力ですね。
Nさん:そうです。
N君:右図の振り子を勉強しました。
Nさん:勉強しました。
N君:運動方向の力は F  mg sin
です。 θ l
Nさん:そうです。
N君:保存力なら力学的ポテンシャルUがある
はずです。そして F   gradU
にならなければなりません。
Nさん:そうです。
mg
N君:振り子を動かしているのは一定の重力だから、
ポテンシャルエネルギーはU=mgh
のような形にならなければなりません。
6.4 保存力と位置エネルギー
Nさん:そうです、別にいいじゃないか。
N君:良くありません、なんで F  mg sin Y
が U=mghから出てくるか問題です。
Nさん:そうです。問題です。
θ
N君:考えて下さい。
Nさん:考えましょう。
横軸をx、縦軸をyとしましょう。
そして最下点x=0,y=0のポテンシャル
O
エネルギーをゼロとしましょう。
N君:そうしましょう。
Nさん:振り子の円弧の運動の方向はθ方向です。
N君:そうです。
Nさん:よって運動の位置の変数はlθです。
l
X
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
N君:そうなんですか?
Nさん:そうなんです、lが大きければ移動距離が
Y
大きくなります。
N君:つまり、 F   gradU の微分変数を
lθ にせよと言いたいんですか?
θ
Nさん:そうです。
N君:ふ~ん、まあいいや、そうしましょう。
Nさん:積分しましょう。
O
N君:積分しましょう。
Nさん:Fを積分します。
U  mgl cos  C
N君:よくできました。でもCが分かりません。
Nさん:最下点のUはゼロです。
l
X
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
N君:なるほど、そう決めました。
U  mgl 1  cos  
になります。それで?
Nさん: l 1  cos    y です。
N君:え、ああ、そうね、それで?
Nさん:だから、
N君:だから?
Nさん: U  mgy
です。これはmghの形です。
N君:なるほど、よくできました。
Y
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
N君:でも異議あり、
 U
U
U 
F   gradU   
,
,


x

y

z


Y
と勉強しました。だからx、y微分積分を使いたいです。
θ l
Nさん: F   mg sin    mgx
l
です。
mgx 2
だから、 U 
C
2l
です。
X
O
あれ?いや違う。変だ、待てよ・・・・
N君:どうしたの?これでいいじゃん。
mg
Nさん:いや、ちょっと待って、ええっと・・・・
x、y積分を使うときは、
力もx、y成分を使わなければなりませんでした。
6.4 保存力と位置エネルギー
N君:そうなんですか?
Nさん:そうなんです。だから、
Y
F   0, mg ,0 
です。
N君:そうですね・・・
Nさん:積分しましょう。
N君:積分しましょう。
Nさん:Fを積分します。
U  mgy  C
N君:よくできました。でもCが分かりません。
Nさん:最下点のUはゼロです。
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
N君:なるほど、そう決めました。
それで?
Y
Nさん: U  mgy
です。これはmghの形です。
N君:なるほど、よくできました。
変数によって力の成分を使い分けなければ O
ならないんですね。
Nさん:そうみたいですね。
面白いですね。
N君:面白いですね。
θ
l
X
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
重力は F   0, mg ,0 
である。振り子の場合は運動は自由
ではなく
x  l sin  y  l 1  cos  
の条件で束縛されている。即ち、x、y
成分は自由ではない。
運動は円弧の内に限られている。
円弧接線方向の力成分は、
F  mg sin
である。
Y
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
そして運動はθ方向だから運動の式は、
d 2
g
  sin 
2
dt
Y
l
となる。
ポテンシャルエネルギーは、運動の方向の
変数lθで力を積分して求める必要がある。
F  mg sin
から、最下点0とすると
U  mgl 1  cos  
となる。 y  l 1  cos   だから、
θ
l
X
O
mg
6.4 保存力と位置エネルギー
U  mgy
Uは、
である。
重力
F   0, mg ,0 
をy方向に積分して求めた場合、
U  mgy
と一致する。
それでは、よく近似的に用いられる、
θが小さいときの式
d 2
g
~ 
2
dt
l
Y
θ
l
X
O
mg
の場合のポテンシャルエネルギーはどうなるのだろう?
6.4 保存力と位置エネルギー
この場合、力は F  mg sin ~ mg
だから、
1
U  mgl 2
Y
2
U  mgl 1  cos  
である。もともと
であった。θが小さいときはマクローリン
展開的近似ができる。
U  mgl 1  cos  
1
 mgl 2
2
1 2

~ mgl  1  1   
2


θ
l
X
O
mg
近似的運動の式も保存力とポテンシャルエネルギーの
理論に矛盾はない。
6.4 保存力と位置エネルギー
次にバネの運動を調べよう。
バネを引っ張り、時刻ゼロで手を離した
場合を考えよう。
バネ常数k, 粘性抵抗係数α、
自然長の位置をゼロとする、
時刻ゼロではバネの速度は当然ゼロ。
k
m
5.2 減衰振動のまとめ
運動の式
d 2x
dx
m 2 
 kx  0
dt
dt
k
0 
m
t=0でv=0のとき、
①減衰振動


2m

tan    

x  ae
t
  02   2
cos t   
t
②臨界制動 x  ae  cos    sin   t 
③過減衰
   
x  A e



 2 02 t

    2  02
   2  02
 

e
 
 2 02 t


6.4 保存力と位置エネルギー
代表例として減衰振動を調べよう。
t
x

ae
cos t   
①減衰振動
1 2
変位xのときバネのもつエネルギーは Bane  kx
2
である。
おもりmがバネから貰う運動エネルギーを考えよう。
2
1 2 1  dx 
K  mv  m  
2
2  dt 
2
1 2 2  t
 ma e   cos t      sin t    
2
6.4 保存力と位置エネルギー
抵抗が無いときの運動エネルギーとバネのエネルギー時間
変化はグラフのように相互に入れ換わり二つの合計は常に
一定である。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
二つの合計
6.4 保存力と位置エネルギー
運動エネルギーとバネのエネルギーの位置による変化は
グラフのようになる。運動エネルギーは位置を決めれば必
ず決まる。バネのエネルギーはポテンシャルエネルギーと
なる。保存力。
運動エネルギーK
バネのエネルギー
6.4 保存力と位置エネルギー
粘性抵抗が少し発生しβ=0.5のとき、運動エネルギーとバネ
のエネルギーは振動しながら時間とともに減衰する。二つの
合計も減衰する。バネのエネルギーは抵抗による熱などの
運動エネルギーで
はないエネルギー
二つの合計
変換される。
運動エネルギーK
バネのエネルギー
6.4 保存力と位置エネルギー
β=0.5のとき、位置に対して運動エネルギーはいくつもの値
をとる。バネのエネルギーポテンシャルエネルギーではない。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=1のとき、運動エネルギーとバネのエネルギーは振動しな
がら時間とともにより速やかに減衰する。二つの合計も減衰
する。
二つの合計
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=1のとき、運動エネルギーは位置に対して極めて非対象
になり、且ついくつもの値をとる。バネのエネルギーポテン
シャルエネルギーではない。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=2と大きくなると、運動エネルギーとバネのエネルギーは
振動しながら時間とともによりさらに速やかに減衰する。二
つの合計も減衰する。
二つの合計
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=2のとき、運動エネルギー、位置エネルギーとも非対象に
なり、負の位置の振幅は非常に小さい。
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=5の臨界制動のとき、バネのエネルギーは振動せず減衰
する。運動エネルギーはピークを1つ持ちその後減衰する。
二つの合計エネルギーは振動せず減衰する。
5
二つの合計
バネのエネルギー
運動エネルギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
β=5の臨界制動のとき、運動エネルギーとバネのエネル
ギーは正の位置のみ。
5
バネの
エネルギー
運動エネル
ギーK
6.4 保存力と位置エネルギー
F  a  r  r
このような力を中心力という。
Mm
万有引力は中心力である。 F  G 3 r
r
そして保存力である。→フジイ君チェックせよ。
→シゲノ君無限遠方をゼロとして
ポテンシャルエネルギーを求めよ。
7. 角運動量とその保存則
7.1 ベクトルのベクトル積
7.2 力のモーメント
7.3 角運動量
7.4 運動方程式の角運動量積分
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
7. 角運動量とその保存則
F  a  r  r
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
Mm
F  G 3 r
r
そして保存力である。
ポテンシャルエネルギーは
運動を調べよう。
Mm
U  G
r
d2r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
7. 角運動量とその保存則
r   r cos  , r sin  , 0
とおく。

dr
 r cos   r sin  , r sin   r cos  , 0
dt
d2r

2
dt






,  r  r  sin    2r  r  cos , 0 
r  r 2 cos   2r  r sin  ,
2
2
d r
Mm
m 2  G 3 r
dt
r
2r  r  0 であり、
だから、
2rr  r 2  0
7. 角運動量とその保存則
よって、
r 2  rr  C
これを角運動量保存則という
中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
角運動量ベクトルの定義は
L  r p
である。
7. 角運動量とその保存則
r   r cos  , r sin  , 0 のときを調べよう。
運動量ベクトル成分はx-y平面内にあり
 
 
 
p  m r cos   r sin  , m r sin   r cos  , 0
角運動量ベクトル成分はz軸上にある。

L  r  p  0, 0, mrr
もし、
rr  C

なら L   0, 0, mC    0, 0, L 
角運動量は常に一定である。
7. 角運動量とその保存則
N君:万有引力は中心力と勉強しました。
Nさん:勉強しました。
N君:中心力下の運動では角運動量は
保存すると勉強しました。
θ l
Nさん:勉強しました。
N君:重力も万有引力です。
Nさん:そうです。
N君:ならば、右図の振り子の角運動量も
保存するの?
N さん:うん?角運動量って?
mg
N君: L  r  p よ。
Nさん:う~ん、振り子は折り返しのところで一旦止まるか
ら必ずp=0がある。しかし、最下点では勢いよく動く。
7.3 角運動量
N君:だからpは大きい。
保存しないんじゃないかな・・・
Nさん:不思議です・・・
N君:振り子の運動を勉強したので調べて
みよう。
θ
l
mg
7.3 角運動量
惑星の公転に倣ってこの度は原点Oを
振り子の支点に取る。
r   l sin  , l cos  ,0 
d
d 

p   ml cos 
, ml sin 
,0 
dt
dt


Lr p

2 d 
  0, 0, ml

dt 

Y
X
O
θ
l
mg
7.3 角運動量
Lr p

2 d 
  0, 0, ml

dt


・角運動量はz成分のみである。
・振り子は往復振動するから、
d  は時間変化する。
dt
だから振り子の角運動量は保存しない。
Y
X
O
θ
l
mg
7.2 力のモーメント
角運動量の保存条件を調べよう。
dL
保存条件:
N 0
dt
dL dr  p
N 

v prF
dt
dt
 rF
N  r  F を力のモーメントという。
F  ar のときに力のモーメントはゼロになる。
このとき、角運動量は時間変化せず保存する。
7.2 力のモーメント
N  rF
力のモーメントは回転的運動を誘発する。
角運動量を増減させる。
rがあり、Fがある。
これらが平行か逆平行のとき回転は
誘発されない。
これらが直交関係のとき力はもっとも
有効に回転運動に寄与する。
Y
X
O
θ
F  ar の力を中心力という。
中心力のとき、力のモーメントはゼロである。
力のモーメントがゼロの時角運動量は保存する。
l
mg
7.2 力のモーメント
確認しよう。
r   l sin  , l cos  ,0 
Y
F   0, mg ,0 
O
だから振り子の力のモーメントは
X
θ
l
N  r  F   0,0, mgl sin  
角運動量の時間変化は
2
dL 
2 d  
  0, 0, ml
  0, 0,  mgl sin  
2 
dt
dt 

両者は確かに一致する。
mg
7.2 力のモーメント
振り子を振る力は鉛直下方向き。
支点から質点までの位置ベクトルとは
Y
一致しない。
O
よって振り子にとって重力は中心力ではない。
θ
力のモーメントが発生し、
角運動量は変化する。

2 d 
L  r  p   0,0, ml

dt


N  r  F   0,0, mgl sin  
X
l
mg
7.3 角運動量
l
H 
2
から振り子を振り出すとしよう。

初期角度は 0  3
Y
θ
さらにm=1, g=9.8, l=1としよう。

g
~ 3.13
l
X
O
l
d
 3.13 2 cos   1
dt

2 d 
L   0,0, ml
  0,0,3.13 2 cos   1
dt 


N  r  F   0,0, 9.8sin  

mg
7.3 角運動量
0 

3
m=1, g=9.8, l=1
Y
X
O
θ
N
l
L
mg
7.3 角運動量
0 

3
m=1, g=9.8, l=1
Y
X
O
N
θ
l
L
θ
mg
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
再び万有引力に戻ろう。
F  a  r  r
このような力を中心力という。
万有引力は中心力である。
Mm
F  G 3 r
r
そして保存力である。
ポテンシャルエネルギーは
運動を調べよう。
Mm
U  G
r
d2r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
r   r cos  , r sin  , 0
とおく。

dr
 r cos   r sin  , r sin   r cos  , 0
dt
d2r

2
dt






,  r  r  sin    2r  r  cos , 0 
r  r 2 cos   2r  r sin  ,
2
d2r
Mm
m 2  G 3 r
dt
r
2r  r  0 であり、
だから、
2rr  r 2  0
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
よって、
r 2  rr  C
これを角運動量保存則という
中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
角運動量ベクトルの定義は
L  r p
である。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
r   r cos  , r sin  , 0 のときを調べよう。
運動量ベクトル成分はx-y平面内にあり
 
 
 
p  m r cos   r sin  , m r sin   r cos  , 0
角運動量ベクトル成分はz軸上にある。

L  r  p  0, 0, mrr
もし、
rr  C

なら L   0, 0, mC    0, 0, L 
角運動量は常に一定である。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
rr  C
 は角速度であり、 r は線速度である。
よって、 rr は惑星軌道が掃引する面積速度である。
rr  C
は面積速度一定を意味する。
ケプラーの第二法則
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
再び、
d2r
2
2
m 2  m r  r cos  , m r  r sin  , 0
dt
 


d2r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
だから、大きさを比較して
GMm
2
mr  mr  
r2
角運動量の大きさ mr 2  L を使うと、
L2
M
r  2 3 G 2
mr
r


7.5 惑星の運動ケプラーの法則
よって、中心力
d2r
Mm
F  m 2  G 3 r
dt
r
mr 2  L
rの運動について
から、
角運動量一定が得られ、
L2
M
r  2 3 G 2
mr
r
の微分式が得られる。
この式は難問です・・・・・・
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
問
D
 1   cos 
r
L2
M
r  2 3 G 2
mr
r
は
を満たす関数である。
フジイ→DをL,m,M,Gで表せ。
L2
D 2
m GM
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
D
 1   cos 
r
両辺をtで微分
D
 2 r   sin 
r
L2
D 2
L
2

Dr  r sin    sin  m(GM
m r2  L)
m
さらに両辺をtで微分
2
L
L
Dr   cos  2 2  cos
m
m r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
L2
Dr  2 2  cos
m r
L2
M
r  2 3  G 2
m r
r
両式を比較
 L2
M
L2
L2  D 
D 2 3  G 2   2 2  cos  2 2 2   1
Lm r  r
r  m r

m r
D 2
m GM
M
L2
 DG 2   2 2
r
m r
L2
D  2
m GM
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
D
 1   cos 
r
rの軌道の絵を書いてみよう
ε=0のとき
ε <1のとき
ε >1のとき
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
D
 1   cos 
r
L2
M
r  2 3 G 2
mr
r
L2
D 2
m GM
は
を満たす。
ε=0のとき円軌道
ε <1のとき楕円軌道
ケプラーの第一法則
ε >1のとき双曲線軌道
軌道の形は運動エネルギー(速度)によって決まる。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1
 1  1.1  cos 
r
1
 1  0.8  cos 
r
1
 1  0.5  cos 
r
1
 1  0.1  cos 
r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
運動エネルギーを考えよう。
D
 1   cos 
r
r
 D 2   sin 
r
L2
D 2
m GM
mr 2  L
L
Dr   sin 
m

dr
v
 r cos   r sin  , r sin   r cos  , 0
dt
2
2
L
L
v 2  v  v  r 2  r 2 2   2 sin 2  2 2  2 2
D m
r m

2
2
2

1
1
1
L

sin

1 
2
2
2 2
mv  m r  r  
 2

2
2
2
2 m
D
r 


7.5 惑星の運動ケプラーの法則
2
2
2

1
1
1
L

sin

1 
2
2
2 2
K  mv  m r  r  
 2

2
2
2
2 m
D
r 
  2 sin 2 
1
1 
 DmMG 
 2
2
2
D
r 



ε=0のとき運動エネルギー最少
ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
Kとε の関係をもっと調べよう
2
2
2

1
1
1
L

sin

1 
2
2
2 2
K  mv  m r  r  
 2

2
2
2
2 m
D
r 
  2 sin 2 
1
1 
D
 DmMG 

2
2 
 1   cos 
2
D
r


r

1
 2 sin 2 
1   cos  
 mMG 


2
r
 r 1   cos  



mMG 1 1  2 cos    2

r
2
1   cos 
mMG 1

1   2   1    cos  

r
2
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
mMG 1
K 
1   2   1    cos  

r
2
ε=0のとき運動エネルギー最少
Mm
もともとポテンシャルエネルギーは U  G
r
だから、
1 Mm
1 Mm
(最小値)
K  G
K U   G
2
r
2
r
ε が大きくなると運動エネルギー大きくなる。
K U  0
になる条件は
mM
K G
r
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
1   2   1    cos  2
になるチャンスは、   1 のとき。
楕円、円運動ではK+U<0であり、無限遠方には行くこと
ができない。
  1 のときはじめて、重力ポテンシャルに打ち勝って
無限の彼方に行くことができる。その時の運動エネルギー
は、
mM
mM
K G
r
K G
R
 mgR
地球上の臨界速度は
1
K 
mv 2 から、
2
v
2 gR
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
v
v
2 gR
を第二宇宙速度という。
gR
を第一宇宙速度という。
問:第一宇宙速度と第二宇宙速度の意味を考えよ。
ノムラ
1 Mm
K  G
2
R
問:双曲線軌道をとり地球に近づいた小惑星は、地球
をの近くを通り過ぎた後、再び地球に近づくのはいつ
か?
ナカムラ
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
v
v
2 gR
を第二宇宙速度という。
gR
を第一宇宙速度という。
問:第一宇宙速度と第二宇宙速度の意味を考えよ。
ノムラ
1 Mm
K  G
2
R
問:双曲線軌道をとり地球に近づいた小惑星は、地球
をの近くを通り過ぎた後、再び地球に近づくのはいつ
か?
ナカムラ
7.5 惑星の運動ケプラーの法則
楕円の面積Sは長径をaとすると S   a2 1   2 である。
D
 1   cos 
r
から a  D 2 となる。
1 
角運動量L一定=面積速度一定なのだから
周期をTとすれば S  BLT になる。
L2
D 2
m GM
だった。Tとaに注目すれば、
3
2
S
 a2 1   2
a
T


2
BL B Dm GM B m2GM
ケプラーの第三法則
周期は長径(短径)の3/2乗に比例する。
Topic of Kepler mission
NASA's Kepler mission started at 2009 to look for planetary
systems like earth in the "habitable zone," the range of
distance from a star where the
surface temperature of an
orbiting planet might be
suitable for liquid water.
When a planet candidate transits,
or passes in front of the star from
the spacecraft's vantage point,
a percentage of light from the star is
blocked. The resulting dip in the
brightness of the starlight reveals the
transiting planet's size relative to its star.
Using the transit method, Kepler has detected
2,740 candidates. Using various analysis techniques, ground
telescopes and other space assets, 122 planets have been
Another idea
地球は太陽の周りをほぼ円周軌道で公
転回転している。しかしこれまで学んだ
ことに基づけば、厳密には「両者の重心 Y
周りをお互いに回りあっている。」と表現
すべきである。地球の質量は

m
5.9x1024kgであり、回転半径は
r
1.5x1011mである。太陽の質量は
θ
O
2.0x1030kgである。太陽の
M
回転半径は何kmか。 ナカムラ
mr
R
 442500  442.5km
M
X
中間テスト問題 2009年12月17日(木)
6.イギリスの天文学者エドモンド・ハレーが研究したハレー彗星
は、公転周期75.3年、太陽への最近接距離8.8x1010 m、最遠
方距離5.2x1012 mの長楕円軌道運動をする。ハレー彗星の感
じる太陽重力は⑦であるから角運動量は⑧である。しかし回転
Q
半径は変化するから、ハレー彗星はコリオリ力を感じて軌道の
rR
E
線速度を変化させる。最近接距離にあるときの線速度は最遠方
4 r 2
距離にあるときの線速度の⑨倍の5.5x104 m/sである。これは
第二宇宙速度より大きいが、ハレー彗星は太陽系の外に飛び
Q
rR
E
r
去る事はない。それは太陽がハレー彗星に及ぼす重力ポテン
3
4 R
シャルエネルギーUの絶対値が大きくU+Kが⑩であるからであ
る。
復習
X-Y平面において半径rを一定角速度ωで回転している質量mの
角運動量をX軸上の地点R   R, 0, 0  から観測しよう。
原点から見た時のmの位置ベクトルは
Y
r   r cos t, r sin t,0 

運動量ベクトルは
p   mr sin t , mr cos t,0 
である。
Rから見た時のmの位置ベクトルは
R   r cos t  R, r sin t ,0 
となり角運動量は、
L   0,0, mr 2  mRr cos t 
m
θ
R
X
復習
よって地点Rから見た時、mには見掛け上の力のモーメント
N   0,0, mRr 2 sin t 
Y
が働き角運動量が刻々と変化する。
当然であるけれども、中心力により
運動する物体の角運動量は、
運動の中心(焦点)から測定した時に
のみ保存する。

m
θ
R
X
復習
地球の重力により、図の矢印の方向に
運動する2つのシャトルを考えよう 。
シャトルAは北極から南極に貫くトンネ
ルを通る。シャトルBは地表すれすれを
一定速度で周回する。地球は真球であ
り、半径R、密度は均質な質量Mである。
シャトルは質量mであり、十分小さい。
トンネルも十分小さい。地球中心を原
点Oにとる。トンネルを貫く軸をY軸にと
り、図のようなX-Y平面をシャトルは運
動する。Z軸は紙面鉛直上向きが正で
ある。空気の抵抗は考えないとする。
地球は自転していないとする。
時間ゼロでシャトルは北極点におり、
右回りとする。
m
地球
北極点
Y
(0,R,0)
B(x,y,0)
A
θ
O
X
復習
地球とシャトルの間に働く力は、 F  G
GM
F  mg だから、 g  2
R
mM
GM
m 2
2
R
R
である。
M= 5.974x1024 kg R= 6.37x106 m
計算すると g =9.81 m/s2 である。
重力加速度は地表いたるところで一定であり、地球の中心方向を
向いているから、X-Y平面上では a    g cos  ,  g sin  ,0 
の形をしている。
GM
2
加速度の大きさ a  R  g  2
R
角速度は
周期は
GM

R3
ケプラーの第三法則
R3
R
R
T  2
 2 R
 2
=5060 s !
GM
GM
g
復習
2 R
GM

 gR =7.9x103 m/s !
速度の大きさは v  R 
T
R
運動量の大きさは P  mv  mR  m gR
運動エネルギーは
P 2 mGM mgR
E


2m
2R
2
もしシャトルの重さが10トンだとすると、 E=3.1x1010 J !
最後にシャトルの位置は、時刻ゼロで北極点、右回りだから

 
  
r  t    R cos    t  , R sin    t  ,0 
2 
2  

復習
地球トンネルを動くシャトルの場合を考えよう。
(0,y,0)にいるシャトルに働くY方向の力は、(x,y,0)にいる周回シャ
トルが受ける力のy成分に等しい。
d2y


2
Fy  ma y  m 2  m R sin   t   m 2 R cos t
dt
2

 m 2 y
だから、運動の式は
加速度は
Fy  m 2 y
d2y
a  2   2 y
dt
となる。これはバネの問題と同じである。
復習
式を解くまでもなく答えは求められて、
シャトルの位置は(y軸上) y  R sin    t   R cos t


2

dy
3
v
t



R

sin

t


gR
sin

t


7.9

10
sin t


速度は
dt
運動量は P  t   mv  m gR sin t
運動エネルギーは
周期は
2
mgR 2
E
sin t
2
R
T
 2
 5060s !

g
復習
地球トンネルを動くシャトルの運動のまとめ
1.北極にいるときの
速度はゼロ、加速度の大きさは  2 R  g
2.地球の中心で速度最大=7.9x103m/s,これは周回シャトルの
速度と同じ。加速度はゼロ。
mgR
3.運動エネルギーは北極でゼロ、地球中心で最大
2
これは周回シャトルの運動エネルギーと同じ。
4.北極から南極まで行って帰ってくるのに5060秒かかる。
これは周回シャトルの1周期と同じ。
5.運動は往復周期振動運動。バネの運動と同じ。
復習
GM
万有引力を見直してみよう。 F  m 2
R
地球の密度をρとすれば、
だから
地表での重力加速度は
4
M   R 3
3
4G
F m
R
3
4G
ag
R
3
地球トンネルのシャトルが感じる加速度の大きさは、
4G
a  y 
y
3
2
このことは、地球の中心から距離yにあるシャトルが受ける重力的
力は地球と同じ密度を持つ半径yの球状物体から受ける力と同じ
であることを示している。
復習
重力の大きさ
問: 前ページの議論を参考にして、あなたが地球から受ける重
力の大きさを中心からの距離の関数として下のグラフに描け。
シゲノ
0
R
(半径)
距離
復習
問: 半径Rの球が一様に帯電している場合を考える。
電荷総量はQである。球の中心からrの距離の電界強度
Eを求めよ。
フジイ
rR
rR
E
Q
4 r 2
Q
E
r
3
4 R
復習
問 質量mの小さな固い物質が等速度vで
x軸に平行に走っている。時刻t=0でY軸上
r0の地点に達したとき、青い固い巨大な壁に
ぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反
射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度vで
運動を続けたとする。
1)t<0のとき、物質の位置と運動量の
x、y成分を書け。Nさん
2)t>0のとき、物質の位置と運動量の
x、y成分を書け。Nさん
3)壁との衝突により物質mが受ける力積のx、y成分を書け。Nさん
4)t<0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。 N君
5)t>0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。 N君
6)壁との衝突により物質mが受ける力のモーメントの
衝突している時間の合計の大きさと向きを書け。 N君
復習
問 質量mの小さな固い物質が等速度vで
x軸に平行に走っている。時刻t=0でY軸上
r0の地点に達したとき、青い固い巨大な壁に
ぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反
射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度vで
運動を続けたとする。
1)t<0のとき、物質の位置と運動量
( x, y )  ( vt , r0 ), ( px , p y )  ( mv, 0)
2)t>0のとき、物質の位置と運動量の
( x, y )  (0, vt  r0 ), ( p x , p y )  (0, mv )
3)壁との衝突により物質mが受ける力積のx、y成分を書け。
( I x , I y )  ( mv, mv )
4)t<0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。
mr0 v 紙面上向き (0, 0, mr0v )
復習
問 質量mの小さな固い物質が等速度vで
x軸に平行に走っている。時刻t=0でY軸上
r0の地点に達したとき、青い固い巨大な壁に
ぶつかり、非常に小さい△t秒間を要して反
射し、向きをY軸方向に変えて同じ速度vで
運動を続けたとする。
5)t>0のとき、物質の角運動量の大きさと向きを書け。
ゼロ
6)壁との衝突により物質mが受ける力のモーメントの
衝突している時間の合計の大きさ(時間積分)と向きを書け。
(0, 0,  mr0 v )
8-2回転座標系
角運動量保存則
中心力の場合、常に角運動量は一定であり保存する。
2 d
L  mr
C
dt
2

dL
dr d
d

2
 m  2r
r
0
2 
dt
dt dt
dt 

d 2
dr d
r
 2
2
dt
dt dt
d 2
dr d
mr
 2m
 2mv
2
dt
dt dt
角度方向の速度を変化させる見かけ上の力が働く
8-2回転座標系
右図のように紐に質量mの物体をつけて回転運動をさ
せる。始め紐の長さは2bである。角速度はω0である。
1.物体mに働く力の大きさと向きを書け。 Nさん
F  mr  2mb
2
2.物体mの速度の大きさと向きを書け。Nさん
2
0
2b
v  r  2b0
3.物体mの運動量の大きさと向きを書け。Nさん
p  mv  2mb0
4.物体mの運動エネルギーの大きさを書け。 N君
p2
2 2
K


2
mb
0
5.物体mの角運動量の大きさと向きを書け。N君
2m
6.紐を引っ張る力Tの大きさと向きを書け。 N君
L  rp  4mb20
T
ω0
m
8-2回転座標系
次に中心方向に紐を引っ張って半径を半分のbにしたと
ころ、角速度はωになった。
2b
ω0
7. ωを求めよ。
8.物体mの速度の大きさは何倍になったか?
9.物体mの運動エネルギーは何倍になったか?
10.紐を引っ張る力Tの大きさは何倍になったか?
11.運動エネルギーの変化を議論せよ。
T
ω
b m
m
8-2回転座標系
7. 中心力は角運動量を変えないから、
L  m  2b  0  mb 2
2
  40
8.速度は 2b0 から 4b0 に2倍になった。
9.運動エネルギーは4倍になった。
10.紐を引っ張る力Tの大きさは
T  2mb02 から 16mb02 へ8倍になった。
11.運動エネルギーの変化:
半径をrとすると、 L  mr 2  4mb20
4
2
16b

2
0
T

mr


m
張力は
3
r
4
2
b
b
N
4
2 2b
16b 0
8mb 0
2
2
W   Tdr   m
dr



6
mb

0
2b
2b
r3
r2
b
運動エネルギーはW仕事分だけ増加した。
2b
ω0
m
T
ω
b m
8-2回転座標系
右図のように紐に質量mの物体をつけて角速度
ω0の回転運動をさせる。始め紐の長さは2bで
ある。そして中心方向に紐を引っ張って半径
を半分のbにしたところ、角速度ωは4倍の、
4ω0になった。そして、線速度vは2倍の4bω0に
なった。
あなたが、物体mの中に居るとしよう。
紐で引っ張られて中心方向に移動すると、上述の
ように物体の移動速度が大きくなる。あなたは物理
を良く勉強しているので、物体mが進行方向に押さ
れて速度が速くなったと思うだろう。しかし、実際は
物体mは中心方向にしか引っ張られていない。
不思議ではないか!
2b
ω0
m
T
ω
b m
8-2回転座標系
時刻tにおいて物体は中心から位置rのところ
にいるとする。そして一定速度-vで中心方向に
引っ張られているとしよう。
r
ω0
m
物体の角運動量が時間にたいして一定である特徴を
つかって解析してみよう。
L  mr 
2
である。Lは時間に対して一定だから
dL dmr 2
dr
2 d

 2mr  mr
0
dt
dt
dt
dt
d
dr
mr
 2m  2mv
dt
dt
T
ω
b m
8-2回転座標系
d
mr
dt
は物体の回転方向の運動量の時間微分なので
回転方向に働く力である。
d
F  mr
 2mv
dt
とは、回転方向に
これを
2mv
の力が働くことを意味している。
コリオリ 力
という。
コリオリ力によって回転方向の速度がどのように変化するかを
調べよう。
8-2回転座標系
角運動量保存とは、
dL dmr 2
dr
d 
 dr
2 d

 2mr  mr
 mr  2  r
0
dt
dt
dt
dt
dt
dt 

だから、 2 dr  r d   0
dt
dt
d  r 
dr
d
回転線速度の変化率は、
である。
 r
dt
dt
dt
dr
上の関係式を用いると、 d  r 
 
dt
dt
となる。よって、紐が2bからbまでの線速度の変化分△(rω)は、
  r   
b
v
0
b
b
d  r 
dr 
v
dt     dt      dr
0
2b
dt
dt 

8-2回転座標系
L  m4b20  mr 2
4b 20
だから、 
であり、線速度の変化分△(rω)は、
2
r
4b20
  r    
dr  2b0
2
2b
r
b
紐が2bのとき、線速度は 2b0 だったから、
紐がbになったときの線速度は 4b0 である。
8-2回転座標系
問 あなたは小さな一定角速度ωで反時計回りに回転している
大きな平らな円盤の上&端に立っている。
1)今、あなたは速さvで円盤の上を円盤の中心に向かって走
り出したとする。あなたが受ける力の大きさと向きを答えよ。
2)円盤の中心に到達したあなたは、今度は元いた地点に向
かって、同じく速さvで走り出した。ことき、あなたが受ける力の
大きさと向きを答えよ。
フジイ
中間試験
1.日時: 12月19日(木) 4,5限
2.場所: 1331番教室
3.試験範囲:講義・演習・教科書8章までに学んだ範囲
4.試験時間:90分程度
5.注意:
・集合時刻厳守のこと
・途中退出は認めない
・全員受験必須
・資料持込不可