大阪府新型インフルエンザ等対策 行動計画(案)の概要 Ⅰ 大阪府新型インフルエンザ等対策行動計画(案)の概要 1.計画策定の背景 新型インフルエンザは、ほとんどの人が免疫を獲得していないため、世界的なパンデミックとなり、 大きな健康被害と、これに伴う社会的影響をもたらすことが懸念されている。 本年4月には、新型インフルエンザ等対策特別措置法(以下「特措法」という。)が施行され、病原性 の高い新型インフルエンザやこれと同等の危険性のある新感染症が発生した場合には、国家の危 機管理として対応するため、国及び地方公共団体においては、実施体制等を整備する必要がある。 本府においては、これまでも任意に行動計画を策定し、抗インフルエンザ薬の備蓄等パンデミック に備えて事前準備に努めてきたところであるが、特措法の施行を受け、対策の充実や強化を図る ため、新たに行動計画を策定する。 ※今後、政府ガイドラインや専門的知見をもとにマニュアル等を整備し、対策の充実を図る。 2.対象となる新型インフルエンザ等感染症及び新感染症 新型インフルエンザ等感染症 (感染症法第6条第7項) 新型インフルエンザ等 (特措法第2条第1号) 新型インフルエンザ (感染症法第6条第7項第1号) 再興型インフルエンザ (感染症法第6条第7項第2号) 新感染症 ⇒全国的かつ急速なまん延のおそれのあるものに限定 (感染症法第6条第9項) (特措法第2条第1号において限定) 感染症法:感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 1 3.対策の目的及び基本的な戦略 感染拡大を可能な限り抑制し、府民の生命及び健康を保護する 府民生活及び府民経済に及ぼす影響を最小限に抑える ※社会の状況に応じて臨機応変に対応する ※医療機関等現場が動きやすくなるよう配慮 <対策の効果 概念図> <被害想定> 全 人口(平成 2 2 年) 罹患者数(2 5 % ) 国 約1 億2 ,8 0 6 万人 約3 ,2 0 0 万人 大阪府 約8 8 6 万人 約2 2 0 万人 ( アジアイ ン フ ルエン ザ並みの致死率0 .5 3 %の場合によ る 推計) 受診患者数 約 2 ,5 0 0 万人 ( 上限値) 約 1 7 3 万人 ( 上限値) 入院患者数 約 5 3 万人 ( 上限値) 約 3 万 7 千人 ( 上限値) 死亡者数 約 1 7 万人 ( 上限値) 約 1 万 2 千人 ( 上限値) 1 日当たり 最大入 約 1 0 万 1 千人 約 7 千人 院患者数 ( 流行発生から 5 週目) ( 流行発生から 5 週目) 2 4.行動計画のポイント 特措法に基づく初の行動計画 特措法で新たに規定された各種の対策や措置とその運用を記載 府と保健所設置市との役割分担を明記 項目 特色 期待する効果 (1)体制整備 ●知事を本部長とした対策本部の設置(法定) ・知事の権限強化 ●指定地方公共機関の指定 ・民間法人も対策に参画 (2)まん延防止 ●新型インフルエンザ等緊急事態宣言時における対策 ・不要不急の外出自粛要請 ・施設の使用や催物の制限要請、指示 ・感染拡大の可能な限りの 抑制 (3)予防接種 ●特定接種の対象者(登録事業者)を規定 ・社会機能維持 ●住民の接種の接種順位の考え方を規定 ・適切な接種体制の確立 ●府と保健所設置市との役割分担 ・政令市、中核市との連携の 強化 ●臨時の医療施設の開設等 ・医療提供体制の確保 ●サーベイランス体制の充実 ・ウイルス侵入監視強化 (4)医療・サーベイ ランス体制 (5)留意点 ●基本的人権の尊重 ●危機管理としての特措法の性格 ●関係機関相互の連携協力の確保 ●記録の作成・保存 3 Ⅱ 発生段階ごとの主な対策の概要 対 策 の 目 的 未発生期 府内未発生期 府内発生早期 府内感染期 小康期 ・事前準備 ・府内発生の早期確認 に努める ・府内発生の遅延と早 期発見 ・府内発生に備えて体 制の整備 ・感染拡大をできる限り 抑制 ・適切な医療提供 ・感染拡大に備えた 体制整備 ・医療体制の維持 ・健康被害を最小限に ・府民生活・経済への 影響の最小限化 ・医療体制、府民生活・ 経済の回復を図り、流 行の第二波に備える 国・府・市町村・指定(地方)公共機関挙げての体制強化 実 施 体 制 サ 情ー ベ 報イ 収ラ ン 集ス ・行動計画、業務継続 計画の策定 ・連携体制の確立 ・研修、訓練の実施 等 ・対策本部設置(政府、 都道府県) ・有識者等の意見を踏 まえ、行動計画及び基 本的対処方針に基づ く対策の協議 等 ・対策本部の開催 ・政府現地対策本部と の連携 等 ・感染の拡大に伴う対 策の変更決定 等 ◆緊急事態宣言発出時 市町村対策本部の設置 ・対策の見直し 等 発生段階に応じたサーベイランスの実施 ・通常のインフルエンザ に対するサーベイ ラン スの実施 等 ・サーベイランスの強化 ・引き続きサーベイラン 学校・全数把握等サー ス強化 ベイランスの強化 ・臨床情報把握 等 等 ・全数把握や学校サー ・通常の体制に戻す ベイランス等の中止 ・ウイルス、学校サー ベ 等 イランス強化 等 一元的な情報発信、府民へのわかりやすい情報提供 情 ・情報提供、共有につい 報 提 て庁内外の体制整備 等 供 ・ 共 有 ・多様な手段による情 ・情報の受け手にとって 報提供 適切な方法による提供 ・コールセンター等の設 ・コールセンター等の充 置 等 実強化 等 ・情報の受け手にとって 適切な方法による提供 ・コールセンター等の継 続 等 ・情報提供のあり方の 見直し ・コールセンター等に寄 せられた問い合わせの とりまとめ 4 未発生期 府内未発生期 府内発生早期 府内感染期 ・個人レベル、地域職場 ・水際対策への協力 ・住民等への手洗い、 ・住民等への手洗い、 レベルで感染予防や対 ・特定接種の準備、開 咳エチケット等の勧奨 咳エチケット等の勧奨 ま 応方法について普及啓 始 ・住民に対する予防接 ・住民に対する予防接 ん予 発 等 ・住民に対する予防接 種の準備、開始 等 種の継続 等 延防 種の準備 等 防・ ◆緊急事態宣言発出時 止 外出自粛制限、施設の使用制限等 医 療 ・対策会議の組成 ・地域における医療体 制の整備 ・感染期に備えた医療 の確保 等 小康期 ・第二波に備えた住民 に対する予防接種の継 続 等 ・帰国者・接触者相談セ ・帰国者・接触者外来や ・一般の医療機関にお ・通常の医療体制に戻 ンターの設置 感染症指定医療機関 ける 診療体制へ移行 す ・帰国者・接触者外来の 等による診療体制 ・入院は重症者のみと ・抗インフルエンザ薬の 設置 ・医療機関への診療情 する 備蓄 等 ・感染症指定医療機関 報等の提供 ・抗インフルエンザ薬の 等への受入準備要請 ・抗インフルエンザ薬の 備蓄使用 等 ◆緊急事態宣言発出時 等 適切な使用要請 ・必要に応じ、全医療機 医療等の確保要請 関への診療に移行 等 臨時の医療施設の設置 ・指定地方公共機関に ・職場における感染予 おける業務計画の策定 防策の準備 ・物資及び資材等の備 ・指定(地方)公共機関 府 等 の事業継続に向けた 民府 蓄 経民 準備 等 済生 の活 安 定及 のび 確 保 ・消費者としての適切な 行動の呼びかけ ・事業者に売惜しみ等 生じないよう要請 ◆緊急事態宣言発出時 ・指定(地方)公共機関は 業務実施に必要な措置 開始 ・緊急物資の運送 ・生活関連物資等の価格 等 の安定 ※段階はあくまで目安として、必要な対策を柔軟に選択し、実施する。 ・消費者としての適切な ◆緊急事態宣言発出時 行動の呼びかけ ・業務の再開、緊急事態 ・事業者に売惜しみ等 措置の縮小もしくは中止 生じないよう要請 等 ◆緊急事態宣言発出時 ・指定(地方)公共機関は 事業継続 ・緊急物資の運送 ・生活関連物資等の価格 の安定 ・要援護者への生活支援 等 5
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