2010年10月19日 中国人民大学 グローバル経済危機と財政金融政策の課題 -日本の事例を中心にして- 関西社会経済研究所所長 近畿大学世界経済研究所所長 大阪大学名誉教授 本間 正明 1 構成 1 グローバル経済危機の実態 2 危機に対する各国の政策対応 3 さらなる危機の回避に向けた政策対応 4 アジアと共生する日本 5 日本の成長戦略 2 1 グローバル経済危機の実態 ①それはリーマンショックから始まった 日本 米国 ドイツ 中国 5 4.5 4 3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 2006 2007 注:2006年1月=1として指数化 2008 2009 2010 資料:Bloomberg 3 ② 明暗分かれる株価の回復過程 日経平均 ダウ平均 上海総合 ドイツDX 1.6 1.4 1.2 1.0 0.8 0.6 0.4 2008年9月 09年1月 注:2008年9月=1として指数化 10年1月 10月 資料:Bloomberg 4 ③ 強まる全面的ドル安傾向 1.1 円/ドル ドル高 元/ドル ユーロ/ドル 1.0 人民元相場の 弾力性向上を公表 (6/19) 0.9 0.8 0.7 ドル安 0.6 2… 2… 2… (注)2003年1月=1として指数化 2… 2… 2… 2… 2… (出所)Pacific EX Database 5 ④ 急激な円高・ドル安と通貨安競争への参加? 94 92 90 日銀・政府の為替介入 (9/15) 88 86 84 82 80 6月 7月 8月 9月 (出所)Pacific Exchange Rate Service 1… 6 ⑤ 深刻な実体経済への影響:実質GDP成長率 (注)前年同期比 日本 米国 中国 EU 20 10 0 2005 2006 2007 2008 (出所)各国公表統計資料 2009 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 -10 2010 7 ⑥ 回復のテンポは鈍い IMFによる世界経済の最新見通し(2010年10月時点) 2010/10/6時点見通し 2010年 2011年 前回(7月)からの改訂幅 2010年 2011年 世界経済 4.8% 4.2% +0.2%pt -0.1%pt 米国 2.6% 2.3% -0.7%pt -0.6%pt ユーロ圏 1.7% 1.5% +0.7%pt +0.2%pt 中国 10.5% 9.6% 0.0%pt 0.0%pt 日本 2.8% 1.5% +0.4%pt -0.3%pt (出所)IMF “World Economic Outlook”,Oct.2010 8 ⑦ 高止まりする失業率 (%) 日本 米国 ユーロ圏 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 3 5 7 2008年 9 11 1 3 5 7 2009 資料:東洋経済統計月報 9 11 1 3 5 7 2010 9 ⑧ 世界経済における新興国の寄与度の高まり (%) 全世界 6.0 日本 5.0 米国 4.0 ユーロ圏 3.0 その他先進国 2.0 その他新興国 1.0 インド 0.0 中国 -1.0 -2.0 (出所)IMF “World Economic Outlook” Apr,2010. 10 2 危機を招いた世界経済の構造 ① 経常収支不均衡の実態 (GDP比、%) 米国 石油産油国 日本 欧州 中国・新興国 1.5 1.0 0.5 0.0 -0.5 -1.0 -1.5 -2.0 2000 2001 2002 2003 2004 (出所) IMF 2005 2006 2007 2008 2009 11 ② 外需に依存する日本 日本の地域別経常収支 (億円) 140000 アジア 米国 EU 中国 120000 100000 80000 60000 40000 20000 0 -20000 -40000 (年) (出所)日本銀行 12 ③ 劇的な成長寄与率の反転:高まる外需の重要度 19561973 寄与率 (%) 19741991 19922001 20022007 2008 2009 2010 (予測) 58.8 56.1 73.6 33.3 ▲9.1 21.1 51.4 住宅投資 8.7 0.9 ▲10.5 ▲4.3 ▲3.0 ▲31.5 7.6 企業設備 17.4 21.5 ▲11.3 29.1 ▲48.5 ▲121.1 16.2 政府最終消費 6.9 9.1 44.3 16.2 3.0 15.7 9.5 公的固定資本 形成 9.9 4.9 8.5 ▲22.2 ▲6.1 15.7 ▲36.2 ▲3.2 8.2 3.8 39.3 ▲36.4 ▲21.1 72.4 9.1 3.8 1.1 2.0 ▲3.3 ▲1.9 2.0 民間最終消費 純輸出 成長率 (%) (注)2008,2009年度は成長率がマイナスのため、寄与率にもマイナスを付してある。 在庫を明記していないので合計は100にならない (出所)内閣府「国民経済計算」、KISER見通しより作成 13 ④ 「独歩高」が進行する円 (注)2010年1月=1として指数化 円安 ドル ユーロ カナダドル 英ポンド 1.1 1.05 1 0.95 0.9 0.85 0.8 0.75 円高 (出所)Pacific Exchange Rate Service 14 ⑤ 日本円の実効為替レートの推移 実質ベースでは過去の実績と比較して円安であるが、 名目ベースでは日本のみデフレのため円高となっている 円高 実質 名目 160 150 140 130 120 110 100 90 80 円安 70 1 9… 1 9… 1 9… 1 9… 1 9… 1 9… (注)2005年=100 2 0… 2 0… 2 0… 2 0… 2 0… (出所)BIS 2 0… 2 0… 2 0… 2 0… 2 0… 2 0… 15 ⑥ バブル期の円高誘導政策の是非 固定相場制 で内外需潤 う 経常黒字削 減の外圧 (ジャパンバッ シング) ドルの協調切 り下げ 欧米諸国から日本の財 政支出増へ圧力 (収支GDP比:%) 6.0 4.0 バブル崩壊からの不況脱 出のため積極的財政出動 と輸出拡大 米国向け経常黒字拡大 米国から円高の口先介入 で史上最高の円高 輸出先を米 国依存から 全世界へ分 散 (為替相場:円) 高度成長期 360 安定成長期 バブル期 低成長期 構造改革期 ジャパンバッシング 400 350 2.0 300 0.0 254 266 -2.0 経常収支対GDP比 財政収支対GDP比 円/ドル ドル協調切り下げ -4.0 200 -6.0 -8.0 -10.0 -12.0 150 75 公債特例法 ニ ク ソ ン シ ョ ッ ク 第変 一動 次相 オ場 イ制 ル移 シ ョ行 ッ ク 第 二 次 オ イ ル シ ョ ッ ク 127 プ前 ラ川 ザレ 合ポ 意ー ト ブ ラ ッ ク ・ マ ン デ ー 100 93 1970 1971 1972 1973 1974 1975 1976 1977 1978 1979 1980 1981 1982 1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 -14.0 250 (資料)内閣府「国民経済計算」、財務省資料等より集計加工 50 0 16 ⑦ 現在の円高をめぐる論点 ・経常収支黒字による円高バイアス ・慢性的な日本のデフレ ・ドル安によるソブリンファンドのドル離れ ・景気回復のテンポの違い ・対外収支はゼロサムゲーム ・縮小均衡、通貨戦争は回避すべき ・国際協調を図り、拡大均衡を目指す 17 3 危機に対する各国の政策対応 ① G7からG20へ~各国協調による危機への取り組み 年 月 G20の合意内容 2008年 10月 ワシントン 金融危機が新興国・中小国へも重大な影響を与えることを懸 念し、IMFの役割を拡大。国際社会が一致して景気対策や金 融機関改革を実施すると合意。 2009年 4月 ロンドン 金融機関への規制を強化し「金融システムの強化に関する宣 言」、「国際金融機関を通じた資金供給に関する宣言」に合意。 IMF貸付金を3倍増資。保護主義への対抗と世界的な貿易・ 投資の促進。 ピッツバーグ 質の高い雇用の創出を経済回復の主目的とすべく、雇用増・ 維持、所得拡大、失業者への社会保障、訓練提供等を優先 する回復策を実施。報酬慣行を含む金融規制制度の強化。 トロント 財政再建と経済成長の両立を重視。先進国は2013年までに 財政赤字を半減、16年までに政府債務対GDP比率を安定な いし削減すると確約。ただし、日本は例外扱いで、2015年まで にプライマリーバランス赤字を半減するにとどめる。 ソウル BISが狭義の自己資本比率を7%に引き上げることを提案 9月 2010年 6月 11月 18 ② 危機対応としての財政出動 国 規模 GDP比 日本 75兆円 4.5% 高速道路料金値下げ、雇用対策、 エコカー購入補助、エコ家電購入補助、エコ住宅補助 中国 4兆元 6.3% 家電下郷、汽車下郷(エコカー、家電購入補助) 総額4兆元の公共事業、地震対策等の経済対策 米国 7800億ドル (77.1兆円) 4.9% エコカー購入補助 自動車メーカーの救済 環境投資の促進(グリーンニューディール) 英国 200億ポンド (2.8兆円) 1.3% 付加価値税減税(2009年のみ17.5%→15%へ) エコカー補助 児童手当増額の前倒し ドイツ 500億ユーロ (10.2兆円) 3.6% エコカー購入補助、エコ住宅購入補助 2009年から2年間に限り、25%の減価償却を認可 フランス 291億ユーロ (3.7兆円) 1.5% エコカー購入補助 国営企業のインフラ投資 内容 19 ③ 非伝統的金融政策の採用 網掛けは非伝統的金融政策であることを示す。 日本 (日銀) 利下げ 国際金融市場 流動性確保 米国 (FRB) 無担保コールレート 0.3%→0.1%前後 FF金利 2%→0-0.25%=ゼロ金利 EU (ECB) 中国 (中国人民銀行) 政策金利 4.25%→1.0% ドル資金供給オペレーション国際協調(期限10.2) 商業銀行の貸出 総量規制解除 信用緩和 時間軸政策 ①長期国債買入れの増額 ②企業金融支援特別オペ(担保 内金融機関0.1%貸付) ③CP・社債買入(金融機関より) ④新手法による金融緩和(国際、 CP等担保に金融機関0.1%貸付) ①企業からの高格付けCPの引 き受け(CPFF) ②住宅ローン担保証券(RMBS) の買い取り ③長期国債の買入れ ④新規融資制度(TALF)(金融機 関発行の資産担保証券の買入 ①固定金利での無制 限の資金供給 ②民間金融機関が発 行する債券の購入 「適度に緩和的な 金融政策」を継続 する 物価安定基準を「2%以下のプラ ス領域」に明示。デフレ脱却まで 金融緩和を継続する。長期金利 抑える (出所)各国中央銀行公表資料 20 ④ 政策金利の推移 8% 7% 日本 EU 中国 米国 オーストラリア カナダ 6% 5.31% 5% 4.50% 4% 3% 日銀:10月以降事実上 のゼロ金利 2% 1% 1.00% 0.25% 0% 2008年1月 2008年7月 2009年1月 2009年7月 2010年1月 2010年7月 (出所)各国中央銀行 0.10% 21 ⑤ 緩和政策でバランスシートは拡大 FRB ECB 日銀 08M09 09M01 中国人民銀 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 07M07 08M03 (出所)各国中央銀行 09M11 10M03 10M09 22 ⑥ 各国が抱える経済リスク 足下の経済の動き 米国 雇用回復の遅れ →消費の停滞 緩やかなデフレ状態? 政策効果の一巡 欧州 財政健全性リスク(ソブリンリスク)の高まり →ギリシャに始まるPIIGS問題 ユーロ安による輸出の増加 中国 不動産バブルと当局による引き締め模索 →インフレ懸念による金融政策の出口模索 元切り上げ圧力との攻防 日本 15年ぶりの円高局面 →国内企業の海外流出懸念 6年ぶりの為替介入実施 →各国との通貨安競争への参入 23 ⑦ 各国で異なる経済状況 景気 雇用 物価 財政 米国 △ × △ ○ 欧州 ○ × ○ ×~○ 中国 ◎ ? △ ○ 日本 △ △ インフレ × デフレ × 国ごとに経済情勢が異なるなかで、各国が協調して拡大均衡を 図りつつ世界経済全体の回復に取り組む必要がある。 24 4 各国リスクへの追加的対応 ① 出口戦略に進むか退くか (リーマンショックの 危機対応) (平時の経済政策) 中国 入 口 出 日本・米国 口 欧州 25 ② 米国:雇用は回復から再び悪化へ (千人) (%) 400 11 200 10 0 9 -200 8 -400 7 -600 6 -800 5 -1000 4 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 11 1 3 5 7 9 2007 2008 就業者数 2009 2010 失業率(右軸) (出所)米国統計局 26 ③ EU:顕在化するソブリンリスクとPIIGS問題 ドイツ国債に対するPIIGS5か国債の 上乗せ利回り(スプレッド) 欧州諸国の財政赤字と債務残高 (%ポイント) 120 イタリア 5 4 3 2 1 0 ギリシャ スペイン アイルランド イタリア ポルトガル 政 府 債 務 残 高 ( 対 G D P 比 ) ギリシャ 100 ベルギー 80 フランス ドイツ ポルトガル アイルランド オランダ オーストリア 60 キプロス スペイン フィンランド 40 スロバキア スロベニア 20 ルクセンブル グ 0 0 5 10 15 財政赤字(対GDP比) (出所) European Central Bank (ECB) 27 ④ 中国:高騰の気配がつづく物価 (%) 地価上昇率 消費者物価指数 14 12 10 統計開始 以来最高 8 6 4 2 0 -2 -4 2008年 2009 2010 8月 (出所)中国国家統計局 28 ⑤ 日本:慢性的なデフレ傾向 名目と実質の差 実質成長率 名目成長率 10.0 8.0 6.0 4.0 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 1990 1995 2000 2005 2008 (出所)内閣府「国民経済計算」 29 ⑥ G20各国の財政収支と債務残高の見通し 債務残高(対GDP比) 財政収支(対GDP比) (%) 2007 2009 2010 2014 0 300 -2 250 -4 200 -6 150 -8 100 -10 50 -12 0 2007 -14 日本 米国 英国 G20先進国 2009 2010 2014 G20新興国 各国とも景気と財政の持続可能性を両立する必要がある (出所)IMF “The State of Public Finances Cross-Country Fiscal Monitor” Nov,2009 30 ⑦ 各国の追加的対応の内容 財政政策 金融政策 日本 総額約5兆円規模の景気対策 (緊急的な円高デフレ対応と新成長戦 略実現) 「包括緩和」(10月5日) ①金利誘導目標の引き下げ ②時間軸政策 ③資産買入れ基金の創設 米国 年間総額750億ドルの追加景気対策 ①公共投資(インフラ整備) 500億ドル ②研究開発投資減税 100億ドル/年 ③設備投資減税 150億ドル/年 11月2,3日開催の米連邦公開市場委員 会(FOMC)での追加緩和期待 財政の持続可能性との綱引き ECB:据え置き (急激な為替変動の景気に対する影響 を懸念) 欧州 中国 預金準備率引き上げ 31 ⑧ 日本の追加的対応(財政政策) ~円高・デフレ対応のための緊急対策 ステップ2:緊急総合経済対策(10月) ステップ1:緊急対応(9月) 政策メニュー 規模 政策メニュー 「雇用」の基盤づくり 雇用創造・人材育成の支援など 1750億円 「投資」の基盤づくり 低炭素型産業立地支援など 1200億円 「消費」の基盤づくり 各種エコポイントの延長など 地域の防災対策 4500億円 1650億円 雇用・人材育成 0.3兆円 新成長戦略の推進・加速 0.4兆円 子育て、医療・介護・福祉等の強化に よる安心の確保 1.1兆円 地域活性化・社会資本整備・中小企 業対策等 3.1兆円 規制・制度改革 規制改革 合計 - 9150億円 規模 - 公共事業の契約の前倒し 0.2兆円 合計 5.1兆円 ステップ3として2011年度予算・税制改革による対応が予定されている (出所)首相官邸ホームページ 32 ⑨日本の追加的対応(金融政策) ~為替介入と異例の「包括緩和」 発表日 8月30日 9月15日 政策内容 新型オペの資金供給量を20兆円から30兆円に拡大 円売り・ドル買いの為替介入 (約6年半ぶり、非不胎化介入のため金融緩和となる) 政策金利年0.1%程度から年0~0.1%程度に引き下げへ (2006年7月以来の事実上ゼロ金利政策) 10月5日 長期国債や社債など計5兆円の金融資産を買い入れる基金の創設 時間軸の明確化 消費者物価指数が「前年比2%以下のプラス、中心は1%程度」まで継続 (出所)日本銀行 33 5 中国と共生する日本 ① 世界貿易の拡大はアジアが牽引 貿易の増加倍率(2000~2008年) 輸 入 輸 出 濃い青は全体の平均を上回る伸びを示す。 米国 EU 日本 中国 ASEAN 米国 - 1.6 1.0 4.5 1.5 EU 1.7 2.5 1.5 4.9 2.2 日本 1.0 1.4 - 4.1 1.6 中国 5.2 7.4 2.9 - 7.7 ASEAN 1.4 2.0 2.0 7.5 2.9 (出所)ジェトロ「世界貿易マトリックス」 34 ②日中の名目GDP成長の比較 (億元) 350,000 300,000 1990年=100として比較 中国 1800 中国 250,000 日本 1600 200,000 150,000 1400 100,000 1200 50,000 0 1990 1995 2000 2005 2008 1000 (10億円) 800 540,000 520,000 日本 600 500,000 400 480,000 460,000 200 440,000 0 420,000 1990 400,000 1990 1995 2000 2005 1995 2000 2005 2008 2009 (出所) 内閣府、中国国家統計局 35 ③ 実質GDP成長率の日中比較(前年同期比) (%) 15.0 14.0 14.0 12.4 11.5 日本 13.0 12.0 10.6 10.4 11.3 10.1 10.0 中国 11.3 11.9 11.1 9.6 9.0 8.1 6.8 6.5 5.0 2.5 2.0 1.6 2.0 3.5 2.3 1.7 1.9 1.2 2.4 4.7 -1.4 0.0 -0.4 -1.0 -5.2 -4.1 -5.0 -8.9-5.7 2006 2007 2008 2009 (出所)日本:内閣府GDP速報値、中国:中国国家統計局 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 10-12 7-9 4-6 1-3 -10.0 2010 36 ④ 増加傾向にあった日中間の貿易額 (10億円) 中国 → 日本 日本 → 中国 30,000 25,000 20,000 15,000 10,000 5,000 0 1990 1995 2000 (出所)財務省貿易統計 2005 2009 37 ⑤ 日中間の貿易の品目別内訳 日本 → 中国 中国 → 日本 食料品, 原料品, 鉱物性燃 0.3% 3.6% 料, 1.6% 輸送用機 器, 10.1% その他, 12.4% 化学製品, 14.1% 食料品, 原料品, 鉱物性燃 5.6% 1.2% 料, 1.1% 化学製品, 4.9% その他, 34.4% 原料別製 品, 11.7% 原料別製 品, 15.2% 一般機械, 16.2% 電気機器, 24.6% 一般機械, 18.1% 輸送用機 器, 1.9% (出所)財務省貿易統計 電気機器, 23.2% 38 ⑥ 中国の貿易相手 輸出計 1兆2,017億ドル 輸入計 1兆0,056億ドル アジア向け47.3% その他, 12.3% 欧州, 22.0% 香港, 13.8% 日本, 韓国, 8.1% 4.5% 米国, 18.4% その他, 16.2% ASEAN, 8.8% 日本, 13.0% ASEAN, 10.6% 欧州, 16.1% 米国, 7.7% その他 アジア, 12.0% (出所)JETRO輸出統計・輸入統計 韓国, 10.2% その他 アジア, 26.2% アジア向け60.0% 39 ⑦ 中国人100万人が日本へ、日本人332万人が中国へ 外国人訪日客数の割合(2009年) その他, 127.5 アメリカ, 70 その他, 183 韓国, 158.7 米国本 土, 292 計679万人 台湾, 102.4 その他ア ジア, 74.8 香港, 45 日本人出国者数の割合(2009年) 中国, 100.6 中国, 332 計1545万人 台湾, 100 韓国, 305 タイ, 100 ハワイ, 香港, 120 112 資料:日本政府観光局資料、法務省「出入国統計」 40 ⑧ 増加するアジアへの企業進出 現地法人企業数 12,000 設備投資額 65.0% 2,500,000 45.0% 40.0% 10,000 60.0% 2,000,000 35.0% 8,000 30.0% 55.0% 1,500,000 25.0% 6,000 50.0% 20.0% 1,000,000 4,000 15.0% 45.0% 2,000 10.0% 500,000 5.0% 0 40.0% 現地法人企業数 アジア比率 0 0.0% 設備投資額 (出所)経済産業省「海外事業活動基本調査」 アジア比率 41 6 日本の成長戦略 ① 戦略の目標:経済・財政・社会保障の一体的建て直し 強い経済 税収基盤 成長を実現する予算編成 強い財政 「新成長戦略」 「財政運営戦略」 の設定 社会不安の最小化 「健康」分野で需要と雇用を創出 強い 社会保障 安定財源の確保による 持続可能な社会保障制度の確立 (抜本的税制改革) (出所) 内閣府「新成長戦略」参考資料 42 ②日本経済再生のシナリオ 2011年 短期的な 経済危機の克服 日本経済の失速 世 界 同 時 不 況 二番底の回避 2015年 経済と財政の 両立可能性 2020年 持続的な経済成長の強化 と国際社会との共生 経済の安定成長 軌道への復元 人口減少 (=少子高齢 化の進行) 構造的に安定した 財政運営 規制改革・ 資本移動の 自由化 潜 在 成 長 率 の 向 上 基 礎 的 財 政 収 支 の 黒 字 化 国 際 共 生 型 経 済 へ の 脱 皮 国 際 競 争 力 の 強 化 「成長戦略」に基づく「強い経済」の実現 「財政運営戦略」に基づく「強い財政」「強い社会保障」の実現 43 ③ 日本の国際競争力は地盤沈下 総合 経済効率性 政府効率性 ビジネス効率性 社会基盤 シンガポール 1(3) 5(8) 2(1) 1(4) 11(8) 香港 2(2) 4(3) 1(2) 1(2) 23(19) 米国 3(1) 1(1) 22(20) 13(16) 1(1) ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ・・・ ドイツ 16(13) 9(6) 28(27) 25(19) 8(9) 中国 18(20) 3(2) 25(15) 28(37) 31(32) 韓国 23(27) 21(45) 26(36) 27(29) 20(20) 日本 27(17) 39(24) 37(40) 23(18) 13(5) イタリア 40(50) 33(47) 49(54) 48(48) 32(34) (注)カッコ内は昨年の数字 (出所)IMD 「2010年世界競争力年鑑」 44 ④ 歯止めかからぬ高齢化率の上昇 65歳以上人口割合の推移 45% 40% 実績 見通し 35% 37% 30% 29% 25% 31% 32% 38% 40% 34% 27% 23% 20% 20% 15% 17% 15% 10% 5% 8% 9% 10% 12% 0% 1975 1980 1985 1990 1995 2000 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 (出所)国立社会保障・人口問題研究所 45 ⑤ 経済の中長期試算 (%) 3 実質GDP成長率 慎重シナリオ 成長戦略シナリオ 2 1 0 -1 -2 -3 -4 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2020 2023 (%) 3 (年度) 消費者物価上昇率 2 1 0 -1 -2 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2020 2023 (出所) 内閣府「経済財政の中長期試算」 (年度) 46 ⑥ 財政の中長期試算 国・地方の基礎的財政収支対名目GDP比 慎重シナリオ 成長戦略シナリオ 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2020 2023 (%) 0 -1 -2 -3 -4 -5 -6 -7 -8 -9 (年度) (%) 250 国・地方の公債残高対名目GDP比 200 150 100 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2015 2020 2023 (年度) (出所) 内閣府「経済財政の中長期試算」 47 ⑦「新成長戦略」による日本経済再生のシナリオ 「第1の道」:公共事業中心 「第2の道」:生産性重視 「第3の道」 経済社会が抱える課題の解決を新たな需要や雇用の創出の きっかけとし、それを糧に成長を図る 7つの戦略分野 • • • • 新たな需要と雇用の創出 環境・エネルギー 医療・介護・健康 アジア 観光・地域活性化 <成長を支えるプラットフォーム> • • • 科学・技術・情報通信 雇用・人材 金融 分野 需要創造 雇用創造 環境 50兆円 140万人 健康 50兆円 284万人 アジア 12兆円 19万人 観光 11兆円 56万人 (出所) 内閣府資料 目標 GDP成長率で名目3%、実質2% デフレの脱却 48
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