シンクロトロン放射光 松尾啓太 シンクロトロンとは? • シンクロトロンとは、円形加速器の一種。粒子 の加速にあわせて、磁場と加速電場の周波 数をコントロールする事によって、加速粒子 の軌道半径を一定に保ちながら加速をおこな うことである。 シンクロトロン放射光とは? シンクロトロン放射光は電子が円周上をほぼ 光の速さで走る時に発生する光であり、赤 外・可視から極端紫外・X線にわたる波長連 続の強く安定な光である。 シンクロトロン放射光の特徴 1.輝度が高い 2.指向性が大きい 3.偏光している シンクロトロン放射光の利用 シンクロトロン放射光の優れた特徴を活かし て、結晶の回折、弾性散乱、非弾性散乱、分 光法、イメージング、など多くの分野の研究に 利用されている。 放射光施設とは? 複数の加速器からなる巨大な実験設備であ るが大きく3つの部分にわけて考えれる。 1.電子あるいは陽電子を加速する加速器 (入射器) 2.それらを蓄えて放射光を発生させる蓄積 リング 3.白色光である放射光を分光して様々な実 験に供給するビームライン及びそれに付随す る実験装置 シンクロトロン放射光を利用した研究 UVSORの観測システム UVSORではシンクロトロン放射光を取り出す前置 鏡、分光器、測定器をまとめて観測システムと呼ん でいる。昭和55~63年度では主として下の1)~ 4)分野で力点を置いて、平成元年度からは5)、6) の研究分野を追加して観測システムを増強し、新し い成果が出せるようになった。 1)分光、2)光電子分光、3)光化学、4)化学反応 素過程5)固体・表面光化学6)光励起新物質合成 1.分光実験 分子(物質)がどのような光をどれだけ吸うか を測定する。 2.光電子分光実験 どんなエネルギーの光電子がいくつ飛び出す かを測定する。 3.光化学 光化学実験 光を吸ったあとどんな反応が起 きるかを調べる。 4.化学反応素過程 化学反応素過程 イオンやラジカルがどんな 振る舞いをするのかを調べる。 5. 固体・表面光化学 固体・表面光化学実験 固体内あるいは固体 表面が光を吸ったあと、どのように変わるか を調べる。 6.光励起新物質合成 光励起新物質合成実験 光のエネルギーを 使って分子を反応させ、新しい分子を作る おわり
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