近畿大学理工学部情報学科 情報論理研究室 09-1-037-214 井藤 雄太 目次 ニップとは 二人零和有限確定完全情報ゲーム 並列計算 ニップAI 実験結果 考察 結論および今後の課題 参考文献 ニップとは? 二人零和有限確定完全 情報ゲーム 円形のリバーシ リバーシよりも終盤で の逆転が起こり易い 二人零和有限確定完全情報ゲームの 完全解析 総局面数 ニップ・・・ 1024通り リバーシ・・・1028通り 6x6リバーシ・・・1017 通り →16対20で後手勝利 (Joel Feinstein, Amenor Wins World 6x6 Championships!,(1993)) 二人零和有限確定完全情報ゲームに 対する手法 先読みと局面の評価値 →数手先の局面を先読みし, 先読み後の局面の評価 値によりどの手を打つか決定する →先読み手数を多くすると処理に膨大な時間がかか る 定石データベース・対戦データベース →定石をデータベース化し,各局面で有効な定石があ ればそれに従って打つ →データベースに無い局面が出てきたとき,学習が足 りないときにはこの手法は使えない 並列計算 指数関数的に増えて いく局面の評価計算 を複数のプロセッサ に配分 並列計算の使用例 Ex)新薬の開発,気象現 象の解明…etc 3 ニップAI 評価関数 → 評価値マップと相手の選択肢の数 20 20 20 20 20 -5 -5 -5 -5 20 20 -5 -2 3 3 -2 -5 20 20 -5 3 0 0 3 -5 20 による評価 20 20 -5 -5 20 3 -2 -5 20 0 3 -5 20 0 3 -5 20 3 -2 -5 20 -5 -5 20 20 20 評価値マップ 相手の選択 肢の数 評価値 0 100 1 20 2 10 3以上 0 相手の選択肢の数 20 20 20 20 ニップAI 評価関数の計算例 1 2 20 -5 -5 -5 -5 20 20 -5 -2 3 3 -2 -5 20 20 -5 3 0 0 3 -5 20 20 -5 3 0 0 3 -5 20 20 -5 -2 3 3 -2 -5 20 20 -5 -5 -5 -5 20 相手の選択肢の数 評価値 0 1 2 3以上 100 20 10 0 20 20 20 20 候補手5の評価値 は・・・ 3 4 8 5 7 6 ・盤面の評価値 20-5-2+0+0+0+3+3=19 ・相手の選択肢の数 白の候補手が3つ以上なので0 ・合計 実験結果 ランダムAI同 士だと白が黒の 2倍勝利 →後手有利? 評価値を 使用して いる側 黒 (白はランダ ムAI) 白 (黒はランダ ムAI) 先読み数を増や しても勝率に変 化がない 双方が使用 双方 ランダムAI 先読 黒 白 引き み数 勝利 勝利 分け 1 2 5 10 1 2 5 10 0 1 2 5 10 508 506 478 480 371 374 337 368 523 444 452 444 457 486 482 523 508 623 620 656 624 475 551 542 548 532 6 12 1 12 6 6 7 8 2 5 6 8 11 328 664 8 実験結果 評価関数の重みを変更 相手の選択 肢の数 評価値 0 100 1 20 2 10 3以上 0 相手の選択 肢の数 評価値 0 1000 1 200 2 50 3 10 4以上 0 実験結果 評価値の重みを変更しても変化がない →選択肢の数は重要ではない? →評価関数の計算に問題がある? 評価値を 先読 黒 白 引き 使用して み数 勝利 勝利 分け いる側 1 525 466 9 黒 2 496 496 8 (白はラン 5 478 510 12 ダムAI) 10 493 497 10 1 414 577 9 白 2 384 606 10 (黒はラン 5 381 611 8 ダムAI) 10 379 614 7 黒 勝率 評価値を 使用して 先読み数 いる側 1 2 黒 5 10 1 2 白 5 10 変更前 変更後 50.8 50.6 47.8 48 37.1 37.4 33.7 36.8 52.5 49.6 47.8 49.3 41.4 38.4 38.1 37.9 考察 AIが期待したほど強くなかった →評価値の計算に問題がある? →評価マップに問題はなかったか? オープンニッププロジェクト http://sourceforge.jp/projects/opennip/ のOpenNip.ver2.2の「CPU(中)」との対戦成績 作成した 先読 黒 白 引き AIの担当 み数 勝利 勝利 分け 黒勝利 白勝利 引き分け 黒 5 370 615 15 328 664 8 白 5 574 418 8 考察 AIが期待したほど強くなかった →ゲーム終盤で逆転されるのを防 ぐ •最後には逆転されてしまうの に評価値が高くなってしまう •評価値の計算は自分の手番 での候補手から算出する ・終盤は必勝読みに切り替える ・評価関数を変更する ・終盤は評価値の計算方法を 変更する 結論および今後の課題 ニップの評価マップにおいて,外周を重視すればある 程度は強くなったものの,決定的に強くなったわけで はない 先読みをしているにもかかわらず勝率が期待したほ どあがらなかった 途中まで優勢であっても最後に外周を全てひっくり 返され,逆転されることがある →終盤は必勝読みに切り替える →評価関数を変更する →終盤は評価値の計算方法を変更する 結論および今後の課題 評価関数では相手の選択肢の数はさほど重要ではな い可能性がある →検証が必要 本研究において最終目標としていた並列化について はできていない →評価関数の改善と共に必要 参考文献 結城 浩:Java 言語で学ぶデザインパターン入門【マルチスレッド編】, ソフ トバンククリエイティブ(2006) Seal Software:リバーシのアルゴリズム, 工学社(2007) OpenNip(オープンニップ) プロジェクト, http://sourceforge.jp/projects/opennip/ Janos Wagner and Istvan Virag, Solving renju, ICGA Journal, Vol.24, No.1, pp.3035 (2001), http://www.sze.hu/~gtakacs/download/wagnervirag_2001.pdf Jonathan Schaeffer, Neil Burch, Yngvi Bjorsson, Akihiro Kishimoto, Martin Muller, Robert Lake, Paul Lu, and Steve Suphen, Checkers is solved, Science Vol.317, No,5844, pp.1518-1522 (2007). http://www.sciencemag.org/content/317/5844/1518.full.pdf Joel Feinstein, Amenor Wins World 6x6 Championships!, Forty billion noted under the tree (July 1993), pp.6-8, British Othello Federation's newsletter., (1993), http://www.britishothello.org.uk/fbnall.pdf 清慎一, 川嶋俊:探索プログラムによる四路盤囲碁の解, 情報処理学会研究報 告, GI 2000(98), pp.69--76 (2000), http://id.nii.ac.jp/1001/00058633/ Eric C.D. van der Welf, H.Jaap van den Herik, and Jos W.H.M.Uiterwijk, Solving Go on Small Boards, ICGA Journal, Vol.26, No.2, pp.92-107 (2003). 参考文献 北尾まどか, 藤田麻衣子, どうぶつしょうぎねっと, (2010), http://dobutsushogi.net/ 郎哲中田,「どうぶつしょうぎ」 析解全完の, 告報究研会学理処報情Vol.2009GI-22 No.3, pp.1-8(2009), http://id.nii.ac.jp/1001/00062415/ 樹一添美, 宏下山, 仁原松 : 碁囲ターュピンコ―践実と論理の法ロルカテンモ ―, 版出立共, (2012). Nipp - アブストラクトゲーム博物館, http://www.nakajim.net/index.php?Nipp 」ロセオ強最WZebra「 http://homepage3.nifty.com/akky-han/100529.html MasterReversi Home Page http://homepage2.nifty.com/t_ishii/mr/index.ht ml 14th 世界コンピュータチェス選手権 http://www.grappa.univ-lille3.fr/icga/to urnament.php?id=16&lang=3 「63年かかる分子動力学計算を2週間で」富士通の超並列サーバ h http://www.atmarkit.co.jp/news/200311/06/fujitsu.html 地球シミュレーター http://www.jamstec.go.jp/es/jp/index.html 第1回並列ゼミ 並列処理概論 - 知的システムデザイン研究室, http://mi kilab.doshisha.ac.jp/dia/seminar/2000/parallel_1.pdf
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