ネットワーク社会の 情報倫理

ネットワーク社会の
情報倫理
第6章
インターネットと法律(後編)
[近代科学社刊]
6.5 メールの盗み見
不正アクセス禁止法違反
有線電子通信法違反
民法違反
刑法違反
個人情報保護法に抵触の可能性あり
メールの盗み見を防ぐ

メールの暗号化
 メールサーバは平文で登録
 管理者は覗ける(モラルで守るしかない)


刑法の信書開封に抵触
席を離れるときはログアウトする
 他人に覗かれる可能性がある
 勝手にメールを削除される可能性がある
6.6 インターネット上での名誉毀損
インターネット上での名誉毀損や侮辱行為に対
しては下記の対応が求められる。
対応策1
対応策2
Webページ
制作者へ抗議
プロバイダへ通告
電子掲示板
掲示板管理者へ抗議
プロバイダへ通告
チャット
管理者へ抗議
プロバイダへ通告
電子メール
相手にしない
ひどい場合警察へ
6.7 ネットオークションでのトラブル

ノークレームノーリターンでの取引
 法的には返品可能

偽ブランド品の売買
 オークション開設者へ届けで
 警察への届出

入金金額の錯誤
 入札者へ謝るなどする。場合によっては阻害賠償の対象
となる

入金しても商品が送られてこない
6.9 ネット自殺と法律
ネット自殺(2004年→19件55人[警視庁])
 ネット自殺のサイトの開設

 自殺ほう助、嘱託殺人罪(刑法202条)に問われ
る

睡眠薬や劇物の売買
 薬事法、民法、刑事法により罰せられる
6.10 ウィルスによる法的規制

ウィルスを仕掛ける行為
 不正アクセス禁止法違反
 民法706条の不法行為

プログラムの改ざんを含むウィルス
 刑法161条の電磁的記録不正作出及び共有罪
 刑法234条の電子計算機損壊等業務妨害罪
 民法709条の不法行為
 不正アクセス禁止法
ウィルスの製造や保持

ウィルスの製造
 製造だけでは問われないが、ネットワークを通じ
て配布または配布できる状態にある場合は、刑
事罰の対象になる。

ウィルスの保持
 製造同様に、保持しているだけでは違法ではな
いがネットワークを通じて配布した場合、社会的
責任が生じる。
6.11 個人情報流出問題

個人情報の流出のケース
 アンケートや懸賞などで漏洩する
 占いサイトから漏洩する
 スパイウェアから盗まれる
 学校などの団体から流出する
 インターネットの経路途中で覗き見される
などたくさんのケースが考えられます。
個人情報保護法
2005年4月施行の法律
 企業や団体における個人情報の取り扱いを
決めた法律
 第3者への個人情報提供を禁止した法律
 学校や病院、役所などは、ある程度例外処置
が認められている。
(学校は文部科学省が別途ガイドライン作成)

個人情報をまもるために






無駄な情報は流さない。
大切な情報には暗号化をかける。
むやみにアンケートや占いサイトに個人情報を入力
しない。
懸賞サイトに登録しない。
出会い系サイトの利用を避ける。
ウィルス対策ソフトを導入する。
6.12 不正アクセスされた場合

下記の対策を行うことで支援が得られる
 セキュリティ対策をわかる範囲で行う
 分析可能なログを残す
 システム設計に関わる資料を保存しておく
公安委員会の支援

セキュリティ対策を採る
 アクセス制限が無い場合、妨害されたことにならない。し
たがって不正アクセスにあたらない

ログをできるだけ残す
 システムのログや掲示板、チャットなどのログも重要にな
る。

セキュリティ対策を検討する
 支援を受ける意思が重要で、知識を学ぶための費用と時
間を費やす。
不正アクセスの被害にあった場合
1.
2.
3.
4.
5.
サーバをネットワークから切り離す
現状のバックアップを取る
警察や公安委員会に報告する
復旧作業に取り掛かる
ログの解析を行い再発防止策を策定する
不正アクセス禁止法

第3条
 他人のユーザIDやパスワードを勝手に使っては
いけない

第4条
 他人にユーザIDやパスワードを勝手に教えては
いけない。

第8,9条
 第3,4条に違反した場合それぞれ50万、30万以
下の罰金が科せられる。