情報セキュリティ A 8. 情報セキュリティ文化 2008年7月10日 駒澤大学 経営学部 教授 西村 和夫 1 8.1 従業者教育の必要性 情報セキュリティへの取組みの遅れ 1995 年(EU指令)ころから,先進国は情報セ キュリティに真剣に取り組んでいる. 日本の政府も企業も頑張ったが,欧米に比べて まだ遅れている. なぜ遅れているのか (企業も/個人も) 2 なぜ企業で遅れているのか • 企業のセキュリティ対策が市場 評価に結びつかない (→ 法整備) • 企業における情報セキュリティ 人材の不足 (→ 情報処理技術者試験) 方針を策定しなかった社会風土 3 個人でも遅れている • ウイルス対策ソフト • 無線ネットワーク (LAN) での 利用者限定 • メールの暗号化 • ファイルの暗号化 4 個人で遅れている理由 • 情報セキュリティが当然であ るという認識ができない環境 • 情報技術の分かりにくさ • 自己責任の限界 • 教育の不足 → 次ページ 鍵をかける習慣がなかった 5 教育の不足 • 企業でも学校でも不足 • 教育を実施している 企業 16 % 大学 33 % 警視庁, 不正アクセス対策に関するアンケート報告書 (2001年): http://www.npa.go.jp/cyber/research/h12/fusei_ac4/4_h01.html (引用: http://www.jnsa.org/houkoku2003/20040518/303_1.pdf ) 6 教育の必要性 • 各種対策の効果 ソフト購入 73 % 被害に ハード購入 67 % あった 管理者教育 15 % 企業に 従業員教育 0 % ← ついて JNSA, 情報セキュリティインシデントに関する調査報告書(2002年度): http://www.jnsa.org/houkoku2002/incidentreport2002_1.pdf p.48 7 セキュリティ文化 • 2002年 経済協力開発機構 (OECD)が策定した “情報システム 及び ネットワークのセ キュリティのためのガイドライン ― セキュリティ文化 の普及に向けて” 原文: http://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/OECD020917set.htm 8 人材の養成 • 情報セキュリティ大学院大学 (2004 年) 情報セキュリティ大学院大学 http://www.iisec.ac.jp/ 9 政府の対応 内閣官房 情報セキュリティ センター (NISC, 2005年4月) 内に セキュリティ文化専門委員会 技術戦略専門委員会 10 ■ セキュリティ文化専門委員会 セキュリティづくり • 第1回会合 (2005年8月) • 報告書 (2005年11月) 公開資料: http://www.nisc.go.jp/conference/seisaku/bunka/index.html 11 ■ セキュリティ文化専門委員会 報告書の内容 責任原則の徹底: • 企業は、市場との関係に配慮 すること (社会的責任) • 個人には、共通認識の形成 12 情報セキュリティ文化 • 社会慣習 鍵をかけないのが普通 → 鍵をかけるのが当然 • 戦国時代のような緊張した社会 13
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