電気回路学講義資料

電気回路学
Electric Circuits
山田 博仁
はじめに
確認事項
1.単位認定および成績報告は、講義点と定期試験の点数(約3:7の比
率)を勘案して行う
講義点(30点)は出席を重視しますが、場合によっては小テストやレ
ポートなども加味して評価を行うかも知れません
2.再試は行なわない可能性もある
3.定期試験を受験していない者は再試の資格がない
4.教科書として、
「大学課程電気回路(1)(第3版) 大野克郎、西哲生共著、オーム社」と
「電気回路 -三相、過渡現象、線路- 喜安善市、斉藤伸自著、朝倉書
店」を使うので、2冊とも最初に買って揃えておくこと
自己紹介
略歴
岐阜県生まれ
金沢大学工学部 電子工学科 卒業
東北大学大学院 工学研究科 博士後期課程修了
NEC研究所勤務、通信用半導体レーザ、フォトニック結晶、
Si光導波路デバイスの研究開発に従事
2006年7月 東北大学大学院工学研究科 教授
1959年2月
1981年3月
1987年3月
1987年4月
近況
・ 茨城県守谷市の自宅に家族を残し、仙台に単身赴任
・ 5歳の息子と妻の3人家族
・ 息子と一緒に軽い山登りを始めた
・ 趣味: 旅行など、特に海外(最近は忙しくてなかなか行けない)
約束ごと
・ 講義が始まってからの入退室は原則禁止
・ 私語、携帯通話、メール送受信も厳禁
・ 携帯電話はマナーモードに
・ 居眠りするなら、他人に迷惑がかからないよう
・ 3回注意を受けたら退室してもらい、欠席扱い
オフィスアワー
日時: 随時OKですが、事前に電話またはE-mailにより予約のこと
場所: 電気系2号館203号室
E-mailによる質問・相談も可
E-mail: [email protected]、電話(内線): 7101
線形回路
実在する抵抗素子は、抵抗値が電流 i の関数になっている (非線形素子)
V=R(i) I
R(i)
I
V
電流がごく小さい時は、R=一定とみなせる (線形素子近似)
V=R I
Rが線形ということは、 R(I1+I2) = R I1 + R I2
Rが線形でなければ、 R(I1+I2)(I1 + I2) ≠ R(I1) I1 + R(I2) I2 である
実在する電気回路素子は全て非線形素子であるが、近似的に線形素子として
扱って良い場合が殆どである
重ね合わせの原理
例題8.1
E1のみ
I
I1 
E1
7R
E2のみ
重ね合わせの原理
I2  
I1
I2
E2
21R
I  I1  I 2  I 3
J のみ
I3  
4J
7
I3
重ね合わせの原理
例題8.2
E1のみ
I
I1
I1 
E2のみ
Jのみ
I2
I2  
E1
R1
重ね合わせの原理
I  I1  I 2  I 3
I3
E2
R1
I3  J
重ね合わせの原理
演習問題(8.1)
I
E1のみ
I1
I1 
E1
4R
重ね合わせの原理
E2のみ
I2
I2
I2 
E2
R
Jのみ
I3
I3  
J
4
双対とは
双対とは,数学のあらゆる分野に顔を出す概念で,一言では定義できません.だ
いたいの状況としては,二つのよく似た物があり,美しい対称性によって,お互い
に何かをひっくり返すと相手に変わる,というような裏表も関係にあるものを指し
ます.例えば,正十二面体と正二十面体は,辺の数と面の数がちょうど逆の関係
にあり,辺と面を入れ替えると,正十二面体は正二十面体に,正二十面体は正
十二面体になります.双対の関係にある二つの物は,どちらが主でどちらが従と
いった階層関係ではなく,互いに対等な裏表の関係にあり,相互に生成的です.
双対という考えが最初に出てきたのは射影幾何学の分野です.双対関係にある
二つの物では,片一方で定理がなりたてば,もう一方の物に関しても内容をひっ
くり返した定理がなりたちます.これを双対原理と呼びます
愛と憎しみ,出会いと別れ,男と女...., 演歌の歌詞は双対原理に満ちています~♪
双対のイメージ
出展: http://www12.plala.or.jp/ksp/vectoranalysis/DualSpace/
逆回路
2
0
R02
R1
R2
L1
R
R2
R02
L
D
R02
R3
D
R1
R3
R02
D1 
L1
逆回路
4
J1
2
1
J2
元回路の電源 E1が
閉路3と同じ向きな
ので、節点3に向か
うように J1=E/R0 を
入れる
E2
E1
3
元回路の電源 J2が
閉路2と同じ向きな
ので、節点2に向か
うように E2=R0J2 を
入れる
逆回路
演習問題(8.2)
L1
R1
D1
R2
R02
D1 
L1
R02
R1
R02
L1 
D1
R02
R2
逆回路
演習問題(8.2)
R02
L1 
D1
R02
D2 
L2
R02
D1 
L1
R02
D3 
L3
R02
L2 
D2
R02
L4 
D4
R02
R
R02
D2 
L2
R02
L2 
D2
R02
D3 
L3
R02
L3 
D3
R02
D4 
L4
定抵抗回路
演習問題(8.4)
R1
R2
L
C
インピーダンス
 w 2 LCR1R2  jw ( LR1  LR2 )  R1R2
Z (w ) 
 R0
 w 2 LCR2  jw ( L  CR1R2 )  R1
この式が、周波数 w の値に関係なく成立するためには、分母と分子の各項
の係数の比が R0 に等しくなければならない
つまり、
従って、
LCR1R2 L( R1  R2 ) R1R2


 R0
LCR2
L  CR1R2
R1
R1 R2  R0
L
 R02
C
定抵抗回路
演習問題(8.6)
I1+I2
I1
Z
R02
Z
V
R02
ZI1 
I 2  E  (1)
Z
R02
R0 ( I1  I 2 )  ZI1 
I2  0
I2
Z
R0
E
I2
R02
Z
I1- I2
Z
I1
I1+I2
E
I1 
R0  Z

 Z

R  Z
 0
R02
( R0  Z ) I1  ( R0  ) I 2  0
Z
(2)

  I1   E 


R02   I 2   0 
 ( R0  )
z 
R02
Z
2
2

E 
R
R
0
0
 I1 
1

(
R

)

0

 
I  
Z
Z
2
2
 0 
 2   Z ( R  R0 )  R0 ( R  Z )   ( R0  Z )
Z

0
0
Z
Z
I2 
Z
E
R0 R0  Z
I1  I 2 
E
R0
相反定理
Ip
Ep
JpVp
p
Iq
相反回路
Black
Box
Black Box
相反回路
q
Eq
VqJq
Ep Ip=Eq Iq の関係が成り立つ時
Jp Vp=Jq Vq の関係が成り立つ時
電気回路学の学問しての位置付け
古典力学
(ニュートン力学)
熱力学
解析力学
幾何光学
統計力学
電気回路
電子回路
量子電磁
力学
電磁気学
素粒子論
波動光学 特殊相対
性理論
量子力学
相対性理論