歯科診療報酬 疑義解釈編 平成18年 4月6日 山梨県歯科医師会 医療保険部 Q1:歯科疾患総合指導料算定患者に渡す指導 内容等を記載した文書は、初診時に渡す必要 があるか? A1:歯科疾患総合指導料を算定した日に急性炎 症等で、・口腔内写真等の治療計画の立案に 必要な検査等が行えず、総合的な指導管理が 行えない場合にあっては、初回又は2回目の再 診日までに必要な検査等を行い、治療計画を 立て、当該総合指導と併せて患者に対して文 書を提供し説明を行った場合に限り、当該指導 料が算定できます。 Q2:歯科疾患総合指導料を算定し、治療終了後、 当初の治療計画の傷病と異なる新たな疾患が 生じた場合は、治療終了日から3ヶ月以内でも 初診料と同様の取扱いで、再度の初診料を算 定できるか ? A2:歯科疾患総合指導料を算定した場合にあっては、治療 計画期間及び治療計画に基づく一連の治療が終了した日 から起算して3ヶ月以内は再診として取扱い、初診料を算 定せず再診料を算定します。 ただし、外傷等により当初の治療計画の傷病とは異なる 新た疾患が生じた場合についてはこの限りでなく、初診料 と同様の取扱いとして差し支えありません。この場合、診 療報酬明細書の摘要欄に前回治療終了月日及び当該疾 患の状態を記載することとなります Q3:計画期間及び治療計画に基づく一連の治療が 終了した日から起算して3ヶ月以内は再診として 取り扱う」とあるが、前回終了日を診療報酬明細 書の摘欄に記載するのか。 A3:歯科疾患総合指導料を算定した患者であって、 治療計画に基づく一連の治療が終了した日から 起算して3ヶ月を超えた場合に、当該患者に再度 の歯科疾患総合指導料を算定する場合には、診 療報酬明細書の摘要欄に当該患者の前回治療 終了年月日を記載します。ただし、前回治療終了 年月日から1年以上経過した場合にはこの限りで ありません。 Q4:「歯科疾患総合指導料」の対象 疾患に制限はあるのか。 A4:歯科疾患が対象となります Q5:歯科疾患総合指導料の算定に際しては、施 設基準となっている地方社会保険事務局長への 届出が必要となるが、何時までに届出を行えば よいのか。 A5 :平成18年4月14日までに地方社会保険事務 局長へ届出書を提出し、同月末日までに要件審 査を終え届出の受理が行われたものについては、 4月1日に遡って算定することができます。 Q6:歯科疾患継続管理診断後に継続管理に入 り、1年後に歯科疾診断料を算定する場合の診 療録及び診療報酬明細書の記載方法について。 A6:診療録及び診療報酬明細書の摘要欄に歯科 疾患総合指導料を算定した年月日、歯科疾患総 合指導料の治療計画に基づく一連の治療が終 了した年月日を記載します。 Q7:歯科疾患継続指導料算定時の 診療報酬明細書への病名記載は どうするのか。 A7:病名と併せて歯科疾患継続管 理中と記載します。 Q8:歯周疾患の初期治療(スケーリング)が 終了しなくても機械的歯面清掃加算は算定 できるか。 A8:歯科医学的に判断されたい。 Q9:機械的歯面清掃加算とスケー リングの同時算定はできるか。 A9:歯科医学的に判断されたい。 Q10:機械的歯面清掃加算は歯肉 炎(G病名)でも算定できるか。 A10:歯周疾患に罹患している患者に対 して機械的歯面清掃を実施した場合 に算定します。 Q11:歯科疾患総合指導料算定患者に限り 機械的歯面精掃加算が算定できるのか。 A11:歯周疾患に罹患している患者に対して 機械的歯面清掃を実施した場合に算定し ます。 Q12:新製義歯指導料は新製義歯 調整料を算定と同時に算定する のか。 A12:同時に算定する取扱いとなっ ています。 Q13:歯科治療総合医療管理料と 歯周疾患指導管理料の同時算定 はできるか。 A13:算定できます。 Q14:老人患者に対して歯周精密 検査を実施した場合には算定で きるか。 A14:算定できます。 Q15:「咬合異常(Mal〕」病名で咬 合調整の算定はできますか。 A15:咬合異常を原因として、歯周疾患 に罹患している患者に対して咬合調 整を実施した場合に算定します。 Q16:「咬合調整」は通知の各ケースで咬 合調整を 行った場合の診療報酬明細書への記載 は、全て「咬調」欄に記載するのか。 A16:貴見のとおりです。 Q17:「暫間固定」の算定上の取扱いにつ いて。 A17:「簡単なもの300点」とは、歯周外科手術を伴わない 場合及び歯周外科手術を予定する場合の固定源とな る歯を歯数に含めない4歯未満の暫間固定をいいます。 なお、1顎に2か所以上行っても1回の算定となります。 「困難なもの500点」とは、歯周外科手術を伴う場合の 固定源となる歯を歯数に含めない4歯以上の暫間固定 をいいます。なお、歯周外科手術に伴う4歯未満の暫間 固定の費用は、区分番号JO63に掲げる歯周外科手術 の所定点数に含まれ、別に算定できません。 「著しく困難なもの650点」とは、連続鉤固定法及びレジ ン床固定法による暫間固定のことをいいます。 Q18:「床副子」の算定上の取扱いについて。 A18: 「簡単なもの650点」とは次のものをいいます。 イ 顎間固定用に歯科用ベースプレートを用いた床 ロ 出血創の保護と圧迫止血を目的としてレジン等で 製作した床 ハ 顎変形症における手術にあたり製作したサージカ ルガイドプレート 「困難なもの1500点」とは次のものをいいます。 イ 斜面板 ロ 咬合挙上副子 ハ 乳幼児の顎骨骨折に対してナイトガードとして口腔 内に装着するマウスピース 二 固定用金属線による囲綿結紮に用いたレジン等で 製作した床副子(無歯顎の老人や乳歯列を有する 幼児などの顎骨骨髄炎において、腐骨摘出後欠損 創に歯牙副子の応用ができない場合に限る。) ホ 歯ぎしりに対する咬合床(アクチバトール式のものを 除く) へ 睡眠時無呼吸症候群の治療法としての咬合床(アク チバトール式を除き、医科医療機関等からの診療情 報提供料の算定に基づく場合に限る。) 「著しく困難なもの2000点」とは、次のものをいいま す。 イ 咬合床副子 ロ 歯ぎしりに対する咬合床(アクチバトール式 のもの) ハ 睡眠時無呼吸症候群の治療法としての咬合 床(アクチバトール式で、医科医療機関等か らの診療情報提供料の算定に基づく場合に 限る。) Q19:睡眠時無呼吸症候群の口腔内装置を初めて装着 した際、新製義歯と同様の注意事項を患者に説明す る必要があると思われるが、口腔内装置装着時に新 製義歯指導料の算定はできるか。 A19:睡眠時無呼吸症候群の治療法としての咬合床の装 着を行なった後、適合を図るための調整等が必要とな り、装着後1月以内に咬合床の調整を行った場合は、 1口腔1回に限り区分[床副子調整]の[睡眠時無呼吸 症候群の治療法としての咬合床の場合120点]により 算定することとなります。 なお、診療録に調整部位、調整内容等を記載すること になります。 Q20:今改定より、メラニン色素沈着症、変色無 髄歯の漂白は、保険給付外診療として取り扱 うか。 A20:貴見のとおりです。 Q21:例えば、抜歯とWZ摘出を同時に行った場 合、何れか一方の手技料を算定するのか。 A21:同一手術野又は同一病巣に対して複数の手術を行 なった場合であっては、主たる手術の所定点数により算 定し、従たる手術においては診療録に手術の名称、手術 の内容、部位等を記載します. ただし、区分番号「JOOO」に掲げる「抜歯手術」から区 分番号「JOO4-3」に掲げる「歯の移植手術」を単独で行 う場合については、個々の区分により規定する算定単位 に応じて算定を行なう取扱いとなります。 Q22:小児創傷処理(6歳未満)における5歳未満 の乳幼児加算は、どのように算定するのか。 A22: 5歳未満の乳幼児に対しては所定点数(500点)を、 4歳未満の乳幼児に対しては所定点数に50/100の 点数(750点)を加算した点数を算定します。 なお、6歳以上の患者には「創傷処置4」(470点)を算 定します Q23: 有床義歯調整料 咬合機能回復困難患者加算は、どのような症例に対し て適用されるのか。 A23:この加算は、有床義歯の長期適正使用を推進する ため、特に咬合の回復が困難な患者に対する調整を評価 したものです。なお、咬合の回復が困難な患者とは、次の いずれかの要件を満たす患者をいいます。 イ 総義歯を装着した患者 ロ 9歯以上の局部義歯を装着し、かつ、当該局部義歯 以外には対合歯間の接触関係を有しない患者 Q24:保険給付外診療で製作された歯冠修復物 及び欠損補綴物の脱離再装着や破損による修 理は保険給付外の取扱いとなったが、 “特定療養費”で製作された金属床総義歯は保 険給付の対象と考えてよいか。 A24:貴見のとおりです。 ご清聴有難う御座いました。
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