経済同友会道州制シンポジウム

これからの自治体経営
島袋純
1,財政危機
2,新しい公共をになう民間セクター
3,新しい公共性の創造
4,予算極大化と前年度実績主義
5,財政規律の崩壊
6,自治体を経営体とする方法
7,今南風原は何をすべきか
自治体の危機:財政再建と財政縮小
財政収支均衡:かりに11年までに歳出80兆レベルに歳入拡大とすれば
2006
45兆円の歳入
(税金)
歳出の不足分
35兆円の借金
80兆円の歳出
2011
5年で35兆円の増税・毎年7兆円増税
80兆円の歳入
増税
5年で社会保障費(改革後)増額分7兆2千億
80兆円の歳出
80兆レベルの均衡を目指し、毎年平均7兆円(合計35兆円)レベルの増税
1
かりに11年までに収支60兆レベルで均衡とすれば
2006
2011
45兆円の税収
(税金)
5年で15兆円の増税・毎年3兆円増税
60兆円の歳入
80兆の歳入
歳出の不足分
35兆円の借金
増税
5年20兆円の歳出削減
80兆円の歳出
60兆円の歳出
80兆レベルの均衡を目指し、毎年平均7兆円(合計35兆円)レベルの増税
2
新しい公共性を担う民間セクター
社会的使命と社会的責任を担い公共的なニーズを充足
指定管理者制度・PFIへの参入企業・NPO
市場化テスト(強制競争入札)への参入企業・NPO
介護サービスその他福祉サービスへの参入NPO等
コミュニティ・ビジネス、地域社会貢献型事業
市場セクター
ここが育たないと、、
新しい公共を担
う民間セクター
地域社会は崩壊
行政部門の役割
改革の必要性
1972年
2000年
2020年
3
「新しい公共性」の創造
社会的使命と社会的責任を担い公共的なニーズを充
足する民間及び官民協働の分野
・指定管理者制度・PFIへ 市場化テスト(強制競争入札) 介護
サービスその他福祉サービス コミュニティ・ビジネス、地域
社会貢献型事業
つまり、社会的企業(NPO型、市民社会組織)の必要性
不特定多数の人の利益(サービス)のための非営利的組織
ここが育たないと、公共サービスが充足できない
→ 地域社会が崩壊する
新しい公共性とは
人が社会に参加できるよう支援すること、人と人との係わり・つ
ながり・地域社会の再生への貢献をミッションとする分野
→ソーシャル・キャピタルに直結
市民性教育の重要性
4
予算極大化と前年度実績主義
• 中央が国税として過度に集め、全国自治体に再分配する財
政移転制度(補助金) →受益と負担がまったくつながらない
• 住民感覚は、どっかに大きな資金のプールがあって、それに
うまくつながる首長がいい首長、とってこれればとってこれる
ほどいい首長。
• 要求ばかりする民間、住民。何でもかんでも官へ。
住民は自治体へ、自治体は国へ要求
→ なんでもかんでも自治体の仕事へ
行政サービス・予算の拡大につぐ拡大
↓
財政規律(自分たち共通の財布で収支をやりくり)の崩壊
5
財政規律の崩壊
• 住民のニーズのあるなしより、どれだけ地域が良くなるより、、
●補助率が良いものを優先 → 予算極大化。
●実績のあるなしが重要 → 成果は軽視、無視。
• 自治体の事業の採択は、市民生活の向上や満足度上昇を
客観的に把握することと無関係、アウトプット(事業費)重視、
アウトカム(成果)軽視。(企業で言えば、生産費が高ければ
良い、売り上げは悪くても良い → 必ずつぶれる)
• 借金も右肩上がりの財政拡大の中でいつのまに解消される
もの
しかし、、、、
→合理的な(アウトカム重視の)政策の取捨選択が不可能
6
自治体を経営体とする方法
Aこれまでの自治体運営
各省
各省
各省
Bこれからの自治体経営
市民
各省
市民による信託
補助金
法令
通達
各部
首長
各部
要求ばかりの市民・民間
各部
各部
目標管理型
マネジメント
サイクルの確立
首長
枠配分と
Sマニフェスト
各部
Lマニフェスト
各部
各部
各部
市民のニーズ・満足度
7
自治体を経営体とする方法2
• 「たかり」「むしり」の対象ではない自治体
• 住民による財政規律と市場による規律(破綻法)
• 市民のニーズ充足・満足度をアウトカム(目標)へ
↓
• 予算極大化・実績主義(規律腐敗の原因)の見直し
目標管理型の自治体経営へ
↓
住民参画による目標設定
→ 目標のための実施
→目標にそって評価
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今、南風原は何をすべきか
1,住民→自治体→県・国、依存を断ち切る決断
2,自律的自治経営のための理念の確立と浸透
①新しい公共性の創造
ソーシャル・キャピタルの形成
②目標管理型自治体への転換
③①と②の相乗→役割分担・協働関係構築
④その担い手の育成=
市民性教育
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3,自治体経営基盤の強化
→まず住民による財政規律の強化
つまり、住民からの信頼度を高めること、住民との役
割分担と協力関係を新たに構築していくこと、縮小
予算のなかでやりくり上手になること。
そのための第一歩=目標管理型の総合計画
政策マーケティング(目標設定)の導入
→住民参画に基づくPDCA(PDS)マネジメントサイクルの確立
住民と共に理念(目的)をかかげ、目標を設定し、目標
と関連づけて事業を立案し仕事を進めること