統合マネジメントシステム Integrated Management

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統合マネジメントシステム
Integrated Management System
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統合マネジメントシステムの
背景と意義
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ISOマネジメントシステムの登録状況
マネジメントシステムの認証登録状況(概数)




ISO9001:
ISO14001:
OHSAS18001:
ISO17799:
4万件
1万3千件
200件
300件
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今、企業が考えるべきこと
 今までの延長線上で良いのか?
 それぞれのマネジメントシステムに個別に取り
組むことの是非
 マネジメントシステムは経営のツールであるこ
とを意識する必要
 企業統治(Corporate Governance)の観点
から考えることが不可欠
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企業経営のキーワード
 コンプライアンス
 CSR
 サステナビリティ
 マネジメントシステム
 コーポレートガバナンス
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コンプライアンス(法令遵守)
 法令や規則などを遵守すること。
 品質虚偽や欠陥商品隠しなどの反社会的行
為が信用失墜や存続危機につながることを教
訓としたもの。
 広義には企業倫理、経営倫理をも含む。
 トップの意識改革が重要。
 自律的に自浄作用の働く組織、体制作り。
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コンプライアンスの対象
 製品関連法令(PL法、独占禁止法、不正競
争防止法、消費者保護法、景品表示法、著
作権法、特許権・商標権・実用新案権といっ
た知的財産権など)
 環境関連法令(大気汚染防止法、水質汚濁
防止法、廃棄物処理法など)
 労働関連法令(労働基準法、労働安全衛生
法、男女雇用機会均等法など)
 etc(財務、税務・・・・・)
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CSR(企業の社会的責任)とは
 Corporate Social Responsibility
 企業が社会の一員として、持続的に事業を展
開するため、社会からの要請にこたえる責任。
法律の遵守や社会貢献にとどまらず、経済・
環境・社会のそれぞれの側面から、取引先、
消費者などのあらゆる利害関係者に自発的に
働きかけていくこと。
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CSRに関する主要企業の動き
2002/5
2003/3
2003/7
 東芝
2003/7
 松下電器産業 2003/10
 リコー
2003/1
 富士ゼロックス
2003/9
 アサヒビール
 ソニー
本社にプロジェクト発足
環境CSR戦略室発足
CSRリポート発行
CSR本部設置
CSR担当室設置
CSR室設置
社会・環境報告書発行
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CSI:社会的責任投資
 CSRを機関投資家
が投資する際の目
安に
 英国では数十兆円
 日本でも活用がス
タート
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CSRのISO/JIS化の動き
 2001/1
経産省がJSIにWG設置を指示
 2001/5
ISOが規格化の可能性調査を指
示
 2002/6
ISO理事会に規格化を提案
 2003/10JIS化に向け作業部会設置
 2004/4
JIS規格原案提出
 2004/6
ISO国際会議で規格化の意見収
集2004年中にJIS規格発行
ISO化は2007?
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サステナビリティ(持続可能性)
 企業が将来にわたり持続可能であること。
 サステナビリティの3要素
 「環境保全」
汚染防止、資源消費低減、廃棄物削減など
 「経済発展」
株主に対する価値、雇用、税金など
 「社会的責任」
従業員保護、社会貢献など
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サステナビリティの流れ
 “現在だけではなく将来の人々にとってもより
よい生活を継続的に提供して行くこと”を通し
て企業を永続的に存続する。
 “環境レポート”
→ “サステナビリティレポート”へ
(環境報告書に社会的貢献を付加)
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企業統治 Corporate Governance
 コーポレートガバナンス
 株主に代わって、経営の効率性や経営の公正さを
チェックする仕組み
 法令を遵守し、社会道徳や企業倫理にもとづいて、
利益をあげる努力
 利益さえあげれば、方法論は何でもよいというわけで
はない
 顔を向ける対象を株主ばかりでなく、顧客や取引先
企業、さらには地域社会や地球環境にまで広げ、一
般顧客や社会にとって好ましい存在となることを指向
する傾向 (欧州;非短期的利益追求)
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複数のマネジメントシステムのデメリット
経営方針、投入資源の分散
 共通業務の重複
 システム間の矛盾
 管理コストの増大
経営方針
年度方針
品質方針
部長方針
品質目標
環境方針
環境目標
課目標
上期目標
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マネジメントの迷走
 事例
 不良低減のために仕様書を整備(QMS)
 コピー用紙を削減(EMS)
どちらを優先???
優先順位は?
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マネジメントシステムの解決策
日本の企業の弱点
リスクマネジメント
アカウンタビリティ(説明責任)
ディスクロージャ(情報公開)
解決策は
統合マネジメントシステム
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SIGMAガイドライン
 Sustainability Integrated Guidelines
for Management
 英国貿易産業省の支援を受けてBSIなどが作
成したサステナビリティマネジメントのガイドラ
イン
 SIGMAのマネジメントモデルはIMSの理解を
助ける
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サステナビリティ
SIGMA
社会・環境・経済的
課題の統合
持続的発展
企業統治
ISO9001
戦略と統治
ISO14001
経営課題取組
OHSAS18001
遵法
CSR
社会
環境
経済
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統合マネジメントシステムの構築
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マネジメントシステムの目的
 経営のツール(トップの方針を実現する)
経営者が方針を出せば
報告される
計画し
実施及び運用し
内部監査して 点検及び是正処置を講じ
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マネジメントシステムの目的(2)
 認証の取得(外圧)
 最小限の労力・コストで
 それでも付加価値を!
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IMS構築のパターン




同時構築
QMSにEMSを付加
EMSにQMSを付加
その他(OHSMSの付加など)
いずれの場合もギャップアナリシスが重要
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統合の考え方
 共通部分を束ねれば
共通
安全衛生 品質
環境
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統合の考え方
 共通部分を束ねれば
経営管理
システム
共通
HS
Q
E
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統合の考え方




単なる共通要素の共有化ではない
経営システムとしての機能
プロセスは一つ
管理要素は複数(Q,E,OHS,・・・)
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成功の秘訣







トップの明確な意思(経営のツール)
共通の目的意識
シンプルなアプローチ(無用な形式の排除)
重複の回避
最小限の文書化
強いリーダーシップ
部門の尊重と全社的(経営的)視点
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成功の秘訣(2)
 敵を知ること。
 要求事項の把握と理解
 共通部分の理解




P-D-C-A
法令コンプライアンス
内部監査
マネジメントレビュー
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付加時の留意点
 MSを見直す絶好の機会と考える
 利点、弱点を明確にする
 無駄を排除し、弱点を強化する
ギャップアナリシスの必要性
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ギャップアナリシスとは
 (目標) ー (実態) = (必要実施事項)
 あるべき姿と現実との差異(ギャップ)を測るこ
と
 最短距離を踏むためのプロセス
 欧米では一般的な手法
 専門家の知見も必要
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ギャップアナリシス事例
9001取得事業者が14001付加の際の事例
ISO14001
条項
関連文書
4.2
環境方針
品質方針
貴社マネジメントシステム
ISO14001とのギャップ
ISO9001に従う品質方針を有している。
·
経営理念・経営姿勢を含んでいる。
·
継続的改善と目標設定を誓約している。
·
社長が署名している。
·
全従業員にカードを配布するとともに主要箇所に
掲示している。
·
「品質第一」を明記している。
組織の環境的側面を明確にし
た上で、汚染の予防と法令の
遵守を誓約する必要がある。
また、外部の要求に従い開示
する仕組みが必要である。
·
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構築の手順
 経営者の役割確認
 経営のツールであることの理解
 トップマネジメントとしての役割認識
 ギャップアナリシスの実施
 トップの決意と構築計画立案
 意思決定と方針展開
 実行計画の作成
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構築の手順(2)
 キーパーソン・内部監査員の教育




キーパーソンの選定
MSの目的意識の共有化(ゴールの明確化)
規格の正しい解釈
監査手法の教育
 全従業員の教育
 全員参加の認識
 ゴールとルールの周知徹底
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構築の手順(3)
 IMSの構築
 プロセスの整理(プロセス・アプローチの徹底)
 現行文書の不足点確認
 マニュアル・文書類の整備
 システムの運用
 内部監査の実施
 マネジメントレビューの実施
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IMSのモデル
BSI提唱
ACT
経営層による見直し
CHECK
改善
是正処置
予防処置
継続的改善
PLAN
方針/計画
側面とリスクの特定
取り組むべき著しい側面の特定
目的・目標
資源の特定
組織体制、役割、責任、権限の特定
計画及び運用管理
予測しうる事象への緊急対応
DO
CHECK
パフォーマンス評価
監視及び測定
分析及び不適合の取り扱い
マネジメントシステム監査
実施及び運用
運用管理
人的資源のマネジメント
他の資源のマネジメント
文書及びその管理
コミュニケーション
供給者、請負者との関係
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経営方針の立て方




組織の存在意義を明確にする
ゴールを明確にする
できる限り具体的に、また数値化する
MSの要求事項を織り込む
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管理側面の特定
 9001のプロセスアプローチの活用による管
理(品質・環境・OHS)側面の特定
 14001の環境影響評価、18001のリスクア
セスメントの同時実施
 リスク(品質・環境・OHS)の特定
 ビジネスチャンスの発掘
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プロセスアプローチ
 プロセスを明確にし、その相互作用を把握し、
運営管理することとあわせて、一連のプロセス
をシステムとして適用すること(9001序文
0.2)
 プロセスのつながりを明確にして管理すること
により、業務の流れをシステマティックにする
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プロセスの流れと相互作用
インプット
プロセス
プロセス
A
C
プロセス
プロセス
B
D
アウトプット
コントロール
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管理側面の特定
側面(管理されるべきポイント)を抽出する
Input
Outpu
t
洗浄液 前処理 廃液
ー
プロセス
穴あけ
切子
品質
濃度
時間
環境
OHS
廃液の 薬傷
発生 (眼、皮
膚)
歯の使 廃棄物
用時間 の発生
騒音
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リスク評価と重要側面特定
 リスクとは
 側面が事業目的や成果にインパクトを与える「可
能性」と「重大性」
 社外不良、製品リコール、環境汚染、死亡災害
など
 リスク評価は
 点数法がベストとは限らない
 現場を見ることが重要(机上の空論化を防ぐ)
 ビジネスチャンスを見出すことも重要
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リスク評価の事例
結果の重大性
些細な影 中程度の 重大な影
響
影響
響
極めてま
れ
発
生
まれ
の
可
能 起こりや
性 すい
些細
許容
可能
中程度
許容
可能
中程度
重大
中程度
重大
許容
不可
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リスク評価の事例
(2)
些細な影 中程度の 重大な影
響
影響
響
極めてま
れ
1
2
3
まれ
2
4
6
起こりや
すい
3
6
9
点数にしても評価の精度は上がらない
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重要側面の改善・管理
 方針及び重要側面から目標を設定する
 ビジネスに寄与するテーマを選定する
 SMARTな目標を立てる





Specific
Measurable
Achievable
Realistic
Time bound
明確である
測定可能である
達成可能である
現実的である
時間枠がある
BSI提唱
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重要側面の改善・管理
(2)
 重要側面は次のどちらかで必ず管理する
 目標達成のための5W1Hを明確にしたマネジメ
ントプログラム(実行計画)を立てる
 日常管理のルールを定める(必要があれば手順
書を作成する)
 役割・責任を明確にする
 教育訓練のニーズを特定し、必要な能力を
持たせる
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文書化の秘訣
 ISOにおいて文書化の要求は少ない
 文書とは文字だけではない
 フローチャート
 写真・イラスト
 点検シート
 基準を明確にすることが重要
 文書階層は最低限に
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統合マニュアルの注意点
 組織の文化を反映することが重要
 9001または14001との対応を明確にする
必要あり(対応表でも可;認定機関指針による)
 認証審査の対応も考慮する必要あり
 審査機関に対しては配慮の必要なし
(要求事項順のとおりにする必要なし)
 規格の語句に合わせる必要なし
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統合マニュアル
事例1
 第1章QMS
 マネジメントシステム
 経営者の責任
 ・・・・
 第2章EMS
 環境方針
 計画
 ・・・・
事例2






マネジメントシステム
経営者の責任
資源の運用管理
製品実現
環境上の運用管理
測定、分析及び改善
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最後に
 マネジメントシステムのテーマの再確認
 リスクの低減
 ビジネスチャンスの創造
 他社の真似ではなく貴社独自の企業文化と
一致したマネジメントが大切
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