◆社会の動きを理論的につかまえよう 情報を集め,読み解く ―「知的インフラ」の活用術― 2010.10 更新 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆このPPTのテーマ 1) 1990年代以降,日本だけが世界の経済構造の変化 から取り残されている. ・原因:日本人の英語力の低さ. ・これはまずい!何とかしなければ! (「海外経験ゼロでも英語ができる人はどのように勉強したのか? THE21,PHP研究所,2010年9月) 2) 英語力をつけることが重要ではあるが,その前に, ・どのように構造が変化しているのか? ・取り残されないようにするためにはどうするか? を理解する. 3) 余談であるが,英語力を身につけるには, ・英語もパソコンと同じく仕事の道具だと割り切る. →カタカナ英語で全くO.K.(背伸びをしない.) ・何のために英語を勉強するのかを明確にする. →どれを鍛えるか: 聴く?読む?話す?書く? →使う場面は: 専門的?正式?非正式? ・まとまった学習時間はどうしても必要(約4,000時間) →学生時代に2,000~3,000時間は勉強する.(1,000~2,000時間) 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆変化1 アメリカの新聞が消滅する!? (鈴木伸元著:「新聞消滅大国アメリカ」,幻冬舎新書,2010年5月) 1) アメリカの新聞が想像を絶する勢いで消滅している. ・2004~2008年(5年間):49紙が廃刊 ・2009年(1年間):46紙も廃刊(わずか1年の間に!) 2) 何故消滅するのか? ・広告収入ではインターネットが独り勝ちするため. ・テレビ▲5.1%,新聞▲16.5%,インターネット+7.0% 3) 影響は? ・配達地域縮小による読者「切り捨て」. ・若者の大多数がニュースに関心寄せなくなる. ・新興ニュースサイトの台頭. ・新たな敵ツイッター. ・地方行政の腐敗が始まる. ・コミュニティが崩壊する. ・インターネット記事配信の有料化. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆変化2 出版業界にも大激変が起こる (佐々木俊尚著:「電子書籍の衝撃」,ディスカヴァー携書,2010年4月) 1) 「タブレットサイズ」と呼ばれる電子ブックを読むためのコン ピュータが登場 ・キンドル,iPadなど.(既存の出版業界にとって脅威) 2) マイクロソフトから始まったプラットフォームビジネス ・以下の条件を満たすサービスが市場を独占する. ①多様なコンテンツが安く豊富にそろっていること ②使い勝手がよいこと ③アンビエントであること.(私達を取り巻いて,あたり一面に漂っている状態) ex. Microsoft, Google, Apple(iTunes), Amazon など. ・電子ブックによって本は「アンビエント化」する. →iPadなどによりプラットフォームが形成され,業界を席巻する. →旧体質のサービスは生存競争に敗れる. 3) セルフパブリッシングの時代へ ・マスメディアに基づいた情報流路から,ソーシャルメディアが生み出すマ イクロインフルエンサーへ 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆変化3 ツイッターの到来 (上杉隆著:「なぜツイッターでつぶやくと日本が変わるのか?」,晋遊舎新書,2010年6月) 1) ツイッターで総理官邸での首相会見が開放!? ・記者クラブの壁を飛び越えたツイッター. →新聞とテレビの既得権を破る効果(極めて画期的!) ・首相はツイッターを見るだけでも価値がある. →そもそも市民の声で目安箱だから. 2) 既存メディアと新しいメディアが逆転する時代 ・マスコミの捏造報道をただしたツイッター. ・1人1人が時間と空間を共有するスゴさ. 3) ツールを越えインフラになるツイッター ・Google以来の革命だと言われている. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆変化4 仕事のスタイルも劇的に変化 (野村総合研究所ノンペーパー推進委員会著:「野村総合研究所はこうした紙を無くした!」, アスキー新書,2010年2月) 1)始まりはコスト削減だった ・二度と見ない資料を何故捨てられないのか? →ノンペーパーから始まる生産性UPの仕事場改善. ・ノンペーパーでワークスタイルを変える. a) 整理整頓 b) オフィス改善 c) 会議効率化 →アジェンダ(会議の検討課題)を出席者に事前配布 →資料の事前配布 →会議中に議事録を作成し,議事と同時進行でプロジェクターに公開 →会議終了後速やかに資料や議事録のファイルを配布 d) 情報共有化 ・人と人を結びつけるITへの取り組み―SNSなど- 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆ 変化5 環境分野における変化は? (池上彰・手嶋龍一著:「武器なき環境戦争」,角川SSC新書,2010年9月) 1) 「石油の時代」,終わりの始まり ・国際政治の主流に躍り出る「環境」 ・荒れ狂うメキシコ湾(原油流出事故) →なぜ,事故は止められなかったのか? 2) 廃棄物がカネになる!? ・文字通り環境がビジネスになる. →諸外国は,もっと強かに考えている. 3) 軍艦,核,そして環境(CO2) ・「削減」をテーマに国際交渉が行われているもの. ・ルール作りに関与せよ,日本! ・環境でも孤立を心せよ,日本! ・日本の「環境技術」をシステムで売れ! 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆廃棄物施策はどう評価されているか? (杉本裕明・服部美佐子著:「ゴミ分別の異常な世界」,幻冬舎新書,2009年7月) 1) そもそも,なぜごみを分別するようになったのか? ・全国最多34分別を誇る町は,お手本になるか? ・福岡市は指定ごみ袋の有料化でごみ減量. ・何でも捨てられるダストボックスを再検証する. 2) 「ごみを減らそう」と言いながら,焼却炉を造り続けた. ・分別いらずのRDF製造機の哀しき結末. ・「リサイクル貧乏」と嘆く自治体のあきれた政策. ・プラスチックごみのリサイクル費用に涙. ・かかるお金と,それによって得られる効果を比較考量せよ. ・常識を疑い,国や自治体の出した数字に惑わされるな. ・緊張関係を持って行政,市民との「協働」を進めよ. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆「知的インフラ」の活用術 2010.10 更新 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆知的インフラを活用するためには 1) 以上の議論を踏まえると, ・新聞・ニュースの内容に疑問を持つことが大事. →ひょっとしたら,嘘が書いてあるかも. ・内容のよしあしを評価する独自の視点が必要. ・新聞記事は「点」の情報に過ぎない.(全体像は見えない.) →時間的な推移,地域的な広がりなどをつかむことも重要. ・かと言って,全く目を通さないのは問題. 2) 社会の動きを知るのに,大学の勉強は役に立たない. ・道具(専門知識・技術)の中身や使い方を教えることで精一杯 ・その道具を,いつ,どこで,何のために使うのか?を知る. →場合によっては,使わない方が賢明な場合もあるだろう. ・そのためには,「世の中が常に動いている」ことを実感する. →大学で教えてくれない以上,自分でつかむ努力が大事. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆では,どうすればよいか? 1) 既存メディアの活用 ・新聞,ニュース →大多数の国民の情報源になっている. →どのように世論が形成されていくかが分かる. →他の人と価値観を共有できる安心感がある. →でも,それだけでよいのか? 2) 独自の情報源を持つ. ・新書を読むことはおススメ(このPPTの情報源) →あるテーマの全体像をつかみやすい. →場合によっては最新情報を得ることも可能. →反響の多い新書のテーマは話題になりやすいため. →著者によっては意見が対立することもある. →双方の主張を理解する姿勢が大事. ・インターネット →上手に使えばかなり活用できる. →自分で情報発信すれば,なおよい.(ブログ,ツイッターetc.) 3) 現場に出かけ,五感で感じる. ・人間の直感を侮ってはいけない. ・社会デザインゼミナールの講義内容の狙いの1つ. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆このPPTの情報源はどこで入手可能? 1) 大半は購入した「書籍(主に新書)」からの引用 →そこのセブンイレブン(水理衛生の近く). →ampm(七隈四角). →黒木書店(七隈四角) →金文堂(ヘリオスプラザ内) →ジュンク堂(福岡市天神)もあるけどね. ・その気になれば,身近な場所に情報源がたくさんある. 2) 今後の心構えとして重要なこと. ・わき目も振らず,一生懸命頑張る. →ことは,当然必要だし,是非そうするべきであるが. ・意識して寄り道をすることも大事. →精神的にゆとりを持つ. →色々なことに好奇心を持つ. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆だから仕事に対する取り組み姿勢が重要 (ケリー・グリーソン著:「なぜか仕事がうまくいく人の習慣」,PHP研究所,2006年4月) 1) すべての仕事の基本は,すぐにやる! ・まずは兵士のように,整理からとりかかろう. ・オフィスで探し物をする時間は,1年で6週間にのぼる. ・「忘れないシステム」をつくり,やりとげる! ・電話タイム,メールタイムを決める.それ以外は応答しない. 2) 目標を達成する「計画」と「管理」の技術 ・仕事の前に,「計画」作りに時間をかけよう. ・1日の計画は,その日の朝,または前日の終わりにたてる. ・仕事の計画は,1週間単位でチェックする. 3) チームの仕事をスムーズにする方法 ・社内,社外に関わらず,全員を「顧客」と考えて仕事をする. ・週に1度,1対1の定期ミーティングで連絡を取り合う. ・仕事の環境を「整備」すれば,もっと楽に生産性を上げられる. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆朝型人間になろう! (「仕事ができる人は朝一番で何をやっているのか?」,THE21,PHP研究所,2010年7月) 1) 仕事ができる人には,「朝型」が多い. ・朝日を浴びることは,体調管理のためにとてもよい. ・朝の1時間は夜間の数時間分にも相当する. 2) 具体的には ・1日をシミュレーションし,仕事の先手を取る. ・スケジュール手帳を上手に使用することが不可欠. ・起床してすぐにメモをとる. ・朝掃除をする. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆どんな人間を目指すべきか? (「エラくなる男,用済みになる男」,プレジデント,プレジデント社,2010年10月) 1) 今後は仕事ができても,人気のない人は出世できない. ・そればかりか,リストラの対象にもなり得る. →成果主義人事の行き詰まり →コミュニケーションがなおざりになれば,組織全体としての パフォーマンスはじわじわ低下する. 2) 勝ち方パターン「変遷30年」 ・1980~:生産や営業からエリートコースへ. ・1990~:管理調整能力の高い人材が昇進. ・2000~:ローリスク・ハイリターン社員誕生. ・2010~:「そこそこ社員」が生き残る時代!? 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 ◆こんな意見もある (堀紘一著:「一流の人は空気を読まない」,角川oneテーマ21,2008年10月) 1) 職場を縛る「空気」を読むな. ・最近,KYという言葉が流行している. →物事の決定,それに対する各社員の反応を左右する空気が確かに存在. ・平等意識と言えば聞こえはいいが, →実際には「周囲と同じ」であることに居心地の良さを感じているだけ. ・日本人の国民性は, →流れ作業の末端に立つ作業員,中堅幹部になることには向いていても, →トップに立つには不向きな部分が大きい. 結局のところ,空気とは,読むものではなく「創るもの」であり, 空気を創りだせる人間にならない限りは,先が知れている. 2) 能力主義から貢献主義へ ・3年,5年と黙々と努力をしているうちに,「いい仕事」ができるようになって いたならば,そのことは絶対に認められる. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室 以上で終わりです. やらないといけないことが たくさんある. できることがたくさんある. 2010年度「社会デザインゼミナール」講義資料 水理衛生工学実験室
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