新型インフルエンザ対策 (管理監督者向け) 産業医 ○○○○ インフルエンザの主な感染経路 飛沫感染 接触感染 感染者が咳、くしゃみをすることで 排泄される飛沫(5ミクロン程度)に ウイルスが含まれており、その飛沫 を感染していない人が吸い込む事 によって感染する。 感染者がくしゃみや咳を手で覆った 後に、机やドアノブ、スイッチに触 れる事でウイルスが付着、それを 他人が手で触り、その手で鼻や口 等に触れる事によって感染する。 感染経路の遮断 -職場で蔓延させないために- • うがい・手洗い • 咳エチケット • ワクチン接種 • • • • 対人距離の保持 職場での消毒 療養の指示 感染状況の把握 個人で出来る 予防 管理監督者に 求められる対策 職場で出来る 予防 対人距離の保持 2mの飛沫の飛散 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 非感染者 感染者 2m 感染者からの飛沫を避けるためには、少なくとも2mの距離を保持する必要がある →不要不急の会議や、従業員が密集することが想定される業務の見直し など。 職場での消毒 人が良く触るもの(ドアノブなど)は消毒薬でよく拭く インフルエンザウィルスは、物の表面に付着後も2~8時間感染力をもつ。 ・塩素系消毒液 ・70 %以上の濃度のアルコール による消毒 消毒液は人の行き来の多い出入り口 に設置するのが理想的。 (可能であれば、入り口側・出口側の両方に設置を。) 療養期間に関して • インフルエンザが発病したら、約1週間自宅療養 する。 -症状がなくなってから2~3日間は自宅療養する。 (学校保健安全法「解熱した後2日を経過するまで」出 席停止) -発病後3~7日ウィルスを排出する。 • 家族がインフルエンザを発病している場合、 自 身の健康状態(体温等)を毎日チェックし、体調 が悪化した場合は管理監督者に報告する体制 の構築。 流行状況の把握 • 国内、県内、市内の感染状況を事前に把握して おく事で、対応時にあわてなくて済む。 <参考になる情報源> 厚生労働省や県・市のホームページ 保健所のホームページ など 治療のQ&A 流行時期に予防目的に薬を使うように職場で指導する ことは有効ですか? 全ての人が予防投与が有効ではありません。 国が認める保険診療で予防投与が有効とする条件は以下の通りです。 同居人がインフルエンザに感染しており、本人が ・高齢者(65歳以上) ・慢性呼吸器疾患患者、又は慢性心疾患患者 ・代謝性疾患患者(糖尿病など) ・腎機能障害患者 以上の場合は有効とされています。 逆に言うと、65歳以下の健康な方は予防投与の対象にはなりません。 最後に • インフルエンザの感染経路を理解し、職場で出 来る対策を考える • インフルエンザの感染状況を把握しておく • 管理監督者が感染し、職場から離れてしまうと 職場の混乱が懸念される →管理監督者自身の体調管理も重要!! <参考> 経営層向けのメッセージ 一部引用:和田耕治『企業のための新型インフルエンザ対策マニュアル』 東洋経済新報社2008年 • 大流行により、ビジネスが数週間から数ヵ月 中断する可能性がある • 対策を行わなければ、従業員や顧客、地域 社会の命を危険にさらし、社会的批判を受け る可能性もある 企業における新型インフルエンザ対策 1 • 危機管理体制を作る 2 • 従業員と顧客を感染から守る 3 • 事業を継続する 4 • 地域社会に貢献する 5 • 対策を見直して改善する 1.危機管理体制を作る • 企業内での対策の現状を評価する • 経営責任者が流行に備えるという方針を表 明する • 危機管理体制の設置と責任者の専任 • 信頼できる情報が得られる体制を確立し、対 策本部(委員会)や従業員に必要な情報を提 供する 2.従業員と顧客を感染から守る • 従業員と顧客が感染するリスクを評価して対 策を行う • 従業員が個人で取るべき感染予防対策や流 行時の企業の方針をあらかじめ周知させる • 生活必需品や感染予防のための保護具や衛 生用品を備蓄する • 流行時における事業所での具体的な感染対 策を決める 3.事業を継続する • 従業員、取引先、顧客との緊急連絡体制を確 立し、定期的に見直す • 流行時に優先すべき重要業務と人員を特定 する • 流行時の事業への影響を想定する • 関連する法令や就業規則を確認する 4.地域社会に貢献する • 地域社会に貢献する 5.対策を見直して改善する • 机上または実地演習を行い、解決できていな い課題を明らかにして、継続して審議する • 従業員の高い意識を維持する
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