東京大学 情報基盤センター コンピュータ・ネットワーク利用セミナー 2001年3月5日(月) 15:00~17:00 Linux 入門 ~何ができるの?~ 株式会社びぎねっと 取締役副社長&COO 濵野 賢一朗 [email protected] 講師紹介 • 濵野 賢一朗 – – – – 株式会社びぎねっと 取締役副社長&COO Project BLUE 関東セミナー世話人 日本Sambaユーザー会 常任幹事 渉外 IDG LinuxWorld Conference & Expo アドバイザリー ボード 本日のアジェンダ • • • • • • Linuxとは何か? Linuxの○×△ Linuxでてきること Linuxの導入・設定・運用の基礎 セキュリティに関する基礎知識 各種情報へのポインタ Linuxとは何か? • リーナス・トーバルズが中心となって、1991年より 開発されているUNIX互換のOS • Linuxが利用される理由 – ソースコードが公開されており、オープンなコミュニティ により開発されている(ライセンス:GPL) – TCP/IPを中心にネットワークに強いOSであり、OSの 他にも、さまざまなサーバー/クライアントアプリケー ションが配布・公開されている Linuxの○(まる) • 安定している。 – Windows NTのような不安定な挙動はない • リモートメンテナンスが可能 • セキュリティ関連の対策などがきわめて素早い • 情報が多い – なんといっても、Solaris、FreeBSDやNetBSDなどより ユーザーが多い • 商用アプリケーションが徐々に整いつつある – Oracleなどをはじめビジネス向けソフトやATOKなどの 基本的なソフトもLinux対応されてきている。 Linuxの△ • Solarisほどは安定していない – たまに不安定になることがある。 • 印刷環境が非常に弱い – UNIX系OSの共通の弱点 • クライアントとしてのユーザービリティはまだまだ – UNIX系OSの共通の弱点 – デスクトップ環境は急激に進化しているが... • 対応できていないハードウェアがまだ多い – ドライバの開発が精力的とはいえない状況 – たまにドライバの品質も疑わしいこともある Linuxの現状 • ほとんどのインターネットサーバーとして利用 – Webサーバー – メールサーバー – ネームサーバー • インターネットに接続していなくとも、ほとんどが サーバー用途 – ファイルサーバー – データベースサーバー Linuxが利用されているところ SMP 機 能 ・ 性 能 UNIX クラスタ Linux Linux Linux Linux Linux Windows Linux NT Linux システム規模 64bit Linuxの入手 • 「ディストリビューション」という形で配布 – 雑誌/書籍の付録CD・販売されているパッケージ・ftp – 「ディストリビューション」とは、Linuxカーネルに加えて、 実務上利用するソフトウェアやライブラリなどをまとめて パッケージ化したもの。 • いろいろとディストリビューションが出ているが、実 際はそんなに大きくは変わらないので、慣れたもの を利用するのが一般的。 ディストリビューションの現状 • 主に3つに分類され、パッケージ管理の方法が 若干異なる。 RPM 系 Debian 系 その他 Red Hat Linux Debian GNU/Linux Slackware Linux Turbolinux Corel Linux Plamo Linux Miracle Linux Omoikane GNU/Linux LASER5 Linux Vine Linux Konadara MNU/Linux Linuxの導入 • 最近のLinuxのインストールの非常に簡単 • また、インストール直後の状態でも「そこそこ」の 設定になっている。 • Linuxのインストール自体よりも、インストールし た後、いかに設定していくかが大事。 Webサーバー • コンテンツ(ex.HTMLやCGI)を準備しておき、ブ ラウザからの要求に従って、それらを送り返す機 能<Webサーバー> • ほとんどの場合、Apacheが利用される • 動的なページ生成をさせるため、バックエンドで perl、PHP、rubyなどで記述されたコードを準備す ることもある • 単純なWebサーバーではなく、アプリケーション サーバーとして利用することも。データベース連 携が近年の主流。 メールサーバー • メーラーから送信要求のあったメールを正しい送 り先に届けたり、メールを保管しておく機能 • 今までの主流は sendmail であったが、これから は postfix や qmail などの新しいものも多く利用 される ネームサーバー • ホスト名をIPアドレスに変換したりすることで、ホ スト名入力から正しくアクセスできるようにするた めの仕組み • 標準は BIND であるが、最近セキュリティホール が多々見つかることもあって djbDNS を使うこと もある。 • 今、売りに出されているディストリビューションの ほとんどは、セキュリティホールがあるバージョン が添付されているので、要注意。 ファイルサーバー • Sambaを利用すると、Windowsの「ネットワークコ ンピューター」から参照可能なファイルサーバー • NetatalkではMacintoshの「Apple Talk」が利用で きる。 データベースサーバー • 各種情報を格納しておき、各種情報を素早く容 易に取り出すための仕組み。 • RDBMSだと、Oracle、Sybase、Informixなどの商 用以外に、PostgreSQLやMySQLなどもある。 その他 • これら以外にも多くの利用方法がある。古典的な ものでも、他に次のようなものがある。 – ゲートウェイ/ルーター – プロキシサーバー – ftpサーバー • 一見、これらは単純なサービスのように見える が、組み合わせると、興味深いシステムを構築 することも可能 利用例① • WindowsからメンテナンスのできるWebサーバー • 利用するソフトウェア:Apache・Samba 学内・社内ネットワーク インターネット ブラウザ Windows クライアント ftpなどを使わすとも「ネット ワークコンピューター」経由 でコンテンツをアップロー ド! Apache (Web) Samba (ファイル) 利用例② • データベースシステムをバックエンドに構えたWeb サーバー • 資料情報や物品管理を行うシステムなど • 利用するソフトウェア:Apache・PostgreSQL・PHP PostgreSQL データベース PHP 言語 Apache Webサーバー データベースに格納されて いる情報をブラウザから参 照・管理 設定ツール • 最近は、設定ファイルを1つ1つ触らなくとも、設 定できるツールがいくつか出ている。 • 例:「 HDE Linux Controller」 – ホライズン・デジタル・エンタープライズが提供としてい る設定・管理ソフト。 – 監視などの機能もある。 – http://www.linuxcontroller.com/ セキュリティに関する基礎知識 • 安全な運用は「適切な設定」から – 不必要なサービスは動かさない • ps auxw などで動作しているアプリケーションをチェック • netstat -a などで空いているポートをチェック • 使っていないソフトが動いていたら、停止させる。 – ソフトの設定も確実に目を通して、チェック – できれば、それぞれのサービスの利用元も制限 • tcp_wrapper や ipchains を利用 • ソフトウェアの選択も適切に – 極力、ネットワークに平文でバスワードを流さない – sshやAPOPなどの利用 セキュリティに関する基礎知識 • いくらきちんと設定しても、普段のメンテナンスも きわめて重要 – セキュリティ情報に目を通すようにする • 問題のあるソフトはバージョンアップを行う – ログを調べる • 負荷状況などを見ると同時に不正アクセスなどのチェック Linuxの今後のゆくえ • アプライアンスサーバーの中にこっそりと... • 組込系OSとして – 制御系など – リアルタイム処理も可能 RT-Linux • クライアントOSとしても – とりあえずは用途限定型のクライアント(かな?) • PDAなどにも – Palm / Zaurus / Windows CE機 などにも クライアント環境の現状 • デスクトップ環境は急速に進化 – – – – – 「GNOME」「KDE」などは特にめまぐるしい Netscapeやメーラーも安定してきている オフィス系のソフトもまだまだだが、揃いつつある ダイアルアップ環境は整っている かな漢字変換もおよそ揃った • 各種エミュレータなどもおもしろい – 「VMWare」を使うと、Linux上でWindowsなどの他の OSを動かすことができたりする。 – http://www.vmware.com/ 参考になる情報源 • 書籍 – 「新 Linux/UNIX 入門」 林 晴比古 著 • ソフトバンク パブリッシング ISBN4-7973-1318-8 – 「Red Hat Linux で作るネットワークサーバー構築ガイド」 • 秀和システム ISBN4-7980-0026-4 – 「Apacheハンドブック 第2版」 Ben Laurie 他 著 • オライリー ISBN4-87311-010-6 – 「Linuxメールサーバー構築ガイド」 高橋 隆雄 著 • エーアイ出版 ISBN4-87193-737-2 – 「SAMBA De GO×2」 太田 俊哉 他 著 • 秀和システム ISBN4-87966-991-1 参考になる情報源 • Web(技術情報) – 日本のLinux情報 • http://www.linux.or.jp/ – Linux JF (Japanese FAQ) Project • http://jf.linux.or.jp/ – @IT • http://www.atmarkit.co.jp/flinux/ – びぎねっと • http://Begi.net/ 参考になる情報源 • Web(セキュリティ) – SecurityFocus (英語) • http://www.securityfocus.com/ – Liunx Security Knowledge Base (英語) • http://www.securityportal.com/lskb/ – Linux Secirity(英語) • http://www.linuxsecurity.com/ – NetSecurity • https://www.netsecurity.ne.jp/ • Web(ニュース) – 日刊アスキーLinux • http://linux.ascii24.com/linux/ ご静聴ありがとうございます。
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