CSRレポート 2015 【ヘルスケアネットワークの構築】 事業活動を通じて、地域コミュニティの核となるヘルスケアサービスを推 進してまいります。 1995年の阪神・淡路⼤震災、2008年のリーマン・ショック、そして2011 年の東⽇本⼤震災。近年、さまざまな災害や経済危機に⾒舞われた我が国 では、既存の経済⾄上主義から脱却した、温もりのある新しい社会像が求 められております。また、少⼦⾼齢時代を迎え、医薬分業・⾯分業・保険 介護など、さまざまな制度改⾰がおこなわれ、病気の予防や軽治療、健康 維持に重点を置くセルフメディケーション時代への本格移⾏が進んでおり ます。 そのような状況下で、私たちは更なる「おもてなし」を追求し、そして、 お客様・患者様にとってより⾝近で重要な役割を果たす新しい医療拠点と しての存在意義を⾼め、ココロとカラダを元気にする「ライフスタイル提 株式会社ココカラファイン 案ストア」を構築してまいります。 代表取締役社⻑ ココカラファインは今後も、経営理念「⼈々のココロとカラダの健康を追 塚本 厚志 求し、地域社会に貢献する」のもと、ドラッグストア事業、調剤事業、介 護事業、インターネット販売事業などを連携させた「地域のヘルスケア ネットワークづくり」を進めてまいります。 私たちを取り巻く社会環境は、少⼦超⾼齢社会を背景に、医薬分業(※ 1)、⾯分業(※2)、介護保険などの制度改⾰や規制緩和が進む中で、⽣活 習慣病の予防や治療、あるいは⽣活者⾃⾝が健康維持に積極的に関わるセ ルフメディケーションなど、健康に対する国⺠のニーズが⽇ごとに⼤きく なっております。次世代に必要とされるドラッグストア・薬局には、セル フメディケーションへの参与が必須であると考えております。 政府は、健康寿命の延伸を重要課題と位置づけております。可能な限り最 期まで住み慣れた地域で暮らせるよう、住まい・医療・介護・予防・⽣活 ⽀援などを⼀体的に提供する地域包括ケアシステムの構築を推進しており ます。私たちの店舗は、地域のヘルスケア全般の相談窓⼝としての機能を もち、そこにいる資格者がお客様とのコミュニケーションの基点となっ て、チーム医療のコーディネーター役を担っていきたいと考えておりま す。こうした健康寿命延伸施策や地域包括ケアシステムにおいて、私たち が中⼼的な役割を果たすことができると確信しております。 私たちは、全国に広がるドラッグストア店舗の利便性や、業界トップクラ スの調剤機能を活かし、このような本業を通じた社会課題の解決につなが る取り組みを推進し、あらゆるステークホルダーから信頼される企業であ り続けられるよう努⼒してまいります。 1 ※1 医薬分業 国⺠医療の質的向上を図るために、医師が患者に処⽅せんを交付し、薬局の薬剤師がその処⽅せんに基づき調剤を⾏う 仕組み。 ※2 ⾯分業 医療機関を限定せず、薬局が広い地域からの処⽅せんを受け付ける仕組み。 2 私たちは、お客様、株主様、お取引先様、従業員、地域社会など様々なステークホルダーの皆様に対して、 「⼈々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する」という経営理念、および「おもてなしNo.1にな る」というコーポレートスローガンに基づいて事業を営むことが、経営およびCSR活動の基本であると考えてい ます。またその「おもてなし」を具現化できる⼈財像として「求める⼈財像」を、とるべき⾏動として「5つの ⾏動指針」を明⽂化しています。 ⼈々のココロとカラダの健康を追求し、地域社会に貢献する おもてなしNo.1になる おもてなしベーシック お客様が必要な時に必要なだけ商品やサービスを快適な環境のもとご納得頂ける価値・価格でご提供すること おもてなしプレゼンテーション お客様の関⼼や好みに⼗分対応し、またお客様ご⾃⾝では気づいていない商品やサービスをご提案、ご提供する ことにより、お客様にとっての「感動や喜び」を創造すること 地域におけるヘルスケアネットワークを構築する 社会に必要とされる優れた⼈財を育成する 求める⼈財像 1. しなやかな感性⼒ 2. やりきる実⾏⼒ 3. 多様性への融合⼒ 3 ⾏動指針 1. 感謝 2. 挑戦 3. 柔軟 4. 共感 5. 信頼 私たちは、 1. 「良き企業市⺠」として、社会から信頼されることをめざします。 2. 内外の法令や社会規範・ルールを遵守し、社会的良識に基づいて⾏動します。 3. 健康・医療に携わるものとして、安全・安⼼を最優先に、商品・サービスを提供します。 4. お客様やお取引先をはじめ、広く社会と健全で公正な関係を築きます。 5. ⼈権を尊重するとともに、差別や嫌がらせのない明るい職場を作ります。 6. 公私の別を明らかにし、社会的良識に反する接待や贈答は受けません。 7. 会社の保有する情報を適正に管理するとともに、適切に開⽰します。 8. 社会の秩序と安定に脅威を与える「反社会的勢⼒」との関係は⼀切排除します。 私たちは経営理念のもと、「健全な事業活動を通じて、地域社会の⼀員として責任のある⾏動をとり、⼈々のコ コロとカラダの健康を追求し、持続可能な社会の実現に貢献する」ことをCSR基本⽅針とし、以下の「7つの原 則」及び「6つの中核主題」を掲げ、CSR活動を⾏っています。 1. 説明責任 2. 透明性 3. 倫理的な⾏動 4. ステークホルダーの利害の尊重 5. 法⽀配の尊重 6. 国際⾏動規範の尊重 7. ⼈権の尊重 4 1. コーポレート・ガバナンス 2. ⼈権・労働慣⾏ 3. 環境 4. ビジネスパートナーとの協働 5. お客様への対応 6. 地域社会への貢献 5 ココカラファインは、企業が存続するためにはコンプライアンスの徹底が必要不可⽋であるとの認識のもと、す べての役員および従業員が⾼い倫理観に基づいて⾏動し、「良き企業市⺠」として広く社会から信頼される経営 体制を確⽴することに努めています。また、投資家からの信頼を得るべく、企業価値の最⼤化を図るために経営 判断の迅速化及び経営チェック機能の充実を⽬指すとともに、経営活動の透明性の向上に努めています。 ココカラファインの取締役会は、経営戦略・事業計画の執⾏に関する最⾼意思決定機関として、経営の適法性・ 妥当性を確保することを⽬的とし、取締役5名(うち1名は社外取締役)で構成されています。原則⽉1回の定例 取締役会と、必要に応じた臨時取締役会を開催しています。取締役の任期は、株主の意向をより適時に反映する ために1年とし、少⼈数による迅速かつ適切な運営を⾏うために、取締役を10名以内とする旨を定款で定めてい ます。 監査役会は、監査役3名(うち社外監査役2名)で構成され、定例監査役会および臨時監査役会にて、監査に関す る重要事項の報告、協議ならびに決議を⾏っています。監査役は取締役の職務の執⾏ならびに会社の業務や財産 の状況を監査し、計算書類等に関しては会計監査⼈からの報告に基づき監査を⾏っています。監査実施にあたっ ては、取締役会に出席し、適宜意⾒を述べる他、役員に対して報告を求め、書類・記録等を閲覧し、あるいは重 要な会議に出席するなど、必要に応じ適切に⾏っています。 6 ココカラファインは、内部統制における4つの⽬的(①業務の有効性及び効率性、②財務報告の信頼性、③事業 活動に関わる法令等の遵守、④資産の保全)のため、システムの充実と強化に取り組んでいます。 業務執⾏部⾨から独⽴した内部監査室が、代表取締役社⻑に承認された計画に基づいて内部監査を⾏っていま す。会社の業務実施状況を把握し、①全ての業務が法令・定款および社内規程に準拠しているか、②適正・妥当 かつ合理的に⾏われているか、また③会社の制度・組織・諸規程が適正・妥当であるかを、公正・不遍に調査・ 検証しています。監査結果を被監査部⾨にフィードバックするとともに、経営層および監査役に適時報告するこ とによって、不正・過誤の防⽌、会社の財産の保全ならびに経営効率の向上に努めています。 ココカラファインは、2013年4⽉に販売⼦会社6社を統合し、中核事業であるドラッグストア・調剤事業の営業 機能を集約しました。また、事業を効率化・⾼度化し、経営の透明性向上を⽬指し、ガバナンス強化を図ってき ました。 さらに2015年4⽉より、組織運営を、より迅速かつ効率的な経営体制へと改⾰し、各事業と本社組織の役割と責 任を⼀層明確にしました。 営業本部と経営戦略本部の2つの本部が、グループ全体を俯瞰できる体制にしました。営業本部が管轄する販売 ⼦会社組織を簡素化し、事業に専念できる体制を整え営業⼒強化を図っています。また経営戦略本部の完全サ ポートにより、統合の相乗効果を最⼤化する体制を作り、意思決定の迅速化・業務の効率化を推進しています。 他⽅、法務室を新設し、リーガルリスクを経営上の重要な戦略的課題と捉えて法務機能を強化しました。 (株)ココカラファイン 7 (株)ココカラファイン ヘルスケア ココカラファインは、経営上の重要な事項について、グループ経営会議において慎重に協議するとともにグルー プ会社全体の意思統⼀を図っています。その他、代表取締役社⻑を議⻑としたコンプライアンス・リスクコント ロール会議が、コンプライアンス体制の充実・強化を⽬的として推進活動、教育研修等を⾏い、内部統制体制の 構築・改善に努めています。 また、グループ経営会議で定められた事項を、速やかに審議・答申する各種委員会を設置しています。代表取締 役社⻑を議⻑とする「CSR委員会」「内部統制委員会」「賞罰委員会」をはじめとした下記委員会が、各事業と 連携しながら、その浸透と実⾏を管理・監督することでコーポレート・ガバナンスの強化を図っています。 委員会⼀覧 № 委員会名 内容 委員⻑ ココカラファインの企業価値・ブランド価値を向上させることを⽬的に、経 1 CSR委員 会 営理念「⼈々のココロとカラダの健康を追及し、地域社会に貢献する」を実 現するために、基本⽅針で挙げる6テーマにおいて、「お客様」「お取引先 様」「株主様」「従業員」などのステークホルダーの期待に応える企業活動 代表取締 役社⻑ を牽引する。 2 内部統制 委員会 会社法ならびに⾦融商品取引法の要請する内部統制システムの整備に関する 本社取締役会の諮問機関。 グループ全体の内部統制の維持向上に資することを⽬的とする。 8 代表取締 役社⻑ ココカラファインが保有する個⼈情報の保護・管理に関する個⼈情報保護統括責 任者の諮問機関として位置付け、グループ全体の個⼈情報保護・管理の向上に資 個⼈情報 3 保護委員 会 ⼈事・総 することを⽬的とする。 個⼈情報の⽬的外利⽤、漏洩などが無いように、情報セキュリティ⾯などの情報 を取扱う全ての部署の管理態勢に関する審議を⾏う。 務担当役 員 個⼈情報に関する事故、トラブル発⽣時の対応を⾏う。 ココカラファインにおけるプライベートブランド商品の開発および販売⼦会社等 4 品質管理 を通じ顧客に提供する商品の品質の維持、確保を⽬的とする。 企業品質 委員会 下部組織として品質管理⼩委員会を設置し、個別のプライベートブランド商品開 部⻑ 発の検討、可否に係る審議を⾏う。 ココカラファインとして省エネ法に関する取り組みのPDCAサイクル※を回し、 5 省エネ委 員会 進捗管理及び対策を討議する。 経済産業局へ定期報告、中⻑期報告に即した社内での省エネ活動を統括する。 ⼈事・総 務担当役 員 店舗の省エネ対策を周知、管理し、省エネ活動をサポートする。 ココカラファインの従業員に対する表彰および懲罰処分を実施する際に公正な取 扱いを⾏うために設置し、賞罰の決定を⾏う。 6 賞罰委員 会 下部組織として賞罰⼩委員会を設置し、⼩委員会ではココカラファインからの賞 罰案件に関して、定期表彰と軽微(減給未満の懲罰が適当であると判断する事 代表取締 役社⻑ 案)な懲罰を決定するとともに、軽微ではないと判断する事案を賞罰委員会に上 程する。 7 安全衛⽣ 委員会 労働安全衛⽣法に基づく安全委員会と衛⽣委員会とを統合した委員会。 ⼈事・総 労働者の危険または健康障害を防⽌するための対策などを調査・審議することを 員 ⽬的とする。 /⼈事部 (労働安全衛⽣法第19条) 8 規程管理 委員会 務担当役 ⻑ グループの諸規程の整備、管理に関する本社、⼦会社取締役会の諮問機関。 ⼈事・総 規程の整備を通じてグループの業務運営の適正化、強化、効率化を図ることを⽬ 務担当役 的とする。 員 本社・⼦会社の業務効率、⽣産性向上策の協議、推進を⾏うとともに、事務部⾨ 9 業務標準 化委員会 の業務基準書(業務⼿順書、業務フロー)および店舗運営マニュアルの作成、改 廃、徹底に関する⽅策および運⽤状況を統括する。 下部組織として業務基準書部会および店舗運営マニュアル部会を設置し、その作 企業品質 部⻑ 成、改廃、徹底の推進を⾏う。 ※ PDCAサイクル Plan(計画)、Do(実⾏)、Check(検証)、Action(改善)を継続的に⾏い、その内容を改善しながら次のステージ へと進めていくこと。 9 ココカラファインは、主にコンプライアンスの遵守を⽬的として、企業内の不正や法令違反の通報を受け付ける 内部通報制度を設けています。また、⼈権や差別に関する情報、業務や職場環境を含めた改善提案なども積極的 に受け付ける⽅針です。通報相談窓⼝としては、客観性を担保するため、外部専⾨会社を窓⼝とする「リスク ホットライン」を設け、社内の⾃浄作⽤による問題の早期是正を図っています。また社内には、従業員満⾜を⾼ めるための「ES(Employee Satisfaction)相談窓⼝」を設けています。 通報された内容に関して、毎⽉開催されるコンプライアンス・リスクコントロール会議にて報告が⾏われ、対応 策の検討を⾏っています。 10 ココカラファインでは、約1万5千⼈の従業員が働いて います。その従業員をすべて会社の財産と考え「⼈ ⽣産年齢⼈⼝割合の推移 財」と呼称し、「⼈財」が最⼤限活躍できるよう⽀援 し、従業員にとって魅⼒的な職場をつくることに取り 組んでいます。また、「⼈財」の中には、パートタイ マー、アルバイト、育児のための短時間勤務者など 様々な就労形態の従業員がいます。このような多様な 働き⽅を⽀援することが企業としての責務であると考 えています。 こうした取り組みによって、⽣産年齢⼈⼝の減少が⾒ 込まれる中、多様な⼈財を確保するとともに、全く新 しい考え⽅を取り⼊れて新たな価値を⽣み出し、企業 の競争⼒強化につなげていきます。 出典:国⽴社会保障・⼈⼝問題研究所 「ココカラファイン倫理綱領」において、「⼈権を尊重するとともに、差別や嫌がらせのない明るい職場を作り ます。」と定めています。⼈財の⼈権・個性・多様性を尊重し、差別や嫌がらせのない職場環境づくりを進め、 基本的⼈権及び諸権利の擁護について理解・認識の向上を図るための教育を実施しています。 安全で働きやすい職場環境の維持・向上に向けて、安全衛⽣委員会を設置しています。⻑時間勤務の防⽌、社員 の職場環境改善要望の検討、社員の健康増進のために洗⼝液やうがい薬の設置、産業医による健康セミナーの実 施等幅広い取り組みを⾏っています。平成26年度は、たばこの害と健康診断結果についてのセミナーを実施し、 社員の健康向上につなげています。 約1万5千⼈の従業員と対話を図り、意⾒を募るための⼀つの⽅法として、定期的にES(従業員満⾜度)調査を実 施しています。職場環境や⽇々の業務内容、組織運営などへの意⾒を集約し、調査結果をもとに、職場環境の改 善、業務の効率化などを図っています。 就業規則にてハラスメント⾏為を明記し、さらにパワーハラスメント防⽌規定・セクシャルハラスメント防⽌規 定を制定、社員への教育を⾏い、ハラスメント⾏為を⾏った場合には厳正に処分される体制を整えています。 11 個々の従業員の能⼒を最⼤限に引き出し、公正な評価を実現することを⽬的に、⾃⼰評価を起点とする⼈事評価 制度を設けています。従業員⾃⾝の評価後、上⻑が評価・⾯談を⾏っています。これにより、従業員が⾃らの成 果や⻑所と課題を把握し、評価の透明性・公平性を確保しています。 ココカラファインでは、従業員の⼠気向上につなげるため、独⾃の表彰制度を設けています。 お客様のお褒めの⾔葉をもとに社員の表彰を実施し、おもてなしプレゼンテーション※の好事例を⽔平展開して います。 ※ おもてなしプレゼンテーション お客様ご⾃⾝が気づいていない商品やサービスをご提案・ご提供することで、お客様の感動や喜びを創造する、付加価 値の⾼い接遇サービス。 ココカラファインでは、多様な⼈財により競争⼒が⽣まれ、企業の持続的成⻑につながるという考えのもと、ダ イバーシティ(多様な⼈財の活躍推進)に取り組んでいます。 誰もが活躍できる職場づくりを理念に掲げ、障がいのある⽅が⼒を発揮できる職場づくりに取り組んでいます。 障がいのある⽅の雇⽤の更なる促進と活躍機会拡⼤のため、株式会社ココカラファインソレイユを設⽴、特例⼦ 会社の認定を受けました。障がいのある⽅が働きやすい職場環境を整えています。 パートタイマーを含む従業員が、育児をしながら働き続ける事ができるよう、育児⽀援制度を整備しています。 育児休業期間を最⼤で2歳まで延⻑可能とし、育児短時間勤務制度は⼩学校⼊学まで利⽤できるなど、法定⽔準 を超える制度を運⽤し、⼦育てを⾏う従業員を⼿厚く⽀援しています。 定年退職者の再雇⽤制度を制定し、豊富な経験のある、スペシャリティを持った⼈財の再雇⽤を⾏っています。 該当者に対して⾯談を⾏い、制度の説明や役割の認識を促し、現役同様の働き⽅ができる環境を整備すること で、モチベーションの向上を図っています。 12 グローバルな⼈財を育成することを⽬的として、留学⽣の就職活動の⽀援を⾏っています。また、中国で展開し ている店舗では、現地スタッフに対して、「おもてなしNo.1になる」ための教育を実施しています。 13 地球環境を保全し、豊かで美しい⾃然環境を次の世代に受け継ぐことが⼈類共通の課題であり、ココカラファイ ンにとっても重要な使命であると考えています。地球環境を保全しながら企業活動を進めていくため、お客様、 お取引先様、地域社会など様々なステークホルダーと協⼒し合いながら、事業活動での環境負荷低減、本業を通 じた環境保全に全社をあげて取り組んでいきます。 特に地球温暖化の防⽌は⼤きな課題のひとつであると認識し、温暖化の主因である⼆酸化炭素の排出削減に積極 的に取り組みます。 2 地球規模の問題である環境問題、特に気候変動の問題 は、海⽔⾯の上昇や異常気象の増加、農漁業への影響 地球の気温上昇予測 など、将来世代まで影響のおよぶ重⼤な脅威です。 IPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の報告 では、地球温暖化により、最悪の場合2100年には気温 が4.8℃上昇するとされており、その主たる原因はCO2 によるものとされています。我々はCO2を重要な環境 要因と位置づけ、排出削減に努めていきます。 出典:IPCC「第5次評価報告書」 全国地球温暖化防⽌ 活動推進センターウェブサイト (http://www.jccca.org/) 環境負荷の低減のため、新規店舗の天井・棚下・冷蔵什器・外部看板などあらゆる光源において、LED照明を積 極的に採⽤しています。また、既存の店舗についても改装時に⼊れ替えを⾏っており、今後も継続していきま す。 また、エアコンの設定温度に制限を設ける、店舗バックヤードの消灯や営業時間外の照度を抑えるなど、無駄な 照明を抑えることで環境負荷低減に努めています。 14 ココカラファインの各販売⼦会社がそれぞれ⾏っていた物流システムを統合し、物流拠点の⾒直し、配送ルート の適正化、配送頻度の適正化によりCO2の排出を削減していきます。 ココカラファインは国内で1,300店を超えるドラッグストア・薬局を運営し、多くの商品・サービスを取り扱っ ています。そのため、ココカラファインの事業活動により消費するエネルギーや廃棄物を削減することは、持続 可能な社会の実現に向けて⼤きな影響を持つと考えています。 またエネルギー、廃棄物の削減はコスト削減につながり、ココカラファインにとっても⼤きな価値があるため、 積極的に取り組んでいきます。 ⾃動発注システムによる適正な在庫管理や、お客様に需要の⼤きい期限切迫商品については⾒切り販売を⾏うな ど、商品の廃棄量の削減に努めています。 店舗の改装や閉店の際、不要になった陳列棚や什器を廃棄せずに整備し、他店舗で再利⽤しています。 また、買い物袋を適正に使⽤するためのマニュアルを制定し、資源の無駄を削減するとともに、「容器包装に係 る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」に則り、容器の再商品化に努めてい ます。 15 私たちはビジネスパートナーと適切かつ強固な協働関係を結ぶことが、持続的な事業運営に必要であると考えて います。「ココカラファイン倫理綱領」に、「法令や社会規範・ルールを遵守し、社会的良識に基づいて⾏動す ること」、「広く社会と健全で公正な関係を築くこと」、「反社会的勢⼒との関係の⼀切排除」を定め、社員の 倫理観を醸成しています。 ココカラファインは、市場競争⼒の⾼い商品・サービスを提供していくと同時に、⾼い倫理観に基づく公正な事 業活動の実践を⼼掛けています。 従業員⼀⼈ひとりの倫理観を醸成していくだけでなく、ビジネスパートナーとの良好な取引関係の構築に注⼒し ていきます。 ビジネスパートナーへ定期的にアンケート調査を実施し、不当な要求や不適切な事案がないか、その他要望につ いて情報収集を⾏っています。 アンケート結果のフィードバックを研修等で⾏い、お取引様との適正な関係を保つとともに、不満の解消に努め ています。 ビジネスパートナーとの強固な協働関係を築くことが、厳しい市場環境を勝ち抜く競争⼒になると考え、双⽅が 対等な⽴場で参加する会員組織「CF会」を発⾜し、年1回の総会を開催しています。この総会はココカラファイ ンの経営⽅針や営業⽅針を共有し、ビジネスパートナーがココカラファインの活動を介して社会への貢献やお客 様へのご提案をどのように⾏っていくかを⼀緒になって考える、とても重要な場となっています。 製造委託に関連する法令の勉強会を定期的に実施し、従業員が正しい知識を持つことで、不適切な取引⾏為の防 ⽌を徹底していきます。 プライベートブランド等の⽣産委託先の選定、取引条件や価格の設定などを公平性・透明性のある話し合いで合 意し、決定しています。⽣産委託先との協働により、公正で良好な取引関係を継続、発展させることで、より良 い品質の商品をお客様にお届けしています。 16 ココカラファインでは、社会秩序の向上が持続的な社会・企業の成⻑につながるという考えのもと、反社会的勢 ⼒との関係を⼀切排除することを定めています。 警察、顧問弁護⼠など外部との連携により、反社会的勢⼒からの接触に適時適切に対応できる体制を構築してい ます。 反社会的勢⼒に対応する規定・マニュアルを制定し、定義や義務、所管部署や、反社会的勢⼒の詳細や応対体制 の整備、実際の対応⽅法について細かく定めています。また、ビジネスパートナーすべてと「反社会的な勢⼒と の関係がないことを⽰す確認書」を締結しています。反社会的勢⼒との取引防⽌に努め、既存取引を発⾒した場 合には速やかに解消します。また、新たな取引を検討する場合には、取引開始の⼿順に従ってチェックを実施 し、取引候補先が反社会的勢⼒に該当するか否かの確認を⾏い、万⼀該当した場合には取引を回避しています。 17 私たちは、コーポレートスローガン「おもてなしNo.1になる」の実現に向けて、安全・安⼼、そして便利に店舗 をご利⽤いただけるようにする“おもてなしベーシック”と、お客様ご⾃⾝が気づいていない商品やサービスをご 提案・ご提供することでお客様の感動や喜びを創造する“おもてなしプレゼンテーション”の⼆つのテーマで取り 組みを推進しています。そして、お客様相談センターや社⻑直⾏便などに寄せられたお客様の声や、スーパーバ イザー※1やミステリーショッパー※2などお客様⽬線での店舗チェックを活⽤し、改善活動の検証やこれらの取り 組みの⾼度化を図っています。 多様化するお客様のニーズに応えることは、私たちに絶えず求められる重要な社会的役割であると認識してお り、最重要課題のひとつとしてこれからも取り組みを推進していきます。 ※1 スーパーバイザー お客様⽬線で店舗運営の監督・管理をする担当者のこと。 ※2 ミステリーショッパー ⼀般消費者を装って店舗を利⽤し、接客態度や店内環境を評価するという調査⽅法、もしくは、同調査において評価を 実施する調査員のこと。 私たちは、お客様に「安全・安⼼」をお届けし、店舗の利便性を⾼めるために、全社⼀丸となり【おもてなし ベーシック】を推進しています。 ココカラファインは、「段差がなく、滑りにくい床」「⼤きな⽂字表記」「ピクトサイン(視覚表記案内)の設 置」「ゆとりある通路の確保」など、患者様・お客様にご利⽤いただきやすいお店づくりを進めています。ま た、ココカラファインの店舗には、お薬をお買い求めになったお客様がその場で服薬できるように、全店に ウォーターサーバーが設置されています。 18 ココカラファインは、時間の都合や体調などにより実店舗へ⾏けないお客 様でも、24時間インターネットで医薬品や化粧品、⽣活雑貨品などを購 ⼊できるように、インターネット通販事業へ取り組んでいます。このココ カラファイン.ネットは、お客様が安全、安⼼に医薬品を購⼊できるよう に、第⼀類医薬品の問診機能や症状で選ぶ仕組みなど、独⾃のシステムを 備えています。 お客様が安⼼してお買い物ができるようにするため、外部の有識者も交え た「品質管理委員会」で毎⽉、当社で取り扱っている商品の品質管理の検 討・審議を⾏っています。 また、プライベートブランド商品の品質管理確認や新規開発を審議する 「品質管理⼩委員会」も適宜開催しています。この委員会で検討された製 造⼯場の基準フォーマットをもとに、プライベートブランド商品を⽣産す る⼯場との⽬線合わせもスタートしています。 ディアパーフェクト ココカラファインの特徴は、豊富な専⾨知識と、カウンセリングによる接客販売に重点を置いた付加価値の⾼い サービスを提供していることです。その特徴をさらに強化するために、スタッフの教育体制を充実させ、ヘル ス&ビューティケア関連商品を中⼼に幅広い品ぞろえを⾏うことでお客様のニーズにお応えしています。 ヘルス&ビューティケアのお悩み解決のための専⾨知識の修得・業務教育 お客様・患者様のニーズにお応えできるように、医薬品販売や化粧品販売に関わる知識、業務マニュアルの習 得、販売技能養成や登録販売者などの資格取得に関する教育や⽀援を⾏っています。 基礎教育 集合研修(商品知識) 19 集合研修(ディスカッション) eラーニング セレクトセミナー レジ業務資格制度 ココカラファインの店舗では、接客レベルが⼀定⽔準に達し、レジ認定項⽬をクリアしたスタッフのみが、「レ ジ業務」を担うことができます。 全国1,300店舗を超えるココカラファインの店頭に寄せ VIVCO商品ラインアップ られたお客様の声をもとに、お客様の期待にお応えする ための商品開発を⾏っています。その中には特許技術を 応⽤した「今までなかった商品の開発」も含まれていま す。ここでは九州⼤学の後藤教授の研究チームが開発し た特許技術S/O技術を応⽤した化粧品シリーズ 「VIVCO」についてご紹介します。 VIVCOシリーズは国⽴九州⼤学とココカラファインネ クストの神⼾研究所が、産学連携でS/O技術の化粧品へ の応⽤を⾏い開発している商品で、年間17万本以上販 売されています。 S/O技術 親⽔性の成分にS/Oナノコーティングを施し、オイル中 に分散させ、オイルとともに成分を各層の深部まで届け ることができる、医薬品や化粧品の⻑期安定性と浸透⼒ を⾼める特許技術。 薬剤師の業務はこれまで、医療機関の処⽅に基づき患者様に処⽅薬を提供することが主流でしたが、これからは 病気を未然に防ぐための指導を主軸としたコミュニケーションも重要になってきます。患者様の服薬情報や服薬 後の体調の変化、⾷事や運動の実態などを把握し、薬剤師がただ薬を販売するのではなく、⽣活者の健康コンサ ルタントとなり、健康管理をサポートすることが求められています。私たちは、地域に必要とされるプロフェッ ショナルな薬剤師の育成を推進しています。 20 「お薬⼿帳」とは、患者様の薬の服⽤履歴や、既往症、アレルギーなどの情報を記載する⼿帳のことです。 私たちは、患者様と薬剤師をつなぐコミュニケーション⼿段として、「お薬⼿帳」の活⽤は重要であると考えて います。患者様に医薬品の安全性を理解していただき、適切な医療を提供していくため、「お薬⼿帳」の啓蒙・ 活⽤を通じた持参率向上に取り組んでいます。 「お薬⼿帳」の必要性 1. 複数医療機関受診などの把握 2. 医薬品の重複服⽤、相互作⽤防⽌ 3. 副作⽤発現の抑制 4. アレルギー歴などの把握 5. サプリメント等との相互作⽤防⽌ 6. 災害時等の服薬状況把握 ジェネリック医薬品とは、医薬品の特許が切れた後に、厚⽣労働省から「同じ有効成分を同量含み、原則的に同 等の効果や効能が得られる」と認められた医薬品です。⼀般的に開発費⽤がかからなくなる分、価格が安くなり ます。ジェネリック医薬品の使⽤を推進することで、社会全体の医療財政圧迫問題だけでなく、患者様⼀⼈⼀⼈ の医療費の削減につながります。私たちは、安全と効果の検証の確認を⼗分に⾏い、ココカラファイン独⾃の基 準に合致した医薬品を取扱い、ジェネリック医薬品の使⽤促進を⾏っています。 私たちは、病院や薬局への⾏き来が困難になった⾼齢者 や難病の患者様にとって、病院ではなく⾃宅で受けられ 在宅調剤への取組実績 る在宅医療を、⽣活の質を確保する⽣命線だと考えてい ます。中でも患者様が受ける医療のほとんどは薬物治療 であり、薬剤師が在宅調剤で果たすべき社会的役割は⾮ 常に⼤きいと考えています。2015年3⽉には全調剤店舗 234店舗中在宅調剤拠点数は100店舗(前年⽐149%) となりました。医師・看護師と連携して、薬剤師による 医療のヘルスケアネットワークの構築に向けた取り組み を推進しています。 21 多様化するお客様のニーズを把握するため「お客様相談センター」や「社⻑直⾏便」を設置し、お客様の声を積 極的に集めています。集められたお客様のご期待・ご要望は経営幹部にフィードバックされ、営業活動に活かさ れています。 「お客様相談センター」「社⻑直⾏便」には、年間2万件を超えるお客様の声が寄せられています。 寄せられたご意⾒の中で「すぐにできること」「時間やコストをかけないと改善できないこと」など内容によっ て優先順位をつけて、PDCAサイクル※1をまわしていきます。この中では店舗造作などのハード⾯での改善や、 接客接遇に関するソフト⾯での改善など、様々な改善活動を推進しています。 ここでは、おもてなしベーシックの項⽬で取り上げた「ウォーターサーバー」全店導⼊の経緯をご紹介いたしま す。 お客様がご購⼊されたお薬をその場ですぐに服⽤して、つらい症状を少しでも早く緩和できるようにと、レジ付 近にウォーターサーバーを設置した店舗がありました。すると、「⾵邪薬を買ったら『すぐにお飲みになります か?お⽔ご⽤意できます』と聞かれた。素晴らしい気遣い。そこまで逼迫してないから遠慮しちゃったけど。」 とツイッターでお客様からのお褒めの⾔葉をいただきました。これをきっかけに、他の店舗でもお客様をおもて なしするため、ココカラファインでは順次ウォーターサーバー設置を進め、現在では全店舗に設置が完了してい ます。 スーパーバイザー※2やミステリーショッパー※3がお客様⽬線で店舗チェックを⾏い、店舗の客観的な分析・評価 や、改善活動に対する検証を⾏っています。 ※1 PDCAサイクル Plan(計画)、Do(実⾏)、Check(検証)、Action(改善)を継続的に⾏い、その内容を改善しながら次のステージ へと進めていくこと。 ※2 スーパーバイザー お客様⽬線で店舗運営の監督・管理をする担当者のこと。 ※3 ミステリーショッパー ⼀般消費者を装って店舗を利⽤し、接客態度や店内環境を評価するという調査⽅法、もしくは、同調査において評価を 実施する調査員のこと。 ミッションに掲げている「社会に必要とされる優れた⼈財育成」のためには、「求める⼈財像」に描かれた能⼒ をもつスタッフが「5つの⾏動指針」に則って、それぞれの役割や⽴場に応じた「気づき」と「⾏動」を繰り返 し実践していくことが重要であると考えています。 22 求める⼈財像 当社が求める⼈財は「しなやかな感性⼒」、「多様性への融合⼒」、「やり切る実⾏⼒」を持ち合わせている⼈ 財、またはこの中のどれかで突出した能⼒を持っている⼈財です。 「しなやかな感性⼒」 社会やお客様、お取引先様、そして同じ⽬的をもって働く仲間たちが求めるものに気づく能⼒です。私たちは絶 えず変化への対応を求められています。この変化に対応するためにはまず変化に気づくことが⽋かせない要素で す。社会や環境と共⽣していくためには、“感じる⼒”が重要です。 「多様性への融合⼒」 異質な意⾒や考え⽅も受け⼊れながら健全な議論をし、常にベストな選択をしていくという能⼒です。PDCA※を ⾼速回転させるためには、この能⼒は⽋かせません。社会や会社などの組織、そして店舗という単位⼀つをとっ ても、⾃分ひとりで成り⽴っているものはなく、お互い意⾒を受け⼊れながら⾼め合っていく必要があります。 「やり切る実⾏⼒」 組織において課せられた使命、または⾃分⾃⾝が設定した⽬標に対し、責任と誠意をもって達成・遂⾏する能⼒ です。⽬標を達成するためには、時と場合に応じて、決断した⽅法や考え⽅を変更することに躊躇してはなりま せん。ですから「やり切る実⾏⼒」には、先ほど述べた「しなやかな感性⼒」と「多様性への融合⼒」も必要と なっています。 ※ PDCA Plan(計画)、Do(実⾏)、Check(検証)、Action(改善)の頭⽂字をとった⾔葉で、事業活動を円滑に進め るための業務プロセス。 5つの⾏動指針 我々がお客様・患者様に対して「おもてなし」をご提供するために必要な⾏動指針をまとめたものです。スタッ フはこの⾏動指針が記された「⾏動指針カード」を常に携帯し、「⾏動指針」に基づく⾏動がとれるよう、この カードを⾒直しながら⽇々の業務に励んでいます。 <⾏動指針カードの内容> ① 感謝 「感謝」とは、“ありがとう”という気持ちを進んで相⼿に伝えることである。 私たちは多くの⼈に⽀えられて⽣活しています。⽀えられているということを実感し、お客様や周りの⼈への“あ りがとう”という気持ちを進んで相⼿に伝えることができると、“感謝の輪”を広げることができます。⼿伝ってく れてありがとう。指摘してくれてありがとう。周りの⼈の⾏為をポジティブにとらえ、笑顔で⾏動することが⼤ 切です。 ② 挑戦 「挑戦」とは、情熱と誇り、執念を持って取り組み続けることである。? 情熱とは、お客様の期待に全⼒で応えようとする想い。誇りとは、必ず⽬標を達成できると信じる気持ち。執念 とは、できない理由を探すのではなく、絶対にあきらめない強い⼼。 情熱と誇り、執念を持ち、迷いや困難に直⾯してもあきらめずに挑戦し続け、そして困難を乗り越えた先には、 最⾼の感動を味わうことができます。挑戦を楽しめる⼈になろう。挑戦し続けられる⼈になろう。 ③ 柔軟 「柔軟」とは、変化や多様性を前向きに受け⼊れることである。 お客様も社会も、私たち⾃⾝も絶え間なく変化しています。異なる⽂化や価値観を受け⼊れ、多様性を持って新 たな価値を創造すること。変化を前向きに受け⼊れ、過去の成功体験を活かしつつも、それにこだわることな く、もっとご満⾜いただける⽅法を考えること。新たな物事や⽅法を受け⼊れ、変化することを楽しむ勇気を持 とう。 23 ④ 共感 「共感」とは、相⼿の悩みも喜びも⼀緒になって感じることである。 お客様は何らかの悩みを持ってお店にいらっしゃいます。お客様の悩み、考え⽅、想いに傾聴し、「⾃分がお客 様だとしたら、いま何をしてほしいか」を⼀緒に感じ、考えましょう。また、共に働く仲間に共感することは、 チームとして⽬標を達成することにもつながります。共感をもって想いを実現できた時、相⼿の喜びは⾃分の喜 びとして何倍も⼤きなものになって返ってくるでしょう。 ⑤ 信頼 「信頼」とは、信頼し合うことである。 “ありがとう”と素直に⾔える⼈。やるべきことに挑戦し続けられる⼈。⾃分の⽬先の利益だけを追求せずに、お 客様、取引先様、職場の仲間をはじめとした周りの⼈の意⾒を聴き、相⼿の気持ちを理解し、かつ柔軟に対応で きる⼈。そして、⾃ら進んで周りの⼈を信頼できる⼈。信頼される⼈とはこのような⼈ではないでしょうか。ま ず⾃分から、相⼿をパートナーとして信頼すること。⾃ら相⼿を信頼することが、相⼿からの信頼も⽣み出すの です。信頼は、①〜④の⾏動が常⽇頃より意識され、習慣化されて培われるものであります。 ココカラファインは、お客様やお取引先様をはじめとする皆様からお預かりした個⼈情報保護の重要性を認識し た上で、「個⼈情報保護⽅針」を制定し、「おもてなしNo.1」企業として、皆様にさらなる安全・安⼼をお届け できるよう、全従業員で個⼈情報の保護に取り組んでいます。 1. 個⼈情報保護の管理体制 ココカラファインは、個⼈情報の保護に関する責任者である「個⼈情報保護統括責任者」のもと、個⼈情報の 保護について現場と⼀体となった管理体制をさらに強化し、また、個⼈情報保護の観点に照らして適宜⾒直し を図っていきます。 2. 関係法令等の遵守徹底 ココカラファインは、個⼈情報の保護に関する法律その他関係法令ならびに各種ガイドラインの遵守状況につ いて、現場への周知徹底を適宜確認し、全従業員への周知徹底を図っていきます。 3. 従業員に対する教育研修の徹底 ココカラファインは、個⼈情報の保護について教育研修を強化し、従業員⼀⼈ひとりに⾄るまで徹底を図って いきます。 4. 安全管理措置の強化 ココカラファインは、情報システムに対する安全管理措置だけでなく、個⼈情報が記載された書⾯に対する安 全管理措置について、現場を含めた更なる強化を図っていきます。 24 ①世界に類を⾒ない我が国の⾼齢化率 ⽇本は、世界で類を⾒ないスピードで⾼齢化が進んで います。「総⼈⼝に占める65歳以上の⼈⼝割合」を⾼ 総⼈⼝に占める65歳以上の割合 齢化率といいますが、これが21%を超えると「超⾼齢 社会」と呼びます。わが国は2013年に25.1%とな り、これは世界のどの国よりも⾼い数値です。さらに 2025年には28.7%に達する⾒込みです。 出典:国⽴社会保障・⼈⼝問題研究所推計 ②国⺠医療費増加 ⾼齢化の進⾏により、⼀般会計の3割超を占める社会 保障給付費は増加しています。中でも国⺠医療費は、 国⺠医療費と⾼齢者医療費の推移 2010年の37兆円から、2025年で52兆円にまで増加す る⾒通しとなっています。国⺠医療費は公的医療保険 によって賄われるため、⽇本はこれまで「病気になっ たらすぐ病院へ⾏く」という⽂化が根付いてきまし た。現在、⾼齢化を背景とする医療費の増加は、国の 財政圧迫という⼤きな社会保障問題となっています。 出典:厚⽣労働省 25 ③セルフメディケーション型医療への転換 こうした問題を解決するため期待されているのが、体調変化すべてを医療機関に依存するのではなく、「⾃分の ⾝体は⾃分で守る」、「軽度の症状であれば⾃分⾃⾝で解決する」というセルフメディケーションの推進です。 調剤薬局やドラッグストアは、医療機関の処⽅によって販売する医療⽤医薬品、製薬メーカーが販売する市販 薬、サプリメントや健康補助⾷品など⽇常の健康を維持するための商品を幅広く取り扱っており、こうしたもの を使いこなすことによって、⾃分⾃⾝の健康維持や軽度の体調変化への対応を医師の診察を受けることなく⾏う ことができるようになります。 26 「セルフメディケーション推進」といっても、⽣活者の多くは健康や薬のスペシャリストではないため、誤った ⾃⼰管理をしてしまうと、健康への悪影響を引き起こすリスクを⾼めることになってしまいます。そこでセルフ メディケーションを実践するために重要なのが、「患者様と相対する薬剤師などのスペシャリスト」と、「患者 様とスペシャリストをつなぐコミュニケーション⼿段」です。 ココカラファインには、薬剤師をはじめ登録販売者・管理栄養⼠・看護師・ケアマネジャー・介護福祉⼠・作業 療法⼠・理学療法⼠など計7,000⼈を超えるスペシャリストが現在従事しています。また、⽇本全国に1,300を超 えるドラッグストア・調剤薬局・介護施設を有しており、業界でもトップクラスとなっています。我々の培って きたこれらの社内資源(⼈・資⾦・技術・施設など)を有効に活⽤し、また不⾜分は異業種とも連携し、お客様 の地域での暮らしを⽀えていきたいと考えています。このように、私たちの社会的ミッションは「地域における ヘルスケアネットワークを構築する」ことだと考え、地域の皆様の「ココロ カラダ ゲンキ」をお⼿伝いする活 動を強化していきます。 私たちは、社会的ミッションである「地域におけるヘルスケアネットワークを構築する」ことについてのプロ ジェクトチームを⽴ち上げ、中⻑期的なビジョンやサービスアイデアなどを明確にし、グループ内で共有してい ます。 ヘルスケアネットワークの⾻⼦ 社内外を含めた、個⼈や企業、そして地域が、それぞれに適した形で結び つくこと ⽬的 ココカラファインの顧客(個⼈・企業)が、⾁体的、精神的、社会的に満 ⾜できる状態を作り出すための「持続的な⽣活⽀援システム」を構築する こと ゴール ヘルスケアネットワーク=「地域のヘルスケア拠点」を作り上げること 狭⼭モデル 2013年3⽉埼⽟県狭⼭市に95⼾のサービス付⾼齢者向け住宅「あおぞら」を新設しました。ここでは介護 施設としての機能のみならず、当社グループ内ドラッグストアによる⼩売サービス・調剤・訪問看護との 連携、及びグループ外の近隣医療機関とも連携し、ヘルスケアネットワークのモデルづくりを推進してい ます。 27 私たちは、お客様・患者様の「cure」「care」「fine」をお⼿伝いする地域の「かかりつけ薬局・ドラッグスト ア」として、いつでも気軽に相談できる⾝近で頼れるお店づくりを進めています。 「cure」とは、病気や不調を訴える⽅の治療に対する専⾨職としての貢献です。薬剤師が処⽅薬や市販薬を通じ て、病気や不調を改善できるよう相談応需し⽀援や指導を⾏うことでお客様・患者様の「治す」をお⼿伝いしま す。 「care」とは、未病対策への貢献、お客様・患者様の「整える」をお⼿伝いします。例えば、お客様の状態や⽣ 活背景にあったサプリメントやビタミン剤などのご提案、運動療法や⽣活療法を多職種チームでお⼿伝いすると いったことです。 「fine」とは、もっと健康を楽しみたい、もっと元気で活⼒ある⽣活をしたいとポジティブに健康や美を追求し ている⽅たちへの貢献です。 私たちは、ドラッグストア・調剤薬局・介護施設を通じて、また地域の医療機関と連携して、お客様の「cure」 「care」「fine」のお⼿伝いを進めながら、社会に求められる「地域のヘルスケアネットワークづくり」を⽬指 していきます。 「cure」「care」「fine」の事例紹介 地域のお客様に、ココカラファインの栄養⼠が⾻密度測定、⾷⽣活のアド バイスを実施しています。 care 健康相談会 fine メイク教室 地域のお客様に、ココカラファイン店舗におけるチーフアドバイザーによ るメイク教室を実施しています。 28 地域のお客様に、ココカラファインキッチンスタジアムにて、管理栄養⼠を講師として健康料理教室を実施して います。 fine 健康料理教室 地域の健康増進のため、調剤薬局にて、⾎糖測定、コレステロール値など を検査できる仕組みを提供しています。 care 検体測定室 care 認知症サポーター養成 認知症サポーターとは、認知症について正しい知識をもち、認知症の⼈や 家族を応援し、 だれもが暮らしやすい地域をつくっていくボランティア です。年々増加している認知症の患者様やご家族を地域で⽀えるため、コ コカラファインの従業員に講座受講を推奨し、適切な対応が取れるよう⽀ 援を⾏っています。 スポーツを通じた健康⽀援活動として、各種地域のスポーツイベントに協賛しています。ココカラファインの ブースでは、テーピングサービス、管理栄養⼠考案レシピによるスープ販売、⾻密度測定会などを⾏っていま す。 fine 地域のスポーツイベントへの協⼒ 29 災害時応援協定 各⾃治体との災害協定を進め、万が⼀の災害時に⽣活物資などを提供する協定書を締結しています。 ポイント募⾦活動 私たちは、募⾦によりお客様と地域社会を結ぶ活動を⾏っています。当社のポイントカード「ココカラクラブ カード」で貯めたポイント1ポイント=1円として、ウェブサイトにて募⾦するシステムを持っています。 義援⾦募⾦活動 東⽇本⼤震災・広島市豪⾬災害など⼤規模な地震・台⾵・⼤⾬災害に対し、被災された地域の皆様に、義援⾦募 ⾦活動を⾏いました。 キッザニア甲⼦園 私たちは、キッザニア甲⼦園のパビリオン(当社出展ブース)を通じて、 調剤薬局で働く薬剤師の仕事、医療品や⽇⽤品のオリジナル商品を作る仕 事について、お⼦様に職業体験をしていただく活動を⾏っています。 キッズ調剤体験会の実施 ココカラファインの薬剤師を講師として、地域の⼩学⽣を対象に、ピッキング・監査・投薬といった処⽅せん調 剤⼀般業務の職業体験活動を⾏っています。 30 「ドラッグストアと調剤のひみつ」の製作協⼒ 私たちは、⼩学⽣向けの教育図書「ドラッグストアと調剤のひみつ」の企 画・制作に全⾯的に協⼒しました。⾝近な存在であるドラッグストアや調 剤薬局を舞台に、医薬品や化粧品、⽇⽤品の特徴や、薬剤師・登録販売者 などの資格者の役割などを、まんがを通じて⼦ども達が興味をもって学ぶ ことができる内容となっています。全国約22,300校の⼩学校と約3,200館 の公⽴図書館に寄贈されました。 31 株式会社ココカラファイン CSRレポート 2015 : 2015年6月発行
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