生命科学教育デジタルコンテンツ 「遺伝子操作を基本から学ぼう -実験に関する小問に挑戦してみよう!- 」 第二項 「遺伝子組換えを具体例で学ぶ」 “遺伝子組換え実験の各操作の意味を考える” コンテンツシナリオ 2007.03.31 ■生命科学教育デジタルコンテンツ 第二項 「遺伝子組換えを具体例で学ぶ」 “遺伝子組換え実験の各操作の意味を考える” 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 節 章タイトル 原稿(シナリオ) 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 1 動 き 生命科学の世界にようこそ!生 命科学関連の新しい技術を総称し てバイオテクノロジーと呼んでいま すが、その中でも重要な技術として、 DNAの切断・再結合を行う遺伝子 組換えなどの遺伝子操作(遺伝子 工学)があります。 「大腸菌を用いた形質転換」のコン テンツでは、まず、遺伝子操作を行 う上で最も基本となる大腸菌の形 質転換実験について学びました。こ のコンテンツでは、この大腸菌形質 転換を用いた遺伝子組換えを具体 例で学んでみましょう。 備 考 左から順にイラス ト表示。 ※実験の冊子P2 のイメージ。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 節 章タイトル 原稿(シナリオ) この遺伝子組換え(遺伝子操作) によっては、有用なタンパク質の設 計図などを含む目的DNA断片を細 胞外から入れて、細胞内で有用な タンパク質や目的DNA断片を大量 合成することができます。。(⑨の 内容に関する伏線的なアニメを入 れるが、深入りはしない) もちろん、このような遺伝子組換え 実験は、法律に基づき、安全に実 施されています。このとき、目的DN Aを増やすためのDNAをベクター DNA(vector:運び屋分子)、この ベクターDNAにつなぎ込まれる目 的DNAをインサートDNA、これら のDNAを増やすための細胞を宿 主(host)と呼びますが、大腸菌形 質転換を用いた遺伝子組換えでは、 ベクターDNAにはプラスミドDNA、 宿主には大腸菌が用いられます。 備 考 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 2 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 遺伝子組換え実験によく用いられ る大腸菌とプラスミドDNAの遺伝 的特徴をまとめてみると 表のようになります。大腸菌は、ア ンピシリン非耐性菌(アンピシリン 存在下で生きることができない菌) で、正常なlacZ遺伝子(b‐ガラクト シダーゼ(乳糖分解酵素)のアミノ 酸配列を指定する構造遺伝子)を 持たず、正常なb‐ガラクトシダーゼ を作りません。プラスミドDNAは、 アンピシリン耐性遺伝子(アンピシ リン分解酵素の構造遺伝子)と正 常なlacZ遺伝子を持ちます。 備 考 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 3 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 遺伝子操作によく用いられるあるプラ スミドDNA(pUC119)の遺伝子地図は このようになっており、「大腸菌を用い た形質転換」のコンテンツで説明した通 りに、 節 2 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 第一項 一方、大腸菌の方はというと、大腸菌と プラスミドDNAの遺伝的特徴をまとめ たこの表のように、大腸菌は、アンピシ リン非耐性菌で、アンピシリン存在下で 生育できず、正常なlacZの遺伝子を 持っていません。 備 考 第一項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 4 動 ⑨ アンピシリン耐性遺伝子(Ampr)、ori (オリジン):プラスミドDNAの複製開始 点、さらに、P・O・lacZとある「ラクトー スオペロン」のコンテンツで学んだ遺伝 子群を持っています。 Pとあるのは、プロモーター領域で、RN A合成酵素に転写を開始させるための 塩基配列、0は、オペレーター領域で、 RNA合成酵素の転写を制御する塩基 配列、lacZは、b‐ガラクトシダーゼ(乳 糖分解酵素)のアミノ酸配列を指定す る構造遺伝子です。これらのラクトース オペロンの遺伝子群は、遺伝子操作に よって、目的のDNA断片をつなぎ込み 遺伝子組換えプラスミドを新たに作成 するための重要な領域です。 項 ⑨ ⑨ 第二項 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 遺伝子組換えに必要なのは、こ の大腸菌とDNAだけではありませ ん。これら以外に必要となる重要な 道具があります。 遺伝子組換えとは、DNA分子を切 断・再結合して新しいDNA分子を 作ることを意味します。そうなると何 が必要になると思いますか。 備 考 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 5 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 原稿(シナリオ) 章タイトル 1 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 5 動 目的DNA断片 目的DNA断片 目的DNA断片 (インサートDNA) 備 考 シーン き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 目的DNA断片 シーン 5 動 き その通り、DNA分子を切断するた めの「はさみ」と それをくっつけるための「のり」が必 要となりますね。 イラスト: のりは女の子でお願いします。 DNAの「はさみ」に相当する酵素を制 限酵素、DNAの「のり」に相当する酵 素をDNAリガーゼ(DNA結合酵素)と 言います。これは、目的DNA断片(イン サートDNA)をプラスミドDNAにつなぎ 込み遺伝子組換えプラスミドを新たに 作成するための重要な道具で、遺伝子 操作が可能になり生命科学が飛躍的 進歩を遂げたのは、このような便利な 酵素が発見されたからです。 備 考 私は DNAリガー ゼ (DNA結合酵 素) といいます。 ボクは 制限酵素で す。 はさみみたい だけど、単な るはさみでは ないのだ。 噴出し表示。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) まず、制限酵素についてご説明し ましょう。制限酵素は、細菌が作る 酵素で、DNA分子の内部で、 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 シーン 6 動 ボクは制限酵素です。 はさみみたいだけど、単なる はさみではないのだ。 き 昨年のコンテ ンツで作った ような、塩基 配列が詳細 にわかる DNAのイラス トが、 DNA ボクは制限酵素です。 はさみみたいだけど、単なる はさみではないのだ。 特異的な塩基配列を認識して DNA分子を切断します。 備 考 ボクは制限酵素です。 はさみみたいだけど、単なる はさみではないのだ。 ボクは制限酵素です。 はさみみたいだけど、単なるは さみではないのだ。 模式的な図に 変わる。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 6 動 き 例えば、BamHIは図のような塩基 配列を認識して切断します。 BamHI イラスト: 表中のテキストも、表記 規則にしたがってください。 備 考 P4の表1をその まま使用。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 また、EcoRIは図のような塩基配列 を認識して切断します。 EcoRI その他、表のように制限酵素は、 二本鎖DNAの4~8塩基対の特異 的な塩基配列を認識して切断しま す。 ScaI そこで、ここで問題です。これらの 特異的な塩基配列には、ある共通 した特徴があります。どのような特 徴があるでしょうか? その通り、2分の1回転させても同 じ構造となりますね。 備 考 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 6 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 節 章タイトル 原稿(シナリオ) 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 シーン 6 動 き このような構造を2回転対称構造と かパリンドローム(回文)構造とい いますが、「たけやぶやけた」という ように、左から読んでも右から読ん でも同じ左右対称の回文となって いるわけです。 最後に「ステップ ステップアップ アップ」へのボタ ン表示。 <ステップアップ>この制限酵素の 認識配列である2回転対称構造か ら、制限酵素のタンパク質の高次 構造(立体構造)についてどのよう なことが想像できますか?考えて 見てください。特設サイト⇒解説 また、制限酵素は、細菌が作り出 す酵素で、これを、細菌から取り出 して遺伝子操作に利用されるように なりました。では、「なぜ細菌がこの ような酵素を持つようになった」と思 いますか?(の後、少し時間を置い て、)ヒントは、「細菌もウイルスに 感染することがある」ということです。 (と続け、一旦停止) 備 考 ステップ アップ★ ナレ「ヒントは」 でヒントを表示。 ヒント 細菌もウィルスに感染することがある。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 6 動 き その通り、細菌は、自分に感染した バクテリオファージ(細菌に感染す るウイルス)のDNAを分解するた めの防衛策として持つようになった と考えられています。 ウイルスは、生命と物質の中間的 存在で、自分の力で増殖すること ができません。 そのため、自分自身のDNAやRN Aを感染した生物の細胞に送り込 み、 イラスト: 中のDNAの色は赤 本来、その宿主細胞が生きるため のエネルギーとタンパク質合成経 路を横取りします。 備 考 ※資料集P87参 考。 NHKアニメを Flash化する。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 節 章タイトル 原稿(シナリオ) そして、自分のコピーを大量に作ら せた後に、 宿主細胞を破壊して、外に出て行く のです。 そこで、細菌は、バクテリオファー ジに感染しても、簡単に殺されてしまわ ないように、「感染によって外から入っ てきたウイルスのDNAを、それが発現 する前に壊してしまうための武器として、 このような酵素を身につけた」と考えら れているわけですね。しかし、ここでま たまた新たな疑問が生じませんか。そ うです。制限酵素は細菌内で作り出さ れるにもかかわらず、なぜ、細菌自身 の染色体DNAを分解しないのでしょう か?不思議ですね。みなさんが細菌 だったらどうしますか。考えてみてくださ い。そして、そのあとは各自で調べてみ てください。みなさんが出した解答と現 実に細菌が行っている対策はどう違っ ているでしょうか。それとも同じでしょう か。 このように、科学というのは、 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 6 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 章タイトル 原稿(シナリオ) 1 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 2 項 面 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 6 動 一つの真実が、 わかっ た! き 画面背景は先 ほどのままです。 ?が☆に変わ る。変わる瞬間 「わかった!」 さらに多くの疑問を生み出し、 備 考 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) そしてそれを解明しても次々に新た な疑問が生じます。そして、気がつ けばサイエンスや思考をエンジョイ しながら、「なるほどそういうこと だったのか」と多くのことを学んでい ます。 備 考 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 6 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 2 項 面 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 7 動 き プラスミドDNA(pUC119)には、 制限酵素BamHIの切断部位が1カ 所存在するのですが、その切断部 位は、目的のDNA断片をつなぎ込 みたい領域である、ラクトースオペ ロンの遺伝子群の、特に、lacZ遺 伝子(b‐ガラクトシダーゼ(乳糖分 解酵素)の構造遺伝子)内に存在し ます。 そこで、まず、このプラスミドを制限 酵素BamHIで切断してみましょう。 そうすると、このように、のりしろの ような1本鎖の末端(付着末端)が 残り、 DNA ※第二項シーン 6で使用したのと 同じDNAです。 昨年のコンテン ツで作ったような、 塩基配列が詳細 にわかるDNAの イラストが、 模式的な図に 変わる。 はさみが切っ ていく。 そして分かれ る。 備 考 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) この付着末端同士間では、容易に 再結合できますよね。 備 考 節 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 7 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 2 遺伝子操作の基 本を学ぼう 画 面 項 シーン 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 7 目的DNA断片(インサートDNA) そこで、つなぎ込みたいDNAを、制 限酵素BamHIで切断し、さきほどの BamHI処理されたプラスミドDNA (pUC119)と混ぜて、 C G G C 動 C G G C DNAの「のり」に相当する酵素であ るDNAリガーゼ(DNA結合酵素)と 反応させます。そうすると、 目的DNA断片(インサートDNA) このように目的のDNAがつなぎ込 まれた新たなプラスミドDNA(遺伝 子組換えプラスミド)ができあがりま す。 遺伝子組み換えプラスミド これを用いて、プラスミドを持たな い大腸菌に形質転換すれば、この 遺伝子組換えプラスミドを持った新 しい大腸菌を誕生させることができ るのです。そして、この大腸菌にそ の遺伝子産物であるタンパク質や インサートDNAを大量に生産させ ることができるわけです。(図で解 説) 備 考 第一項 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) しかし、ここで問題になるのは、ど のようにして、(ア)もとのプラスミド DNA(pUC119)が入った大腸菌と (イ)目的DNA断片がつなぎ込まれ た新たなプラスミドDNA(遺伝子組 換えプラスミド)が入った大腸菌を 区別・識別できるのかということで す。考えてみてください。 そこで、登場するのが、2つの試薬 IPTG と X-gal で、培地に、I PTG と X-gal という物質を入 れておくのです。(実物写真) IPTG は、ラクトースオペロ ンの本来の誘導物質であるラク トース(乳糖)の一部分によく似た 構造をしている物質です。 ここで、ちょっと耳慣れない言葉が 出てきましたが、 「誘導物質」とは、 ラクトースオペロンのような遺伝子 の発現調節機構において、発現が 調節されている構造遺伝子の転写 抑制を解除する物質のことで、ラク トースオペロンでは、 備 考 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 (ア) シーン 8 動 (イ) ? き プラスミドDNA の遺伝子地図。 (イ)は、lacZの 部分に目的断片 がつなぎこまれ ているイラスト。 ?が途中から出 てくる。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) リプレッサータンパク質に結合する ことで、 DNAのオペレーター領域からリプ レッサーを外す役割をする物質の ことを言います。⇒ラクトースオペロ ンの復習は、生命科学教育デジタ ルコンテンツ(遺伝子発現の制御 のしくみ「ラクトースオペロン」)をご 覧下さい。 しかし、IPTGがラクトースと大 きく異なる点は、ラクトースは、誘導 の結果できてくるb-ガラクトシダー ゼによってすぐに分解されてしまう のに対し、 備 考 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 8 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 シーン 8 動 き IPTGは、b-ガラクトシダーゼによっ て分解されにくいということです。 にはまるが、分 解できない。 この点で、IPTGは、mRNA の転 写を一時的にだけ誘導するラクトー スとは異なり、誘導を長期的に維 持することができる貴重な物質と言 えるわけです。 IPTG 備 考 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 原稿(シナリオ) 章タイトル 1 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 8 動 IPTG IPTG 備 考 シーン き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 シーン 8 動 き また、X-gal は、これ自体、無色で あり、誘導物質ではありませんが、 b-ガラクトシダーゼによって、 X-galが模式 的なイラスト に変わる。 ナレ「 b-ガラク トシダーゼに よって」で、 bガラクトシダー ゼのイラスト表 示。 b‐ガラクトースと青色の色素に加 水分解される物質です。 したがって、IPTG によって、lacZ 遺伝子の発現が誘導され、b-ガラ クトシダーゼが合成されると、 IPTG 備 考 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 大腸菌は青色のコロニー(菌塊)を 作ることになります。(実物コロニー 写真) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 シーン 8 動 b-ガラクトシダーゼ き ★ X-galがb-ガ ラクトシダーゼ にはまる。 ★ X-galが分かれ て、右側が青く なる。 大腸菌の中に 青色の点々が 増える。 X-gal b-ガラクトシダーゼ X-gal ★ b-ガラクトシダーゼ 大腸菌が増え ていく。 X-gal ★ b-ガラクトシダーゼ X-gal 備 考 コロニー 大腸菌のかた まりがコロニー になる。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 シーン 8 動 ★ b-ガラクトシダーゼ き 青色のコロニー の写真表示。 X-gal 逆に、b-ガラクトシダーゼが合成さ れていない大腸菌のコロニーは、 青色にならず、普通のコロニーの 色である、クリーム色となります。 (実物コロニー写真) ★ 無色のままの X-gal ★ 大腸菌が増え ていく。 ★ コロニー 備 考 大腸菌のかた まりがコロニー になり、 実物のコロニー 写真表示。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) では、ここで問題です。(ア)もとのプラ スミドDNA(pUC119)が入った大腸菌 と(イ)目的のDNAがつなぎ込まれた新 たなプラスミドDNA(遺伝子組換えプラ スミド)が入った大腸菌は それぞれ何 色のコロニーを作るでしょうか?また、 それはなぜでしょうか?説明してくださ い。ヒントは、大腸菌とプラスミドDNA の遺伝的特徴をまとめたこの表です。 では次の①~④から1つ選んでくださ い。 4択:①(ア)(イ)ともに青色 ② (ア)(イ)ともにうすい茶黄色 ③(ア) は青色(イ)はうすい茶黄色 ④(ア)は うすい茶黄色(イ)は青色 一旦停止→正解:ピンポン 不正解: ブザー 正解は③です。 備 考 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 面 何 色? 何 色? 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 8 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 シーン 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 8 面 動 き (ア)の形質転換体は、もちろん、こ のようにもとのプラスミドDNA (pUC119)にあるlacZ遺伝子が働 き、正常なb‐ガラクトシダーゼが合 成されて、 X-galは、b-ガラクトースと青色の色 素に加水分解されて、コロニーは 青色となります。 b-ガラクトシ ダーゼがX-g alを分解するア ニメ。 右側が青くなる。 b-ガラクトシ ダーゼ ★ 備 考 ★大腸菌が青く なりコロニー写 真が表示される 一連のアニメー ション。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) しかし、(イ)の形質転換体では、も とのプラスミドDNA(pUC119)の lacZ遺伝子内に新たにインサートD NAが挿入されていますから、当然、 このように正常なb-ガラクトシダー ゼが合成されず、X-galも分解され ませんので、コロニーは普通のうす い茶黄色となります。 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 シーン 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 8 面 動 目的DNA断片 (インサートD NA) ★ X-gal というわけで、このように、目的の DNAがつなぎ込まれた遺伝子組 換えプラスミドを持った大腸菌をそ のコロニーの色で見分けることがで きるのです。 備 考 き ナレ「X-galも」 で無色のx-gal フェードイン。 ナレ「コロニーは」 で、★大腸菌が 増えてコロニー写 真が表示される 一連のアニメー ション。 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 たとえば、ホタルの発光(実物写 真)を行う酵素を、ルシフェラーゼと 言いますが、 この構造遺伝子を含むDNA断片 がつなぎ込まれた遺伝子組換えプ ラスミドを持った大腸菌は、このよう に、ルシフェラーゼを大量に作り出 します。 備 考 9 動 次に、「なぜ、目的のDNAがつな ぎ込まれた遺伝子組換えプラスミド を持った大腸菌が有用なタンパク 質を作ることができるのか」を考え てみましょう。 それは、もちろん、つなぎ込まれた 目的のDNA断片に、有用なタンパ ク質のアミノ酸配列を指定している 塩基配列(すなわち遺伝子)が存在 するということです。 シーン 目的DNA断片 (インサートD NA) き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) そして、このルシフェラーゼを大腸 菌から取り出し、 この酵素の基質であるルシフェリン やATPと反応させると、 備 考 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 9 動 き 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 備 考 9 動 何とこのように「ぴかっ」と光ります。 (実験実写ビデオ)ここで忘れては ならないことは、試験管内には生き たホタルや細胞は存在しないという ことです。試験管内に存在するの は、遺伝子組換えで作られた酵素 ルシフェラーゼとその基質となる物 質のみです。不思議ですね。まさに この光は、電球の光ではなく、生命 が作り出した光なのです。 このように、生命とは、多くのタンパ ク質が生きて、しっかり働いてこそ、 「生命は生きている」と言えるので すが、このようなすばらしいタンパ ク質を遺伝子操作は、容易に大量 生産することを可能にしたのです。 シーン き 入れた瞬間、 液がぴかっと 光る 次のコマと同じ 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 章タイトル 原稿(シナリオ) みなさんどうでしたか。遺伝子組 換えは、そう簡単なものではありま せんね。遺伝子組換えという一連 の実験操作にも多くの科学へ驚き や学びがありましたね。どのように 感じられましたか。 節 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ 面 第一項 シーン2 7コマ目 第一項 シーン2 4コマ目 第一項 シーン2 9コマ目 第一項 シーン2 6コマ目 第二項 シーン9 5、6コマ目 何と⑤が正解です。 備 考 き 順に表示 最後に、またまた問題を一つ。DNAの 切断・再結合を伴う遺伝子組換えは、 この地球上で、一体誰がどこで行って いると思いますか。では問題です。次 の①~⑤より1つ選んでください。5択: ①人間が行う実験器具内のみ ②①に 加え、ヒトの細胞内 ③①に加え、ほ乳 類の細胞内 ③①に加え、動物の細胞 内 ④①に加え、細菌の細胞内 ⑤① に加え、すべての生物の生きた細胞内 一旦停止→正解:ピンポン 不正解:ブ ザー 遺伝子組換えは、我々人間が行う実験 器具内でのみ行われていると思われた かもしれませんが、それは大きな間違 いです。実は、生きた細胞内ですべて の生物が行っているのです。 10 動 遺伝子組換え 第一項 シーン1 3コマ目 シーン 先生にもらったプリントのコピーを アニメーション化 生命科学教育デジタルコンテンツ 第 1章 1 節 章タイトル 原稿(シナリオ) そして、生命は、この遺伝子組換えを 繰り返すことによって、約40億年かけ て、ゆっくり多様化し進化してきました。 遺伝子組換えは、我々人類だけしかで きない専売特許のように思われるかも しれませんが、それは、大きな間違い なのです。ただし、実験器具内で意図 的に寸時に行うことができるのは、もち ろん、我々人類だけですが・・・ あなたの「遺伝子組換え」に対するイ メージは変わりましたか?もしよければ、 あなたのご意見・ご感想・ご質問などお 聞かせ下さい。 ではまた、生命科学デジタルコンテンツ でお会いしましょう。 備 考 遺伝子操作を基本から 学ぼう -実験に関する小問に 挑戦してみよう!- 画 面 2 項 遺伝子組換えを 具体例で学ぶ シーン 10 動 き 講座タイトル 第 2章 1 節 OX選択方式 テスト 章タイトル 原稿(シナリオ) No 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 問 題 答え 解 説 No.
© Copyright 2024 ExpyDoc