協働とは?

なぜ志金は循環しないのか
循環するために、
誰が、なにをすべきか?
- 課題先進国だからこそ、
社会を変えるしかけをつくる! IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所]
代表者 川北 秀人
http://blog.canpan.info/iihoe/
IIHOEって?

組織目的: 地球上のすべての生命にとって、
(1994年) 調和的で民主的な発展のために

社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援
隔月刊誌「NPOマネジメント」発行(99年創刊)
 育成・支援のための講座・研修

 地域で活動する団体のマネジメント研修(年100件)
 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年60県市)

調査・提言:「NPOの信頼性向上と助成の最適化」「協働環境」

企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン(年20社)
ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決
2020年の地球への行動計画立案

専従3名+客員1名、東京(新川)、約3500万円


今国会、100年に1度の快挙!
特定非営利活動促進法 抜本改正 &
新・寄付税制 与野党の協力で成立!!
認定制度の抜本的改正!
現在:国税庁→都道府県・政令市に移管!
「仮認定制度」導入→寄付集めの立ち上げ促進!
会計基準採用→財務情報の開示促進!
新寄付税制!(公益社団・財団+学法+社福+更正保護も)
現在:所得控除→寄付額40%の税額控除!(上限:納税
額25%)も可能に! しかも今年1月に遡及!
→ 選択的納税の実現!→市民が市民を支える社会へ
「パブリック・サポート・テスト」:
従来:「収入の1/3(特例で1/5)以上が寄付」
→ 新たに「3千円以上の寄付者100人以上」でOKに!
国税だけで、どれぐらい違うかというと
軽減される税負担
旧
課税所得 300万円の人が、
3万円寄付したら
2,800円
同 600万円の人が、
10万円寄付したら
19,600円
同 800万円の人が、
20万円寄付したら
45,540円
同 1000万円の人が、
50万円寄付したら
164,340円
同 2000万円の人が、
100万円寄付したら
399,200円
新
11,200円
→ +8,400円!
39,200円
→ +19,600円!
79,200円
→ +33,660円!
199,200円
→ +34,860円!
399,200円
→ ±0円!
→ 実際にはこれに、地方税分(約2割)上乗せ!!
資金はどんな目的に、どれだけ必要か?
「循環」しない理由は何か?
 「あればやる」(なければやらない)活動
→「本当のニーズ」を把握・発信していない
 ビジネスモデルのある「事業」ではなく、
「活動」
→継続的な資金調達基盤をつくっていない
→「事業(と資金)のニーズ把握」と、
必要性の高い活動への「継続的な
資金調達基盤づくりの支援」が不可欠!
「年間事業(目標)額」と「活動開始後の年数」で見ると
年間事業
(目標)額
5000万円
社会の「変革推進」力:
(他セクターと連携して)社会を変える戦略、
メディアによる社会啓発、生態系(コミュニティ)づくり、・・
社会の「しくみづくり」力:
社会と事業の中期戦略、
政策提言、他団体の育成、・・
1000万円
300万円
事業の「継続」力:
自主財源拡充、開示、育成、労務、
他団体・企業・行政との協働、・・
事業・組織の
「見直し・建て直し」力:
理事会、
事業&組織評価、
他団体との統合、
・・
事業・団体の「最低限の運営」力(義務のレベル):
業務品質管理、ボランティア・マネジメント、広報、会議、
会計、・・
3年
10年
開始後の年数
→団体の目標と現状との差(=課題)に応えているか?
そもそも団体が「社会における役割」を意識しているか?
なぜ「志金」は循環しない?
循環しうる志金とは?
①投資:出資し、決定権を持ち、配当を受けるが、
リスクを負い、損失もあり得る。
②融資:貸し出し、関与し、利子を受け取るが、
リスクを負い、損失もあり得るため、担保を取る。
③助成:ニーズと手法の合理性に共感して
資金提供し、成果(=よりよい社会の実現)に
期待するが、ほとんどは積極的に関与しない。
(もちろん、専門家が関与する方が成果は高い)

なぜ「志金」は循環しない?

循環しうる志金(源)はどれだけある?
単位:
億円
11年
5年間
12年3月
06年3月
3月
の増減 (1年間の増減)
預金:47,730 52,247 +4,516 53,149(+ 902)
中国銀行
貸出:30,803 33,234 +2,431 34,273(+1,039)
トマト
銀行
預金: 7,574
貸出: 5,805
8,224 + 650
6,317 + 512
8,882(+ 657)
6,765(+ 447)
06~11年に2行で預金5,166億円増、貸出2,944億円増
あと1兆8696億円のほとんどは国公債+外国債+株式!
うち1%でも地域に回れば186億円!
11→12年は、預金1,560億円増! 貸出1,480億円増!
(ただし中国銀行の中小企業向けは総額の66.9%)
普通預金金利(0.02%)の2割でも2億4812万円
なぜ「志金」は循環しない?
投融資されるべき事業・組織に求められるもの
① 具体的な事業のしくみ(business model)
② ある程度の収益性(return)
③ 説得力のある説明責任(accountability)
④ 現場を支える品質管理(quality management)
⑤ 現場をつくる人材組織開発(human resource
and organization development)

→ これを育てられるかどうかが、
NPO・事業家と、その支援者の問題!
「地域再投資」をどう加速できるか?
都市再生機構(UR)の団地再開発に、生活クラブ
(生協+社福)が医療・介護・住宅・買物・生活相談
で支援(千葉市)
 商店街の「所有・利用分離」で若者入居促進

(09年4月、アーケード名店街:静岡県沼津市)
労働者・生活者の不安は「底が見えない負担増」
 所得の格差は貯蓄の格差へ


不動産を持っていても、活用できる力と資金がない!
→ 所有の分散(孤有)から共有(協融)へ
→ 「組合型」協働社会という日本型地域再投資へ!
事業の自立性?→対価と事業がめざす運営形態
必要な資金の負担
例
目指す運営形態
受益者・利用者からの
対価収入により、
収益が見込める。
(対価自立事業)
スポーツ・芸術文化活動
主婦・障碍者の起業
環境配慮製品・サービス
受益者・利用者から
対価も取れるが、
継続には外部からの
補助が必要。
(補助継続事業)
フリースクール
伝統文化財の維持・継承
里山保全
難アクセス地の公共交通
介護保険事業
CB/SEによる
事業経営の効率化を
進めつつ、行政からの
補助は続ける。
→補助の制度化必須!
基本的人権の保障上、
不可欠な事業であり、
受益者・利用者からの
対価による継続は困難。
(基本的人権保障事業)
ホームレスの緊急救援
子どもの電話相談
途上国への開発協力
DV被害者の支援
医療情報の翻訳・通訳
社会的な課題解決の
先駆者としてCB/SEが
先行しており、行政
サービスとして法制化
する必要あり。
→事業の制度化必須!
CB/SEによる
自主・単独事業へ
→立ち上げ期のみ支援
(リサイクル、有機農業など)
基盤強化助成と、事業助成は、どう違うのか、
どう活用すれば、最適な成果が実現するのか?
活動・事業助成
ひとことで 現場で今、足りないものを
言うと
補う経費。
社会の課題や理想の実現
助成する
を目的に、団体による
目的と対象
活動・事業に対して助成。
活動・事業を通じた課題
期待される
解決や理想実現とともに、
成果
ノウハウの提供なども。
基盤強化助成
継続する力を高める準備を
支える投資。
既に実績のある団体の運営の
安定を目的に、
基盤拡充や次の準備に助成。
課題の原因解消や人材の成長、
中期的な「次への備え」の確立。
社会にとって最適な成果を供給し
続ける体制を整えるために、原因
対象(受益者)にとって
求められる
分析や予測を行った上で、組織
最適な成果を生むための
事業計画
の再編・人材の育成・他団体との
業務内容を詳細に。
連携など、現在の体制の効果的
な見直し・立て直しを具体的に。
現場の業務に責任を持つ
実施責任者
組織運営に責任を負う理事など。
スタッフ。
本当に、すべての分野・団体を
対象にするのか?
 これまで数年間と今後数年間を見通して
最も必要性の高い課題(分野・事業)に、
集中して基盤づくりを急ぐ必要はないのか
→今後数年間を考えれば、子ども・子育て、
高齢者、水・環境、多文化共生が緊急!
 「必要性の高い課題の特定」と、「資金需
要予測と事業基盤特性に応じた支援」を
しないなら、従来型の助成制度と、どこが
どう違う??
岡山ならでは・らしい基金?
→岡山ならでは・らしい活動の支援!
 たとえば、中山間地+離島
→少ないからこそのメリット
 客観的な分析や合理的な戦略も必要
 既にある団体ではなく、人材への投資!
→ 新しいビジネスモデルづくりに結び付ける
 たとえば、人口構成上の特性?
 人材は離島だけの問題じゃない!
 NPOが企業にどう役立つのか?
 中期的な見通しのもとに、テーマと進め方
いただいたご質問から
・財団が提供するのは資金だけ?
→ 当初は資金と、人のつながりとしての円卓会議
(寄付=割り勘+貯金箱、みんなで話すテーブル)
徐々に、空き家など他の資源の活用も
・資金の流れ? → 提案者を共感者が支える
・発起人? → 継続的な義務はありません
・市民vs行政の打破? → 気付いた人の初動から
(民主主義の当事者としての)市民による社会運営
⑥ 社会制度化(民も官もともに担い手)
⑤ 代替案の試行 or 救済策の実施
(やってみたら、こうなりました)
④ 代替案 or 救済策の提示
(こうしたらいいんじゃないか?)
③ 原因と背景の把握
(なぜだろう、このままだとどうなるんだろう?)
② 課題の指摘
(「こんなことが起きてますよ!」)
→ 告発・糾弾
(けしからん!)
① 課題の発見
(こんなことが起きてる!こんな状態!)
政策に求められる機能と役割?
革新的な挑戦による
新しい価値の実現
価値創造
の段階
段階的な改善による
新しい価値の付加
原因の除去・解消
(抜本的な対策)
現状の緩和・措置
原状の回復・復旧
(失われたものの復元)
不平等・不正の是正
課題解決
の段階