地方債市場 新井 友海 日本の地方債市場 地方政府の債務残高でも、日本の財政状況は他の先進諸国と 比べて厳しい状況にある。 図3:地方債計画(当初)における資金別構成比の推移 地方債の発行残高は1990年代以降累積増加をたどり、 約100兆円から約200兆円へと10年間で2倍近くに増加 し、2000年代に入り約200兆円の水準で高止まりをして いる。 民間資金 1:三位一体改革 2:地方債の発行が許可制から協議制へ 3:財政投融資改革 民間資金による資金調達の拡大が予想されている 資本市場からの資金調達 民間資金の中でも市場公募 債が特に増加傾向にある。 1.全国型市場公募債 2.ミニ公募債(住民参加型 公募地方債) 民間資金の50%を占める までに拡大した 1.全国型市場公募債 地方自治体が単独で発行する・・・個別発行市場公募債 複数の地方自治体が共同で発行する・・・共同発行債 共同発行市場公募債 メリット ①発行規模の拡大による流動性の向上、利回りの引き 下げによる調達コストの低減 地方債のベンチマー ②発行コストの軽減 ク債として定着し、地 ③資金調達に関する専門性の向上 方債市場全体の発展 に資するものと期待さ れている。 デメリット 自治体ごとの信用力格差が調達条件に反映されず、財政 力の弱い団体でも相対的に好条件で資金調達が可能に なるため、モラルハザードが生じやすい 2.ミニ公募債(住民参加型公募地方債) 購入者を『当該債券の発行団体内に居住する個人・法人』に限 定している銘柄が多い 資金の使途が明記されている点が特徴。 制度目的 ・住民の行政参加意識高揚 ・住民に対する施策のPR ・資金調達手法の多様化 ・個人金融資産の有効活用 論点 日本でも市場公募債を中心として、民間からの資 金調達が非常に拡大してきている中にあって、資 本市場からより安定的かつ効率的に資金を調達 してゆくための取組みが必要になっている。 レベニュー債導入の可能性
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