第30章 本支店の取引 1 支店会計の独立 企業の規模が大きくなり,取引の範囲が広がってくると各 地に支店をおくことがある。この場合,支店で発生した取 引を本店に報告し、記帳すれば支店は特別な処理はし なくてよい。 しかし,支店の財政状態や経営成績を正しく知るためには 本店から独立した帳簿組織を構え支店独自で会計処理を 行い財務諸表を作成する必要がある これを支店会計の独立という 《支店会計を独立させると》 ○ ○ 商 店 本 店 本支店間 貸借関係 本店は支店勘定 A B ○ ○ 商 店 支 店 ○ ○ 商 店 支 店 支店間 貸借関係 支店は本店勘定 ※支店が二つ以上ある場合にはA支店・B支店勘定 などとするが本時は支店が一つで本支店間取引の説 明をする 取 引 例1.本店が支店に現金¥50,000を送付した。 ○ ○ 商 店 本 店 本支店間 現金を送付(債権) 現金を借りた(債務) ○ ○ 商 店 支 店 貸借関係 《本店の仕訳》 支 店 50,000 《支店の仕訳》 現 金 50,000 現 金 50,000 本 店 50,000 《本店の仕訳》 支 店 50,000 《支店の仕訳》 現 金 50,000 支 店 50,000 現 金 50,000 本 店 50,000 本 店 50,000 【仕訳のポイント】 ※本支店間で現金の貸借関係が生じている。すなわち, 何かを貸したら(債権)借方に,借りたら(債務)貸方に本 店・支店勘定を記入する 本店(支店) 債 権 債 務 例2.本店は,支店に原価¥250,000の商品を 送付し,支店はこれを受け取った。 《本店の仕訳》 支 店 250,000 仕 入 250,000 ※仕入で処理した商品が減少 《支店の仕訳》 仕 入 250,000 本 店 250,000 例3.支店は,決算に際し,純利益¥300,000を計 上し本店はその通知を受けた。 《本店の仕訳》 支 店 300,000 損 益 300,000 本 店 300,000 《支店の仕訳》 損 益 300,000 ※なお,純損失を計上した場合には貸借関係が 逆になるので仕訳も借方・貸方が逆になる。
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