経営システム工学入門実験A」 ロジスティクス 第1回

「経営システム工学入門実験A」
ロジスティクス 第1回
ビールゲーム
担当: 森戸 晋
担当助手: 呉 思迪
2014年6月23日(月)
協力: 森戸研究室・片山研究室(修士,4年)
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「経営システム工学入門実験A」
ロジスティクスの狙い
• ロジスティクス、サプライチェーンマネジメント
の側面を「体感」
• ロジスティクス・システムの計画・管理に役立
つ技法を「体感」
– 在庫管理
– シミュレーション
– 最適化(数理計画)
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サプライチェーン(Supply Chain)
製品の流れ
サプライヤー
メーカー
配送業者
卸売業者
小売業者
顧客
需要情報の流れ
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ロジスティクスシステム
工場立地
スケジューリング
生産計画
原材料
輸送
生産
工場内物流
調達物流
輸送計画
輸送
施設配置計画
配送拠点 配送
販売物流
材料の調達から、生産、最終ユーザー
への製品の配達、廃棄/回収までのトー
タルなものの流れの計画・管理・制御
需要予測
在庫管理
需要
地点
配送計画
静脈物流
サプライチェーンマネジメント
• 問題の発見と構造を学ぶ
– 問題はなにか
– キーパラメータはなにか
– パラメータ間の関係はどうなっているか
• 「サプライチェーンをどう制御したらよいか」
に関する洞察を得る
– パラメータをどう制御すればよいか
• 在庫管理技法を勉強する
• シミュレーション分析に基づいてシステムの
特性や制御方法を明らかにする
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実験で注目してほしい点
1.サプライチェーンの問題点の把握
どういう現象が発生しているか?
どういう問題が生じそうか?
2.問題の整理と構造化
影響を与える主な要因や評価尺度は何か?
問題の発生原因は何か?
主な要因と問題や評価尺度との定量的関係
はどうなっているか?
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MIT ビールゲーム
• システムダイナミックス(System Dynamics: SD)を学習する
ロールプレイングゲームとして、MITで開発
• 当初は,「生産流通システムゲーム(production distribution
game)」と呼ばれていた
• ゲーム盤には「工場」・「一次卸」・「二次卸」・「小売店」の役割
があり,参加者はチームとなって各ビールゲーム盤に向かい
勝敗を競う
• ゲームの目的は、勝つこと
• 参加者が,1つのシステムの意思決定を分担し,相互に圧力を
感じながら自らの意思決定を遂行するロールプレイングを通し
て,実社会における意思決定の雰囲気や意思決定がどのよう
な結果を起こすかを体感する
• 「システムの内的構造が行動を生む」というSDの大原則と共に、
システム思考とはどういうものかを体験的に学習する
7
ビールゲームのボード
情報(注文)の流れ
もの(ビール)の流れ
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ビールゲームの重要なポイント
• 工場→一次卸→二次卸→小売店と、もの(ビー
ル)が流れる
• 各コンポーネントで、
– 在庫発生→在庫管理費用がかかる
– 品切れ発生→品切れ損失費用がかかる
• 小売店で発生する需要量は未知
• 在庫を持ちすぎず、かつ品切れがないように
ものを流したい!
• 各コンポーネントが、全体の流れを考えながら、
うまく発注数を決めなければならない
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ビールゲームの基本ルール(1)
1.ゲームの目的:チームの総費用最小化
費用の計算方法:
・各役割分担者が、各週に在庫および受注残を
計算し、全期間にわたって合計
・在庫=0.5ドル、受注残=1ドルをかけて費用
を計算し、各役割の総費用を求める.
・全期間(50週)・全役割の費用合計を集計.
2.社名を決め、記録シートに記入
3.成績優秀チームは表彰
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ビールゲームの基本ルール(2)
4.(同一役割担当者以外は)お互いにコミュニケー
ションはしない!
(これは、お互いに他人の活動は分からない、
という実世界を反映する).
ゲームボード盤を見渡すことだけが許される.
5.顧客からの受注量は「小売店」だけが知る.
「小売店」は、他に情報を伝えてはならな
い!
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発注
BEER GAME 手順①
配送遅れの移動 発注
注文中
注文票
遅れ
在庫
注文中
生産要請
遅れ
遅れ
『在庫』に近い『遅れ』のチップを在庫に移す
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発注
BEER GAME 手順①
配送遅れの移動 発注
注文中
注文票
遅れ
在庫
注文中
生産要請
遅れ
遅れ
『在庫』から遠い『遅れ』のチップを近い『遅れ』に移す
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発注
BEER GAME 手順②
注文表の開示と配送発注
注文中
注文中
4
注文票
遅れ
在庫
生産要請
遅れ
遅れ
『注文中』の付箋をめくって、書かれた数と同数のチップを
左隣の『遅れ』に移す。
受注残があるとき:(書かれた数)+(受注残数)を移す。 14
BEER GAME 手順③
在庫・受注残の記入
週
在庫
1
12
受注残
注文
0
2
3
記録シートに現時点での在庫数・受注残数を記録
(他のコンポーネント担当者に見せないこと!)
15
発注
BEER GAME 手順④
注文票の移動 発注
注文中
注文票
遅れ
在庫
注文中
生産要請
遅れ
遅れ
めくった付箋を廃棄し、右上の『発注』の付箋を、右隣の
『注文中』に移す
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発注
BEER GAME 手順⑤
注文数の決定 発注
注文中
4
注文票
遅れ
4
4
在庫
生産要請
遅れ
新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を
書きこみ、裏返しにして『発注』に貼り付ける
注文中
遅れ
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発注
BEER GAME 手順⑤
注文数の決定 発注
注文中
注文票
遅れ
4
4
在庫
生産要請
遅れ
新たに付箋を用意し、自分の注文したい数を
書きこみ『発注』に裏返しにして貼り付ける
注文中
遅れ
18
BEER GAME 手順⑤
注文数の記録
週
在庫
1
12
受注残
0
注文
4
2
3
記録シートに注文数を記録
(他のコンポーネント担当者に見せないこと!)
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BEER GAME
発注
発注
注文中
注文票
在庫
遅れ
注文中
生産要請
遅れ
遅れ
始めに戻るので、これを繰り返す
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ビールゲーム:再確認(1)
• ビールのサプライチェーンを想定
• ゲーム期数=50週
• サプライチェーンは,それぞれ1施設からなる
「小売店」、「一次卸」、「二次卸」、「工場」で構
成
• 工場の生産能力は無制限
• 各コンポーネントの在庫保有量は無制限
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ビールゲーム:再確認(2)
• 各コンポーネントは直下の需要を可能な限り満足しよ
うとする
• 満足できなかった需要はバックオーダーとして記録さ
れ,可能な限り即座に満たす
• オーダーが無視されることはなく、最終的には必ず満
たされる
• 需要を満たせなかったときは受注残(品切れ)となり,
ペナルティとして1個当り1ドル/週の費用がかかる
• 在庫保持には1個当り0.5ドル/週の費用がかかる
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ビールゲーム:再確認(3)
• 各コンポーネントは,週ごとにオーダーを出す
• 発注リードタイム(左のコンポーネントがすぐ右
隣のコンポーネントに注文を出し,注文が届くま
での期間)は2週間
• 納入リードタイム(発注を受けてから商品を届け
るのにかかる期間)は2週間; つまり全体として
発注から納入まで4週間かかる
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満たすべき注文
1.満たすべき注文量
=今週の注文量+前週の受注残量
2.A)在庫で注文が満たせるときは、満たすべき
注文量すべてを出荷し、残りの在庫を記録する
B)満たすべき注文が手持ち在庫でまかなえ
ないときは、手持ちの在庫をすべて出荷し、
満たすことのできなかった注文量
(つまり、不足量)を受注残として記録する
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ゲーム終了後...
•
•
•
•
依然として、コミュニケーションは控えて
各チーム毎に記録シートで総費用を計算
TAを通じて、総費用を連絡→勝者決定!
各チーム毎にグラフ作成
– 在庫と受注残のグラフ
– 注文量のグラフ
• チーム内でゲームを振り返って検討
• 来週、各チーム7分間の発表
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Excelシートで集計
• 実験のホームページから、集計シートをダウン
ロード
• 紙の集計シートから各コンポーネントのデータを
移す
• 各コンポーネントの在庫量の推移グラフ・発注量
の推移グラフが自動で作成される
• 集計シートを作成したら、メール添付で提出する
こと(作成次第、ただちに送信すること)
アドレス [email protected]
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「経営システム工学入門実験A」
ロジスティクス
第1回宿題
• 班単位で
次回 6/30(月)の発表の準備
パワーポイントでスライドを作成
発表用pptファイルをメール添付で提出
締切:6/27(金)午後5時
[email protected]
• 個人単位で
ビールゲームの結果の分析・考察やプレイして
考えたことをA4三枚以内にまとめる。考察に際
して、必ず配布の英文資料を読み、結果との関
連に言及すること。
実験室レポートボックスへ提出
アドレス
締切:6/30(月)午後1時
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個人レポート・検討項目例
できるだけ「系統的」にまとめること
• ゲーム結果の集計
• ゲーム結果の評価(具体的な結果を活用)
– どういう方針でプレイしたか
– ゲームは思ったようにプレイできたか
• ゲームで学んだこと
– ゲームからどのようなことを学んだか
– ゲームで体感したことと、現実の意思決定との関連
• ゲームそのものについての意見
– ゲーム自体をどう思ったか
– ゲームのよくできているところ、非現実的なところはどこか
– 不具合があるとするとどう修正するのがよいかに関する意見
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速報: 2013集計結果(各班の総コスト)
班
1
2
3
4
5
6
7
8
9
班
総コスト
2159.5
4070
1929.5
432.5
1176.5
946.5
4717
3648
1191
10
11
12
13
14
15
16
17
18
総コスト
920.5
1358
535
2562.5
1006
1177.5
199
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班単位の宿題の
ファイル名とメールタイトル名
班単位の宿題提出にあたっては,
 集計シートExcelファイルの名称
班番号.xls (例 12.xls)
 集計シート送付メールのタイトル名
集計シート提出○班
(例 集計シート提出12班 )
 発表スライドの名称
班番号.ppt (例 12.ppt)
 発表スライド提出メールのタイトル名
発表スライド提出○班
(例 集計シート提出12班 )
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