DECIGOに対する サイエンスからの要請 田中貴浩 第5回DECIGOワークショップ DECIGOの意義 何故重力波なのか 強い重力場で一般相対論は本当に正しいのか? gravitonはちゃんと伝播してくるのか? 正しいという方に賭ける物理屋は沢山いるかもしれないが、 正しいと言いきれる物理屋はいない。 ブラックホール時空の時空構造をプローブする。 Minkowski + perturbation を越えた時空構造を初めて覗く 重力波の強い透過力 宇宙初期を見通す力がある。インフレーション、リヒーティング コンパクト天体の性質を調べるのに有効 バイナリーパラメータ、半径、超高密度での状態方程式の決定 統計と宇宙論 基礎過程が理論的によく理解されている(これからさらに理解がすすむ) プロセス(コンパクト天体の連星)がある。ビーミングも余り重要でないの で観測によってイベントレートがばっちり決まる。 Deci Hz 帯の優位性 背景ノイズが低い 原理的には最高のS/Nが実現できるバンド 相対論の検証、重力波の宇宙論への応用、いずれにおいても もっとも高精度な観測ができるポテンシャルがあるバンドである。 高い角度分解能 他の波長に比べて原理的に100倍高い 太陽質量程度の連星の合体予報、電磁波による観測とシンクロ Targetの存在という点においても自然 mass rangeとしては104 M◎程度までがターゲット、ringing tailはもう少し上まで、 巨大ブラックホール、銀河中心の成長プロセスを明らかにできる。 →榎さん 太陽質量程度の連星もtargetになる。 つまり、DECIGOが実現すれば、大きな成果を挙げることは間違いない。 それでは、何故、他の国はやらないのか? 否、BBOがある。 それでも、現時点では野心的な計画 相対論 ☆☆☆ golden event S/Nが大きい 銀河中心核BHはたぶんKerr BHである 例えば、Brans-Dicke parameterへの制限はすごい 宇宙論 ☆☆☆ 105envents/yrのNS-NS連星のカタログ 中質量ブラックホールのカタログ インフレーション起源の背景重力波 (複数台/クリーニング必須) Dark Energy(他の観測手段もある,ultimate DECIGOが必要) 天体物理 ☆☆☆ やはり、地上の100Hz-kHzの方が面白いのではないか。 しかし、他の観測手段と連携したときには 合体予報ができることは非常に魅力的である。 hrms~10-23で300Mpcまでarcmin以下の精度で位置が 0.1秒以下の精度で合体時刻が予言できる R. Takahashi and T. Nakamura ApJ 596 L231 (2003). Brans-Dicke parameter Sn 1/ Hz1 /2 -19 -20 DECIGO -21 -22 NS-NS background 1% DECIGO with other noise sources WD binary confusion NS-NS binary confusion -23 -24 -25 -3 -2 -1 1 2 log10 f 合体1年前から合体までを観測することを想定 合体直前でない方が強い制限を与えるかも知れないが、 1.4M◎NS+0.5M◎BHの場合: wBD > 5.6×1010 (3000Mpc/D) 1.4M◎NS+10M◎BHの場合: wBD > 2.3×109(3000Mpc/D) 検算はできてないが、非常に強い制限をつけることが 可能なことは確かなようだ。 R. Takahashi and T. Nakamura, Prog. Theor. Phys. 113, 63 (2005) X matter (ダークエネルギー) Pw z wz w z wz w0 w1z Ultimate Decigo この精度までいけば他の方法を上回る ただし、conservative Decigoではそれぞれ103ほど大きい Inflation起源の背景重力波 • tensorゆらぎのamplitude = inflation energy scaleの直接的な測定 GUT inflation の場合に WGW=10-15~16 • CMBのB-modeでもわかるが r=(Tensor/Scalar)=10-2 with CMBpol or Inflation Probe CMB 1016 0.1Hz consistency relationが非常に精度良くチェックされる r~nT • インフレーション後の宇宙の進化の過程でより大きな背景重力波が 生成された可能性もある プレヒーティングでの重力波生成 → 須山さん 2次のゆらぎから作られるので Gaussianではなく c 2-分布 クリーニングの問題 • 遠方のBinary NS のシグナルが検出できる かどうか。 • 検出できないと数が多すぎてノイズになる。 (~105events/yr) • テンプレートがあるのだから、引き去ればよい。 • 原理的には可能だが現実的には? → 神田さん、疋田さん Cutler & Harmsを元に瀬戸さんがコンパイルした図 NS binary foreground for present day event rate 10-7 Mpc-3 yr-1 (この線は若干適当です) このrateなら完全にクリーニングできなくても それほど他の観測の邪魔にはならないか? th=40と考えるとクリーニングには 3倍良い感度が必要 この図は10-7 Mpc-3 yr-1程度のrateの場合 にはFP-DECIGO baseでもかなりの割合の binaryが検出されていることも意味している WGW =10-12 levelの背景 重力波が作るノイズ (この線は若干適当です) その他のforegroundのソースとしてPOP-III大質量星の超新星爆発 0.1~1HzあたりでFP-DECIGOを数倍超えるlevelにまで達する? →諏訪さん rateの評価に対して別の角度から、 →大向さん このソースは0.1~1Hzあたりではstep fn的に見える。 subtractionが可能か?rateに非常に依るのではないか?
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