中間発表会2007春

DECIGOに対する
サイエンスからの要請
田中貴浩
第5回DECIGOワークショップ
DECIGOの意義
何故重力波なのか
強い重力場で一般相対論は本当に正しいのか?
gravitonはちゃんと伝播してくるのか?
正しいという方に賭ける物理屋は沢山いるかもしれないが、
正しいと言いきれる物理屋はいない。
ブラックホール時空の時空構造をプローブする。
Minkowski + perturbation を越えた時空構造を初めて覗く
重力波の強い透過力
宇宙初期を見通す力がある。インフレーション、リヒーティング
コンパクト天体の性質を調べるのに有効
バイナリーパラメータ、半径、超高密度での状態方程式の決定
統計と宇宙論
基礎過程が理論的によく理解されている(これからさらに理解がすすむ)
プロセス(コンパクト天体の連星)がある。ビーミングも余り重要でないの
で観測によってイベントレートがばっちり決まる。
Deci Hz 帯の優位性
背景ノイズが低い
原理的には最高のS/Nが実現できるバンド
相対論の検証、重力波の宇宙論への応用、いずれにおいても
もっとも高精度な観測ができるポテンシャルがあるバンドである。
高い角度分解能 他の波長に比べて原理的に100倍高い
太陽質量程度の連星の合体予報、電磁波による観測とシンクロ
Targetの存在という点においても自然
mass rangeとしては104 M◎程度までがターゲット、ringing tailはもう少し上まで、
巨大ブラックホール、銀河中心の成長プロセスを明らかにできる。
→榎さん
太陽質量程度の連星もtargetになる。
つまり、DECIGOが実現すれば、大きな成果を挙げることは間違いない。
それでは、何故、他の国はやらないのか? 否、BBOがある。
それでも、現時点では野心的な計画
相対論
☆☆☆ golden event S/Nが大きい
銀河中心核BHはたぶんKerr BHである
例えば、Brans-Dicke parameterへの制限はすごい
宇宙論
☆☆☆ 105envents/yrのNS-NS連星のカタログ
中質量ブラックホールのカタログ
インフレーション起源の背景重力波
(複数台/クリーニング必須)
Dark Energy(他の観測手段もある,ultimate DECIGOが必要)
天体物理
☆☆☆ やはり、地上の100Hz-kHzの方が面白いのではないか。
しかし、他の観測手段と連携したときには
合体予報ができることは非常に魅力的である。
hrms~10-23で300Mpcまでarcmin以下の精度で位置が
0.1秒以下の精度で合体時刻が予言できる
R. Takahashi and T. Nakamura ApJ 596 L231 (2003).
Brans-Dicke parameter
Sn 1/ Hz1 /2 
-19
-20
DECIGO
-21
-22
NS-NS background 1%
DECIGO with other noise sources
WD binary confusion
NS-NS binary confusion
-23
-24
-25
-3
-2
-1
1
2
log10 f
合体1年前から合体までを観測することを想定
合体直前でない方が強い制限を与えるかも知れないが、
1.4M◎NS+0.5M◎BHの場合: wBD > 5.6×1010 (3000Mpc/D)
1.4M◎NS+10M◎BHの場合: wBD > 2.3×109(3000Mpc/D)
検算はできてないが、非常に強い制限をつけることが
可能なことは確かなようだ。
R. Takahashi and T. Nakamura, Prog. Theor. Phys. 113, 63 (2005)
X matter (ダークエネルギー)
Pw z 
wz  
w z 
wz  w0  w1z
Ultimate Decigo
この精度までいけば他の方法を上回る
ただし、conservative Decigoではそれぞれ103ほど大きい
Inflation起源の背景重力波
• tensorゆらぎのamplitude = inflation energy scaleの直接的な測定
GUT inflation の場合に WGW=10-15~16
• CMBのB-modeでもわかるが
r=(Tensor/Scalar)=10-2 with CMBpol or Inflation Probe
CMB
 1016
0.1Hz
consistency relationが非常に精度良くチェックされる
r~nT
• インフレーション後の宇宙の進化の過程でより大きな背景重力波が
生成された可能性もある
プレヒーティングでの重力波生成
→ 須山さん
2次のゆらぎから作られるので Gaussianではなく c 2-分布
クリーニングの問題
• 遠方のBinary NS のシグナルが検出できる
かどうか。
• 検出できないと数が多すぎてノイズになる。
(~105events/yr)
• テンプレートがあるのだから、引き去ればよい。
• 原理的には可能だが現実的には?
→ 神田さん、疋田さん
Cutler & Harmsを元に瀬戸さんがコンパイルした図
NS binary foreground for present day event rate
10-7 Mpc-3 yr-1 (この線は若干適当です)
このrateなら完全にクリーニングできなくても
それほど他の観測の邪魔にはならないか?
th=40と考えるとクリーニングには
3倍良い感度が必要
この図は10-7 Mpc-3 yr-1程度のrateの場合
にはFP-DECIGO baseでもかなりの割合の
binaryが検出されていることも意味している
WGW =10-12 levelの背景
重力波が作るノイズ
(この線は若干適当です)
その他のforegroundのソースとしてPOP-III大質量星の超新星爆発
0.1~1HzあたりでFP-DECIGOを数倍超えるlevelにまで達する?
→諏訪さん
rateの評価に対して別の角度から、
→大向さん
このソースは0.1~1Hzあたりではstep fn的に見える。
subtractionが可能か?rateに非常に依るのではないか?