DECIGO/BBOで測る宇宙の加速膨張

DECIGO/BBO ではかる
宇宙の加速膨張
高橋 龍一(国立天文台)、中村 卓史(京大)
submitted to Phys. Rev. D, astro-ph/0408547
§1. 赤方偏移の時間変化を用いて、
宇宙の加速膨張を決定する方法
(Loeb 1998)
赤方偏移の時間変化 Δz
観測者
遠方の天体
赤方偏移 z
Δt 年後に同じ天体を観測
赤方偏移 z+Δz
宇宙が加速膨張:ドップラー速度が時間とともに増大、 Δ z>0
減速膨張:
減少、 Δz<0
z  H 0 (1  z )  H ( z ) t
 H 0 t
 t 
 10  2 
 10 yr 
8
後退速度 Δv=cΔz
 t 
v  1 m /s  2 
 10 yr 
惑星探査では、多くの吸収線を用いて、星のドップラー
速度が 3 m/s 程度で決まる。
この技術を応用して、QSOの(吸収線から)ドップラー速度
が同じ精度で決まれば、宇宙の加速膨張が直接測れる。
§2. 中性子星連星からの重力波を
用いた宇宙加速膨張の決定方法
連星
赤方偏移
z
時間間隔
t Z
(Seto, Kawamura & Nakamura 2001)
T=t Z 1+z 
T  t0  X(z) t
2
0
加速膨張による補正項
観測者
現在
z=0
時間間隔
t0
1
H (z) 
X(z)   H 0   H0
2
1 z 
: acceleration parameter
◆連星からの重力波の位相に対する
宇宙の加速膨張の影響 (Seto et al. 2001)
連星 赤方偏移 z
時間間隔
観測者 現在 z=0
t Z
時間間隔
T  t0  X(z) t02
重力波の位相
t0
T=t Z 1+z 
f :重力波の周波数
2 f T  2 f t0  2 f X(z) t02
加速膨張による補正項
~
●連星の重力波波形 h (f) (周波数空間)
M1

M1, 2 :連星の質量
 :公転運動の角振動数
f :重力波の振動数
M2
f  
Newton 近似の四重極公式 (Cutler & Flanagan 1994)
~
h (f)  ei  (f)

3
25
-5/3
10/3 -13/3
 (f)  2 f t C - C -  8 M CZ f  X(z)f -13/3M -CZ

4 4
32768
t C , C :coalescence time, phase
MCZ   M1 M 2 
M1  M2  1  z
:redshifted chirp mass
3/5
-1/5
加速膨張による補正項
◆DECIGO 計画 (Seto, Kawamura & Nakamura 2001)
(DECi hertz Interferometer Gravitational wave Observatory)
1.4  1.4 M
at z  1
Ultimate DECIGO( h  10-27 )
での10 yr 観測
S/N  10
Ultimate DECIGO
4
X(z) H0   10 -2
●Seto et al. (2001) との違い
1)中性子星連星の合体率
 1 106 Mpc 3 yr 1
(Kalogera et al. 2004)
年間 10 45 個程度の合体が
DECIGOで観測される
パラメター決定精度が 1 1045
 102  103 程度良くなる
2)連星の質量と赤方偏移
様々な質量: 0.1  105 M
赤方偏移 :
z  02
・S/N
S
N
2
df ~ 2
4
h(f)
Sn(f)
~ :加速膨張を考慮した
h(f)
inspiral waveform
・パラメーターの決定精度
~ は6つのパラメーターに依る
i   A, MCZ , Z , t C , C , X(z)
h(f)
 i の決定精度
  
i  
-1
1/2
ii
~
~
df  h (f)  h(f)
: Fisher matrix
ij  4 Re 
Sn(f)  i  j
§3.結果
・Acceleration parameter X(z) の決定精度
1
H (z) 
X(z)   H 0 
2
1 z 
中性子星連星の合体イベントを
Ultimate DECIGO で1年観測
S N  2 104 H 0 DL 
1
実線:ΛCDMモデル
縦棒:決定誤差(1σ)
H ( z )  (1  z )  H 0  2 X ( z) 
から H (z ) も決定される
・ X(z) の相対誤差
Ultimate DECIGO での1(10)年観測により、
X(z) は1(0.01)%程度の精度で決定できる
§4. まとめ
1.Ultimate DECIGO による連星からの重力波観測から、
宇宙の加速膨張が1%以下の精度で決定できる
可能性がある。
2.これはSNAP (SuperNova/Acceleration Probe ) などの
超新星を用いた手法とは、また別のものである。