後期高齢者 医療制度について

保険料の見直しについて
埼玉県歯科医師国民健康保険組合
見直しの目的
1 単年度収支の赤字を解消すること。
2 国庫補助金が削減された場合の収入不足
分を解消すること。
※ 1の問題については、 収支の安定が目的であり、赤字
になった原因は算定率等を元に戻すことで、早期に手当
てが必要となる事項。
※ 2の問題については、政局が流動的であり、法律が改正
される時期も未だ不透明なので、実際に施行されてから様
子を見て、対処したい事項。
 1と2を同時に改正する事は、被保険者に急激
な負担が課せられる事になるので、考えていない
。
単年度収支が赤字となった理由
収入割保険料の算定率を以下の理由により引き
下げた。
◆ 平成13年度に8/1,000から7/1,000
・当時の単年度収支が約8,600万円の黒字であった。
・被保険者に健康意識の高揚をお願いした。
◆ 平成15年度に7/1,000から6/1,000
・組合員(本人)の一部負担割合が変更により1割から
2割に増加した。
以上の理由から算定率を引き下げても収支は、
安定すると推考していた。
その結果どうなったのか? その1 (単位:千円)
≪平成16年度≫
※ 収入割保険
料の算定率を
引き下げたた
め、平成16年
度から単年度
収支の赤字が
続いた。
歳入合計
(単年度)
2,046,475
保険料
1,401,995
国庫支出金
616,040
その他28,440
※ 平成16年度
に約5億円あっ
た繰越金が毎
年、減っていっ
た。
単年度収支
△92,913
前期繰越金
499,315
歳出合計
2,139,388
保険給付費
1,163,867
≪平成17年度≫
歳入合計
(単年度)
2,042,311
保険料
1,406,272
歳出合計
2,131,805
保険給付費
1,148,977
老人保健拠出金
老人保健拠出金
680,132
668,565
介護納付金
171,852
国庫支出金
612,328
保健事業費
44,322
その他
79,216
その他23,711
次期繰越金
406,402
前期繰越金
406,402
単年度収支
△89,494
介護納付金
191,394
保健事業費
44,310
その他
78,559
次期繰越金
316,908
減少
歳入合計
2,545,790
歳入合計
2,448,713
その結果どうなったのか? その2 (単位:千円)
≪平成18年度≫
※ 毎年、減って
行った繰越金
が、平成19年度
は、約1億4,200
万円となって、
今後の決算剰
余金がマイナ
スになると予
想された。
歳入合計
(単年度)
2,035,887
保険料
1,405,847
歳出合計
2,107,759
保険給付費
1,157,294
≪平成19年度≫
歳入合計
(単年度)
2,075,124
保険料
1,400,210
国庫支出金
600,449
その他29,591
単年度収支
△71,871
介護納付金
196,903
保健事業費
48,991
その他
88,618
国庫支出金
620,473
その他54,441
単年度収支
△103,037
前期繰越金
316,908
歳入合計
2,352,795
次期繰越金
245,037
保険給付費
1,129,577
老人保健拠出金
老人保健拠出金
615,953
歳出合計
2,178,161
前期繰越金
245,037
歳入合計
2,320,161
683,714
介護納付金
199,008
保健事業費
50,068
その他
115,794
減少
次期繰越金
142,000
その結果どうなったのか? その3 (単位:千円)
 老人保健拠出金
の廃止
 新たな保険料と
負担金の開始
(後期高齢者支援金と
前期高齢者納付金)
 前期高齢者納付
金の3年間の激変
緩和措置(急激な支
払いを避けるため緩
やかに支出が増加し
ていくこと)
 上記により平成
20年度からの黒字
は、一時的に支払い
が少ないために蓄
えられたもの。
≪平成20年度≫
歳入合計
(単年度)
2,398,111
歳出合計
2,120,428
≪平成21年度≫
歳入合計
(単年度)
2,456,432
保険給付費
1,153,166
保険料
1,685,228
後期高齢者支援金
464,053
保険給付費
1,216,702
保険料
1,698,068
前期高齢者納付金
100,418
国庫支出金
678,648
その他34,235
単年度収支
277,680
歳入合計
2,540,111
介護納付金
200,061
保健事業費
61,859
国庫支出金
675,831
その他82、533
次期繰越金
419,680
前期繰越金
419,680
老人保健拠出
金の廃止
後期高齢者支援金
523,572
前期高齢者納付金
192,663
その他140,871
前期繰越金
142,000
歳出合計
2,347,196
歳入合計
2,876,112
介護納付金
208,171
保健事業費
64,912
その他141,176
次期繰越金
528,913
単年度収支
109,233
その結果どうなったのか? その4 (単位:千円)
 前期高齢者納付
金の3年間の激変
緩和措置が平成22
年度で終了し、支
払いは、満額にな
り、その後も徐々
に増える。
(1/3・2/3・満額)
 平成23年度の収
支決算(推計)で、
単年度収支の赤字
が更に大きくなる。
(主な原因は、前期
高齢者納付金等の
負担金の増加によ
るもの。)
≪平成22年度≫
歳入合計
(単年度)
2,519,854
保険料
1,690,908
歳出合計
2,556,691
保険給付費
1,271,865
≪平成23年度≫
歳入合計
(単年度)
2,552,292
保険料
1,759,914
455,711
350,465
その他の負担金
(後期・介護)
742,532
その他55,969
単年度収支
△36,838
前期繰越金
528,913
歳入合計
3,048,767
保健事業費
65,225
保険給付費
1,284,533
前期高齢者納付金
前期高齢者納付金
国庫支出金
772,977
歳出合計
2,704,187
国庫支出金
759,106
その他の負担金
(後期・介護)
その他33,271
保健事業費
60,000
その他126,604
単年度収支
△151,896
次期繰越金
492,075
前期繰越金
492,075
歳入合計
3,044,367
800,603
その他103,340
次期繰越金
340,179
減少
第1段階 単年度収支の赤字と対策
平成22年度の決算か
ら単年度収支の赤字
が再度発生
平成23年度も約
1億5,200万円の
赤字を見込む
赤字
収入割保険料
(算定率と限度
額)の引き上げ
対策1~4と結果
収入割保険料
算定率
限度額(年額)
現 行
6/1,000
3,000万円
18万円
実施の効果
対 1
8/1,000
現行通り
24万円
1億392万円の増
2 現行通り
4,000万円
24万円
6,400万円の増
3
7/1,000
4,000万円
28万円
1億2,500万円の増
策 4
8/1,000
4,000万円
32万円
1億8,800万円の増
≪対策3とする≫
算定率 6/1,000 ⇒ 7/1,000
限度額 3,000万円 ⇒ 4,000万円
算定率 6/1,000⇒7/1,000
(単位:1組合)
 収入割保険料算定率を
取り入れている18組合の
うち7/1,000が一番多く、
変更する本組合を入れて
7組合ある。
7
埼玉県
3
2
1
1
1
1
1
1
3.3
4
5
5.5
6
6.5
7
8
17
1,000
1,000
1,000
1,000
1,000
1,000
1,000
1,000
1,000
(算定率)
限度額(上限) 3,000万円⇒4,000万円
4,000万円の限度額としたのは、近年の診療
報酬額の総収入合計の平均額が、3,000万円を
超えていること。
診療報酬額(社保・国保)
年度
郡市該当者数
総保険収入額
総収入平均額
22
2,065人
80,815,546,357円
39,135,858円
21
2,059人
76,985,203,460円
37,389,608円
3,000万円
限度額(年額) 18万円⇒28万円 (単位:円)
限度額(上限)
を改正する事に
より限度額の年
額が28万円とな
るが、所得割を
実施している他
の国保組合と比
べるとまだ、安
い金額である事
が分かる。
道府県
会員事業主である組合員(所得割)
均等割
上限・年額
後期高齢者支
援金保険料
均等割りに含
む
計(月額)
大分県
10,000 400,000(約33,300)
三重県
8,000 400,000(約33,300)
1,000
42,300
北海道
8,600 350,000(約29,100)
2,400
40,800
全国歯
4,700 390,000(32,500)
2,700
40,100
茨城県
7,000 360,000(30,000)
2,300
39,900
福島県
4,500 360,000(30,000)
2,600
39,300
兵庫県
7,200 300,000(25,000)
3,000
37,100
群馬県
5,000 350,000(約29,100)
2,300
34,100
愛媛県
4,000 350,000(約29,100)
1,000
35,200
埼玉県
5,000 280,000(約23,400)
2,800
31,200
2,700
29,700
2,700
26,500
福岡県
千葉県
27,000 なし
3,800 240,000(20,000)
43,300
大阪府
20,900 なし
3,700
24,600
神奈川県
20,000 なし
4,000
24,000
高
低
保険料がどれだけ増える?
≪第1種組合員の事業主が対象≫
収入金額
改正前の
保険料月額
改正後の
保険料月額
増額分
500万円の場合
2.500円
約2,920円
420円
1,000万円の場合
5,000円
約5,840円
840円
1,500万円の場合
7,500円
8,750円
1,250円
2,000万円の場合
10,000円
約11,670円
1,670円
2,500万円の場合
12,500円
約14,590円
2,090円
3,000万円の場合
15,000円
17,500円
2,500円
3,500万円の場合
15,000円
約20,420円
5,420円
4,000万円の場合
15,000円
約23,340円
8,340円
以前は、上限額が3,000
万円までだったので、そ
れ以上は、一定である。
今回の改正で大幅な増
額となる事業主は、
全体の36%である。
第1段階 今後の予定
平成23年 7月
第123回通常組合会の協議事項として組合会議員
へ説明。
平成23年12月
国保理事会で規約の一部改正案(保険料金額を改
正したもの)の承認。
平成24年 1月
国保理事会で歳入歳出予算案(保険料改正後、試算
したもの)の承認。
平成24年 2月
第124回臨時組合会で規約の一部改正案、歳入歳
出予算案の承認。
平成24年 4月
収入割保険料の引き上げ
≪1月までの対応として≫ ※ 埼歯郡市会長会で説明する。
※ 郡市会の例会等で説明する。
※ 埼歯の広報誌等で周知する。
今後、対応していくこと
平成22年度の事業仕分けと厚生労働・財務・国家戦略3大臣の折衝に
おいて国保組合に対する国庫補助金の見直しが行われた。
本組合は、次のとおり通達があった。
 定率補助率は、32%から8%に下がる。
 金額にして約5億円の補助金が削減される。
 実施年度(未定)から激変緩和措置により5年間かけて毎
年減額となる。
 国庫補助の削減による収入減の確保(平等割保険料等)
32%(現行)
8%(改正
後)
1億9,283万7千円
6億9,319万5千円
5億35万8千円の収入減
(平成23年度の予算推計から)
準備金積立金剰余分の取り崩し
(保険料据え置き期間)




取り崩しが可能な積立金は、準備金積立金のみ
準備金積立金から5億円(平成22年度決算)の取崩しが可能なこと。
もし、国庫補助金の削減が始まった場合、一遍で無くなってしまう金額。
今後の急な負担金の支出等に対応するため、この積立金は本組合の
体力保持なものとして残しておきたい。
(単位:千円)
法定額
準備金積立金
剰余金
141,940
500,860
積立金合計
642,800
歳出の支出額を抑える。 (随時)

保険給付費や負担金(後期高齢者支援金、前期高齢者・介護納付金)
は高齢化社会や高額医療費等の増加による医療費の増加から抑制す
ることは難しい。
 保健事業や総務費の支出の削減は、着々と実施している。
最後に
今回の保険料の見直しは、2段階方式で考え
られており、第1段階の収入割保険料の値上げ
では、本組合は収入割ですが、市町村国保でも保
険料の応益と応能負担というものがあり、所得
が高い被保険者に高い負担率で税金や保険料を
課すという方法があって実施に至っています。
また、先に平等割保険料を引き上げてしまう
と所得の低い従業員(第2種組合員)に重い負
担となってしまい、組合を離れてしまう。
第2種組合員の確保と母子家庭等の負担軽減
のため、第1段階の見直しでは、考えていない。