スライド 1

60
CAMACを用いた Coからのγ線のコインシデンス測定
柴田研究室 小六 泰輔
2.
1. CAMAC ADC を用いたDAQシステム
利点と特徴
・ モジュールあたりのチャンネル数が多く、
多数の検出器を同時に扱う測定に向いている。
60Coのβ崩壊後の遷移による2つのγ線
60Coのβ崩壊後に放出される主なγ線
・ クレートコントローラ上で
プログラムを実行することで
モジュールを一括で操作する。
一つ目のγ線 (1173keV) が
放出されてから、約0.7ps後に
二つ目のγ線 (1332keV) が放出される。
CC/NET ・・・
・東陽テクニカ製CAMAC
クレートコントローラ
・オンボードPCとしても機能する
2つのγ線が数psの時間内に計測されれば、
それらは1つのβ崩壊に起因するγ線
CC/NETを用いたDAQプログラムの例
1173 keV
1332 keV
60Coのβ崩壊の
エネルギー準位図
2つの検出器を用いて
γ線のコインシデンス測定をすると 相関が現れる
3. コインシデンス測定のセットアップ
200ns
Signal1
30ns
NaI シンチレーター + PMT
Signal2
一方のシグナルの幅を広めに取り、
もう一方のシグナルがその範囲に
入ってきたときにのみデータを取る
60Co
(9.24×104 Bq)
→ 崩壊の周期は数十μsecであり、
これは60Niの遷移に比べ十分に長い。
一方はスレショルドを高めに設定し、
ピークのみを測定した
1つのβ崩壊に起因するγ線のペアのみを
選び出すことができる
4. エネルギースペクトル
カウント数
Detector1で低エネルギーのγ線を
測定しているため、Detector2では
高エネルギーのγ線のみの
スペクトルが得られた。
Detector2自身の
スペクトル
Detector1で測定したγ線のエネルギー (keV)
横軸への射影
1173 keV
Detector1で高エネルギーのγ線を
測定しているため、Detector2では
低エネルギーのγ線のみの
スペクトルが得られた。
カウント数
Detector2で測定した
γ線のエネルギー (keV)
カウント数
Detector2で測定したγ線のエネルギー (keV)
1332 keV
Detector2で測定した
γ線のエネルギー (keV)
カウント数
Detector2で測定した
γ線のエネルギー (keV)
Detector1で測定した
γ線のエネルギー (keV)
以上のように、2つの検出器で得られたγ線のエネルギースペクトルに相関が見られた。
これはβ崩壊後に2つのγ線が連続的に放出されていることを裏付ける。
2種類のγ線のエネルギースペクトルを分解できたことから、
コインシデンス測定がイベントの選別に有効であることがわかった。