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新章の内容
(講義要項第7-15回:情報学による社会論
1)「科学のための科学」から「人間と社会のための科学」へ
工学化・政策化・技術化・学際化の流れに沿った固有の学問論の
必要性
2)分子生物学・ゲノム科学のインパクト(人間と社会への!インパク
ト)
(11/29)
3)新しい自然哲学の設計:社会に法則はあるのか?
4)理系・文系を統合する科学論の設計
5)人間と社会のための科学論の設計
6)現代科学の新編成
7)まとめ(12/6) 12/13:公正の社会学
12/20:本務校の都合により休講
吉田民人 2001 「新しい学術体系」の必要性と可能性学術の動向
経営社会学の可能性
人類の諸問題
“情報化”社会
需要増大の経済効果
を保ちつつ、 資源の
量に依存しないで喜
びを取り戻す(共感す
る。)
平和・環境問題
世界を救うか、経営学!?
我々の日常生活・感性
我々が変わらなければ“情報化
社会”は変わらない。
例:楽しみ(自己決定性・創造性・
フィードバック)が得られる仕事
密接に関連
人間と社会のための科学のために
さまざまな学問との融合の必要性
経営学・経済学・社会学・政治学・法学
物理学・化学・生物学・地学
なりたい自分になれる社会・会社・生活
環境・資源
“実践”的な問いの解決
既存の1つ1つの
学問領域だけで
は解けない
学際的、特に文理融合のための(物理学還元主
義ではない)新しい科学論が必要かな?…なぜ
理系=法則の解明
文系=言語的・意味的「世界」の解明
どちらも必要な気がするが…なぜ??
(Ⅰは置いといて)
Ⅱ分子生物学のインパクト
吉田民人
1967年 情報科学
の構想
なぜ、“情報”か
分子生物学のインパクト!
分子生物学って?
一生を“情報”
のにささげてき
た人
分子生物学
設計図(ゲノム)
(遺伝子型)
遺伝コード(genetic code)
塩基配列
(物理科学的発現)
たんぱく質(表現型)~自己組織化
分子生物学のインパクト
一般的な分子生物学の解釈
物理学で生物
学説明でき
た!
科学観~物質(=エネルギー)法則一元論
ゲノム
吉田の解釈
(設計図)
境界条件
(物理・化
学法則)
生物の世界 物質/エネルギーと同じぐらい設
計図が重要!
分子生物学のインパクト つづき
秩序原理
物質/エネル
ギー“法則“一
元論
生物以降
+もうひとつの
秩序原理=情
報による設計図
途中から一元論から二元論に変わる科学観
(ものの見方の一つ)
伝統的な哲学からするとヘンな用語法!
新しいコンセプト(?!)~有用であるならば…
もうひとつの秩序原理
新しいコンセプトに名
前を付けよう!
どんな名前でもよい。 ラテン語とか
アルファベット3つとかがカッコイイ
しかし、吉田は…
設計図というメタファー(metaphor 隠喩⇔直喩)
気に入っている
Pro=前もって+gram=書かれたもの
→program
誤解されやすい
~苦難の始ま
り!
情報=コンピュータ=プログラムの連想
物理/エネルギー法則+プログラム
二元論の利点 1
生物学
分子生物学
の登場
表現型で分類
遺伝型で分類
Ex. 系統樹
プログラム科
学観の登場
(?!)
生物発生以降
の世界の分類
プログラム(“情報
“の一種)で分類
情報を担う記号の“進化“で分類しなおす!
~記号進化論(詳しくは別の機会)
物理/エネルギー法則+プログラム
二元論の利点 2
物理学帝国主義との決別
生物学以降の学問
物理学的な法則の“発見“にと
らわれなくても済む。
法則を“認識“する科学から”創造“の科学へ
そもそも、生物以降に“法則”ってある(見つかって
いる)の?(次回以降のテーマ)
置いておいたⅠ新しい学問の必要性へ
いままで
大元の法則を認識する
科学(物理学)
その他の分野
吉田理論以後(?!)は…
エライ
応用
法則発見
=
プログラム解明
同等の価値
万有引力の法則発見以降の近代科学観
同じぐらいのインパクト~プログラム科学
既存の学問領域
の中で流行り廃り
~paradigmsの変
化(Ex.唯物論・ケ
インズ経済学)
17世紀ニュートン
科学以来のはじめ
ての変化
The
paradigm
新しい学術体系の必要性
1) 分子生物学によって、物理法則と異なる
タイプの“秩序原理“が、物理法則と同じぐ
らい重要性を帯びてきた。
2) 科学のウェートが認識に偏る傾向が強
くなってきた。
しかし
3)社会の科学に対する要請は、認識よりも
“実践“にシフト
コンセプト作り
×
“自然にある“ものを認識する
○
“実践”のために認識する
(コンセプトによって認識)
極めて恣意的! 価値まみれ…
一向に構わない。ただし自分の価値を認
識していること。
理系=法則を認識する科学
ミッシングリンク
分子生物学
文系=言語的・意味的世界を解明
こうなるように科学を定義しなおす!
法則はあるのか
法則~システムに妥当する(人間の目的によって認識~道
具的科学観)変容不能(斉一性)の物理<法則>
システムに内蔵された変容可能な遺伝・文化的<プログラム>
または経験的一般化・ある種の合理性を仮定したプログラム
プログラムの合成波及効果
プログラムと考えた方が便利
物理学との違い
我々はプログラムを内蔵している
自己組織(変容可能)
しかし複数のプログラムが複雑に絡
み合っていて、合成波及効果解明す
る必要がある
我々社会科学者が解明しようとしているのはプログ
ラムの生成・発展・衰退・消滅とその合成波及効果
いままで前提としている価値
新しい情報化社会の構築
認識科学
(対象のありのままの姿を記述・説明・予測する科学)
文理融合
設計科学
(対象のありたい姿やあるべき姿を計画・説明・評価する科学)
【進化段階限定】
宇宙史段階
秩序原理
物理法則
秩序原理を担う記号
パタン
生物誕生
遺伝子・ホ
ルモン
人間誕生
制度・法律・
慣習・マ
ナー・ルー
ル・習慣…等
[広義の情報]
シグナル
シンボル
記号
記号
情報の定義の可能性
最広義=パタン一般
広義の情報=任意の進化段階の記号集合一般
狭義の情報=人間レベルの記号集合
最狭義の情報自然言語としての情報
1)伝達され2)認知機能を担って3)意思決定を前提をし
た4)単用的な5)外記号の集合
我々の価値に従えば….
吉田民人, 鈴木正仁編著 1995 「システム・情報・自己
組織性―知の情報論的転回―」
『自己組織性とはなにか : 21世紀の学問論にむ
けて』 ミネルヴア書房 6ページ~130ページ
木下富雄, 吉田民人編 1994 「社会情報学の構想とそ
の背景―新しいDisciplineをめざして」
『記号と情報の行動科学』 福村出版 325ペー
ジ~350ページ
今週の終わりに…文理融合の具体例:女性学
理系
文系
従来
生物学的性差(sex)と社会的性差(gender)
最近
Sexも
Gender!
理系・文系に分か
れていては議論不
可能 差異化の実
践と定義
ジェンダー
:ニ項対立
セックス
:常識的には二項(男性・女性)
多項的
遺伝・解剖学的には連続的。2つに見ている(分
類している)のは我々のジェンダー。
女性は生む性
ジェンダー
安全学
村上陽一郎 2003 『安全学の現在 : 対談集』 青土社 39-52
ハインリッヒの法則
大事故・中事故・小事故の比
1:29:300
現代→1:2:10程度か
統計的な一般化~単なる経験的一般化
プログラムの合成効果
複数のプログラムの合成効果
(意図せざる結果を含む)
なぜ現代は大事故割合が増えたか?
人工物システム~物理法則(第一層)の変化
莫大な物質-エネルギーを扱えるようになった
シンボル性プログラムによる設計・構築される
第二層とシンボル性プログラムによって設計・
構築される第三層のミスマッチ
人工物システムのシグナル性プログラム
(記号の伝送)~大幅にアップ
追いつ
いてい
ない
人間のシグナル性プログラム~人間工学
シンボル性プログラム~経済・経営学・社会学・法学
人間工学
人間単体の認知・評価・指令プログラム
(ヒューマンエラー)を考慮した設計
経済・経営学・社会学・法学
ヒューマンエラーのあとの対処
事故隠し~罰を厳しくすると隠す(現代社会の理論)
長期的な経済合理性
2.5人称の必要性~人間と社会のための科学
複数の評価プログラム間の調整