pn接合容量測定実験装置の製作

pn接合容量測定実験装置の製作
発表者:石田 俊介
指導者:前川 公男 教官
目的
• 固体電子デバイスの基礎
半導体のPN接合から発生する性質を利用している。
PN接合容量を測定する装置を
設計、製作することが目標である。
容量測定器の製作
• ダイオードに逆バイアス電圧を印加
空乏層が発生 、キャパシタの働きをする 。
ダイオードをコンデンサであるとみなし、静
電容量を測定する装置を設計・製作する。
ブリッジ回路を用いた容量測定器の設計
Cは誘電損と漏れ抵抗分を含む
等価的に無損失の静電容量と純抵抗の組み合わせ(直列ま
たは並列)で表される!
ダイオードをコンデンサとみなし、
ブリッジ回路を用いて容量計を製作する。
ブリッジ回路とは?
図のような回路を考えたとき、各点をa,b,c,dとすると、
Vad = E・R2 / (R1 + R2)
Vbd = E・R4 / (R3 + R4)
ブリッジが平衡するとはVab = 0 である
から、Vab = Vad – Vbd = 0
これより、
R1 / R2 = R3 / R4 (ブリッジの平衡条件)
ブリッジ回路が平衡すれば、試料ダイオードのCが分かる!
ブリッジ回路を用いた容量計の設計回路図
実験結果の考察
• a-GND間の電圧波形をオシロスコープで観測
平衡点らしきものが観測されたが・・・
ノイズなどにより正確な波形の観測は困難
信号周波数成分のみ増幅できるような
同調増幅器を設計する!
並列T形回路とは?
• 並列T形回路を負帰還した回路は、特定の周波
数で増幅度が最大になる特性を持つ。
図. 並列T形回路
並列T形回路を用いた同調増幅器の設計
実験結果
同調増幅器の周波数特性
25
20
最大で23.5[dB]
G[dB]
15
60~80[dB]
が理想的
10
5
0
1
10
100
1000
f[Hz]
10000
100000
よりゲインが
大きい回路の
設計が必要!
並列T形回路を用いた同調増幅器 その2
実験結果
同調増幅器の周波数特性 その2
45
最大で43[dB]
40
35
G[dB]
30
容量計を接続して
実験
25
20
15
10
5
0
100
1000
f[Hz]
10000
平衡点の観測
が容易になった!
考察
• なぜ完全な平衡点が取れなかったのか?
容量計のブリッジ回路の設計に問題があったことが原因
流れないと近似したダイオードの抵抗分に僅かな電流が
流れ、完全な平衡が取れなくなった!!
実際には、ダイオードの抵抗分と接合容量の二つについて
平衡を取らなくてはならない!
今後の課題
(1) 一段ではゲインが不足するのでOPアンプを
二段にすること。
(2) 平衡を取るための可変抵抗のレンジを拡大化
すること。
(3)MIS容量直記装置やLCRメータの測定値との
比較を行うこと。