経済学史学会 第5回若手研究者育成プログラム Manuscriptを用いた研究スタイル 伊藤誠一郎 どんな研究をしたいのか? • どのような研究をしたいのか。 • 研究者としてなにを目指しているの か。 • 理論史家?Historian? どのような論文を書きたいのか? • どのような研究をしたいのか =どのような論文を書きたいのか =どのような学術雑誌に投稿したいのか • 雑誌のランク? 研究者としてのキャリアへの 影響? • どのような雑誌に投稿するか =研究者としての在り方 どのような雑誌に投稿するか? • 例として European Journal of History of Economic Thought と The Historical Journal • 内容: 現物やネット上のfree examplesで、目次や 内容を見て調べる。 • 資料の扱い方: 投稿者向けの注意を参照 EJHET, HJ - Manuscript あくまでも傾向、かつ私見ではあるが、 • HJの方がManuscript類を含む幅広い資料を要求、 よりひろい歴史的なコンテクストの記述を要求 • EJHETの場合は、一次資料そのものの量よりも、テ キストそのものの内在的な分析、いわゆるテキスト・ クリティークを要求 • ManuscriptなどArchiveの資料の利用 :より歴史コンテクストに即して、一次資料によって ストーリーを語らせるタイプの論文を書きたいのであ れば、できる限りの豊富な資料の列挙と整理が要 求される。例えば、HJ。 Manuscriptの調べ方‐研究 ①必要なManuscriptは何かを調べる。 手がかり=二次文献で使われている資料や参考 文献リスト Ex) Horsefield, J.K. (1960). British monetary experiments 1650-1710の参考文献表 ‐今なお研究の出発点になる。 ②資料の展開、 図書館のカタログでのサーフィン 資料を調べていく中で、他の資料の存在を知る Manuscriptの調べ方‐手続き、技術 ①図書館、資料館の利用手続き 必ず事前にHPで所在、利用可能かどうかや利用手続きにつ いて確認 ②書写、写真 (a) 現地で読み込んで、パソコンに打ち込む。‐費用、時間は かかるが、二度手間は減るし、その他の関連資料にもその 場であたれる。 (b) マイクロ・フィルムを取り寄せ、ある程度解読したあとで、 不明な箇所を現地でチェックする。‐効率的だが、時間がかる。 (c) 写真 TNA:手続きをとれば撮影可 British Libraryなど図書館:通常写真撮影はできない。 つづき ③図書館員の活用、図書館員は有能! 決まり文句のラテン語、時代に特有のつづり ④解読のこつ ‐どんな悪筆でも規則性はある ‐長い文章ほど、その規則性は見つかりやすい ‐時代の言語の特徴を調べる。 Ex) 中世英語 例 17世紀の英語Manuscript ‘y’はしばしば‘th’におきかえられる ye = the, you = thou ‘then’はしばしば‘than’ 大文字のかわりに小文字を二つ並べる ff = F 雑誌投稿、レフェリーのコメント • historyの要素の強い雑誌ほどmanuscript 類の利用についてはこだわる(傾向がある) • レフェリーには投稿者がどこにいるかは関係 ないので、当然のごとくさまざまな資料を要求 してくる(場合がある) • ある程度十分な資料を利用していれば、あま りふかく突っ込まれることはない(のかもしれ ない)
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